観客賞座談会:混声合唱の部 その1

 



大変お待たせしました。
観客賞座談会、混声合唱部門の始まりです。

14時前から18団体を聴き続け、
18時半に終演。
いやいや出演者、そして審査員のみなさま、
さらに全団体を聴かれたみなさまお疲れさまでした!


審査発表前に集計を締め切り、
投票用紙、メール、ツイッターで
約40票が集まりました。

 

 


それでは同率第5位の2団体、
出演順に。


 

 

 

 

Vocal Enesemble《EST》

 

 

 

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課題曲G1 Che se tu se'il cor mio





最初の1音で「ESTの音だ!」



そうそう、「ESTおかえりなさい!」って(笑)。



3年ぶりの全国出場だもんねえ。



「この音を待っていた!」という感じですよね(笑)。
自分、ちっちゃいころからESTを聴いていたんで
慣れ親しんだこの音で
「ESTが帰ってきた!」みたいな。



え、「ESTで育ちました」?(笑)



「子守歌はEST」?(笑)



・・・ごめんなさい、
そんなにちっちゃくはなかったです(笑)。



高いポイントをしっかり決めてきて、
とにかく明るい感じが好印象でした!






自由曲:Alfred Schnittke
「Choir Concerto(合唱協奏曲)」より 第2楽章




シュニトケの作品、
わかりにくいんじゃ・・・
と聞く前は思ってた自分でも
すごくわかりやすくて!



そう、何を表現しているかは
イマイチわからなかった私でも
カッコ良かったです!



エキゾチックな和音が鳴ってましたねー。



男声が同じ音を
ずっと鳴らしていたんですけど、
それが単調に聞こえず、ストイックな感じで
カッコ良かった~。



ダイナミクスの幅の広さ!
あれがESTだな!って。



一同 あー!(同意)




最初から最後までずっと
「私たちはESTです!」とアピールしている!



なんかEST独自の世界を創っていると言うか、
オーラをまとっている感じ。



一同 「ESTオーラ!」(笑)



まさにそんな感じでしたね。
ESTのオーラ、世界に飲み込まれました。





《文吾の感想》

課題曲はフレーズ始まりから終わりまで、
たっぷり情感がこもった演奏。

シュニトケもその思い入れの強さは持続し。
座談会の発言にもあった
各パートの同じ音の繰り返しにもそれは現れていました。
そして4声揃ったときの衝撃!
フォルテから、ピアノ、そしてフォルテという
ダイナミクスの増減も自在で強い説得力が。
もちろん音量だけで押し切るのではなく
音の重なりやバランスも良かったです。

繰り返しが多い作品なのですが、
決して単調にならず、聴く者を最初から最後まで
十分に惹き付けた演奏でした。

さらに後半、ソプラノのヴォカリーズが美しかった!
あれは今大会でかなり上位に入る「美ポイント」でした(笑)。



メール投票では

 

期待を遥かに超える演奏でした。
声が2階まで本当によく届き、
音楽も素晴らしかったです。

 

…という感想がありました。









同率第5位の2団体目は…

 

 

 

 

 

 

 



淀川混声合唱団
https://sites.google.com/site/yodokon/

 


課題曲G2 Szép könyörgés 




よどこん良かったねー!



そう、今回は特に力が入ってた!



86名という人数の多さもあるんですけど
豊かな音がじわーっと
ホールに充満していくような…。



サウンドが一皮むけた感じがありましたね。



あと、北川昇先生の
安定のピッチング!



一同(笑)







自由曲:József Karai
「Stabat Mater(悲しみの聖母)」



いやー、これも凄かったね。



こういう曲を演奏したら
やっぱりよどこんは上手いよね、って。



オールマイティな団体なんだと思いました。
叫ぶところ、音を鳴らすところ…
弱音も上手いし、なんでもできる合唱団。



昨年もカライの作品で
計算してちょっと停滞してる?という
感じがあったんですけど、
今回はそこを突き抜けてきたな!と。



それ、思いました!
昨年は予定調和感が少しあったけど、
今年は違いましたね。



演奏の音以外にも
プラスアルファがすっごい聴こえてきました・・・。





《文吾の感想》

課題曲は指揮者が盛り上げるのではなく
各パートからそれぞれ自発的な想いが込み上げ、
大きなうねりとなり、合唱団全体の主張として
伝わってくる音楽が素敵でしたね。
そのフォルテの解放感、
さらにデクレッシェンド、
余韻まで感じさせる巧さに唸りました。

自由曲のカライは緊張感が満ちた演奏。
しかし迫力だけではなく、大音量でも破綻せず、
バランス、音色、音量の選択が
細部に至るまでキッチリ仕上げられていました。

座談会で「昨年あった予定調和感が無かった」
という発言がありましたが
「Mater」とフォルテで3回叫ぶ箇所など
団員さんそれぞれ心からの叫びの印象がありました。
隙が一切無く、最後の「Amen」には
聴く自分の心も救われた気が。

今までは指揮者の伊東さんが用意していた「枠」を
埋めていたような演奏だったのですが
その枠を団員さんの意志が越えていました。
今後のよどこんさんの演奏が楽しみです。



(第4位の団体に続きます)