大学職場一般部門改編の衝撃|気になる変更点と今後の考察

 

2027年度から大学職場一般部門の編成区分が大きく変わります。

気になる点をまとめてみます。

 

 

1)"純粋"な大学部門へ

 

注目は「大学生による合唱団、インターカレッジ参加可」!

つまり《ユース合唱団は大学部門ではなく、職場一般部門へ》という大改革ですね。

これは平成9年から10年間あった「大学A・B部門」の復活と言っても良いのでは。(当時、大学A部門は8人以上32人以下、B部門は33人以上)

 

少人数の団体でも参加しやすくなることから大学合唱団の増加が期待できますし、「大学生による合唱団」という原点に立ち返ることで、合唱連盟は「初心者の最後の砦」である大学合唱を守ろうとしているようにも感じられます。

 

 

2)同声合唱部門の廃止

 

ただでさえ衰退傾向が激しい《男声合唱》に拍車がかかるのでは?ということ。

女声合唱もAグループ(6~18名)以外では不利になりそう。

しかし、この部門については「演奏スタイルも発声も大きく異なる女声と男声を、《同声》という同じ土俵で評価して良いのか?」という意見も以前からありました。

そう考えると、職場一般部門に組み込まれるのも仕方がないのかもしれません。残念ですが。

 

 

 

3)室内合唱部門の廃止

 

こちらも過去の「一般A・B部門」が復活したと言っても良いかと。

当時は一般A(32名まで)から室内合唱(24名まで)へ移行する際、「人数を減らして室内合唱を指向するか?それとも人数を増やすか?」という混乱があったと記憶しています。

室内合唱(24名以下)へ出場していた団体は、Aグループ(6~18名)かBグループ(16~40名)のどちらで出場するのか?

さらに「16~18名の団体はA・Bどちらを選ぶのか」も悩ましいところですね。

個人的には「室内合唱」という名称は変更すべし!と訴えてきたので、この名称変更は歓迎します!(リンク先記事最後【室内合唱部門を振り返って】)

 

 

4)混声合唱の部は?

 

昨年の佐賀全国大会、混声合唱部門は全16団体。

Cグループに該当しない《36名未満》の団体は3団体でした。

ただ、Bグループの《40名以内》まで広げると7団体になります。

こちらの部門も「Bグループに出場するか? Cグループに出場するか?」で悩ましいことになりそう。

 

 

 

5)全国大会のスケジュールは?

 

大学AB、職場一般ABCと1部門増え、計5部門になったため、全国大会2日間の振り分けはどうなるのでしょうか?

過去に倣うなら、大学A・Bとも「大学グループ」としてひとつにまとめるのでしょうか?

 

《一日目》

午前:大学AB

午後:職場一般A

 

《二日目》

午前:職場一般B

午後:職場一般C

 

……になるのかも?

 

 

《発表後のネットの反応を見た雑感》

 

○ユース団体排除? それとも大学合唱保護?

やはり「ユース団体は職場一般部門へ」の衝撃は大きかったようです。

ユース団体の社会人団員は、コンクール時期だけ活動を休むのはどうか……と一瞬考えたのですが、コンクール期間は長く、現実的ではなさそう。

コンクール活動を中心にしていたユース団体にとっては、活動意義そのものを問われることになりそうです。

「大学生による合唱団」ということで、「みんなで放送大学に入ったら?」なんてネタっぽい投稿もありました(笑)。

 

大学部門の団体名は、単独の大学名や大学公認でなくても良いのでしょうか。

大学ABを実施していた2003年の大学部門には、「合唱団々」という団名の、複数大学による合同合唱団もありましたね。

 

「合唱初心者の最後の砦」と書いたのは、ユース団体と比較すると、大学合唱団の方が初心者を迎え入れ、育てやすい環境やシステムを持っていると考えているからです。

優れたユース団体がいくつも生まれ、存在感を増していたのは喜ばしいことでした。

しかしその反面、大学合唱団の存在感が相対的に薄れてしまったのも事実でしょう。

今回の改革で大学合唱団員が急激に増えるとは思いません。

しかし、コンクールに参加している大学合唱団にとっては、大きなモチベーション向上の機会になるのではないでしょうか。

また、「6~25名」規模の大学合唱団が全国大会を目指しやすくなることも、歓迎すべき変化だと思います。

 

 

○同声合唱部門廃止がもたらすもの

「同声合唱部門の廃止により、男声合唱衰退に拍車がかかるかもしれない」と書きましたが、同時に女声合唱にとっても厳しい変化になりそうです。

ただ、Aグループ(6~18名)については、女声ならではの3パート構成や声質の同質性が有利に働く可能性もあります。

さらに、人数の多い少年少女合唱団もCグループで存在感を増していくのではないでしょうか。

 

 

○《大会の華》はどのグループへ?

全日本合唱コンクール全国大会で最も注目を集めるのは、やはり混声合唱の部でしょう。

“大怪獣バトル”と揶揄されることもあるこの部門は、その時代の合唱界を映し出す鏡でもあります。

一方で32名以下の一般A部門が、先進的な選曲や優れた演奏によって《大会の華》と見なされていた時代もあったと、個人的には感じています。

 

昨年の混声合唱部門では、第1位のVOCE ARMONICAさんが団員数40名、長年金賞を受賞してきたCombinir di Coristaさんは41名でした。

両団体とも新制度では、Bグループに出場していても全く不思議ではない団員数です。

新たな《大会の華》は、やはり大編成が集うCグループになるのでしょうか。

それとも、実力団体がひしめくことになりそうなBグループになるのでしょうか。