観客賞座談会・混声合唱の部 その2

 

佐賀県 宝当神社の猫たち

 

 

前回は観客賞・混声合唱部門第6位のあい混声合唱団さん、第5位のCombinir di Coristaさん、第4位のVOCE ARMONICAさんについてお話ししていました。

それでは混声合唱部門3位!

 

MODOKI(66名)

 

文 課題曲G3

 「秋の午後」は良いワルツ!

 特にテノールが良かったです。

 

 

A 今大会の「秋の午後」の中では、

 いちばん“ワルツ感”が

 高かったんじゃないかな。

 

 

B 流れがありましたよね。

 ちょっと速めのテンポで、

 それが良い方向に働いていた。

 

 

文 自由曲は

 木下牧子「オンディーヌ」でした。

 

 

C MODOKIさんの演奏は

 とにかく聴きやすい。

 アルシス・テーシスがあるのと、

 言葉に寄り添った音作りが

 ずっと続いていくので、

 ちゃんと言葉が聞き取れる。

 心にスッと入ってくる。

 

 

A 山さんの音楽って、

 観客の「こういうものを聴きたい」に

 寄り添っていくんですよね。

 

 

C そう、“聴き手本位”。

 だから安心して音楽が聴ける。

 

 

B 女声版の印象が強い作品ですけど、

 混声版は男性が

 身につまされるというか……。

 

 

 どういう意味?

 

 

B 「ハンスたちはあなたを抱きながら

  いつもよそ見をする

 ……男たちがやってることを、

 なにテノールのんきに歌っとんねん!

 

 

AC文 (笑)

 

 

 混声版が先なんですけどね(笑)

 「さびしいなんて はじめから

  あたりまへだった」のテノールは

 切なくてとても良かったですよ。

 

 

A それまでの団体は、

 割と感情をコントロールした演奏が

 多い印象だったので、MODOKIさんの

 「バーン!」と解放する演奏に

 「安心して聴ける混声だぁ……」

 って思いました。

 

 

C フォルテに向かっていく

 クレッシェンドがとても上手で、

 それも解放感に繋がってるんでしょうね。

 

 

A うんうん、「来ましたッ!」って(笑)

 山さんは歌い手の主体性で

 音楽が広がるような指示をしてる。

 それが素晴らしいですね。

 

 

C 聴き終わった後なにかが残る。

 “引っかかり”がある演奏。

 

 

 よく分かる気がします。

 指揮者としては

 「ここで引っかかるポイントを作る」

 みたいな?

 

 

C ……うーん、

 そういうポイントだけを

 全面に出しても、

 ちょっと違うんですよね。

 

 

A 「こう聴かせてやる」じゃなくて、

 結果としてそうなってしまう、かな。

 

 

C そうそうそう。

 

 

B 「ここを引き立たせるには

   どうすれば良いか?」

 全体を俯瞰する思考が

 山さんは上手いんだと思う。

 

 

 なるほど。

 聴き終わったあと、

 孤独や心の痛みが残る感覚があって。

 静かな間のあと、

 会場に拍手が広がったのも印象的でした。

 

 

A 文吾さんと自分が違うように

 聴く人も様々。

 それでもMODOKIさんの演奏に

 「引っかかり」を感じる人が多いのは

 それだけ演奏に奥深さや

 心の襞の細やかさがあるんじゃないかな。

 

 

C うん、それこそ

 MODOKIさんを支持する人が

 多い理由なのかもしれない。

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

MODOKIさん好きです

 

この団のベースでしか感じられない幸せがある。

 

課題曲の軽やかさに自由曲の和音に不協和音と隙のないハモりとても好きだった

 

(課題曲)

・テノール、優しいサウンド、豊かな響き。語感も良い。

・全体としてまとまっている。最後の男声ハミング◎。

(自由曲)

・入りのハーモニー◎。

・ア・カペラ部分、安心して聴ける。

・弱音でもしっかり息が流れている。

・fのポリフォニー、まとまり良い。低声が安定しているのは心強い。

 

課題曲、快活なワルツ。

自由曲も魅力的。

アルトソロ、惚れる…!

 

MODOKI、CANTUS ANIMAE 両団とも秀逸な演奏!

とくにMODOKIさんは酒井先生のピアノも素敵でみなさんワルツを踊り出しそうでしたね。

言葉ひとつひとつ、色鮮やかでとてもよかった!

 

ピアノと合唱のアンサンブルが美しい

空気感に圧倒されてしまった

何回鳥肌がたったかわからない

 

 

続いて、2位!

 

合唱団「櫻」(33名)

 

A 良かったですね~。

 指揮者の佐藤朋子先生がご都合で、

 突然の指揮なしのアンサンブルでした。

 それでも凄く良かった!

 

 

B ピンチをチャンスに変えた!

 

 

 岡山大会で松村先生がご不在の

 コンビニさんの演奏を思い出しましたね。

 

 

C こういう時に

 指揮者がやっていたことが

 団員さんにどれだけ

 伝わっているかがわかるというか…。

 

 

 本当にその通りですね。

 櫻団員さんが毎回の練習を

 どんなに大事にされているかわかる。

 

 

B オーダーはバラバラで、

 山台の最上段まで使っていましたよね。

 

 

文 課題曲G2「Das edle Herz」

 まず気品というか、

 凛とした声に惹かれて。

 

 

C クリアな声!

 

 

A 艶もあった!

 喜多方高校のOBOGが中心だけど、

 他には佐藤先生の教え子さんも

 団員にいらっしゃるようです。

 

 

C 櫻さんのドイツ語めっちゃ好きでした。

 いちばん言葉がわかった団体かも。

 子音の立て方が

 とても練習を積んだ感じがして。

 

 

 あのう・・・ここまで

 「発音」と「発声」しか

 話してないんですけど(苦笑)

 

 

A いや文吾さん、

 最近思っているんですけどね。

 言葉と発声をちゃんとしないと

 「音楽」にならないということ。

 櫻さんはまずその基準を超えていた。

 

 

C 加えて音楽が

 自然に展開していくのも良かったな。

 

 

文 自由曲1曲目は

 三善晃「私が歌う理由」、

 とても良かった~。

 

 

C 泣きましたよ!

 ボロボロ泣いてしまった!

 

 

 ソプラノに切実さがあったんですよね。

 この曲はシリアスな詩に

 軽快な音楽が付いているんだけど、

 櫻さんは明るすぎず、

 かといって暗くも脆くも無い。

 心から訴える歌、

 その切実さが胸を打ちました。

 

 

B この曲、テノールの入り、

 緊張するんですよ!

 それが非常に上手く入って。

 

 

C 「ずぶぬれの仔猫が死んでいく」

 そこに目線を向けて語り続けるのが

 谷川俊太郎氏と三善先生で。

 いろんなものに命があって、

 その命を大事にしているからこそ

 詩人と作曲家は泣くんですよ。

 櫻さんの演奏には

 その「涙」を感じた。

 そこに自分も泣いてしまったな…。

 

 

B 団員さんで

 指揮役をしている方も

 最小限の動きしかしていなくて。

 ほとんど阿吽の呼吸で

 やっていたと思う。凄かった!

 

 

C そうそう、演奏前は

 「どうなるんだろう?」

 と思っていたけど。

 

 

B 「くやしさと」「いらだちの」、

 それぞれの間と始まり!

 良かったですね。

 そして2曲目の「夕暮」

 本当に素晴らしかった!

 

 

A 発音が明確で無駄の無い歌い方。

 この和音だったら

 この音が聞こえて欲しいな、

 そういう音がごく自然に

 しっかり聞こえてくる。

 

 

B 和音のなめらかな移り変わりも。

 夕暮でだんだん暗くなっていく

 グラデーションのように感じられて。

 目の前に夕暮が浮かぶようでした。

 

 

 そう、和音の表現に唸りましたね。

 単にハモるだけじゃない、

 その先にある

 「感情表現のための和音」を

 櫻さんは体現されていた気がします。

 胸が締め付けられたな。

 

 

C この詩であかりを消すのは

 結局誰かわからないじゃない?

 そういう主体が移り変わるのが

 和音のグラデーションに

 表れている気がして、

 素晴らしかった。

 

 

文 この演奏も、

 今までの演奏の模倣じゃ無く、

 櫻さんが楽譜に向き合って

 ゼロから作り上げている感じが

 強く伝わってきたんですよ。

 

 

C 「どこか」の「なにか」

 じゃなかったよね。

 この曲も泣いてしまったんだけど。

 櫻さんの表現の奥にあるもの、

 その説得力が聴く自分のチャンネルと

 結びついたからこそ泣けたと思うんだ。

 

 

 AF合唱団さんと同じく

 「痛みを知っている人たちの歌」が

 人を泣かせるんじゃないかと思って。

 この「夕暮」も

 孤独を扱った詩じゃないですか。

 子供や恋人たちは

 誰があかりを消すか知っているけど

 「私」はひとり、世界と繋がれないまま。

 

 

C 「私」だけ理由を知らないんだよね。

 

 

 まさに。やはりそういう孤独や

 心の痛みに寄り添ってくれる、

 櫻さんの歌が泣かせた気がしましたね…。

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

櫻さん、感動した

 

佐藤朋子先生の指揮がない状態でどうなるのとドキドキした合唱団櫻。

課題曲ブルックナーから自由曲三善、という一連の流れと福島のあの声。とても好みで素敵でした。

 

指揮なしで地バラ2曲が本当に凄かった

凛とした透明感ある響きが好き

 

揺れ動く音楽が気持ちよい

全員で音楽を共有している姿が素敵だった

 

(課題曲)

・程よい深み。発語も〇。声の伸び◎。

・ていねいなつくり。

・弱音時も息の流れ〇。

・ソプラノ、高音時、余裕を感じる。

(自由曲1)

・入りの速いパッセージ、よくできている。発語も〇。

・指揮なしで、よくそろっていて、かなりの練習量を感じる。後半も良く歌えている。

・上質な音楽。

(自由曲2)

・音取りなしでも入りのピッチ正確。

・三善アクセント、しっかり感じられる。

・バランスも〇。

・上質な三善音楽。素晴らしい。

・一人ひとりがしっかり伝えようとしている。

 

すっごいよかった。。。アンサンブルだった。

 

櫻はほんといい合唱団だなぁって凄く伝わってきました

言葉もしっかり伝わってくるしこういう日本語曲聴けるのが良かった…

 

突然の指揮なし、客席も固唾を飲んで見守りました。

課題曲もよかったけど、自由曲がさらにいい!!

 

全部聴けなかったから投票できなかったけど、聴いた中では、合唱団櫻さんに投票したかった。

本当に胸を打たれたし、聴けてよかった。

本当に幸せだった。

 

Sopra il fiume

合唱団「櫻」

アンサンブル音楽を志すものの端くれとして、今日この2団体の演奏に立ち会えたことが何よりの財産でした。ありがとうございます!

 

 

 

(混声合唱部門、第1位の団体に続きます)