観客賞スポットライト 大学ユース部門 その1

 

 


今年も始まりました「観客賞スポットライト」というこの企画。


観客賞とは…?


5年前から当ブログで始めた観客賞。
各部門の、全団体を聴かれた方の投票で決定する賞です。

この観客賞の意義を説明しますと
審査員による順位、賞の決定は
音楽のプロフェッショナルたる審査員が
それぞれ真剣に誠実に演奏へ向かい、出された結果であり、
尊重しなければならないと思います。

しかし、「傷はあるけどあの演奏凄く良かった!」
「コンクールに向いてない選曲はわかるけど涙があふれた!」
…などという声を多く聞いていた自分は、
「じゃあ、観客による投票を行ったら
 演奏への新しい価値観が生まれるのではないか?」
と考えました。

さらに「この団体が銅賞だったから私は投票する!」…のような
判官贔屓を無くすため、投票は審査結果前に締め切っています。



この観客賞に関連付ける形で、
団体にスポットライトを当ててご紹介するのが
この「観客賞スポットライト」という企画です。
昨年から続いて今年で2回目となります。


それでは始めましょう!
今年の全国大会は東京。
池袋の東京芸術劇場にて
11月25日、26日に行われます。
東京での全国大会は10年ぶりで
前回は東京文化会館で行われました。

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Photo by ピアノストさん

 


今年は第70回大会という記念すべき大会で
さまざまな催しが予定されているそうです。




今年も合唱倉庫さんから
http://choral.nusutto.jp/
全国大会へ何回出場されたかという
データをお借りしております。
毎回ありがとうございます!




1日目、11月25日土曜日。
最初の部は大学ユース部門。
10時35分から出演予定のトップバッターは
数々の有名合唱人を輩出された
歴史あるこの男声合唱団!

 

 

 



1.京都府・関西支部代表


同志社グリークラブ

 

(男声53名・第1回大会から10回目・4年ぶりの出場)


指揮は今大会で4団体を振られる伊東恵司さん。
伊東さんはこの同志社グリークラブさんのOBでもあります。


演奏曲について、
同志社グリークラブ幹事の方たちからメッセージをいただきました。

 


【コンクール曲目について】

課題曲「葉月のお月」は
1964年に弊団の60周年を記念して委嘱された
「我が歳月」という曲集の内の一曲です。
初演後は様々な男声合唱団のレパートリーとして
演奏されてきた曲ですが
近年では演奏の機会も少なくなっていた所、
今年度の課題曲に選ばれた事を知り、
「同グリがやらんとどないするん!」ということで選曲致しました。
この曲は一見するとシリアスな曲のように感じますが、
その実落語のようなばかばかしさや情けなさを秘めた曲で、
その面白さを表現しながら演奏致します。

自由曲の「独唱」と「音速平和」ですが、
「独唱」は山村暮鳥の詩に信長貴富さんが作曲した曲で、
緻密な和声と魅力的なメロディを美しく、
情感豊かに歌います。
「音速平和」は現代の詩人である水無田気流さんの詩に
田中達也さんが作曲した曲で、
男声合唱らしい激しさと柔らかさが表された曲です。
冒頭の各声部が入り乱れている状況から、
徐々に重なっていき全声部が揃う所や
最後の和音の響きでホール中に音速の雨を降らせます。

 

なんと課題曲が自団の53年前の委嘱作品!
そりゃ「やらんとどないするん!」…ですね(笑)。
自由曲は対照的な2曲。
しかも「独唱」が入っている「じゆびれえしょん」組曲は
信州大学グリークラブさんによって
伊東恵司さんの指揮で初演。
さらに「音速平和」が入っている「シーラカンス日和」は
なにわコラリアーズさんによって
これも伊東恵司さんの指揮で初演されました。

優美さもあるフレーズの「独唱」に、
まさに音速、疾走する若さが弾けるような「音速平和」。
この「音速平和」という曲が大好きなので
同グリさんには名演を期待しています。

 

 

 

【全国大会への想い】

同志社グリークラブが最後に全国コンクールに出場したのは
第66回全日本合唱コンクールでした。
その間4年の月日が流れ、
同志社グリークラブのメンバーは全員入れ替わってしまいました。
今のメンバー全員が関西合唱コンクールでずっと悔し涙を流しており、
全国コンクールへの出場には強い思いがありました。


全国コンクールの舞台で演奏すること、
全国コンクールの舞台で勝つことを夢見、
ひたむきに練習に取り組んできました。
今回の関西合唱コンクールにて一位金賞を受賞し、
夢の舞台へ進むことが出来、大変うれしく思っております。

この4年間、我々同志社グリークラブを応援して下さいました方々には
感謝しても感謝しきれません。
誠にありがとうございます。
同志社グリークラブのモットーでもある
「聴衆と一体となった音楽」を
東京芸術劇場で感じていただければ幸いです。
今後とも同志社グリークラブへの応援、よろしくお願いいたします。

 

  

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マレーシア演奏旅行での撮影。
マレーシア国王の前でも歌われたとか!



同志社グリークラブ幹事のみなさま、ありがとうございました。
今回のステージには、全国大会に立てなかった団員さんたちの想い。
さらには課題曲を初演されたOBの方たちの想いが
強くこもっているに違いありません。
自由曲も初演を指揮された伊東さんの力で
「聴衆と一体となった音楽」、期待しています!

 

 

 

(明日に続きます)