観客賞座談会・混声合唱の部 その3

 

浜野浦の棚田・打ち上げ花火

 

前回は第3位のMODOKIさん、第2位の合唱団「櫻」さんについてお話ししていました。

 

 

それでは2025年観客賞・混声合唱部門第1位!

 

CANTUS ANIMAE(59名)

 

文 CANTUS ANIMAEさん

 観客賞・混声合唱部門第1位、

 そして全54団体から選ばれる

 「観客大賞」も受賞しました。

 

 

一同 拍手!

 

 

A 課題曲G3「秋の午後」、

 CAさんってこんな歌い方出来るんだ!

 出だしの優しい感じも含めて

 今日聴いた「秋の午後」で

 いちばん好きでした。

 都大会の時はあそこまで

 音を抑えていなかったんですよ。

 だから今日の演奏は驚きで。

 

 

文 「秋の午後」単体じゃなく、

 あくまでも「さびしい道」

 「ふるさと」へ続くのを前提とした音楽、

 という気がしました。

 

 

C 雨森文也先生が「秋の午後」の

 終わりに近い和音の中に

 「これは次に繋がる音なんだよ」という

 意図を見出し、示してくれていて。

 あの繋がりの繊細さは、

 相当意識されていたはず。

 

 

B 夢の世界のようなのに、

 言葉やニュアンスが

 強く心に届くのが不思議だったな。

 後半に進むに従って

 フォーレとデュリュフレの

 レクイエム終曲

 「In Paradisum(天国にて)」を連想して。

 天国へ向かっていくような、

 楽園の情景を夢見ているような。

 

 

C MODOKIさんの「秋の午後」は

 良いワルツだったけど

 CAさんは

 最初はワルツじゃないんだよね。

 というのは、

 「詩人の矢澤宰は

  ワルツを知っていただろうか?」

 

 

AB文 お~~~。

 

 

C ドビュッシーの「月の光」など

 リズムは舞曲だけど

 ダンスじゃない音楽、

 いっぱいあるわけでしょ?

 だから29小節の「valse」が出るまで

 意図的に曖昧にしていて。

 徐々にリズムが明確になっていくんだよ。

 

 

A 徐々にワルツになっていく……。

 CAのみなさん、

 ワルツの練習もしてましたよね?

 

 

 踊ってましたよね(笑)

 

 

C 「ウィンナワルツってこうだよね」と。

 実際に踊って理解した上で

 「曲の始まりはこれじゃない」と

 バラバラにしていた。

 

 

 霧の中にいるように声を曖昧にして

 聞こえるか聞こえないかくらいの

 夢を見ているような世界・・・。

 だからちょっと物足りないな、と

 思ったところに

 ガーン!「さびしい道」!

 「上手いな~!」(笑)

 

 

B 最初の平林知子先生のピアノ!

 2小節だけで世界が変わった!

 

 

 「さびしい道」で泣いてしまって。

 昨日のこそりさんの「不思議」では

 片目からの涙だったけど、

 「さびしい道」は両目(笑)

 

 

B 「さびしい道」は

 現実に引き戻された叫びと感じたな。

 

 

 わかります。

 「秋の午後」は夢の世界にいたのに

 「さびしい道」で

 「おまえは一人なんだ!」と

 現実を突き付けられたような厳しさ、

 生きる意味を問われたような哀しさが。

 「さびしい道」のピアノ、

 最後の決別の音が

 胸に染みこむようでね。

 

 

B 続く「ふるさと」の前奏に

 本当に涙が出てきて・・・

 

 

A 私は平林先生の間奏に

 なんだか人生を回想するような

 思いを感じて涙腺が滲みました。

 

 

 CAさんは7月の札幌での

 ジョイントコンサート合同で

 「光る砂漠」を演奏しているんですけど。

 「ふるさと」の最後、

 「と思った」でバスが伸ばしている間に、

 客席の赤ちゃんがほんの一瞬、

 ピンポイントで泣いたんですよ。

 それが産声のように聞こえて!

 今日の演奏もそれを思い出してしまった。

 

B 最後の「と思った

 あの切り方が本当に絶妙で。

 いつまでもこの空間が

 終わらないで欲しい……って。

 あれほど強く願ったことは無いな。

 

 

 萩原英彦先生は

 この「光る砂漠」という曲で

 矢澤宰が冥界を巡り、

 また新しい命として生まれ変わるように

 詩と音楽を置いたんだと思うんですよね。

 最終曲「ふるさと」で

 病室から天へ昇った魂が、

 「再会」に戻り、

 新しい命として秋の校庭に降り立つ。

 

 

A ここ数年は現代曲の先鋭的な演奏が

 多かったじゃないですか。

 でも「こういう曲も歌えるんですよ」

 いや、これこそCAなんだ、というか。

 「いつもギャーギャー

  叫んでるわけじゃないんだよ!」

 

 

BC文 (笑)

 

 

A フレーズの歌い込みと自然さが

 演奏の説得力を支えていましたよね。

 

 

B 今年の演奏こそ

 CAの真骨頂という気がして

 素晴しかった。

 

 

 課題曲を含め

 3曲を通して構成された

 見事なステージでした。

 次の団体が始まっても

 しばらく戻れなかったもの。

 これから「光る砂漠」を聴いたら

 絶対今日の演奏を

 思い出すんじゃないかな。

 

 

A そう、この演奏を

 超えなくても良いけど

 別の何かを期待してしまう。

 ハードル上がっちゃいましたね。

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

魂を見せつけられた

震えた

 

特にCAは課題曲と自由曲続けて同じ曲集から歌っただけに生と死を想う世界観にただただハッとする演奏だった

 

課題曲、かなり抑えてる?と思ったけど、3曲で一つの世界。

終わってみれば大正解。ふるさとで泣いた。大好きです。

 

CAがあまりに良すぎて良すぎる、こう来たらこうなるよね、って所に絶対来てくれて心地よい、アンサンブル〜〜

 

(自由曲1)

・テノール伸びやか。バスも◎。

(自由曲2)

・入りのハーモニー◎。男声のホモフォニー◎。

・ピアノと男声ハミングの掛け合い◎。男声素晴らしい。

・後半のクライマックス◎。

・語感、よく伝わる。終わりのテノール◎。

 

課題曲、自由曲の枠を超えて光る砂漠の世界を堪能できた

 

CAはふるさとの前奏で鳥肌立って歌い始めで涙が溢れていました。

ありがとうございました。

 

CAのG3が他の団体と解釈が全く違ってすごく不思議だったんだけど、プロフィール読んだり流れてくる話聞いてすごく納得した🙂‍↕️

見てるものがまず違ったんだろうなぁ……さすがだ……

 

CAさんの表現する音楽が、私の心をわしづかみにした。泣いた。

平林先生のピアノも、もう一度聴きたいので、CD買います。

心の琴線にふれました。名演でした。

 

 

改めて観客賞:混声合唱部門の発表です。

【観客賞・混声合唱部門】

6位 あい混声合唱団

5位 Combinir di Corista

4位 VOCE ARMONICA

3位 MODOKI

2位 合唱団「櫻」

 

そして1は…

 

CANTUS ANIMAE

 

さらに全部門、全54団体から選ばれた

【観客大賞2025】は・・・

 

CANTUS ANIMAE

 

です。

観客大賞受賞、おめでとうございます!

 

CANTUS ANIMAE副団長の加藤麻里さんからメッセージをいただいております。

 

 

観客賞、および観客大賞に選んでいただき、本当にありがとうございます。社交辞令ではなく、心から、本当に、本当に嬉しく思います。私たちは、課題曲に組曲「光る砂漠」の7曲目「秋の午後」が選ばれたと知ったとき、すぐに自由曲を8曲目「さびしい道」、9曲目「ふるさと」に決めました。

 

コンクールは技術や表現力を競う場でもありますが、全国の合唱人に注目される場でもあります。コンクールで演奏されることによって、多くの合唱人の目や耳に留まり、広く演奏されるようになった名曲は数限りなくあります。合唱コンクールは、まだ知られていない、もしくは忘れさられてしまった名曲を、多くの人に知ってもらう場でもあると、私たちは考えています。「光る砂漠」は、全曲演奏すると30分もかかる大曲です。そのせいか、アマチュアの合唱団が演奏会で取り上げることが少なくなり、忘れられつつあるように感じていましたので、これはいい機会だ!と考えたのです。

 

しかし、これが想像を上回る険しい道の始まりでした。音は難しくありません。でも、夭折した矢澤宰の瑞々しい言葉を、作曲家萩原英彦がどのように受け止め、どのように楽曲に託したのかを深掘りすればするほど、それを「音」として「音楽」として表現することの難しさに、正直途方に暮れました。

 

私たちは、これまでも難曲と言われる楽曲に何度か取り組んできています。昨年は三善晃先生の「レクイエム」を、一昨年は信長貴富先生の「Sämann」を、2014年には八村義夫の「アウトサイダーⅠ」を歌っています。しかし、「光る砂漠」には、それらに匹敵する(個人的にはそれらを上回る)難しさがありました。歌っても歌っても、もっと先に世界がある。こんな声でいいのか、こんな音色じゃないだろう、これじゃない、これじゃない、宰が言葉に託した希望、夢、憧れ、驚き、悲しみ、絶望、生きること、生きていくことの喜び……、萩原氏が音に託した世界は、透明で光り輝き、儚くて力強い。それらを余すことなく表現して、聞き手に届けるにはどうしたらいい。

 

今だから言えますが、もうこんなに苦しいのなら、歌うことをやめてしまおうかと思い悩んだこともあります。私が尊敬してやまない声楽家のS先生(ご本人に承諾を得ていないのでイニシャルにします)が、先日、こんなことをおっしゃっていました。

 

「歌うたい、声楽家ではありません、歌うたいです。歌うたいは言葉を持つ音楽の担い手です。楽器に言葉はありません。だから、言葉をどう受け止めて伝えてくのかが大切なんです。(中略)詩人はなぜこの言葉を選んだのか、詩心の悲しみを感じて見つけていってほしい。そうずっと言い続けてきたけど、なかなかわかってもらえないのよね」。

 

今年のコンクールで私たちが挑みもがき苦しんだのは、まさにこのことだったのだと思いました。だから、観客賞をいただけたことは、望外の喜びなんです。私たちが感じた詩心を、観客の方々が受け止めてくださったことの証、そう思っています。本当にありがとうございました。これからも、聞く人の心に届く歌を歌い続けたい、今はそう思っています。当分、歌うことをやめられそうにありません。

(CANTUS ANIMAE副団長、加藤麻里)

 

 

加藤さん、とても素敵な文章を本当にありがとうございました。

「光る砂漠」を選ばれた理由、そして歌い続ける理由が、確かな説得力をもって伝わってきました。

「詩人はなぜこの言葉を選んだのか、詩心の悲しみを感じて見つけていってほしい」

……聴く側の自分にも響く言葉ですね。

 

さて、CANTUS ANIMAEさんは5月9日に演奏会を開催されるとか?

 

 

CANTUS ANIMAE The 31th Concert

「祈りのかたちVol.5 ~名曲をもっと知りたい、<試演会>~」

 

○日時:2026年5月9日(土) 14:00開演(予定)

○場所:第一生命ホール(東京都)

 

今回は、オーケストラとともに演奏されるバロックからロマン派までのおよそ200年間の名曲を、ピアノリダクション版で演奏します。オーケストラとの共演はアマチュアにはかなりハードルが高く、そのため数多くの名曲が、案外合唱人に知られていないように思います。それはもったいない!というわけで企画した演奏会です。第一ステージでは、バッハ、ヘンデル、シューベルト、シューマン、ブルックナーを、第二ステージではブラームスを、そして第三ステージでは、モーツァルトの傑作、ヴェスペレk339を全曲演奏します。

詳しくは、下記をご覧ください。

www.cantus-animae.net

 

チケット販売は2026年3月頃を予定しています。乞うご期待!

 

 

お~、バッハのマタイ受難曲に、ブルックナーホ短調ミサ、ヘンデルメサイア、ブラームスドイツレクイエムに最後はモーツァルト「ヴェスペレk339」とご馳走攻めな演奏会!

5月9日はみなさん第一生命ホールへ!

 

 

(観客賞座談会・大学ユースの部で印象に残った団体感想に続きます)