惹かれた! 東京都大会で心を掴まれた名演4選

 

9月6日・7日、東京・文京シビックホールで全日本合唱コンクール東京都大会が開催されました。

 

 

毎年のことながら驚かされるのは、演奏の翌日には多くの団体がすぐYouTubeに演奏をアップロードしていること、そしてその演奏のレベルの高さです。

「この演奏で全国出場できないのか……」と、東京の水準の高さと過酷さにため息。

大会結果はこちら

 

今回は全国出場は叶わなかったものの、演奏や選曲に強く惹かれた4団体をご紹介します。

 

 

1. かみむら団(混声合唱部門)

 

鈴木輝昭「宇宙天」

指揮:上村誠一先生(3年前、福島県の合唱団「花凜歌」を全国大会へ導いた指揮者)

 

 

発声のポテンシャル、息詰まる緊張感、そして完成度の高さ――まさに圧巻の演奏でした。

もし全国に選ばれていたら、2015年 VOCE ARMONICA「春と修羅」以来、10年ぶりに混声部門で鈴木輝昭作品が聴けたことになりますね。

 

 

 

2. 合唱団ひぐらし(混声合唱部門)

 

栗田妙子「歌詞(うた)のない歌」より2・3・4

 

 

この作品をコンクールで選んだのが素晴らしい!

「歌詞のない歌」は2021年12月、東京混声合唱団の第256回定期演奏会で初演された作品。

自分も当時アーカイブを繰り返し聴き込んだ記憶があります。

同じく東混が初演した矢野顕子さん作曲の「ねこはねこはねこ」を思い出す……と言ったらわかるひとにはわかりますかね?

 

特に大学生や若い世代、信長先生や千原先生のポップス的な面に惹かれている方にはぜひ聴いて欲しい作品です。

指揮者の山田和樹氏が、ライブハウスで偶然聴いた栗田先生をナンパして委嘱したというエピソードも面白い。

矢野顕子さんの「ねこはねこはねこ」再演はもう難しいけど、「歌詞(うた)のない歌」は栗田妙子先生をピアニストに迎えて再演できるんだ~と。

 

こういう作品がどんどん演奏される合唱界になって欲しい!

 

 

 

3. あやめぐさ(室内合唱の部)

 

武満徹「第3ヴォカリーズ」

旭井翔一「パラペタマピェ」

 

毎回独特な選曲で楽しませてくれる団体ですが、今回も期待以上。

武満作品は曲の魅力をしっかり伝える好演。

旭井作品では、ピアノと合唱の絡み合い、響きやリズムがとてもおしゃれで、良い意味で「コンクールらしくない」作品と演奏でした。

 

旭井先生といえば12年前の課題曲「屈折率」を作曲されていますが、もっと歌われてほしい作曲家です。

 

 

 

4. なにやらゆかし合唱団(大学ユース部門)

 

宮本正太郎作曲「アモール・ファティ」

 

黒田三郎のテキストから、ある程度年齢を経た人間の諦観、レジスタンスと解釈していたんですが。

このような若い団体が演奏すると、運命に抵抗しようとする率直な力強さが凄く良い。

繊細で甘やかな感傷とともに、田畠佑一先生、鹿田愛先生のピアノがとても創造的!

「自分はこの曲の魅力を何もわかってなかったのかも・・・」と何度も聴き直すことになりました。

 

 

 

いや〜、改めて東京支部のレベルの高さ、層の厚さを痛感します。

特に大学ユース部門は、大学合唱団とユース団体を分けて、それぞれから全国代表を選んでも良いのでは……と思ってしまうほどです。

 

みなさんもぜひ動画で聴いてみてください!