観客賞座談会・大学ユースの部 その4

 

 

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牛窓オリーブ園 ©岡山県観光連盟

 

 



今回から観客賞・大学ユース合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記していきます。
5からの感想はこちらへ。

 

 




Ensemble SAKAE
(混声49名)

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文 課題曲G3
  「うたをうたうのはわすれても」
  統一された響き、
  若さを感じさせる声が
  良かったですね。


A 声の芯があって
 自信を持って
 歌っている感じがしました。
 母体の埼玉栄高さんは
 伝統的にひとりひとりが
 声を出して合わせる文化かな。


文 自由曲1曲目
  Jukka Linkola
  「Mieliteko(歌の魂よ)」は?


A 音が立体的な感じがしました。


 あ~、そうですね。
  音響が良く考えられている。
  リズムにも若さがあって。
  それは自由曲2曲目の
  Jacob Narverud
  「V. Monterosso al Mare
   (Agnus Dei:神の子羊)」にも。


B 音響効果から
 女声への旋律には
 爽快感もあって! 


 後半は男声の旋律の歌い方も
  良かったですよ。


A 構造上、音の塊が
 割と飛び出て聞こえる曲。
 それを凄く上手く
 やっていましたね。


 音響効果だけが
  伝わるんじゃ無く、
  合間の旋律も音楽として
  違和感なく流れていました。


C 現役の高校生と
 大学生や若い社会人が
 こうしてコンクールへ出ることは
 自分は良いことだと思って。
 現役と若いOBOGがじっくり
 コンクール向けに練習することで
 現役の高校生たちも
 非常に勉強になるんじゃないかな。


 優れた音響や
  細かなバランス調整は
  積み重ねた時間が無いと
  効果が出ないものだから。
  そういう面で
  SAKAEさんの培ってきたものを
  とても感じました。



メール、ツイッターの感想です。

 


特に自由曲のサウンドが好きでした。


音の鳴りと混声らしい分厚さ。
特に欲しいところでしっかり鳴るベースが印象的。


声の密度やパートバランスが良い。
自由曲1曲目は以前Vineがやってたけど、倍の人数でやるとまた違った楽しみ方ができた。
2曲目の弱音の持続が素敵。
島方先生が中学校で志向していたサウンドがここに結実したような感じ。







九大混声合唱団
(混声73名)

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文 課題曲G3
  「うたをうたうのはわすれても」
  大学生らしい、
  気持ちが入った演奏で。


A 他団体と比べて精神的に
 人数が多いことの強みが
 あったかな。
 ひとりひとりが
 そんなに頑張らなくても
 肩の力を抜いて
 歌えたところはあるかも。


B あ~、なるほど。
 人数が少なく緊張してると
 聴く側も緊張しちゃう。


A そうなんですよ。
 だからナチュラルに
 聞けました。


 「手をふった人の」から
  気持ちと歌の盛り上がりが
  シンクロしていて良かったです。
  自由曲1曲目:信長貴富
  「2.こいうた」は?


A 古典的な言葉もあって
 試みとして面白かった。
 2曲目の「1.恋唄・空」
 とても爽やかだったね。


C 声が明るく、
 さすが九州の団体!
 2曲目は特にソプラノが
 伸びやかだったな~と。


 そうですね、
  出だしのソプラノが
  とても良かった。


B 指揮の竹田先生の音楽って
 曲始めにガツン!とカマす
 印象があるんですけど、
 この2曲目はカマすだけじゃなく
 後へ繋がり持続する魅力もあって。


 流れもあって失速しなかった。
  ホモフォニックになる箇所。
  「君もまた」、心に響いて。
  ……若い人たちが
  こういう恋の歌を歌うのは
  おっさんには
  胸がキュンとなりますね(笑)。


B 気持ちわり~(笑)。
 でも大学生ならではの演奏。
 「若者にしか歌えない歌」の
 魅力がありました。




メール、ツイッターの感想です。




自由曲は詩と音楽がすっきりと届いてくる佳演。
2曲目の爽やかさは大学合唱団だからこそ。


ハーモニーがバランス良く纏まっていたし、自由曲こいうたは安定した歌声の中に若く瑞々しい恋心が表現されていて素晴らしかった。



(大学ユース部門、最終回へ続きます)