観客賞座談会・室内合唱の部 その2

 

天空の船「宇宙への旅」・なばなの里(桑名市)
提供:三重フォトギャラリー

 

室内合唱部門同率3、もうひとつの合唱団です。

 

愛媛県・四国支部代表

Chorsal《コールサル》
https://twitter.com/chorsal

(混声18名)

 


文 課題曲G2は良い意味で力が抜けていて。
  「わかってる」感がありましたね。


C メロディを美しく聴かせようとする、
 そんな意識があったと思います。


 テキストから考えると
  熱演がふさわしい作品かな?と思って。
  Cさんの仰るように熱演じゃ無く
  メロディの美しさを聴かせるような
  サルさんのアプローチが良いなぁと。


B 第一声から
 「これがコールサルです!」
 という音がして、
 最初から引き込まれました。
 ドイツ語の発語も良かったと思うし
 自分たちの持ち味を活かしながら
 ロマン派の音楽も
 表現しようとしていた。


C 並びがSATBじゃ無かったでしょう?


B そうそう、おそらく
 カルテットを意識した並び。
 音楽も合唱じゃない、
 重唱の音楽の作りを考えていたのかな。


A とても好きな演奏でした!


 「大人のたしなみ」みたいな
  良い雰囲気がありましたよね。
  自由曲1曲目
  信長貴富「Faraway」
  まず女声が切々と訴える印象。
  と言っても「私良い声なのよ!」
  じゃない素朴さ。
  そこにジーンとしてしまいました。


B これもバラバラな並びが
 効果を上げて
 響きを上手くブレンドしていました。


 テキストとしても
  「聴く」という行為を追求するような。
  自分の体験を歌に反映し
  さまざまな世界を見せてくれた
  印象もありました。
  そこから一呼吸置いてすぐ
  信長貴富「唄」。
  あのタイミングのピアノ前奏に
  ぐっと耳目が集まりましたね!


B 光が差すような・・・。
 ハッとして心に響きました。


 生の喜びを
  歌っている曲なんだけど
  「私は生きられる」という言葉も
  サルの男声さんは
  単純に喜びを歌っていないところ。
  そこに年輪と言うか……。


C 「大人のレガート」って感想を
 プログラムに書いていて。
 凄く大人の作る音楽だなぁと
 思ったんですよ。


AB文 あ~(同意)。


 今回、何回も出ている言葉ですけど
  「等身大」。
  サルのみなさんが背負ってきた
  人生がそのまま歌に表れている。
  だってね、病を押し旅行へ行って出た
  「私は生きられる」が
  単に明るいわけは無いんですよね。


A この詩は盛岡旅行中に詠まれたものですが、
 前年、道造は泊まっていた軽井沢の旅館で
 火事で焼け死ぬ一歩前という体験をしていて。
 つまり、病気だけでは無い。


BC文 へぇ~!


A 持病もあり、火事の体験もあり。
 人生の哀しみを感じ、
 深い死の影に覆われている中の
 「私は生きられる」ですよ。


B 「伝えよう」という気持ちが
 凄く歌に現れている。
 「唄」に関してはバラバラの並びが
 ちょっと裏目に出てた印象。
 もっと言葉が聞きたかったし
 もっと前に出て欲しかった。
 だけど、そんなことなんか
 どうでも良くなってしまうくらい
 曲の魅力が伝わり非常に感動的でした。


 ステージから流れてくるものが
  「練習成果発表会」じゃなく、
  聴く人とともに生きて歌っている感が。
  サルさんのために書かれた曲のような。


B 前回出場の8年前より
 数段レベルアップしていましたね。
 表現したいことが
 ちゃんと表出できていた気がする。


 尾海あかり先生のピアノも、
  最後が美しくてね。
  はかない命が消えていくようで、
  ダメ押しのように泣いてしまいました。


C そうだね、余韻まで感じさせる・・・。


B 今までは若々しく歌おう!だったのが
 今回は大人の声、大人の表現。
 こういう方向性が
 サルさんに合っていたと思います。

 

メール、ツイッターの感想です。


歌い手の曲への共感を一番強く感じた合唱団。


サルさんの「Faraway」は僕も歌ってみたかった曲で、とても良かった。
久しぶりに聴けて嬉しかったですね~。


G2の語り口というか音楽構成はここまでで一番好き
歌詞とともに歌い上げる喜びが伝わって来る
選曲や並びも相俟って今回不在の(長野の)まいさんみを感じた


コールサル、これぞ室内!自由曲の信長さんは反則!あれはまず曲が泣ける!(笑)もう「りんごの〜🍎から!うるうるし始めた(笑)
そして「私は生きられる」で決壊😭


G2、一番納得の演奏!縦ノリでオペラ歌手のような豊かな響き。ピアノもお見事。
上手さでは甲乙つけられないので(泣)、成熟した響き+心に訴えかける何かで選ばせて頂きました。


善さんの見た目も指揮もammrさんに似すぎて合唱団まで某アニメに見えた🤣
シューマンは拍子やスタイルを意識した演奏。過剰なくらいがちょうどいい
自由曲は英語の曲は少し英語に聞こえなかった、発音というより雰囲気?日本語の曲は大事に歌われて素晴らしかった。


G2はあっさりながらシューマンらしいリズム感のある演奏
自由曲は同じ作曲家ながら趣の違う作詩者の互いの世界観の違いを見事に届けた

 

 

 

 


2

佐賀県・九州支部代表

女声合唱団ソレイユ

https://twitter.com/soleil_chorus

 (女声24名)

 

 

文 課題曲「定点観測」、
  Bさんが九州大会を聴いて
  「宇宙を感じさせる……」って
  言ってたじゃないですか。


B 言ったね(笑)。


 まったく大げさだなぁBさん(苦笑)、
  そう思って聴いたら
  「……宇宙やん!」


ABC お約束(笑)。


 ダイナミクスの幅や
  フォルテッシモとかとてつもないし。
  「夜を待つ」なんて荘厳すぎるし!


B 宇宙で花火を見ているんだよ(笑)。


 宇宙から……誰目線なの?(笑)
  なんか背の高い彼を見上げて
  彼の顔に花火も映り込んでうふふ、
  じゃないよね。
  天地開闢イザナギイザナミ!みたいなさ。


C 詩が壮大になってきた(笑)。


B 合唱が入る「夏至も」piu pね、
 あの時点で自分はもうダメだった。


BC文 早っ!(笑)


B 3つしか音を出していないのに
 心を掴まれてしまって……。


C 今回、ピアノの位置の問題もあって
 ピアノが入ると言葉が潰れがちな
 団体が多かったんですけど、
 唯一、全くそれが無かった。
 ピアノが入っても、
 声がドーンと飛んでくる。
 基礎力が高い。


A 指揮者の樋口久子先生が
 指導された中学校や高校のメンバーが
 中心だとは思うのですが、
 いわゆるOG合唱団とは
 明らかに違うんですよね。
 何が違うかとは上手く言えないんですが。


B やはり、
 先生に言われたことだけじゃなく
 先生に言われたことを
 個人が咀嚼し、
 ものにしている違いなのかな。


文 自由曲
  プラウリンシュ「印象日本」からは?


A これだけ基礎力が高く安定しているのが
 課題曲で十分過ぎるほどわかっているので
 純粋に作品が楽しめるんですよね。


C そう、わかる!
 「次の曲に
  何を持ってきてくれるんだろう?」
 そういう期待感をずっと保って
 聴いていられるんですよ。


 ですね、作品を聴くこと以外に
  気持ちが逸らされないのは嬉しい。
  マリー・シェーファーの
  サウンドスケープのようなものや
  オーソドックスな宗教曲っぽいものや
  ポピュラーソングの要素もあってね。


C どの曲か忘れたんだけど
 お一人がヴォカリーズで歌った曲!


 あ~! 
  あれ凄かったですね!


C もともとNHK東京児童合唱団の
 委嘱曲なんでしょ?
 あんなソロ、児童が歌えるのかな?!と。
 ホント凄かった。
 もう・・・「盤石」としか言えない。


B いろんなスタイルの曲を
 ぜんぶ完璧にこなしている!
 さすがソレイユさまですね。


 本当にそうですね!
  まず最初の
  小林一茶「有明や」という俳句が
  夜が明けるだけじゃ無く、
  天地の始まりのような
  スケール感だったものね。


C 昨年は横綱から皇后さまへ。
 今回は、もう、なんだろう……。


B 宇宙からの視点、
 天地の始まり、と来たら
 ・・・「女神」?


A ついに人間を超えてしまった(笑)。


 「ソレイユ神」、
  「ああっ、ソレイユさま」
  (ブツブツ・・・)


B 来年は金賞1位が10年連続に
 なるかどうかの年
でしょ?
 合唱連盟もそろそろ
 「ソレイユさま枠」を用意した方が
 いいんじゃないかと思うんだよね(笑)。


 30分くらいの
  「ソレイユさまオンステージ!」とか。
  プレッシャーも大変でしょうが、
  来年の演奏も楽しみにしております!

 

メール、ツイッターの感想です。


ソレイユ様。
感服しました、しもべにしてください。


室内のソレイユさまは「別格」


強弱、発声などの技術力が高かった


いつか果てるとして に入る前の休符が今日の全体のすべての曲の中で一番美しい音?でした。
キラキラしたよそ行き声なのに温かさもあり心を鷲掴みに。


F4は今年いろんな団体が演奏したけれど、ソレイユさんだけ定点観測通り越して宇宙で天体観測してませんか???
自由曲の超絶技巧も余裕をもって聴かせていて毎度のことながら圧倒された


自由曲後半のヴォカリーズ、人の声とは思えない美しさでした。
ずっと聴いていたいと思う演奏でした。


(相澤氏流に言うと)、曲が喜ぶ演奏をしていたと思います。
聴き手側は、演奏のあれこれを考えることなく、曲の世界に入っていく事が出来ました。


ソレイユはホールの残響がとんでもない


もう、これぞ大人の声!合唱!でした。
女声合唱でここまで聴かせていただけるとは、、、
自由曲はシアターピース的なシチュエーションで再度聴いてみたい


初めて生で聞けました。
課題曲、ピアノと合唱の双方が歌声であり楽器と感じる一体感。
自由曲、美しい声で和の言葉をテクニカルな楽曲として歌うという異次元の演奏に感動。

 

 

(室内合唱部門 第1位の感想に続きます)