観客賞座談会・室内合唱の部 その4

 

結城神社(津市)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞室内合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想です。 


第5位以内の感想はこちら。

 

出演順に。

愛知県・中部支部代表

エシュコル

(女声19名)

 

A 凄い好きでした!


 ねぇ!華やかかつ明るい声で
  課題曲「Quam pulchra es」を歌い。
  19名の少人数と思えなかった!


B 安定感がありましたよね。
 音楽の作り方も良かったです。


文 自由曲:木下牧子「あけぼの」
  「春は来ぬ」は?


B とても好きな演奏でした。
 ハーモニーの移り変わりが
 ちゃんと聞こえて。


 うん、声が均一だし、
  ハーモニーの作り方を理解していて
  実に効果的でしたね。
  早朝のかすみのような、
  幻想的な感じも良く出ていました。


B 夜明けの陽が射してくる・・・
 それがハーモニーを通して
 聞こえてきました。


A コンクールでは「春は来ぬ」の方が
 演奏回数が多くて人気があるんですが
 木下先生が仰るには
 「私は《あけぼの》の方が
  断然気に入ってます!」


BC文 へぇ~(笑)


A 「あけぼの」のぶつかる音は
 近いところで多用していて難しい。
 でも難しさより、
 鮮やかさを感じさせる演奏でした。


B 「春は来ぬ」も対比として
 良い演奏でした!


 音楽をガラリと変えてましたよね。
  リズムを軽く入れながらも
  貫くフレーズに存在感があって。


B ああいう厚みのある声は
 一辺倒になりがちなんですけど、
 エシュコルさんは細やかな音色や
 表現の変化があって
 とても良かったです。


C 表現力がありましたよね。
 

A 私、小原先生の指揮、
 とても好きなんですよ。
 見てて楽しい・・・。


 エシュコルのみなさんも
  「先生の言うとおりに!」じゃなく
  小原先生とコミュニケーションを
  交わしている印象だったのが
  素敵でした。


A 大学ユース部門から
 室内合唱部門のトップバッターで。
 この部門らしく、
 個々の力を発揮していましたよね。


 そうそう、「変わったな~!」と
  思わせてくれたものね。
  気持ち良い演奏でした。
  実力がある団体なので
  今後もぜひ頑張ってください!


メール、ツイッターの感想です。

どこを取っても同質な美しい声で驚きました。
それでいて一人一人の歌心も存分に感じられる魅力的な演奏でした。


美しいハーモニーと日本語でホール中に届ける


初全国でトップバッターながら堂々とした演奏
課題曲の軽快さと自由曲の色付く展開の対比が鮮やか


息づかいを含めた空気感、世界観が圧巻でした


室内のトップバッターとして、大人の合唱団の矜持を見せてくれました♪

 

 

 

北海道・北海道支部代表
弥生奏幻舎"R"

https://twitter.com/yayoi_sgs_r

(混声18名)

 

文 課題曲「草原の別れ」
  素朴な感じで。


A もう少し何かやるのかな?と。


 Rのことだから、
  自分たちでは気づかないレベルのことを
  色々やっていたのかもしれない(笑)。


B その前のみなまたさんよりは若いけど、
 でも他の団体ほど若いわけでは無い。
 そういう中間管理職的な……。


文AC 中間管理職(笑)。


B 酸いも甘いも噛み分けた人たちの
 音楽だな、と。
 個人的には非常に共感しました。


C 一人一人が何かやってやろう!
 そういう雰囲気が出ていた感じがする。


B 以前のRだと一人一人が
 「我が道を行く!」演奏にするのかな?と
 思ったけど今回はまとまりがありました。
 これも新境地なのかな。


C そうなんですか?
 いや自分はあまり
 聴いたことが無かったので。
 でも、他の団体と比べたら
 一人一人の歌おうとする気持ちを
 課題曲からひしひしと感じましたよ。


 Cさんと比べて
  自分たちはRに
  思い入れが強過ぎるのかも(笑)。

  自由曲1曲目:コルデロ
  「Ave, Regina Caelorum
  (めでたし、天の女王)」
  凄く良かった!
  始まりからふさわしい声に変え、
  スピード、リズム、疾走感!
  さらに男声の重なり、
  和音と共に細やかなニュアンスの変化。

 

B まさに「R」らしい曲と演奏!
  2曲目:デュブラ
  「Eripe Me(主よ、我を救い出し給え)」、
  自由曲1曲目とは
  打って変わってひそやかに。
  音色や表情を変えて
  混沌とした世界から
  救いを求めているように感じました。


 えぇと、マスク付けたのは3曲目から?


B そう、3曲目が始まって
 舎員みんながマスク付けて移動。
 定位置に着いたら外してた。
 パフォーマンスとして
 面白かったよね。


A 音楽的にもあまり影響が無いように
 自然に流れの中でやっていて
 よく考えているなぁと。


 ・・・あれって、
  「こんな短い移動でも
   マスクするんだ俺たちは!」
  そんな皮肉だと思ったんだけど?


C 自分もそう思った!(笑)
 だって袖から入場の時は
 マスクを外しているわけだから。


B えっ、そうなの?!
 やりかねない団だけど(笑)


 真相は謎のままにしておきましょう(笑)。
  3曲目:パクパク族民謡
  「Cikala Le Pong Pong
  (チカラ・レ・ポンポン)」、
  これこそ「"R"ワールド」!


B ツイッターの感想を見たらね、
 Rのバラエティに富んだ動きに
 「Vineみた~い」
 と書いてあるのがあって。
 違う!Rのほうが先なんだ!!(怒)


 愛が重いですよ(笑)
  インドネシア民謡なんですが
  男女別の振りに
  ボディーパーカッションも加えて。
  パフォーマンスだけじゃ無く、
  声も生き生きとしていた。


C そもそも、この「パクパク族」って
 実在するの?


A 先ほどのマスクでCさんが
 疑心暗鬼に(笑)。


C なんならこの編曲者も
 R舎員という疑いが(笑)。
(※パクパク族は実在しますし、
 編曲者のKen StevenはR舎員ではありません!)


B 驚いたのは動き始めてから
 ハモりの精度が上がったこと!


A そんなことある?!(笑)


B コンクールなので拍手は
 指揮者が完全に動きを止めてから。
 でもRには唯一フライング拍手が!


 客席を十分湧かせていましたね。
  いや本当に楽しかった~。
  次回は18年後ではなく
  もっと早くの出場を願っています!

メール、ツイッターの感想です。

弥生Rさんも久しぶりに聴けて嬉しかったですね~。


”R”さんは室内合唱を追求する選曲で楽しかった。


しっとり丁寧に言葉を紡ぐ課題曲
色合いの違う三曲を歌いわけ素敵なパフォーマンスで会場が沸く。
何故か3曲目でまたしても涙


少ない男声がよく鳴っている
サウンドは違うけどVineさんでよく見るような構成で楽しかった
自由曲2曲目から3曲目の転換よく考えたなあ…


小さい工芸品のように見とれる演奏だった…
動く時の振る舞いが良かった!
ひな壇は打楽器にもなるんや…


フィギュアスケートのフリーの様に
合唱団の世界観を明確にした上で
極めた演奏を聴かせてくれた


自由曲のどれもが魅力的で、楽しませていただきました。
もっともっと聴きたくなりました。

 

 

 

東京都・東京都代表

女声合唱団 ゆめの缶詰

https://twitter.com/yumecan_choir

(女声23名)

 

文 課題曲「定点観測」、
  なにか余裕まで感じさせてくれて。


B 2回目の出場だけど
 風格を感じますよね。
 一音聴いただけで
 「あ、ゆめ缶さんだ!」
 そういうものを早くに
 確立しているな、と。


 曲への思い入れが深いのと
  言葉の扱いが繊細で。
  「きみに うつりこむ」とか
  うっとりしてしまいました。
  また小田裕之先生のピアノが!


B 素晴らしかったよね。
 作曲者の宮本正太郎先生が
 あい混団員さんということもあり、
 「自分たちの曲」の思い入れもあるし、
 それが演奏の力になっているんだろうな。


 ソレイユさんとはまた別方向で
  女声合唱の魅力を
  たっぷり伝えてくれる演奏でした。
  自由曲:土田英介
  「子守唄・子守唄よ」
  最初のハミングと旋律との
  絶妙なバランスに引き込まれました。


A これだけの声、基礎力が無いと
 コンクールでは戦えない曲だと思って。


 実力があるからこその金賞2位。
  確かに、いわゆる「コンクール向け」の
  明確なメリハリがある作品じゃ
  無いものね。


B そう。決してコンクールでは
 有利とは思えない曲だけど。
 それでも弱声の美しさ!


文 そうそう!
  デクレッシェンドからのピアニッシモ!


B 弱声でも気持ちが途切れなかった!


 音響への優れたセンス、
  色彩のグラデーションが素晴らしく。
  眠りに誘う、夢の世界を
  この上なく表現していたと思うんですよね。
  「相澤先生が
   いつかチャレンジしたいと思っていた
   隠れた名曲」というのが
  とてもよく理解できた演奏でした。


メール、ツイッターの感想です。


ゆめ缶すごすぎる、すごすぎてすごいしか言えない


期待を上回る演奏だった


透明で美しすぎる音色が真っ直ぐ心に響く演奏


定点観測のサイズ感、好きでした。
2つの詩を組み合わせた自由曲(面白い作品)もしっとりと聴かせてくれました。


透明感に満ち溢れてたり力強かったりするわけではないのに、サウンドの方向性と語り口が優しく包み込んできて、気がつけば作品の世界に引き込まれてしまう


(相澤氏流に言うと)、曲が喜ぶ演奏をしていたと思います。
聴き手側は、演奏のあれこれを考えることなく、曲の世界に入っていく事が出来ました。


言葉の歌い方が吟味されていて色彩豊か。ハーモニーを意図的に縦に合わせようというよりフレーズの中で自然に発生してる感じが心地よい。
声も発散させずに知的なコントロールでアンサンブルを感じる。耳の開いた演奏。

 

 

(室内合唱部門、印象的だった団体の感想、続きます)