観客賞座談会・大学ユースの部 最終回

 

 

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西大寺会陽 ©岡山県観光連盟




観客賞・大学ユース合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記しています。
5からの感想はこちらへ。

 

 

 

 

 

 


信州大学グリークラブ

https://twitter.com/shin_gleeclub

(男声36名)

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C 課題曲M2「Preghiera」、
 とても丁寧に歌おうとしていて。


A メモにまったく同じ事書いてる!


C Andantinoだから
 あれぐらいのテンポなんだけど
 ちょっとだけ流れが停滞してたかな。
 イタリア語のイントネーションや
 アクセントに気を付けたら
 流れが出たのでは。


 デリケートな演奏でしたね。


C 凄く好感を持ちました。


文 自由曲:三善晃
  「三つの時刻」
  内省的に演奏されがちな
  この作品を、
  若者らしい情熱でもって
  しっかり魅力を
  伝えてくれたことに 
  「お!」と思いましたね。


A ピアノが入ったら
 歌い方が変わって
 サウンドも良くなった。


C やっぱりピアノという
 拠り所があると安定感が。


B 3曲それぞれの個性や
 ドラマはしっかり
 表出していたんじゃないですか。


A そうですね。
 こういう曲は3曲の違いを
 どのように歌うかが大事。
 信州グリーは
 その点、かなり良かった。


文 「午後」には激しさもあってね。
  先ほども言ったけど、
  こういう若さを
  前面に出した演奏は
  あまり聴かないので新鮮でした。


A 指揮者に「歌わされる」じゃなく、
 フリーな感じに聞こえたのも
 良かったです。


 うんうん。
  それはとても良い個性。
  さらに「松よ」の最後には
  ちゃんと三善先生の音が
  聞こえてきました。




メール、ツイッターの感想です。



課題曲のスマートさお洒落さが印象的でした


コンクールを忘れさせるような爽やかさ。


最初から最後まで実にスマート


ここまでで一番歌い手の自主性を感じる演奏。
爽やかなサウンドも心地よく、M2と自由曲3曲の歌い分けがハッキリしていて、聴いてて楽しめた。









早稲田大学コール・フリューゲル

https://twitter.com/chorfluegel

(男声27名)

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A 課題曲M3のコンポジション
 しっとりというか
 控えめというか……。


 昔からのグリー調とは違う、
  流麗で和声を重視する
  新しいタイプの
  スマートな男声合唱でしたね。


C 知的な感じで。


A それは思った!


C この子たち、
 賢いんだろうな~って(笑)。


B 文吾さんが言った
 和声、その作り方にも
 知的さを感じましたよ。
 勢いで流さない。


C この団体ではM2のロッシーニを
 聴いてみたかった気も。


 でも、古くから知られている
  邦人作品を演奏されたからこそ
  この団体の特長、
  美質を感じられたのかも。
  指揮者は明日の同声合唱に出場される
  WAKAGE NO ITARIさんと同じ、
  真下洋介先生ですね。


B この団体の良さが
 ハッキリ分かったのは
 自由曲:三宅悠太
 「修司の海」からでした!


A そうそう、
 この印象的な作品の特長を
 上手く出していた。


 あと、ピアニストの
  小田裕之先生がお見事!


ABC 上手!素晴らしい!
  (……等と口々に賞賛)


B 合唱とのバランスも素敵で。
 ピアニッシモの合唱ロングトーン、
 それに乗せて
 小田先生の精巧で美しいピアノが。
 「うっとり・・・」。


A 自分もプログラムの小田先生に
 二重マル付けてて!


 某ピアニストさんが
  「今日のベストピアニスト賞は
   小田先生です!」


ABC そうだよね!


 合唱の演奏に戻ると、
  語り口、語感、
  ニュアンスが優れていてね。
  若い男声の繊細さが
  良く出ていたと思います。
  こんなこと言ったら
  怒られるかもしれないけど。
  ……ひょっとしたら
  初演のワセグリさんより
  良い演奏だったんじゃない?


ABC(笑)


A ちょっと初演の指揮者先生を
 お呼びしましょうか?(笑)
 (※初演指揮者のA澤先生が
  同じ店にたまたまいらっしゃいました…)


 ウソ!嘘です!
  お願いだから止めて(笑)。
  初演を聴いてない人間の
  戯れ言です!


B 聴いてないんかい(笑)。
 フリューゲルさんの繊細さが
 ワセグリさんに出せるか?!
 と文吾さんは
 言いたいわけですね?


 い、いや、
  最近のワセグリさんも
  繊細さという面では
  負けていないんじゃないかな~。


C (笑)。
 ワセグリさん初演の曲を
 こうしてフリューゲルさんが
 演奏するというのは
 一昔前では考えられなかった。


B うん、お互いのライバル心が。
 だからこそ、
 個性を確立出来たというのも
 あるだろうし。


 良い作品ということを
  伝えてくれる
  新しい魅力の男声合唱団でした。
  この作品を生み出してくれた
  ワセグリさんにも
  感謝しないと、ね!


B ビビり過ぎじゃないですか?(笑)




ツイッター、メールの感想です。



これぞ男声合唱という端正なサウンド。
言葉がとても自然に聴こえる。
弱音の持続が抜群に上手い。


サウンドのまとまりがピカイチ!
上質な倍音の海に飲み込まれた


素晴らしいピアノと外さない演奏をした早稲田フリューゲル


声の統一感が言葉と音の訴求力を倍増しに。
自由曲は幻想的なサウンドと奥行のある表現、ピアノとの協奏も素晴らしい。


「修司の海」から IV. サンゴ 一つの声に聴こえる厚い音。
綺麗な和音も印象強かったです。
また、言葉がハッキリと届いてきます。
歌詞の重みを噛み締めてじっと聴き入りました。



(室内合唱部門で印象的だった団体の感想に続きます)