観客賞座談会・同声合唱部門 その3

 

f:id:bungo618:20190105165128j:plain




それでは2018年観客賞・同声合唱部門


1位!

 


合唱団お江戸コラリアーず

(男声80名)

f:id:bungo618:20181112133525j:plain




一同 拍手!


おえコラは同声合唱部門第1位というだけではなく、
全48団体から選ばれる「観客大賞」も受賞されました。


課題曲M4:信長貴富「春」
すっばらしかった!!


あれは名演と呼べる演奏!


圧巻でしたね!
最初から引き込まれ、
最後までおえコラの空気に包まれてました。


80人の男性のオーラで一人の青年が
「野を見よ」と言ったような感じが
凄かったです。
「おえコラ、キターーーッ!!!」って(笑)。


指定のテンポよりえらい遅くて。


でも、音楽を完璧に保ってた!
ユニゾンもすごく揃ってたし。


ステージ上からふわっと
何かが匂い立ってきました!


一同 うんうん


…加齢臭じゃないよ?


言うと思ったよ!(笑)
春の草の匂いというか、
霞に包まれている感覚になったな。


和音も色で移り変わるような、
とても繊細な表現でした。


あれは大学生には難しい表現だよね~。


おえコラは「ドヤ感」を
出さないのが良いと思って。


決して「オラオラ系」じゃないですよね。


オラオラ系はバカにされるんだよね、おえコラ。
「なに昔の合唱やってんだよ」みたいな。


一同(笑)。


「21世紀型合唱団」ということで(笑)。
自由曲:三善晃「縄文土偶」より
「ふるさと」も凄かったです。


あの緊張感!


松元博志先生のピアノが入ってからの
変わりかたが凄くて。


ピアノの入り、鮮烈でしたね!


もちろん松元先生のピアノは素晴らしい。
そしておえコラはそんなに
音楽的才能がある人ばかり
集まっているわけじゃないんだけど。


文吾 待って!待って!!(笑)


それでも良い演奏家との共演が多く、
その演奏家から吸収する力が
おえコラには非常にあるんですよ。


一同 おー。


今回も松元先生の音楽を吸収して
音楽がガラッと変わっていましたね。


聴くところによると
小ホールのリハーサルでは
指揮の山脇さんが途中から
「歌わずにピアノを聴こう!」って。
それで松元先生のピアノリサイタルに
なったそうですよ。


それ、正解!(笑)
おえコラの若い人は
三善先生の作品を
あまり演奏していないはずなんだけど
ちゃんと三善晃のサウンドが聴こえてきました。


「縄文土偶」という曲は
人の声を使っているけど
かなり現代音楽側に寄っている作品ですよね。
「王孫不帰」とか「狐のうた」や
「変化嘆詠」や「レクイエム」とか。
今回の演奏も、それを掴まえられた演奏で
良かったです。


三善作品を掘っていくということは
合唱を掘るんじゃなくって
もっと広いものを掘ることだと思うんですよね。
それがどこまで射程にあったか?
ひょっとしたら管弦楽や
ピアノの作曲家という印象が強い人が多いかも。
決して「合唱作曲家」じゃないから。


うん、それわかるな。
浅く「五つの願い」や
「地球へのバラード」を捉えるように
他の曲も強引に
「歌」だけの側に寄せてしまう演奏もあって。


そうそう。
作品が歌を求めていない場合も
あるじゃないですか。


「合唱」となるとどうしても
共感による歌を求めてしまう場合が多いよね。
おえコラの「縄文土偶」は
決して歌だけに寄せない、
ちゃんと三善先生の音楽へ
向かっている音がしました。


歌だけじゃなく「人間の声」で
音楽を作っている演奏でしたね。
合唱という表現の幅は広いということを
おえコラの演奏で改めて感じたような、
そんな演奏でした。



《文吾の感想》

課題曲「春」は優しい語り口で始まり。
長いフレーズもソリストも良く。
和声の重ね方、響きのバランスが繊細で
本当に素晴らしかったです。
最後、セカンドの「野を見よ」のフレーズが
他パートの声に吸い込まれるように
溶けて消えていく余韻の凄さ!
名演という言葉にふさわしい演奏でした。

自由曲「縄文土偶」から「ふるさと」
まず生ではなかなか聴けない作品なので
演奏してくれてありがとう、と。
幻想的な浮かすような声と
現実を示す声の使い分け、
運動性あるリズムのさばき方と表現のメリハリ。
松元先生のピアノから鮮やかに音楽が変わりましたね。
最初から緊張感ある世界にずっと呑み込まれ
後半の「二人の王」!と
渾身のフォルテッシモで歌われる姿に
身体も心もビリビリ震えました。
座談会にもありましたが
いわゆる「合唱」というイメージを越えた
三善晃という偉大な音楽家の本質を伝える
演奏だったと思います。



メールの投票では

 

抑制の効いた表現とここぞというパンチ、そして細やかな表現と、聴いてて飽きませんでした。

 

圧巻の演奏。
三善先生の作品も聞かせていただき、幸せでした。

 

 和音のバランス、ユニゾン、音楽のレンジ、音と言葉と表現の一体感など好ましく。
“今”鳴っている音に、次の音へとつながっていくことの正当性や理由が感じられた。

 


ツイッターの投票では

 

M4の緊張感で引き込まれた

 

先ずおえコラ。
重心をちょっと動かすだけで音楽が自然に動くのは、(残念ながら)昨日の大学生では感じにくかった部分。

 

おえこらさーん好き好き(・∀・)音の厚みがすごかったです〜日本語曲イイネ!です

 

課題曲冒頭の天女の羽衣感
自由曲 圧巻

 

ひとつの「作品」として作り上げられた完成度の高い演奏でした。
この2曲で入場料をペイできるレベル。


…という感想がありました。

 

 

 


観客賞・同声合唱部門第1位、そして観客大賞も受賞ということでおえコラマネージャーIさんからメッセージをいただいております。


* * * * * * * * * * * *

観客賞に投票いただいた皆様、あらためてありがとうございました!
正直賞なんかなんでもいい(でもスケジュール管理のためにはシードは欲しいw)なんて毎度支離滅裂な思考をしておりますが、観客賞についてはまっっったくいただけるなどかすめてもおりませんでして。
なみいる団体さんを押しのけて大賞までいただいてしまってありがたいやら恐れ多いやら。
「春」と「縄文土偶」という高い目標に一年を通して立ち向かいましたが、曲の良さを少しでもお伝えできていればなによりです。
本当にありがとうございました。

札幌での余談を二つばかり。

今回のツアー、地元在住の”超一流地方団員”(笑)の伝手を最大限に使わせていただきまして、前日は札幌市立青葉中学校をお借りして練習になりました。
ただ行くのももったいないと思っていたところにご提案いただき、ミニコンサートを開催させていただくことに。
会場の体育館に入ってみると、地元の調律師の方がピアノ調律までしていただいて恐縮するばかり。
当日ぶっつけ本番で青葉中の合唱部の方と一緒に「群青」も歌わせていただきました。
お礼とアンコールの意味もこめて、最後にはおえコラから「楽譜を開けば野原に風が吹く」を。
コンクールで歌いに行ったり、各団の方とお会いするのもうれしいのですが、地元の中高生や地域の方と交流できる機会をいただけるのが本当にうれしいな、と思っています。

f:id:bungo618:20190105161714j:plain



もひとつ、今回のMVPはなんといってもピアニスト松元博志先生です!
Kitara小ホールでの直前リハーサル、山脇が途中で練習を止めたと思ったら「あとは松元先生の練習をしてもらおう」と提案、メンバーは客席へ移動。
そこからはさながらピアノリサイタルの様相w 
リハ室スタッフの方もびっくりされたと思いますが、リハーサル残り時間を提示するスタッフの方が、松元先生に近づいて「あと3分」とかのプラカードを見せていたのは面白い光景でしたw 
でもおかげで、本番でのピアノとの対峙ができたのかもしれません。

f:id:bungo618:20190105161739j:plain

f:id:bungo618:20190105161752j:plain




最後に。
次の合唱団お江戸コラリアーずの本番は2019年8月17日(土)、第18回演奏会です。
場所は東京芸術劇場。ご来場お待ちしてます。
またそれ以外のスケジュールはスッカスカなので(苦笑)
おえコラを呼んでもいいよ?という方はお気軽にお問い合わせくださいませ!

* * * * * * * * * * * *

 

Iさん、ありがとうございました。
みなさん、今年の8月17日(土)は東京芸術劇場へ!
そして他の機会に、おえコラさんを生で聴いたみたい方もご連絡をどうぞ!!

 

 

(次回は5位以内に入らずとも印象に残った団体の感想を)