観客賞座談会・室内合唱の部 最終回

 

 

あづり浜(志摩市)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞・室内合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想の続きです。 


第5位以内の感想はこちら。

 

 

岡山県・中国支部代表
倉敷少年少女合唱団

https://twitter.com/kurashiki_ss_g

(女声24名)



B 課題曲「寂庵の祈り」、
 音程感がバツグンでした。


A ホールをよく鳴らしていて。


文 自由曲:鈴木輝昭「渡り鳥」
  素晴らしかった!


ABC うんうん。


 軽やかなリズム、
  うねりまで感じさせて、
  さらに集中力が全く途切れない!


B 声に存在感があったし、
 音楽の受け渡し、やり取りも
 優れていたね。
 発声が均一だから実に効果的。


 終わった後、余韻まで感じるような。
  2曲目:ビーブル「Ave Maria」、
  とても真摯な祈りが感じられました。
  男の子4人も頑張ってましたね。


B 歌い手の子たちはみんな
 この曲好きなんだろうな~と
 感じましたよ。


 そうですね。
  「Sancta Maria」にも
  自分たちからの発信があって
  涙腺を刺激されました。


B メチャクチャ美しいしね。
 歌ってたら絶対好きになる曲!


 同時に難しい曲だなって。
  ちゃんと危なげなく聴かせるには
  かなり高い実力が必要。
  そういう面で倉敷さんの
  よく鍛えられた力を実感しました。


A 約150名から選ばれた
 精鋭というのも納得できますね。


B ハーモニーの精度が高かったなぁ。


 こういう「名曲なんだけど
  ちゃんと聴かせるのは難しい」作品、
  倉敷さんの演奏で聴いてみたいですね。
  エセンヴァルズ「O salutaris Hostia」とか。
  客席を取り囲んで欲しい!……ダメか(笑)。


B 西村朗とラターとか。


 「For the Beauty of the Earth」や
  「The Lord bless you and keep you」とかね!
  良いな~、聴いてみたいな。


C それ、コンクールとは別方向の
 難しさを要求してない?(笑)


 ごめんなさい(笑)。
  「少年少女合唱団」だからこその
  「現代曲+名曲」のプログラミングが
  とても面白くて。
  これからも楽しみにしています!


メール、ツイッターの感想です。


大人の歌声に交じって、とてもよかったです。


びっくりするほど端正で上手かった!


素晴らしい歌声に涙が出ました。


鳴り響く明るい声で会場を席巻
今度は弱音も聞いてみたい
すごいなあ、確かにメチャクチャ明るい声で鳴り響くって感じですごかった。


3曲の有機的な繋がりというよりは1曲ごとの表現がよくできているなと思った
ソリストもできるカウンターテナー素晴らしい


倉敷少年少女合唱団のFrantz BieblのAve Maria
あまりの美しさに落涙した。天使の音楽、天上の音楽とは、まさに、まさにあの演奏だった。
倉敷少年少女合唱団の会場CDをお使いで購入したんだけど、折角だし渡す前に聴かせてもらおうと思って聴いたけどまた涙溢れ出てきた 音が光に満たされてる

 

 

千葉県・関東支部代表
AF合唱団
(混声20名)

 

 好きだったので一票入れました!
  課題曲G1、女声が曲を理解した
  ひそやかな音色。
  フレーズの細やかな抑揚が良くてね。


A この室内合唱部門で
 テノールとベースの音色が
 凄く明確に分かれていたのが
 印象的でした。


 リフレインも歌い方を変える
  繊細さが良かったです。
  自由曲:小林秀雄
  「I.爽やかな五月に」
  「II.さびしき野辺」
  改めて良い曲だなぁと。
  ソプラノが少女の声になって。


B うん、好きだった!


 上質の恋愛映画を観るよう。


C そう!情感と共に
 情景が伝わってくる。


B 言葉を凄く意識していましたよね。


 ただ言葉を発するんじゃなく、
  その言葉が持つ意味合いを
  深く理解して歌っている気がして。
  「若いのにヤルな~!」って(笑)。


A 私、この曲集を高校の3年間
 ずっと歌ってたんですけど。


BC文 凄い!


A AFさんの演奏が
 とても良いなと思ったのは、
 この曲って歌詞を歌う主旋律の他、
 ハミングが多用されているんですけど。
 そのハミングに凄くこだわりがある!


BC文 あ~!(同意)


A 作曲家が
 「これはオーケストレーションです」と
 言うほどだから、ハミングは
 非常に重要な意味があるんですね。
 指揮者がそれを良く理解していました。


 指揮者の石橋先生もこの曲集を
  「声のオーケストラ」
  ……って書いてましたね。


B なるほど、個性ある楽器の合奏のように
 自分たちのパートの役割を
 ちゃんとわかっている演奏でした。


C 令和の今、
 よくこの作品を選んだと思ってね。
 昔はよくコンクールで演奏されていたけど
 最近はあまり演奏されない曲で。


 石橋先生も高校生の時に歌い、
  思い入れがある曲だそうです。
  1967年に出版された作品だけど
  全く古びないですね。


C それはAFさんの演奏が
  「いま」だからだと思うな!
  石橋先生は東京でも合唱団を主催していて。
  だからこの合唱団も、
  やる気のある人たちが
  才能ある石橋先生の音楽を慕い
  突っ込んだ音楽を実現しようと集まっている、
  そんな感じもありましたね。


 うん、石橋先生が27歳で
  団員さんもみな同年代かな?
  高校生とは違った
  あの年代の恋愛、リアルなものが
  とても伝わってきたなあと。


B 若者の等身大、
 繊細、ナイーブなところが
 実に良く表れた演奏でしたよね。
 立原道造は80年以上前に
 亡くなった詩人だけど
 こういう「好きなのに言えない」
 みたいなものが本当に
 日本人の琴線に触れて……。


A そこは立原道造の詩の
 素晴らしいところですね。
 作曲者の小林先生も
 「『作曲しよう』というのではなく、
  『この詩に縋ろう』としたとき、
  無伴奏の混声合唱の形で降りてきた」と
  語られていますし。


C AFさんの演奏を聴いて逆にね
 「40,50代の人を集めた
 『優しき歌』を聴いてみたい」と
 思ったな。
 それはノスタルジーだけじゃなく、
 まだ残っている恋の炎のような、ね。
 AFさんとはまた違った
 演奏の意味が生まれると思ったから。


 そうか……AFさんが同年代で
  「いま」の思いと深く同期させ演奏し、
  私たちに凄く響いたからこそ、
  また違った年代での演奏の可能性が
  生まれた気がしますね。


B 世界観が伝わった
 とても良い演奏でした!


 うん、鮮烈なデビューでした。
  指揮者の石橋先生も
  非常にセンスある指揮者ですね。


A いや、マジメに凄くセンスを感じます!
 今後の活動に大期待です。


メール、ツイッターの感想です。


8声の和音がかっちりはまって美しい
とにかく声がよく鳴るのに押し付けがましくないからすごい
ていうか指揮者の石橋さん自分より年下なんですね マジか……


G1真面目にまっすぐに誠実な演奏
自由曲は歌い倒された名曲を色鮮やかに令和の時代にも立原道造の詩を、美しい小林秀雄のメロディーに乗せて1日の最後にいい合唱聞けた!という満足感!


千葉県大会での日本語を大切に唄うフレージングがとても印象的でした。
今回はそれに加えてひとつひとつの和音の鳴りや強弱にいっそう磨きがかかり、とても丁寧で繊細な演奏に仕上がっていたと感じます。
全国大会出場おめでとうございました。


見た目がいい。若くてキラキラ合唱団
ジョスカンはちょっと日本語っぽい歌い方
自由曲、入りから良い。言葉の処理がアイデアに満ちてる。ジョスカンの短所がここで長所に爆発してる。日本語表現に貪欲さを感じる。傷も目立つが才能に溢れてる。注目の合唱団、ぶらぼ!

 

 

《室内合唱部門を振り返って》


A 室内部門は
 昔の一般Aの時が良かったとか
 いろいろ思ったこともありましたけど、
 今回の室内は今までで一番楽しめましたね。


C なんか室内合唱の雰囲気が
 ようやく出てきた気がする。


B 「個人商店」じゃないけど、
 合唱団ごとの個性が
 本当に良く表れていたと。


 等身大という言葉を
  何度使ったことか(笑)。
  さらに選曲がもう
  「コンクールじゃないよね?!」と
  思わせるようなのも多くて。
  今年が特異点なのか、
  それともこの流れが続くのか・・・。


B 東京国際合唱コンクールも
 軌道に乗ってきたから、
 その影響があるかもしれない。

 

AC文 あ~~(同意)。


C あとね、最少参加人数が6名でしょ。
 その「6人」で出てきたら
 もっと楽しくなるんですけどね。


A それこそハモネプとか
 海外で言えば
 ザ・リアル・グループみたいな。
 そんな人たちが出てきてくれれば!


 時代を変えるとしたら
  そこかもしれませんね~。
  ……ただ、県大会でそんな団体の音楽を
  理解してくれるかという危惧も。


B 課題曲をちゃんと演奏できる
 団体じゃないと。


C そうなんですよ!
 さらに今の課題曲集だと
 6人ならかなり選択が限られてしまう。


 楽譜にディヴィジョンがあったから
  実質G1しか選べなかった、
  みたいな話も聞きますね。
  今後は混声3部の課題曲を
  1つ加えるとか考えて欲しい。 


C 関学さんや慶應ワグネルさんあたりの
 バーバーショップが出てきたら
 かなり面白いことになりそう。


 今年の室内合唱部門は
  観客賞としても、
  観客の一人としても
  非常にアタリの年だったと思います。
  出場者のみなさん、
  本当にありがとうございました。


(同声合唱部門の第5位以内に入らずとも、印象的だった団体の感想に続きます)