尾道旅行記 その4


 高原誠吉食堂を出て。
 ・・・やはり1軒では済まないよなあ。



 夕方に物色した店、居酒屋「小鉢」へ。



 看板の「ココ入ル」って・・・



 この狭い路地を?





 外見は普通の店のようだが・・・。



 中へ入ると思ったより逆L字のカウンターや厨房は広く、
上品な印象のご婦人が迎えてくれる。
 先客は定年が近いような男性客3人と、
20代後半の男性1人。奥に座敷もあり男性の騒ぐ声が。
 ・・・男性客100%! ははは。


 瀬戸内の魚を食べさせる店、ということで
「刺身・煮物・焼き物」などの調理名の横に
ゲタなど瀬戸内の魚介の名前が
ホワイトボードに書いてある昔ながらのスタイル。


 生ビールを頼み、さて何を・・・・・正直腹いっぱい。(食べすぎだ!)


 「えーと、ニシ(貝)の刺身をお願いします」


 「ニ↑シ↓ね。わかりました」


 ああ、「西」のイントネーションで注文してしまった。
 そういや中国地方では「おもちかえりですか?」を
 「お↑ちかえりですか?」と発音するので
最初聞いた時には「フザけてんのか?!」とびっくりしたなあ。


 それと隣の若い客が食べていた茶碗蒸しも注文。
 するとお姐さん困った顔で


 「…う〜ん、出汁が残り少ないので一人前できるか・・・。
  でも、作ってみますね」 「お願いします」


 この店は旦那さんが古くから開いてた店だが
旦那さんが亡くなった後も、
このお姐さんが引き継いで営業しているそうだ。
 みなさん常連のようで、
若いお客は最近観た映画の話をお姐さんとのんびりしていたり。
 ・・・良い雰囲気だなあ・・・。
 男がリラックスして酒を飲むのにふさわしい店です。


 生ビールが出された時、下に敷くコースターが



 こんな風に真ん中が陶製なのが
「昔ながらの良い店」を表しているような。


 茶碗蒸しも家庭的な良いお味でした。ごちそうさま。



 さて、居酒屋はもういいや。
 「暁」が閉まっていたので違う名物店へ。




 「ロダン」


 この店は店頭の大きな貝のオブジェで分かるように
73歳(74?)のマスターが集めた貝のコレクションが有名。




 カウンター。




 カウンターもガラス張りでこんな感じ。



 さらにこの店、かなり広く後ろのテーブル席は





 ・・・こんな感じ。スゴイ。


 先客はカウンターに男性客一人でマスターがお相手している。
 私は奥さんと思われる女性が話し相手に。


 ロングドリンクでお任せを、とカクテルを頼み
ロープウェイの往復券を買ったけど徒歩で降りちゃいました〜と話すと
「そうよー、あの山は行きはロープウェイで
 帰りはゆっくり歩きで降りるのがいいのよ!」 やっぱり。


 先ほど「小鉢」という店に行ったんですけど
あの店も、この店も入り口はそんなに大きくないのに
中は広いんですね。


 「ああ、小鉢さんね。
  昔の法律では入り口の大きさで税金が決まっていたのよ。
  入り口が狭いのは昔からの店の名残ね」 へえー。


 暁の前を通ったけど休業中で残念でした、もう再開しないんですかね。


 「あらー、この前あそこのご主人に会ったけどお元気そうだったわよ。
  『そろそろ再開しようかな』と言ってらしたから
  もうすぐなんじゃないかしら」 おお、そうなんですか。


 お任せのカクテルはジン・フィズでレモンとレッドチェリーを飾る
オールドスタイル。酸味と甘みが強いのもちょっと昔ながらの味。


 さて、次は何を注文しようかな、と思ったところ
勢い良く5人、7人、5人・・・と団体でお客が急に。
 これでは次の注文がいつ出るか分からないなあ。
 ご馳走様でした、とお勘定を。



 (つづきます)