観客賞スポットライト 混声合唱部門 その1

 

 

 

 

 

さて、今日から混声合唱部門をご紹介します!


…しかし、大会の華とは言え、

エゲツないですよこの部門。
なんと全部で『20団体』!

同声部門が終わった13:04から
56分の休憩、客席入れ替えで
7団体(1時間半)聴いて20分休憩、
7団体(1時間半)聴いて19分休憩、
6団体(1時間17分)聴いて終了~。

14:00から18:57までの約5時間、
白熱した演奏が続くわけですよ。
耐えられるのかなあ・・・。


そんなことを言ってもしょうがない。
全国から集まった精鋭の演奏を真っ向から楽しむのみ!

 

 

 

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東京芸術劇場ホール Photo by A.Yamaguchi

 

 

 

 


今日は3団体をご紹介します!

混声合唱部門は14:00から。
最初の団体は九州、
繊細な音と響きを持ち味にするこの団体です。











1.大分県・九州支部代表

 

大分市民合唱団ウイステリア・コール

(44名・2年連続出場・第37回大会以来26回目の出場)


 


ウイステリアさんはコンクールの指揮者に
飯倉貞子先生、さらに猿渡健司先生が
就任されていたのですが
今年はさらに新しい指揮者が!

その方からメッセージをいただいております。

 


・ごあいさつ

合唱を愛する皆様、
今年のコンクールから指揮を振らせていただいています、
大分市民合唱団ウイステリア・コール副指揮者の後藤秀樹です。
昨年の全国大会では、ピアニストとして参加していたのですが、
今年は、飯倉女史、猿渡氏から受け継いだタクトを、
しっかり繋いでいきたい!と決意を新たにしています!

 


えええー! 
あの素晴らしいピアノで耳を幸せにしてくれた
ピアニストの後藤先生が指揮者に?!

全国に出場する団体で
こういう例って今まであったんでしょうか。
驚きです。

 


ウイステリアさんの課題曲は
G1 Adorna thalamum tuum, Sion(Orlande de Lassus 作曲)

自由曲は
Daniel Elder作曲「Ave Maria」
Ivo Antognini作曲「Canticum Novum」


Elderの作品は室内部門の
混声合唱団 鈴優会さんが選曲されていましたね。

2曲とも音響や音楽の運びにセンスが必要とされる作品。
現代的で静謐な響きの「Ave Maria」に
軽やかに高らかに上昇するCantate Dominoの語句が
散りばめられる「Canticum Novum」
静と動の対比が面白い選曲です。

 

・選曲について


今年は猿渡氏が選んで来られたので、
彼の思いを掲載するのが一番ではありますが…
私が感じるのはただ一つ。
『楽譜を奏でる』です。
作曲家が記した全ての音は勿論、
メッセージ、想い、空気、空間等を、
ウイステリアを通してどの様な音楽になるか。
この曲だけではなく、
全ての楽曲に対しても実は同じ思いです!



・最後に


現在のウイステリアは、新入団員や復帰団員に恵まれ、
今までにない活気と仲の良さが特徴です。
(飲み会の数も増えました!(^^))
大分で見守ってくれている飯倉先生、
コンクールでのタクトを私に任せ、
自らはベースでバリバリ歌ってくれている猿さん、
そして団員のみんなに心から感謝しています。
本番では、ベテラン、中堅、若手、力と声を合わせて、
皆様に「ウイステリアの音楽」をお届けいたします!

音楽、合唱を愛する皆様に感謝を込めて


後藤秀樹

 

 

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後藤先生ありがとうございました。
『楽譜を奏でる』という簡単なようで
非常に難しい言葉から
後藤先生の決意が伝わってくるようです。

新生「ウイステリア」さんの音楽に期待しています!





 




続いては関西から「言葉の魔術師」が率いるこの団体です。



 

 

 






2.大阪府・関西支部代表

 

合唱団ことのは

http://kotonoha.wiki.fc2.com/

 

(69名・5年ぶりの出場・第65回大会から2回目の出場)




2009年に創立。
「言葉の魔術師」高嶋昌二先生が指揮者。
「ことばを大切にした質の高い合唱を目指す」団体だから
「言の葉」=「ことのは」という団名なんでしょうね。

5年前の出場時は高嶋みどり先生の「落下傘」を演奏され
やはり言葉の巧みさに感心した覚えが。

今回の選曲は
課題曲:G4 まぶしい朝(「自戒」から)
(吉原幸子 作詩/面川倫一 作曲)

自由曲:宗左近詩・松本望作曲
「二つの祈りの音楽」より「夜ノ祈リ」。

おお~、2016年のCANTUS ANIMAEさん初演以来、
多くの団体が演奏されている人気の曲です。
…しかし、耳に心地良い2曲目の「永遠の光」だけ
演奏されることが多く、この「夜ノ祈リ」はあまり…。


「夜ノ祈リ」は宗左近氏による壮絶な内容のテキスト。

なぜ神は殺し合いを見過ごすのか
なぜ神は敵に仕返しするのを赦さないのか
いっそ人でなくなりたいと慟哭し、
祈りは牙を剝いて神に吼えることだと訴える。


「絶望を胎生の糧としない愛を信じることができない」と
三善晃先生は仰いました。

ピアノ連弾と重く鋭く打ち付けられる「言葉」。
ことのはさんの絶望からの祈りを
身構えて聴きたいと思います。


 

 

 

 

 




続いては北の地から
母体の高校合唱部も実力派のこの団体です。








 




3.北海道・北海道支部代表

Baum

(63名・4年連続出場・第64回大会以来6回目の出場)




Baumさんは2009年に札幌で創立。
指揮は同声部門で出場の
HBC少年少女合唱団シニアクラスも指揮される
大木秀一先生。
大木先生は札幌の名門合唱部、
札幌旭丘高校の指揮者を昨年までされていました。

Baumの団員さんは大木先生のもとに集まった人たちで
完全な札幌旭丘高OB合唱団というわけでは無いそうです。
団名のBaumはドイツ語で「木」の意味。
大「木」先生を
慕い集まって作られたことによる団名なのでしょう。


Baumさんの今年の課題曲は
G2 Salve Regina (Francis Poulenc 作曲)

自由曲はAlejandro D.Consolacion II作曲
「Pater Noster」
Ivo Antognini作曲「Canticum Novum」


おお!2曲目のアントニーニの作品が
2つ前に出場のウイステリアさんと同じ!
コンクールはこういう聴き比べも楽しいですね。

6月に札幌で行われたコーラスフェスティバルで
Baumさんが演奏する
このフィリピンの作曲家による
「Pater Noster」を聴きましたが
4声揃った時のハーモニーの美しさ。
作品の持つ神聖さをしっかり表出していました。

毎年、「勝負!」というよりは
耳に優しい選曲をされるBaumさん。
今回も私たちの耳を心地良くさせてくれるはず。






(明日に続きます)