観客賞座談会・同声合唱の部 最終回

 

 

きほく燈籠祭(紀北町)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞・同声合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想の続きです。 


第5位以内の感想はこちら。

 

 

宮城県・東北支部代表
合唱団Pálinka

https://mobile.twitter.com/choruspalinka

(男声38名)

 

文 課題曲「平林」
  軽い感じで歌ってね、
  コンクールだからと言って
  構えるところが無い印象。


A マスクを付けてましたが
 影響はそれほど感じなかったな。


C 自由曲:間宮芳生
 「合唱のためのコンポジション6」よりⅡ
 松下耕「俵積み唄」、
 好感を持ちました!
 東北の合唱団として
 勝手にカテゴライズしているんですけど
 その土地で暮らしている歴史、
 土着感が凄い出ているなと。


A パリンカさんは長く続く、
 歴史ある団体で。
 指揮の千葉先生の目指すところが
 昔から良い意味で変わっていない。
 たとえば三善先生の「王孫不帰」など
 憧れていた音が今も鳴っているような。


C 単純にサウンドも好きでしたね。
 ポジティブな音で
 ずっと歌っているのが良かったです。


 「俵積み唄」、後半の勢い付いて
  盛り上がるのが良かったですね。
  これぞ男声合唱!という感じでした。 


メール、ツイッターの感想です。


選曲バッチリエンターテイナー


大人の洒落れた課題曲
自由曲2曲は歌う喜びが溢れてた
M3のくだけた感じも自由曲2曲の繋げ方や掛け声など含めて合唱の楽しさ良さが伝わる合唱団


自由曲が、この団体の個性にピタリとハマっていた。


課題曲から自由曲までが1つのステージとして構成されていて、とてもとても好きになりました。


土着信仰?味があって民謡好きにはたまらなかった。聴いてて楽しかったから(投票)。


声が音楽に乗ってくっきり届いてくる。
コンポの間の取り方、俵積み唄の繋ぎがカッコよかった。


マスク越しながら歌い手の生き生きとした表情が伝わってくるよう
音がこもらず前に飛んでくるので民謡と合っている


その名前だけで二日酔いの記憶を思い出させる悪魔の飲み物。課題曲、第1声から引き込まれた!合唱団の見た目と声のギャップが凄い!
自由曲、課題曲に続いて土俗的な曲に合唱団がとてもあってる。団の良さと完璧にマッチした選曲。ベスト選曲賞。素晴らしい団体!ふぁんです!

 


熊本県・九州支部代表
合唱団Le Grazie
(女声16名)

 

B 課題曲「定点観測」、
 難しい作品を、
 この年代の方々が
 良く捉えて歌っていたなと。


A 今回、この作品は多く演奏され
 いろいろなスタイルが
 あったと思うんですけど。
 グラツィエさんは少人数もあって、
 響きを大事に、アンサンブルする方向。
 その発想でちゃんと音楽を
 成立させていたのが良かったですね。
 同じ曲でも違う視点で
 聞こえてきたのが興味深かったです。


文 自由曲:信長貴富「もう一つのコップ」
  「だましてください言葉やさしく」、
  声の変化によって、
  場面転換を見事に表現していたと。


B 「もう一つのコップ」は
  3年前の全国大会でも
  演奏していたんですけど、
  その時よりもっと表現力が上がって
  こなれていた気がしましたね。


 メロディに長く歌われてきたゆえの
  安定感と味がありました。


C みなさん、岩津先生を
 とても慕っているのがわかって。
 だから岩津先生が
 あれぐらいしか振っていないのに
 あれほど色を付けられるのが
 凄いなと思いました。


A それは本当に!


C あれはもう、長年の関係性から
 出てきた音なんだな!


メール、ツイッターの感想です。


言葉のその先を捉えた演奏


音色と花火の題材が見事にはまり、どこか物憂げさも含んだ情景が浮かぶ課題曲
自由曲2曲は経験を積まれた皆さんのためのような歌詞と演奏
岩津先生がお元気で歌い手の皆さんと重ねてきた絆と味わいを大いに感じる好演


F4を演奏するには声が成熟しすぎているかもと思ったけど、自由曲まで聴いてみると3曲で一つの世界観が出来上がってて面白かった
繰り返し出てくる"だましてください"の語り口が好き


貫禄の女声合唱!ハモってるとかどうでも良くなるほどの表現力
「絶対金賞だ!」みたいな若者の意欲とはかけ離れた、音楽への喜びを感じる
自由曲は難曲を語りのように。
出てくる言葉の語感や情感がとても自然で、5年前には理解できなかっただろうと自身の成長すら感じる


課題曲「定点観測」の「いつか果てるとして」の部分。
他の団体とは違うものを感じて。
グラツィエのみなさんは何気なく歌っていらしたけど、言葉のリアリティ、エネルギーが全然違う。
つまり言葉の意味合い、年を重ねた人の言葉だったら意味が変わると思うわけ。
たとえば熟年夫婦の視点だったら、花火の刹那と過去何十年間の時間がクロスしたものに聞こえるな、と。
さらに指揮の岩津先生もお年を召されて、あと何年全国大会に出られるかもわからない。
だからこのステージも一瞬一瞬の刹那だよね。
そういうところに力点がかかってるのもあって、グッと来るものがありましたね。

 


広島県・中国支部代表
女声合唱団コール・ビビッド
(女声11名)

 

文 課題曲「Quam pulchra es」、
  第一声から心地良い、
  上品で清楚な音が響いてね。


A 今大会の最小人数。
 アンサンブルコンテストなら
 絶対金賞ですよ!
 正統派ですよね。
 飾りを加えることなく。


 そうそう、その素朴さが良かった。


A 自由曲のブスト
 「Magnificat(私の魂は主をあがめ)」
  カライ「Hodie Christus Natus Est」
  少し前の超王道の選曲だし!


B ブストもディヴィジョンが多いのに
 とても良かった!


 出だしが心にスッと入る音で。
  音楽の流れもなめらかでした。


C 和声のハマり方が凄い上手だなあと。
 やっぱり個々のレベルが高いんですね。
 あと強い主張を持って
 聞かせようとしないのが長所なのかも。
 してなさそうで、している。
 していそうで、していない、とか。


 聴くことを強いない。


C そう。
 してなさそうで、してない。


 それはただ「してない」だけ!(笑)
  カライも「アレルヤ」が
  軽やかに跳ねるようで。
  喜びが伝わってきて
  とても良かったです。


メール、ツイッターの感想です。


素直で等身大のステキアンサンブル


響きがとてもきれいでした。好きな演奏🥰


少人数を生かしたアンサンブルが至高


少人数な分充実したアンサンブルが良い(室内の部っぽさは否めないけれど)
歌い手一人ひとりの体が速いパッセージの中でもきちんと鳴っている


素朴な音が作品にも合っていて、派手さはなくとも素敵な演奏だった。
言葉のリズムや語感が音楽と結びついていて、自然な流れで耳に届いてくる。


ダンスタブルは控えめながら調和された声。もう少し指揮から解放された自発性も期待してしまった
自由曲、抑揚のある言葉さばき。グレゴリオ旋律も自然。心洗われる演奏
選曲も合唱団サイズもなぜ室内ではなく同声に?と思ったら、、倉敷少年少女…お前だったのか…(好きです


聴いていて安心しました、広島県の音だから。
可憐な花が咲いているのを見ているような気になりました。
なんかホッとするんだよね。
スッと出てきてスッと聞かされる感じ。「聴けー!」じゃない(笑)


プログラムのプロフィール欄の写真は友達とのお出かけ風
F1はアルトの強力な支えの上に美しく組み立てていく
全曲ともに少人数で個々が相当頑張らないとあれだけ響かないと思うのに、しっかりとまとまってハーモニーになる歌唱力の高さに驚嘆


(混声合唱の部、印象に残った団体の感想に続きます)