10月23日 15:00~ 豊中市立文化芸術センター大ホール
ラトヴィア放送合唱団の演奏会へ行ってきました。
もう前半の時点で強く強く打たれたため、帰ってもいいかなと思う出来!
完璧な音程、多彩かつ絶妙な音色の選択。
人の声なのに弦楽アンサンブル、パイプオルガンを連想させる響きも。
ウィールクス、トムキンズ、バードはブレスコントロールとフレージングの巧みさで、音楽が絶対に途切れない。
バッハは表現の彫琢が精緻かつ深く、作品ごと、場面ごとの音色や表現の豊かさに唸らされる。
演奏が終わった後、一呼吸置いて波紋が広がるごとく、感動に身体が満たされました。
休憩後のブルックナーのモテットは何度も聞いた、なんなら歌ったこともある作品が、全く別物と聴こえる凄さ。
音楽の運びが聖堂の残響を思い出させると同時に、ブルックナーの交響曲で喩えられる、宇宙的な広がりも。
ブルックナーとはこんなに凄かったんだと初めて真価を理解したような。
笛の音や人工音が聞こえたリゲティ、様々な現代的音楽表現を盛り込むが浮かず、哀しみを湛え、歌心を感じさせたヴァスクス。
アンコールの優しく慰撫するような「ウクライナへの祈り」と、本当に素晴らしかった。
ベースの最低音もオクタヴィストが幾人もいたような低音の鳴り。
一説にはLow-C、さらに下のA-1まで聞こえてきた方もいたとか。
あと武蔵野公演のプログラムを見たら、マーラー:アダージェットの編曲などもプログラムに入っていて。
オーケストラとの協演も聴きたかったけど、こういう耳に慣れた無伴奏曲こそ聴いてみたかった。
いやとにかく早くの再公演を希望。
まぁ、あのブルックナーを聴いたことであと2年は闘える(?)気はします。
個人的には2018年にいずみホールで聴いたリアス室内のモンテヴェルディ以来の感動でした。
突き抜けた演奏は体験になりますね。
S席、Q列目と演奏の全体像を観るのにとても良い席だったのだけど。
叶うならば全体像なぞ気にせず、最前列で最初から聴き直したい、あの声をできるだけ間近で浴びてみたい。
それは指揮者の優れた音楽性はもちろんだけど、まず出された一音がとても魅力的だったから。
全員が耳を使った完璧なバランスの深い音色、響きにとにかく惹きつけられました。
会場でブルックナーのCDを買い。
再公演まで頑張ってこのCDでしのぐことにしましょう・・・。