観客賞座談会・同声合唱の部 その4

 

 

弁財島(尾鷲市)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞・同声合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想です。 


第5位以内の感想はこちら。

 

埼玉県・関東支部代表
男声合唱団 Le Terre
(男声27名)

 

A 超好きでした!


 良かったよね!


A 特に課題曲「平林」、
 小野瀨先生の指揮が美しすぎて!


 詳しく伺いましょう(笑)。


A まず背筋がピンとして
 足がバタバタ歩くことも無く。
 仲間と自分だけの世界で
 わずかに動くだけでも無い。
 鮮やかに振り、
 決めるところはピシッと決める!
 憧れます~。
 音楽も端正で
 とてもまとまっていました。


 コミカルな表現も
  上手かったんですよね。
  巧い噺家のテンポ。
  語りの軽やかなリズムも
  良く感じられて。


A 自由曲:千原英喜「那須与一」、
 複雑でドラマティックな曲じゃないですか。
 構成をしっかり作らないと難しい曲。


 音楽のブロックごとの表現を
  鮮やかに変えていたと思って。
  情景描写が優れ、
  メリハリがあり、
  合間の掛け声も良く、
  ドラマ作りを助けていた。


B トップテノールの高音が
 やや惜しかった・・・。


 朝一番ですからね・・・。


A いや、目が覚める演奏でした!
 二日酔いの体が
 るてえるさんの演奏聴いたら
 「シャキーン!!」


 (笑)最後の唱歌も
  爽やかに響いてましたね。
  初出場でしっかり存在を
  印象づけていたと思います。


メール、ツイッターの感想です。


よく歌いよくハモる!知的な演奏


今大会で新たにファンになった


もっと聴いてみたいと思わせられる声、演奏。
朝一番の演奏で心掴まれました。


今日も若く爽やかな歌声でスタートして貰えて気分よし
那須与一も千原節を熱演


何ヶ所かめちゃくちゃ好きなフレーズ感があって他の演奏ももっと聴いてみたくなったので!(投票)


朝一とは思えない清々しくも力強い演奏!
四声のハーモニーの安定感もさることながら、歌詞の言葉と音楽表現が噛み合って楽しく聴かせてくれた


とにかくよく耳を使えている力に任せないスマートな演奏。
飛び道具になってしまいそうな2曲の勘所を抑えた演奏に拍手


課題曲・自由曲とも表現の機敏が利いていて、徒にこねくり回さない知的な表現が良かった。
ハーモニーもばっちりはまって耳に心地よく、男声合唱らしいサウンドを堪能。


年齢的には大学合唱団くらいだと思うけれど非常に声もパートバランスもよく驚いた。
とにかくどのパートも埋もれてなくてハーモニーがとても安定してる。
素晴らしい若い合唱団に先生の指揮も素晴らしく、尊敬みたいなものを感じる。朝一番に良いものを聴いた!

 

 


北海道・北海道支部代表
HBC少年少女合唱団シニアクラス
(女声41名)

 

 自由曲:イェイロ「Ave generosa」、
  とても気に入った演奏でした。
  HBCさんの太くアルトに寄った発声が
  素朴な音楽作りと噛み合って。
  今まで聴いたこの曲の演奏は
  いじくり過ぎていたのかも?


B 3声の同質性が高いので
 カチッとしたハモりや、
 安定感は凄かったですね。


 狙ったものじゃ無いかも知れないけど
  この名曲の持つ
  原初の祈りみたいなものが
  感じられた気がしました。


メール、ツイッターの感想です。


キラキラ北海道トーン!


持っているサウンドに対する自由曲の選び方が毎年上手い
宗教曲らしい祈りの感情も表現できていた
だからこそ課題曲はF1かF3が合っていたんじゃないかと思う


F4大人びた深めの響きで見事に
自由曲では明るい響きに変え歌い上げる技術力


課題曲の第1声から「えぇ!?少年少女??」って疑う深い声。どさんこだから?美味しいもの食べてるから??恐るべきサウンド、言葉の処理でちびっとアクを感じる
今部門初の自由曲外国語。おめーさんたち何歳なんだ??と疑いたくなる歌。長年の訓練の賜!ヤイロはどさんこの声に合う(謎

 


大阪府・関西支部代表
メンズ・ウィード
(男声32名)

 

B 課題曲「花と画家」、
 言葉の扱いが良く、
 それぞれの言葉が
 ハッキリ伝わってきました。


 そうそう、
  言葉のニュアンスが良かったんですよ。
  流麗だったしバスの歌唱も優れていた。
  良い曲と思わせる演奏でした。


A 最初はクドいかな?と思ったんですが
 演奏が進むにつれ引き込まれて。
 終わってみたら
 ちょうど良い濃さでした(笑)。


文 自由曲:高嶋みどり「3.落下傘」
  緊張感と思いの強さが相まって
  説得力を持つ演奏でした。


A それにしても
 「感傷的な《三つの》奏鳴曲」って
 慣れないですよね~!


 自分、未だに
  1曲目の「おっとせい」
  聴いたこと無いからね!(笑)


A やっぱり「くらげの唄」で始まり
 「落下傘」ですよね~。


B 母体の淀工グリーでも荻久保先生の
 「OH MY SOLDIER」の名演が
 記憶に残っていて。
 こういう戦争を題材にした曲は
 思い入れが深いですね。


 歌う理由がしっかり伝わって……。


B そうですね、このご時世ということも。


A ウィードさんのプロフィールも。 

 

 「なつかしい朋党達がゐる。」に
  ジーンとしたし、
  最後の「わたしは祈る」には
  全身全霊で歌っている感がありました。


B 歌う意味が確固として
 存在する演奏でしたね。


メール、ツイッターの感想です。


貫き通した指揮者のカラー


課題曲、間のとり方が巧みでニヤッとさせてくれた 
息遣い、語り口の上手さはやっぱりピカイチ!味わい深い落下傘だった!


楽器としての技術はもしかしたら他の団体の方が良かったかもしれない
でもやっぱり、言葉に重きを置くことに芯を持って取り組んで全国まで歌ってくれるこの団体に心から敬意を表したい


円熟な声。課題曲、ハーモニーはやはり少し重く、調和ボイスではないが高嶋先生にしか出せない語感をひしひし感じる
落下傘は若造には歌えない音のリアルを感じる。ちょっと曲に引きずられそうな部分もありコンクール的には厳しくされるかも。大ファンなだけにもどかしい…


落下傘は1音目から惹きつける深い音色
複雑なリズムに複雑な思いを伝える詩を自分たち表現でしっかりと伝える
前後半のコントラストの差も鮮やか


淀工「落下傘」の完全版が聴けたというだけでファンにとっては感涙ものなわけで…
むしろ課題曲が白眉 持ち味の日本語の語り口に合っていて優しい気持ちになった


メンズ・ウィードの課題曲、泣きました。
この日本語表現力!
恐らく詩だけを読むよりずっと感動してると思います。
すぐにでも、もう一度聴きたい。


(同声合唱部門、印象に残った団体の感想に続きます)