観客賞座談会・室内合唱の部 最終回

 


今回は印象的だった団体を出演順に語ってみます。

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札幌時計台

 


合唱団「櫻」

(混声17名)

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大学ユース部門が終わって
室内合唱部門の最初の団体ということで
やはり新鮮に聞こえました。
大学生が卒業したらこんなアンサンブルを
目指して欲しいなと思う音楽。
大学ユースのみなさんはもう1団体だけでも
聴いて欲しかったな!


室内合唱部門から、
客席がかなり寂しくなっていたからね(苦笑)。


自分は課題曲G1
この部門で一番良い演奏だと思って。
教会の空間を思わせる発声と響き。
少人数だけどみなさん良い声で
特にソプラノが良く、アルトに繊細さがあった。
フレーズの音が重なり、分かれていくという
魅力を理解している演奏と思ったな。


私も声がすごく豊かだった印象があります。
特に女声の発声が。


アンサンブルが安定していて
実力がある団体でしたね。


自由曲:三善晃「地球へのバラード」から
「I.私が歌う理由」「V.地球へのピクニック」
全体的にゆっくりめでかつレガートに演奏する
面白い解釈で。


楽しくアンサンブルしている感がありました!


そう! だからこそ大学ユースの人たちにも
聴いて欲しかった!
大人になってもこういう音楽が出来るんだよ、と。


 

 

 

 

 

 


アンサンブルVine

(混声24名)

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課題曲G1、正統派の演奏でした。


のびやかで高いところで響くような…
好きでした!


最初の女声2声パートは
今日の演奏の中で一番上手で
完璧だと思いました。


上手かったですよねー!


ソプラノが明るく軽く、
かつ艶っぽい(笑)。

 


ソプラノとテノールのフレーズが
交差するようなところが
とても良かったです。


自由曲1曲目ベアトリス・コロナ「Barcarola(舟歌)」
今回の自由曲で一番良かったです。
軽やかでしなやかで。


洒落ていましたねえ。
そういう遊びを求めていました!みたいな(笑)。



 

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良い曲だったので楽譜も買っちゃいました(笑)。


マンテュヤルヴィ「Pseudo-Yoik(偽ヨイク)」
「かめはめ波」出している人いた!


マジですか?! 見たかった!(笑)


偽ヨイクは声の変化など工夫していましたね。

 



メールの投票では

 

会場も楽しませてくれます。


…という感想がありました。






 

 

 

 



ウィスティリア アンサンブル

(女声21名)


課題曲F1、スカーンと明るく、
パートごと主張していてイキが良い!


アルトがパワフルでした!


「Ego flos campi」
…ずいぶん野性味のある花だったね。


訳すと「野の花」だから良いんだよ!(笑)


自由曲:信長貴富「アイヌ民謡による無伴奏女声合唱曲集
『神さま、飛び立つよ』」は曲が面白かった!


カッコ良かったです!


今までのウィスとは違う、
やや機械的な歌唱から人間になったような(笑)。


失礼な!(笑)
2曲目「7.イフンケ(子守唄)」
色気が感じられました。


団員さんの年齢も上がって
「ジュニア合唱団」のイメージを
振り払えるようになったんですかね。


泣き節がホールに響いて。
あの母音を変化させる歌唱が興味深かった。
エコーが重なるような。


2曲目、私も「良かったマーク」付いてます!
子守をしている人の周りから自然、
大地の恵みを感じられるようでしたね。


3曲目「8.サケカラウポポ(酒造り歌)」
歌に艶がありましたよ。


自由曲全体、良かったです。
室内合唱のアンサンブル感が良く出ていました。


音楽性も高くなっている印象でした。

 

 

 

 

 

 



Serenitatis Ensemble

(混声22名)



課題曲G1は雰囲気が良く、
情感もこもっていました。


すごい良かったです。
「大人の市民合唱団」!って感じ。


自分は「昔の一般Aの雰囲気がある」って書いてます(笑)。


懐かしさを感じさせるサウンドでしたね。


自由曲:西村朗「死にたまふ母」から
「第四曲 かぎろひの」は?


やっぱり大曲なんですよ!
熱演で、こっちも手に汗握るほど巻き込まれて!
私には良い体験でした。


男声の生声やフレーズ末が
「…う~ん」と思う部分もあるけれど
それも含めて良い意味で人間臭い団体ですよね。


テキストが亡くなった母という題材の為か、
想いの強さを感じました。


テノールの髪の長い方が
昨年までの歌い方と今年とでは
すっごい上手に変わってビックリしました!
とても良い声になっていましたよ。



 

 





M.L.R

(女声18名)

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課題曲F3「麦藁帽子」
明るい素直な声で。
18名という少人数だけど
人数より声は出ていたね。


私もそれ思いました!


アルトがすごく良かった。
ちょっと男声っぽい感じでたくましく
しっかり他パートを支えてました。


ハーモニー、声の質感は
とても統一されていたし、
声も届いていましたよ。


自由曲:信長貴富「不可思議のポルトレ」から
「I.歌はどうして作る」「II.アウギユスト」は?


「歌はどうして作る」は雰囲気が良く、
観客への語りかける気持ちがこもっていたのでは。


「アウギユスト」も呼びかけを
いろいろ変えていて面白かったです。


自由曲に共感の強さを感じたね。


私は技術に対するストイックさを感じました。


将来性のある団体として
今後も見守りたいですね。




ツイッターの投票では

 

音色が統一されていて素晴らしかったです。


…という感想がありました。





改めて観客賞・室内合唱部門の順位です。


第6位 合唱団「い〜すたん」

同率
第4位 Chor Doma
    女声合唱団ソレイユ

第3位 倉敷少年少女合唱団

第2位 Delmo


そしては…


合唱団まい


でした。




《室内合唱部門を聴いて》


個人的な考えなんですけど
「室内合唱」にはやっぱり
指揮者と合唱団の固定された関係だけじゃなく、
団員同士のアンサンブル感が欲しいなあ、と。


そうだね。
今のままでは「室内合唱」のイメージから
離れているような気がする団体もあったよね。


今年に限らず
「この団体は大学ユース部門が良いんじゃないか」
「あの団体は同声合唱部門が向いてるのでは」
という声は出ていたけど。


文吾 でもそれはある程度しょうがないんじゃない?
   合唱連盟が
   「室内合唱とはこういうものです」という
   レギュレーションを出していないんだから、
   各団体がどのような理由でも
   室内合唱部門に出るのは自由なんだし。


今までにも室内合唱部門で
「課題曲はG1、F1、M1に固定」
「室内合唱部門のためだけの課題曲」
なんて案も出ていたけど。


文吾 そういう入り口を狭くする案は難しいなあ…。
   参加団体が減ってしまうのは望ましくないよ。


そもそも県大会レベルだと
「室内合唱」を指向して出場する団体の方が
少ないんじゃないかな?
「ルネサンスポリフォニーには興味無いです!」
って団体が多いかもしれないよ?


「課題曲はG1を選ばなきゃ《いけない》」じゃなくて
加点方式にしたら?
「G1を選んだらポイント2倍」とか(笑)。


「指揮者がいなかったらポイントさらに倍!」とか?(笑)
で、ポイント貯まったらどうなるの?


・・・参加費が割り引かれるとか?


文吾 審査に関係ないのか!(笑)
   なんかもう「室内合唱」というイメージが
   コトを難しくしてるんじゃないの。
   いっそのこと部門名を変えてしまうとか!


例えば?


文吾 そうだなぁ・・・
   人口が減っていくこれからの時代、
   24人なんて少人数じゃないんだから
   「中人数合唱部門」とか?


一同 ダサッ!


文吾さん、前から思ってたんですけど
ネーミングセンスないですよね…。


文吾 うるさいな!
   じゃあ、これから主流になり
   一般に広がる部門。
   さらに新しい合唱の始まりという意味を込めて
   「一般A部門」ってのは?(笑)


一同(笑)


初めて聞くはずの名称なのに
すごく馴染みがある気がする(笑)。


ついでに大ホールでも声が届くように
24人から32人に上限を増やしたら?(笑)


それはいい!
一歩進んだ提案だね(笑)。


・・・後ろ向きに全力疾走。


一同(笑)。



(2018年観客賞座談会・室内合唱部門おわり 

 次回から同声合唱部門の座談会になります)