鴨川
私、文吾(以下、「文」)が司会になり4名で行った観客賞の座談会。
今回から混声合唱の部をお届けします。
他部門ですと第5位からなのですが、混声合唱部門は全16団体ですので、今回は第8位から!
同率第8位の2団体、出演順に感想を。
第8位
(70名)
A 課題曲G1、凄く良かったです。
声に冴えがあって。
B そうそう、MODOKIってG1が
合わなそうなのに合ってましたね!
A 個人的にMODOKIが前回G1を選んだ
2012年の演奏が好きで、
今回も楽しみにしていました。
文 2012年はパレストリーナでしたね。
B 昨年はコンクールをお休みして
2年ぶりの全国だったせいか、
先唱に続いて合唱になった瞬間
「ああ、MODOKIの音だ~」
みたいな久しぶり感があった。
A パートの線が4つ
ちゃんと存在感があって、
年齢層も幅広いのに統一感もなかなか。
今回聴いたG1の中でも好みというか…
とにかく好きでした。
文 自分は祈りに通じる
わずかな切迫感が良かったです。
C 祈り…2回目の「Sancta Maria」に
それを感じました。
B 繰り返しに意味があったよね。
C そう、「ora pro nobis」からは
主張、熱さもあって
「おー」って思いましたよ。
文 自由曲:Arnold Schönberg
「Friede auf Erden(地上の平和)」。
ピアニッシモでソプラノから
声を重ねて、とても良かったです。
A とにかくアツい!
去年のやえ山組の
あの演奏が記憶に新しいので、
正直声の冴えや
音程の精度が少し気になったけど…。
文 まあねぇ~(苦笑)。
A でも1位を取ったことのある
ベテランの域に入ってきた団体が
この難易度の高い作品に
挑戦した心意気は凄いと思うし、
MODOKIという団体と
地上の平和という作品が
対峙しているのを聴いて、
声がどうとか音程がどうとか
そんなのどうでもいいと感じたんだよね。
だから自分の一票はMODOKI!
文 山本さんが毎回言ってるけど
「コンクールはチャレンジ!」ですね。
MODOKIほどの団だったら
向いている曲を選べば
金賞の可能性は高くなると思うけど、
そこをあの難曲に挑んだという意義。
あと、凄いドラマ性を感じました。
A ドラマ性、あったね!
文 「Friede(平和)」という言葉を
どう歌うかが非常に考えられていて。
最初は明るく「Friede」と歌うんだけど、
争いによる人々の苦しみを経て、
嘆き、疑問を持った「Friede」。
最後に願いを込めた力強い「Friede」。
いろんな「Friede」があり、
しかもそこに至るまでの表現が
浮いていなかったと思います。
B monossoの「白鷺」の演奏でも感じた
山本さんの真骨頂ですよね。
一見明るい音でも奥深さがある。
文 そうなんだよね。
ピアニッシモのさりげない「Friede」に
目が潤んだ。
B この「地上の平和」もプリズムみたいに
人によって聞こえ方、
感じ方が違うんじゃ?と思わせる、
とても良い演奏でしたね。
メール、ツイッターの感想です。
某組(←)のを2回聴いた「地上の平和」、こちらは円熟味のある演奏でこれまた素晴らしかったです。
平和維持活動お疲れ様でした。
熱い思いの伝わる演奏が素晴らしかったです。
課題曲もすごく良かったです。
一フレーズごとに音響が広がる
シェーンベルクは荘厳さの中に祈りがあった
男声がとてもうまく全体を支え、動かしていた印象。全体的に声が柔らかく音楽もうねりがあり素敵でした。
自由曲が心に残りました。
特に前半部分の表現が素晴らしく、平和への希求の尊い想いが滲み出ていたように思います。
つづいて同率第8位の2団体目!
岡崎混声合唱団
(70名)
文 課題曲G2、
思い切り良い出だしで!
B 命を感じましたね!
A がっちりとした声で
シンフォニックな響きが
曲と合っていました。
C サウンドへの意識が良かったです。
文 自由曲:三善晃「五つの童画」より
「4.砂時計」「5.どんぐりのコマ」。
非常に安定した音運びでした。
C 熱量も凄かったですよ。
B こちらに迫ってくるような音がして
素晴らしいと思いました。
ソプラノと
アルトテノールバスを離したのは
何かサウンドの狙いがあったのかなぁ。
A 三善作品はまず
楽譜通りに演奏するだけで
いい演奏になると聞いたことがあって。
文 楽譜通り…それが難しいんですよね(笑)。
A それについてはかなり良かったと。
C 岡崎混声を聞いていつも思うのは
合唱団の厚み、枠のようなものが
しっかりしているなぁって。
B わかる。
それが音楽の構成を見せる力に
つながっているんだよね。
C OB合唱団ではあるけれど、
OB合唱団には無い、
響き、たたずまいがある団だと思って。
文 最後は渾身のフォルティッシモ。
大トリとしてこの全国大会を
見事に飾っていただきました!
メール、ツイッターの感想です。
魑魅魍魎の世界から現実に引き戻してくれた岡崎混声
岡混はハーモニーの厚みと密度に圧倒されました。
岡崎混声の三善作品の解釈、涙が出そうでした。
大トリにふさわしい充実した演奏
どんぐりのコマは終始かっこよかった
課題曲G2の中で一番好きでした。
とても自然な流れで心地よかったです。
自由曲、五つの童画でコンクール締められるなんて、幸せな時間でした。
続いて第6位!
Vocal Enesemble《EST》
(44名)
A 課題曲G2、
音楽の運び方が良かったです。
ESTってなんかもう
彼らにしか無いオーラみたいなのが!
文 オーラ(笑)。
でも確かにそうですね。
B 風格というか(笑)。
C 明るく、テンポが軽快でした。
文 自由曲:André Jolivet
「Epithalame(祝婚歌)」より「I」は?
C この一言に尽きます「楽しかった!」
AB文 (笑)
C いや本当に。
これほど幅広い表現を
眉間にシワ寄せるんじゃなく
「俺たちは!
楽しんでやってるんだ!!」
そんな雰囲気が凄く伝わってきました。
メッチャ楽しかった!
B そうそう!
非常に難易度が高い曲だったけど
こなすレベルじゃなく
自分たちの曲としてやった感じが
とてもあった!
A 歌い手の自発性を感じました。
いろんなことやってたね~。
文 やってましたね(笑)。
アフリカを思わせる音、
早口言葉みたいな遊び、
リズム隊にボイスパーカッション…。
B 演出も、サッと男性が両脇にはけて、
ソプラノ女王様登場!みたいな。
面白かったな~。
ぜひ映像で見て欲しい!
C ESTって海外のコンクールで
いろんな経験を積んでいるから
曲の面白さに加えて、
楽しい要素をふんだんに盛り込んだ
演奏ができるんですよね。
文 日本の合唱団じゃないみたいな。
衣装もESTらしいもので良かったです。
A 歌い手の自発性を感じる反面、
向井先生の指揮が
うまく統率しているようにも聴こえて
不思議な感覚になりました。
C 見て楽しい、聴いて楽しい。
久しぶりにEST聴いて
ワクワクできました。
凄い良かった!
メール、ツイッターの感想です。
ESTのG2めちゃくちゃスウェーデン語だった…
自由曲がカラフルな愛の世界を冒険しているようで楽しかった!
ESTは美しいサウンドが耳に残ります。
明るさも暗さも綺麗に描いていて、作品の空気感に包まれました。
ワールドワイドの音楽を醸し出したEST
張りのあるサウンド
超絶技巧を振付までやりながらこなしたのは素晴らしい
聴いてて楽しかった
ESTの自由曲の世界観に浸って僕も頑張るぞって思えた
中部から気に入っていたG2、今回も向井先生のロマンティシズムを感じました。
ジョリべもついに魅せるところまで来た(と思いましたが当日も音取りをしていたとのこと)。
こちらも評価されたのが嬉しかった団体の1つです。
(第5位の感想に続きます)