観客賞スポットライト 室内合唱部門 その3

 

 

 

 

今日は若い人、合唱に興味の無い方にこそ
聴いて欲しい団体をご紹介!

 

 

 

 

 


7.京都府・関西支部代表

 アンサンブルVine

 

(混声24名・6年連続出場・57回大会以来13回目の出場)
(※上の団名リンクはVine指揮者:伊東恵司さんのHP
「~目をひらく 耳をすます つぶやく~」内のものです)

 


昨年はユッカ・リンコラ「The Joiku」を編曲委嘱。

 

観客賞座談会では 

 
観客の「Vineってこうあって欲しい」期待に
ちゃんと応えているよね。

その期待に演出も含めて裏切らない!

芸達者でしたよね~。

課題曲も含めてプログラムが
すべて考え抜かれて構成されているのは凄い。

3曲通してVineならではのキラキラ感があるんですよね。

観客に、楽しさとかそういう感情を届けるのに
本当に優れている団体だと思います。

 

 
…などと観客賞で毎回大人気。
客席を大いに沸かせる団体、アンサンブルVine。
大学生のみなさん、他の団体はもちろんだけど
Vineさんは絶対聴いてください!


 

 

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<今年も団員のふじもりさんにお話をお聴きしました>

課題曲はG1のAdorna thalamum tuum, Sionですが。

 


「言葉の意味と音楽がとても密接していて、
 さらに言葉と音型が一致している音楽なので
 意味を理解して歌うという、
 当たり前のことをしっかりやりたいですね」



VineさんのG1は個性的で面白いので
楽しみにしています。



「自分たちとしては
 オーソドックスのつもりなんですけどね(笑)」



そうなんだ(笑)。
自由曲は今年も3曲です。



「自由曲のパターンとして  

 1.鳴らせる曲
 2.ハーモニーの美しい曲
 3.エンターテイメント  

 という3曲の並びですね」




では1曲目のリゲティ作曲「朝」
この作品は別の「夜」と2曲続けて
演奏することが多いそうだけど、
今回は「朝」だけで。
時計がチクタク鳴って鶏が鳴く、
「朝だよー!」って曲ですね。




「コケッコッコーじゃないけど
 『キキリキー!』と鶏が鳴きます(笑)。
 面白い曲なんですけど、
 リゲティらしい音使いもあって」



2曲目はエセンヴァルズ作曲「The Heavens' Flock」
この題はどう訳せばいいかな?



「単純に『天の一群』と訳してますけど。
 テキストはポートランドの詩人Paulann Petersenで
 『Stars your The Heavens' Flock
  星よ、あなたは天の一群』
 …薄い羊毛がもつれたような夜空を渡る。
 天の川っぽいイメージですね。  
  大いなる星と自分が灯す小さな火は
 違うけど同じものでもある。
 神と自分との一体感。
 キリスト教的な宗教観が感じられます」



音楽の始まりから美しいハーモニーに
圧倒されますね。



「いやぁ、さすがですよね。
 4声で同じテキストを歌うことが多い曲で。
 しかも英語なんですけどこれが大変で・・・」



そんなに大変?



「僕は苦手です!(笑)
 英語の発音でフレーズ感を損なってしまう。
 そして、英語は暗譜がとにかく大変。
 英語の詩って韻を踏んでいることが多いじゃないですか。
 そうすると、どの単語かわかんなくなるんですよね。
 『graze…blaze… あっれ、どっちだっけ?!』(笑)」 



英語の発音にもご注目!?(笑)
さて、課題曲がラテン語、
自由曲がマジャール語、英語と来て
3曲目のランスタッド「Nyon Nyon」
「ニョンニョン、ニャンニャン」?
…これは・・・何語?



「スキャット…ですかね?
 自分たちは『ニョンニョン』と言ってます」



アフリカ、いや中南米のような雰囲気があって
面白い曲だね。
めっちゃ流行ってる曲です。



「関西大会で3回演奏されましたからね」



え! まさかの「Nyon Nyon」かぶり?!
そんな支部、他にないよ!(笑)



「自分たちもビックリしました(笑)」



あ、Vineさんと言えばパフォーマンスだけど?



「それはもう、いつも通りに(笑)」



「お楽しみに!」ということで(笑)。



「でも、指揮者の伊東さんが大事にしているのは
 奇をてらったものではなく、
 曲の流れに合って自然に想起されるような動き、
 そういうものでありたいと」



ああ、それは見ていてわかる気がしますね。
課題曲と自由曲3曲。
「Vineの世界」を今年も期待しています。

 

 




<Vineさん合唱シンポジウムに参加する>

 

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今年の7月にスペイン・バルセロナで開催された
第11回世界合唱シンポジウムのことを
せっかくだから聴きたいんですが。



「カタルーニャ音楽堂で
 柴田南雄先生の『追分節考』を演奏したんですけど、
 これがウケましたねー」



ほぅ!



「尺八は、日本で尺八を学んだ
 現地のスペイン人が演奏してくれて。
 羽織袴、紋付きでその人が一番日本人っぽかったです」



よくそんなスペイン人がいたね!(笑)。


 

 

 

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カタルーニャ音楽堂にて。左下にいるのが噂のスペイン人さん。

 

 


「あとタウンコンサート的な
 観光地のライブハウスでも演奏をして。
 お客さんは現地の人や観光でたまたま訪れた人たち。  
 演奏が終わりステージから降りて
 着替えを始めてもまだ拍手が鳴りやまなかったんです。
 だからみんな、ふたたびステージに戻って。

 そこで小田美樹先生作曲、
 信長貴富先生編曲の『群青』を演奏したんですよ。
 ぼくらの感覚ではメロディはきれいだけど
 言葉は通じないし、
 面白くないんじゃないかなと思っていたんです」



そういう予想になるよね。



「でも、本当にみなさん泣いてらして。  
 曲前に震災のことを言ったのもあるかもしれませんが。
 あ、やっぱり音楽って凄いもんなんだなあ、
 通じるんだな!と」



は~・・・。
「想いは言葉を越える」ってことがあるんだね。
貴重な体験談、ありがとうございました!




(Vineさんのご紹介はこれで終わり、
 明日に続きます