ハーモニー誌春号、2つの特集

 

 

204号、多くの人にとっては名曲シリーズの解説が気になる号と思いますけど、自分には「日本の作曲家シリーズ:三宅悠太先生」の「X JAPAN」「ブラームス知ってます!……名前だけ」そして2回の留年を経て、掴んだ音楽とは?というドラマティックな半生に読んでいて夢中になりました。

 

クラシック音楽が琴線に触れたきっかけが、バッハのマタイ受難曲やブラームスのドイツ・レクイエム。
合唱、人の声が紡ぐ音楽の美しさに心奪われたとか。
「人との関わり」「人の心」の動く瞬間、三宅先生の合唱作品、三宅先生ご自身を知る上でも貴重な資料となりそうです。

 


「部活動の地域移行を深掘りしてみる」という特集も非常に興味深かったです。
元・文部省キャリア、現代教育行政研究会代表の方と、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の方、お二人に尋ねる部活動と地域移行。

 

文科省も経産省も金を出さない、しかし教員志望者は減り続けるチキンレースと化してきた教育界。
地域移行について、メジャー部活は比較的容易だけど、バレーボールやハンドボールなどのマイナー系の種目は、部活があるからこそ競技人口が支えられている。(文化系もスポーツマイナー系と同じでは?)
さらに大都市と地方などの地域格差、保護者の金銭負担増の問題。

軟着陸として「部活動指導員」に報酬を別に出し、教員の兼業も認めるという提案。
部活というものをもっと柔軟に捉え、強制加入などではなく、本当にスポーツや音楽を愛する人を育むものとなっているか?という疑問には頷きました。

最後に関連して、千葉の松戸ユースクワイアさんへの取材。
団員さんに松戸二中合唱部顧問の先生がいらっしゃるそうで、新年度から休日は松戸二中合唱部と松戸ユースの合同で活動されるとか。
これも地域移行のひとつとして、とても興味深い試みだと思いました。
そうそう簡単に解決出来ない問題だからこそ、さまざまな視点から捉え、考え続けなければならない問題だなぁと。

あ、坂元勇仁さん、14年ぶりの編集委員復帰は嬉しいですね。
そんなわけで買おう!ハーモニー!!

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