観客賞スポットライト 混声合唱部門 その2

 

 

 


全日本合唱連盟公式ツイッターさんがまとめてくれた

 

 

 

第70回全日本合唱コンクール全国大会~観光編


https://twitter.com/i/moments/931353478227570688

 

…が楽しく、かなり役立ちそうです。

 

「世界一辛いカレー」や「寝られる漫画喫茶」まで。

さすが東京!この多様さと奥の深さ!!

 

ハッシュタグであなたも投稿してみては?

 

 

 

 

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東京芸術劇場ホール Photo by A.Yamaguchi

 

 

 

 


今回は関東の3団体をご紹介します。
最初は初出場の団体から!

 

 

 



4.神奈川県・関東支部代表

合唱団 やえ山組

(26名・初出場)

 


初出場おめでとうございます!

混声のやえ山組さんは聴いたことが無いのですが
男声部の広域指定合唱団 青山組さんは
今年の7月、宝塚国際室内合唱コンクールで聴き、
名前に似合わず?実にしっかりしたデュファイで
驚いた覚えがあります。

 

 

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広域指定・・・まさか

 

 

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ギャングスタぁ?!

 

 

 

 


指揮は東京工業大学コール・クライネスさんと同じ
岩本達明先生。

課題曲はG2のプーランク。
自由曲も同じプーランクの
「Figure humaine(人間の顔)」より…と
おお、こちらもプーランクステージ?と思いきや
選ばれたのは最終曲の「自由」ではなく

4.Toi ma patiente
(お前、私の耐えるもの)
6.Le jour m'étonne et la nuit me fait peur
(昼は私を驚かし、夜は私を恐れさせる)

さらに谷川俊太郎詩・三善晃作曲
「地球へのバラード」の始まりの曲
「私が歌う理由(わけ)」


第2次世界大戦中に作曲された「人間の顔」。
レジスタンスだったエリュアールが記す
「復讐」「獣」の意味とは。
それに続く「私が歌う理由」で
これら選ばれた曲の理由がわかるかもしれません。


私が歌うわけは
いっぴきの仔猫
ずぶぬれで死んでゆく
いっぴきの仔猫



やえ山組さんのブログでは
過去の演奏がいくつも聴けますが
響きにこだわりセンスある流れの上質な音楽ばかり。
初出場ですがプーランクから繋がるフランス音楽の系譜、
三善晃の世界を堪能させてくれることを期待してしまいます。










続いても関東、しかも初出場の団体です!












5.新潟県・関東支部代表

合唱団ユートライ

(27名・初出場)



初出場おめでとうございます!
どんな団体なんでしょう?


団員さんからメッセージをいただきました。

 

全国大会初めまして!の合唱団ユートライです♪
当団13年目になる名島啓太先生の指揮のもと、
より質の高い音楽を目指し、新潟で活動しています。


1984年1月創立の「ユートライ(=You Try)」は、
「なんでもやろう!挑戦してみよう!」
という願いが込められています。
これまでたくさんの歌と共に歩み、
33年目となりました。
現メンバーは10代〜50代の27名。
団の強みは幅広い年齢層!
それぞれの味や良さを出し合いながら
ユートライサウンドを作っています。



[演奏曲について]

課題曲は、G3 三善晃「子どもは……」
三善作品を、時間をかけて取り組めるチャンス!
ということでこの曲に。
三善作品の一つ一つの音の解釈を深めることができました。

 

自由曲は、スイスの作曲家Ivo Antogniniの宗教曲。
ヨハネの福音書がテキストの
「Verbum caro factum est」と、
聖母マリアを賛美する
「O Gloriosa Domina」の2作品。


和声の運びが難しい曲ではあるけれど、
各フレーズを理解する事で音の広がり、
重なりを楽しめるようになってきました。
穏やかで優しい音楽の中にも
強い祈りを表現できたらと思います。


美しい曲をいかに美しく歌うか…
団として成長できる曲に巡りあえたと感じています。
いつか、次こそ。今年こそ!と
夢見てきたステージに立つ喜びを胸に秘め、
最高の舞台で私達の歌を届けたいと思います!

 

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団員さんありがとうございました。
団名は「ユートライ(=You Try)」という理由に
「…良い団名だなあ」とつぶやいてしまいました。

「Verbum caro factum est」は
優しさがあふれる旋律から後半のアレルヤの高まりに
強い祈りが伝わり。
「O Gloriosa Domina」は荘厳な雰囲気から
ダンスのように軽やかな中間部、
圧倒的な賛美のクライマックスに聴き惚れます。

室内部門で出場の鈴優会さんもそうでしたが
指揮者:名島啓太先生の選曲眼が光りますね。
「美しい曲をいかに美しく歌うか」
という言葉の難しさと理想。
演奏を聴きその美しさに魅了され
「歌ってみたい!」と思われる方が多くいらっしゃるかも。

創立から33年で初めての全国大会出場というのも
全国の団体に希望を抱かせることだと思います。
夢見てきた初めての全国大会、
「You Try」という団名そのままに
みなさんのすべてを懸けて挑戦してください!
応援しています!






 




続いてはこちらも関東から。
センスあふれる指揮者とリア充合唱団?!









6.埼玉県・関東支部代表

scatola di voce

(32名・第67回大会から4年連続出場)

 

 

scatola di voceは、イタリア語で「声の箱」の意。
来年で結成15周年。
4年前にグラスハープを使う
「Stars」で鮮烈なデビューを飾りました。
昨年はブラームスのモテットを演奏されたスカートラさん。

今年の選曲は
課題曲はG1 Adorna thalamum tuum, Sion

自由曲は
Daniel Elder作曲「O magnum mysterium」
Jake Runestad「Alleluia」

ふたたび現代曲の選曲!
指揮者の森田悠介先生のセンスは信頼できるので楽しみです。


団員さんからメッセージをいただきました。

 


選曲理由

今年のscatolaはたくさんの新入団員に恵まれ、
これまでとは一味違った
新しいscatolaの始まりの年となりました。
そんな年だからこそ、もう一度原点である
「祈りの音楽」に立ち返り、
今回の宗教曲3曲を選曲させていただきました。
中でも自由曲は、
「私たちの魅力を最大限引き出してくれる曲」をポイントに、
アメリカ人若手作曲家の現代曲2曲を選びました。

1曲目のO magnum mysteriumは、
近年国内外のコンクールで注目を集める
Daniel Elderの人気作です。
ドビュッシーやホルストの作品に影響を受けた
Danielのサウンドは、どこかお洒落で、
それでいて宇宙のように壮大な、
まさに私たちの持ち味であり、
私たちが目指し続けるサウンドそのものでした。
美しい旋律とドラマティックな和音展開に
団員一同魅了され、選曲させていただきました。
そして2曲目はリズミカルな曲が多く知られる
Jake RunestadのAlleluiaです。
多声部が幾重にも折り重なる壮大なクラスターと、
ハンドクラップを交えた
テンポ感あふれる曲想が印象的です。
前2曲とはまた異なる、
私たちの魅力を表現できる曲ではないかと考え
選曲させていただきました。


曲に関するエピソード


今回自由曲で選曲させて頂いた2曲は、
今年の7月に京都で開催された
アルティ声楽アンサンブルフェスティバルでも
演奏させていただきました。
そんな本番当日の朝、
なんと指揮者の森田先生に
3人目のお子さんが生まれたのです!
生命の誕生という神秘的な、
この上ない幸せに包まれながら
この2曲を歌えた喜びは、
団員一人一人の心に深く刻まれています。
新しい仲間、命との出会いの喜びを、
O magnum mysteriumとAlleluiaの2曲に込め、
全国大会のステージで精一杯歌わせていただきます。

 

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京都・アルティ声楽アンサンブルフェスティバルでの写真ということ。


 


おお、森田先生おめでとうございます!

自由曲はまさにメッセージの通りで
「O magnum mysterium」は3連符が効いた
「お洒落でそれでいて宇宙のように壮大」な曲。
「Alleluia」は室内部門に出場の
アンサンブルVineさんが
同じ作曲家の「Nyon Nyon」を演奏しますが
この曲も大変盛り上がる曲です。
混声部門でハンドクラップがあるのはこの曲だけ?!

課題曲からシメオンの腕の中に抱かれる幼子イエス、
そして生命の誕生という大いなる神秘、
最後にアレルヤ!と歓喜の3曲。
課題曲から自由曲の2曲まで
一貫したテーマが感じられる心憎い選曲です。


優れた宗教曲には
人知を越えた祈りが込められていると感じます。
どうかスカートラのみなさんの喜びのままに
客席の私たちに伝えて下さることを願っています。






(明日に続きます)