みなさん、全国大会のチケットは購入されましたか?
私は先月の帰省時にKitaraのチケットセンターで購入したのですが、郵便振替で申し込んだ方にはそろそろ届き始めたようです。
そういえば、
— 鯖 (@Thavatter) November 3, 2018
全日本合唱コンクール大学職場一般部門 #71札幌全国 のチケット届きました。
札幌合唱連盟様ありがとうございます(-人-) pic.twitter.com/5OngPsc368
こんなに素敵なデザインのチケット。
申し込み締め切りは11月9日(金)分の郵便局受付印まで有効だそうですよ!
全日本合唱連盟 入場券販売案内
札幌駅。
大学ユース部門の後半。
今日も3団体をご紹介します。
ここから100人越えの団体が続きます!
6.愛知県・中部支部代表
混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ
(混声120名・3年連続出場・第64回から4回目の出場)
指揮者は室内合唱部門でアンサンブルVineも指揮される伊東恵司さん。
団長の安藤さんからメッセージをいただきました。
こんにちは、混声合唱団名古屋大学コール・グランツェです。
初めに、この度はこのような企画にお誘いいただきありがとうございます。
今年も全国大会の舞台に立たせていただけることに心から感謝しております。
今年のグランツェは120人でコンクールに出場させていただきます。
人数が多いことで注目されている弊団ですが、今年は少し人数が昨年に比べて減ってしまってのスタートでした。
ただ、勿論それでも比較的人数が多いことには変わりありません。
仲間が多いということは強みにもなりますが、同時に聴衆の中にこの人数ならこれくらいは鳴らせるだろうという無意識の期待を生んでしまうことにもなります。
その無意識の期待、あるいは無意識の壁とも呼べるものをどうすれば越えていけるのかというチャレンジを続けてきたこの上半期だったように思います。
なるほど…。
昨年も136名という大人数による練習場所の確保の難しさや、想像される表現とのギャップを語られていましたが、それを乗り越えるというのはなかなか難しいことと想像します。
グランツェさんへの昨年の感想で「大人数によるMax Forteと抑えるところのバランスが絶妙で上手かった」というものがあり、今年も壁を越えられた演奏に期待しています。
今年のグランツェさんの課題曲はG4のⅣ(「草の上」から) (三好達治 詩/首藤健太郎 曲)
自由曲は何を選ばれたのでしょう?
さて、今回は自由曲として信長貴富先生の「廃墟から」より「第一章 絶え間なく流れてゆく」を選曲させていただきました。
この曲は原民喜の碑文に使われた詩を中心としながら、そこに信長貴富が原民喜の他の詩を断片的に付け加え構成された曲です。
原爆詩人と呼ばれる原民喜の詩には、悲惨な原爆投下後の状況が鮮明に刻まれています。
戦争があった当時に生まれていなかった私たちがこの曲を歌うということに、はじめは強いためらいを覚えました。
しかし、彼の詩に向き合う内に私たちの中には、そのためらいを越えて、歌わなければならないのだという逃れることのできない強い想いが生まれました。
原民喜の想い、無念をどれだけ私たちが表現することが出来るかは分かりませんが、この曲を素晴らしい舞台で皆様にお届けできることに感謝と喜びを感じながら演奏させていただきます。
中部支部大会の写真ということです。
安藤さん、ありがとうございました。
「廃墟から」より「絶え間なく流れてゆく」は2年前の鳥取全国大会で九大混声合唱団さん、2012年に富山全国大会で岡崎混声合唱団さんが演奏されていますね。
2007年岡崎高等学校コーラス部・岡崎混声合唱団さんの委嘱作品。
広島被爆者の母を持つ信長先生が作曲された原爆投下後の惨状と鎮魂歌。
過去の記憶が現在のものとして甦るフラッシュバック。
レクイエムとしての哀切さと、原爆による狂気を表現する幅広さを必要とする作品です。
戦争の記憶が風化していく今、
「彼の詩に向き合う内に私たちの中には、そのためらいを越えて、歌わなければならないのだという逃れることのできない強い想いが生まれました」
という言葉は得難いものだと思います。
作品の演奏行為を通して、グランツェのみなさんの強い想いが、観客の心に広く深く染みわたりますように。
20分の休憩後、この大学ユース、いや全部門で最大人数の団体が登場です!
7.東京・東京支部代表
東京工業大学混声合唱団コール・クライネス
(混声149名・2年連続出場・第30回大会から34回の出場)
「小さい」を意味するドイツ語「kleines」が団名のクライネスさん。
昨年より22名増えて149名!
この札幌全国大会の全部門で最大人数。
「小さい」のに「一番大きい」のはちょっと面白いですね(笑)。
今までは学生指揮者でコンクールへ挑む姿が印象的だったのですが、昨年から岩本達明先生が指揮をされるようになりました。
そんなクライネスさんの選曲は
課題曲:G4のⅣ(「草の上」から) (三好達治 詩/首藤健太郎 曲)
自由曲:Francis Poulenc「Figure humaine(人間の顔)」から
「5.Riant du ciel et des planetes(空と星を見て笑いながら)」
「6.Le jour m’etonne et la nuit me fait peur(昼は私を驚かし、夜は私を怯えさせる)」
「7.La menace sous le ciel rouge(赤い空の下での脅威)」
ほう! 自由曲は昨年と同じプーランクの「人間の顔」から、しかも昨年とかぶらない選曲!
面白いですね、どんな理由が?
団員の岡田さんからメッセージを送っていただきました。
課題曲G4を選曲した理由としては、岩本先生曰く、「フランスの風」を感じるそうでプーランクもフランス人ってことでまあ関連(?)があるみたいな論調で決まりました。
「フランスの風」といえば、ミストラルが思い浮かびますが、G4には冷たさも乾きも僕個人には感じられないので、新たな「フランスの風」を感じているようです。
「フランスの風」ってなんですかね…曰く、オシャレさと音楽の伸び縮みらしいです。
そのフランス感を皆さんに伝えられるような演奏を目指します!!!
人間の顔はこの曲集の1つの山が7番にあるということから、苦しいことを歌いながらも如何に歌い切るかということに重きを置いて5,6,7という連続した流れが美しく、かつ歌うことに価値を見い出せるという判断の下選曲しました。
プーランクやエリュアールが持っていた苦しさを自分たちなりに解釈しながら歌いたいと思います!!!
7を歌った後に去年歌った終曲Liberteを歌えないという苦しさは上手く表現できていると思います…。
札幌での全国大会では、僕たちの演奏の後から札幌がフランスになることを目標にしたいです!!!
聴いてくださった方々全員に、「今日の飯はジンギスカンじゃなくてやっぱエスカルゴにしようぜ?」って感情にして、札幌の全レストランをエスカルゴ品切れ状態にします!
応援よろしくお願いします!!!
昨年の演奏会の当日練習の様子ということです。
…札幌にそんなにエスカルゴ食べられる店あるかなぁ?
サイゼリヤとか?(そりゃイタリアン!)
クライネスのみなさん全力の「札幌をフランスにしてしまえ!オレはいつでもエスカルゴにこだわるぜ」が楽しみです。
昨年は自由曲に1曲目と終曲の「8.Liberté(自由)」を演奏されたクライネスさん。
「Liberté」は透明さを感じさせる入りから、進むにつれ解放の喜びがどんどん湧き上がっていく構成が素晴らしかったので、「Liberté」を歌えない苦しさだけじゃなく、聴けない苦しさも出るかも?
大人数でも繊細な表現が持ち味のクライネスさんでしたが、岩本先生の指揮に代わり、繊細さはそのままに、女声には表現の積極性が出てきた印象が。
昨年は課題曲もプーランクで揃えた選曲で、全体に音の重ね方、ニュアンスなど、実に「プーランクらしさ」を感じさせる演奏でした。
歌い続ける「人間の顔」からの選曲、いっそう深みを増したクライネスさんの演奏に期待です。
続いては関東から初出場の団体です!
8.千葉県・関東支部代表
Coro Ponte
https://twitter.com/coroponte
(混声35名・初出場)
初出場おめでとうございます!
Coro Ponteさんは2013年創団、千葉県立船橋高等学校のOBOG合唱団だそう。
どんな団体なんでしょう?
Coro Ponte団員さんからメッセージをいただきました。
【団の紹介】
皆さんはじめまして!
私たちは去年まで全国はおろか関東大会にすら進んだこともありませんでした。
いまここで私たちを初めて知った、という方がほとんどだと思いますので、
まずは簡単に当団の紹介を。
団名は「Coro Ponte」(コーロ・ポンテ)といいます。
略すときはぜひ、公式愛称である ”ころぽん” とお呼びください。
団員全員が千葉県立船橋高校出身であり、上は10年前の卒業生から下は大学1年生まで、幅広い世代の仲間が和気藹々と活動しています。
団名を訳すると「合唱団 橋」となり、この名前には私たちのルーツである「船”橋”」と「卒業生と現役とを繋ぐ”架け橋”」という2つの意味がかかっています。
なんと全国大会どころか関東支部大会も初めてとは!
そして団名の由来にも納得です。
「ポンテ・ヴェッキオ」の「Ponte」なんですね。
地名に含まれる漢字と、「架け橋」を意味する団名、素敵です。
【最近の活動】
コンクールに参加するのは今年で4年連続4回目になります。
去年のコンクール県大会は、例年以上に万全を期して臨みましたが、思うような結果には繋がりませんでした。
その悔しさがバネとなり、この一年で団員の音楽作りへのモチベーションが格段に増したように思います。
その影響で団の活動も盛り上がりを見せ、2月には念願の単独演奏会を開催。
7月には作曲家の面川倫一先生との共同主催で氏の新作組曲の初演企画を行うことができました。
そんなCoro Ponteさんの選曲は
課題曲:G4のⅣ(「草の上」から) (三好達治 詩/首藤健太郎 曲)
自由曲:Eric Whitacre「Sleep」
John Rutter「A Choral Fanfare」
ウィテカーの眠りに誘うような幻想的な和音の妙に、対照的に華やかなラターのファンファーレ。
こちらの選曲はどのような意図で?
【今年のコンクールについて・全国大会の意気込み】
そんなかつてない勢いをもって向かえた今年のコンクール
課題曲は、客演ピアニストの岩本果子さんの力が存分に発揮されるG4を選曲。
自由曲は、この合唱団のアピールポイントが上手く表現できる曲として、あの2曲を選びました。
40名弱という、部門内の他団体と比べると少ない人数ではありますが、良い意味でその数に見合わないダイナミックさを持った音楽が私たちの持ち味であると自負しています。
全国のステージは、かつて高校生だった団員全員が。そして今なお現役の後輩たちが青春をかけて目指した最高のステージ。
これまでの私たちのキセキを胸に、全力の音楽をお届けします!
千葉県大会での写真ということ。
Coro Ponteさんの演奏は聴いたことが無かったのですが、検索して出た今年2月の1st concertでの男声12名による面川倫一先生「昼の月」の動画が、発声の質の高さだけではなく、音楽の流れ、フレーズの中の力感と抜き方に磨かれたセンスを感じ、聴き入ってしまいました。
1st concertの選曲を見ると面川先生だけではなく、山下祐加先生、ラインベルガーにラフマニノフと、並ばれる作曲家の名前に、「お!」と思わせます。
指揮者の吉田宏先生のお名前は何度か拝見していたのですが、実演奏を聴くのは初めて。
センスの高い指揮者と学生時代から培った仲間たちの力、初出場の勢いで、キタラに「合唱のファンファーレ」を大きく響かせて欲しいと思います。
(明日に続きます)