《無料》「大学合唱団緊急座談会」を読もう!

 

昨年の合唱連盟・ハーモニー誌秋号での特集・大学合唱団緊急座談会「コロナ禍を経て取り戻した私たちの居場所」が無料公開されています。

この特集、東京、京都の大学合唱団団員さんの座談会なのですが、新入生の勧誘やより良い活動へ向かうためのヒントが散りばめられていて、とても優れた特集です。

 

📌大学合唱団のみなさま📌

 

ハーモニーNo.206特集

大学合唱団緊急座談会「コロナ禍を経て取り戻した私たちの居場所」

記事を無料公開しています

新入生勧誘のヒントが見つかるかも⁉️

読んでいて慶應ワグネルさん、京大合唱団さんの発言に唸りました。

京大さんはめっちゃ優秀な社会人になりそう?!

新入生勧誘では、ワグネルさんの「知ってもらう」、「検討してもらう」、「入団後のケア」、段階ごとの細やかな対応の「フェイズ」が素晴らしい。

京大さんのSNS活動(3月から勧誘アカウントは毎日更新)、その他の「京大合唱団」の横断幕や、団名が目立つパーカーを着て、授業中に認知してもらう、QRコードに繋げるなど多彩な戦略!

 

この特集、毎年やって欲しいですね。

次回は北海道や九州の大学合唱団からも呼んでもらって(笑)

 

外部の人からの認知と入団後のケア・・・一般の団体にとっても非常に大切な考えですよね。

大学合唱団の団員さんが増えることを強く願っています!

 

Chorsal《コールサル》12th Concert -初めての混声合唱組曲4-のお知らせ

 

Chorsal《コールサル》12th Concert -初めての混声合唱組曲4-

ぜんぱくさんこと大村善博さんが指揮者の、松山の意欲的な合唱団「Chorsal《コールサル》」さん。
公募合唱団との演奏も組み入れた、12回目となるコンサートのお知らせです。

 

🐒概要

日時:2024年2月11日(日)13:30開場/14:00開演

会場:松前総合文化センター広域学習ホール

 指揮:大村 善博、景山誠之、寺口穂花、増原拓馬、山田青乃、山中美里佳

ピアノ:尾海あかり、大澤宣晃

チケット:一般1,000円 / 高校生以下 500円(全席自由)

 

🐒チケットのご購入について
チケットは下記のどちらかでお求めください。

〔郵送でのチケットお渡し〕お申込期限:2024年2月2日(金)
購入フォームへの入力後、チケット代金の入金が確認でき次第郵送いたします。
チケット代金の入金期日は2024年2月6日(火)です。
▷チケット申し込みフォーム:https://forms.gle/T7AonjmKE7hE1oMS9

〔出演者から直接お渡し〕
出演者にお声がけいただき、チケットをお求めください。

 
🐒演奏プログラム
〔1st stage〕Monteverdiの世界
〔2nd stage〕ア・ラ・カルト-5人の指揮者の饗宴-
〔3rd stage〕混声合唱曲集「地平線のかなたへ」(木下牧子 曲)
〔4th stage〕混声合唱組曲「方舟」(木下牧子 曲)

 
🐒ご来場にあたって
・終演は16時を予定しております。
・入場時、チケットは回収させていただきます。
 再入場にはパンフレットのご提示が必要ですので、一人1部必ずお持ちください。

「はじめての混声合唱組曲」として、今年は木下牧子先生の初期作品!
ぜんぱくさんに先日お目にかかったときサッカーによせてで8分休符があるでしょ?あそこにボールを渡すときの目配せや、蹴り返す足の感触があるんだよね~」なんてお話を聞きました。
「指揮というものの意味がわかると思う」ア・ラ・カルト-5人の指揮者の饗宴-や、あっという間に公募人数上限が集まった40人による熱い名作「方舟」など、聴きどころ満載のコンサート!


2月11日には愛媛県伊予郡の松前総合文化センター広域学習ホールへどうぞ!

 

観客賞座談会・混声合唱の部 最終回

 

 

つなん雪まつり&SNOWWAVE2024・津南町観光協会

 

前回は観客賞・混声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体鶴岡土曜会混声合唱団さん岡崎混声合唱団さんVocal Ensemble 《EST》さんへの感想をお話ししていました。

今回は混声合唱部門で印象的だった団体感想の続き、最後の2団体についてお話しします。

広島県・中国支部代表
合唱団ある

https://chor-aru.vercel.app/page/top

https://twitter.com/Chor_Aru

 (混声68名)

B 自分は投票しました!
 課題曲G3 水上
 楽譜に忠実に演奏していて。
 それが単に忠実なだけじゃなく、
 ちゃんと曲の内容や流れ、
 音楽の求めるものに沿っている。
 シンプルに楽譜通りに歌っているけど、
 それだけじゃない。

 
 うんうん、音楽に自然さ、
 市民合唱団的な良さがあって。
 ひとりひとりが思う歌を発信し、
 それを良い音楽の流れとして
 活かしている感じがありましたね。


 いろんな年代の団員さんがいるから、
 そういう懐の深さが
 ああいう演奏に
 なっているのかなぁって。


「故郷を思い出しながら歌っている」
 感があり。
 この「水上」を演奏した団体の中では
 とても好きな演奏でした。


 自分が投票した大きな理由は
 自由曲:松本望「1.夜ノ祈リ」。


 広島の団体がこの作品を歌った、
 その切実さが!


 そう、太平洋戦争での
 悲惨な記憶を残している地に
 暮らしている人たちが
 この曲を歌うという意味。
 そして現在の世界状況。
 罪も無い普通に生きていた人たちが
 ああいう目に遭って・・・。


 そうですね、
 戦場ではないし、兵士でもない、
 隣り合わせた普通の人たちが
 戦いに巻き込まれる恐ろしさ。
 テンションが最初から高くないゆえに
 音楽の起伏や、
 ピアノの見過ごされそうな美しさが
 あるさんの演奏で初めてわかった気が。


 普通の人々が理不尽な目に遭い、
 戸惑っているようにも感じました。
 等身大、ひとりの人間としての祈り、
 叫びになっていたと思うんですよ。


 実際に壮絶な体験をした人たちには、
 体験を証言する人たちもいれば、
 「言えない!」と拒む人もいて。
 あるさんの演奏は、
 その「言えない人」に
 寄り添っているのかな、と。

 広島の合唱団が
 こういう演奏をされたことは
 内面で非常に感じるものがありました。

【メール、Xの感想です】

課題曲が良かったし自由曲も心に響きました。


二つの祈りが素敵すぎました!(語彙力)


この作品を老舗の合唱団の充実した音の演奏で聴けただけで感動した
テキストを咀嚼して聴き手に訴えかける形で、感情が揺すられる音楽になっていたと思う


夜ノ祈リに固唾を呑んだ


G3 自分の団でやった時と解釈が近い感じがした、500倍上手く歌えてたらこういう水上にしたかった。
もたもたしないで進んでいくの、大事。
自由曲
す…ごい…難しそうな曲…やっぱり全国レベルだと選曲からして違う。
衣装の青さも曲の雰囲気にすごい合ってた。
ただ口をぽかんと開けて聴いているしかなかった…


68名で夜ノ祈リを作り込むのはとても大変だったのではと。
初演団体の身として、歌ってくださるのがまずありがたいなぁという気持ちと、どんなお気持ちでこの曲と向き合って来られたのかと思うとなんとも言えず…。
勝手にファンしている福原先生の指揮もみれて幸せでした!

 

 

混声合唱部門、いよいよ最後の団体です!

埼玉県・関東支部代表
scatola di voce

http://www.scatola.jp/

https://twitter.com/scatola_di_voce

 (混声31名)

 好きでした!
 納得というか、指揮の森田悠介先生と
 通じるものがあるのかな(笑)
 初めての金賞、おめでとうございます!


 ピアノが良かったですよ!


 そうですよね~!
 やはり松元博志先生は良いですね!
 課題曲G4
 Ⅰ―空と涙について―
 最初は合唱が奥に
 引っ込んでいるのかな?と思ったけど、
 ピアノと寄り添うように
 音楽を紡いでいって。
 ヴォカリーズと言葉ある歌を
 上手く繋いでいましたね。
 バランスも良かったと思いました。


 団員さんと森田先生は同年代くらい?
 歌い手と指揮者が近くて、
 森田先生の指導だけじゃなく、
 団員さんの自発的な歌、気持ちが
 演奏に乗っている印象がありました。


 後半「しきたいの」から
 盛り上がりがジーンと来てねぇ~!
 自分たちの心情を
 上手く歌として語れる団体だなぁって。
 自由曲1曲目:ドナーティ「Noche(夜)」
 インパクト抜群の出だし!


 世界がガラッと変わった!


 そう!でも高いテンションだけで
 進めるんじゃなく、 
 ちゃんと和音や響き、ニュアンスを
 団員全員が理解している演奏で
 とても良かったです。


C 2曲目のマニアーノ
 「Lux Aeterna(永遠の光)」
 ステージ上で輪になったのに驚いて!


 ビックリしましたよね!
 輪になり、
 向かい合う人の声を聴き合う……
 輪の中から生まれる音をこそ、
 大切にしていこうとする、
 そんな深読みもしてしまいました。


 スカートラさん、
 リスタートのために
 6月にいったん活動を休止されて。
 だいぶ団員さんも
 入れ替わったそうですけど
 そういう意図があったのかも。


 聴いていて、光に包まれた・・・


AC文 お~!


 海外の団体っぽいんですよね。
 日本だと内にこもり
 隠そうとしがちな思いを
 外に出し、積極的に人へ伝えようとする。
 この「永遠の光」も
 彼ら彼女たちの心と通じ合ったような。


 輪になったところへ
 上からの照明の光がちょうど当たって。


 でしたね~!
 あのりゅーとぴあだからこその光、
 音の響き方!


 たまたまかもしれないですけど
 同じ関東、埼玉の合唱団なので
 新潟のこのホールを訪れ、
 計画を練ったのかもしれないですね。


 関東大会は各県持ち回りだから
 このホールの響きは知っているはずだし。


 「あの照明の光の輪は活かせるかな?」
 意図だとしても、偶然でもスゴい!


 並びも、そして響きも新鮮でした。
 輪になると客席へ
 届かないのかなと思ったけど。


 ぜんぜんそんなことなかったです。
 ソプラノさんが後ろ向き、
 衣装のスパンコールが輝いて。
 輪の中心から光が立ちのぼり、
 祈りが伝わってくるような。


 ずっと考えていたんだけど……
 「フランダースの犬」のラスト!


AC文 それだ!!!(笑)


 りゅーとぴあに
 天使が降臨していました・・・。

【メール、Xの感想です】

G4ぼくはとても好きな解釈。
支部よりも練られてて👍マニアーノはオーダーいいね


夕刻を感じさせる歌い出しから始まる切々とした感情に溢れたG4の後、自由曲の冒頭のフォルテで世界観の切り替わりにハッとさせられた
2曲目の独特すぎる並びの時のハーモニーが一番充実してた


圧倒的世界観。
よくやる孤状の並びがこのホールでは功を奏した印象。


結成当時から知っている団体なので、今回の解体と再構築を通してこの結果というのはすごくほっとされたのではないかと思いました。
課題曲は松元さんのピアノが素晴らしく、自由曲は世界観に引き込まれました!
ソプラノの方、素敵だったな〜!これからも応援します😊


スカートラめっちゃ上手くなっててびっくり
課題曲の作り方がハマってて、自由曲どっちも美しく鳴り響いてた


G4 ようやくこの曲が少しずつ分かってきたような気がした。
深い解釈、分かって伝えようとしている。
ドレス色っぽかった。
自由曲
特に2曲目が良すぎて…パナムジカに楽譜がないよう。
情感のこもった強い祈り。TenorとSopのハイトーンで鳥肌たった。世界かぶわーって広がるような…語彙がない…大好きな演奏でした。

 

 

【混声合唱部門を振り返って】

 

 さてこれで混声合唱部門、
 新潟全国大会の45出場団体を
 すべて話したわけですが。
 混声合唱部門を振り返って、
 どうでした?


 混声合唱部門ね、
 あまりにも完成形だから・・・


 どういうこと?!


 あまりにも自分たちが
 「こういう曲を選んで
  こういう風に演奏する」を
 極めている団体ばかりだったから
 「あっ、そうだよね」って・・・。
 納得感しか無いんですよ、
 どこの演奏聴いても!


 そうですよね……
 長年、こだわりを持って
 自信を持って出されたものだから
 ちょっと違和感があっても
 「自分の方が間違ってるんじゃ?」


 アリかな? アリかも!!
 「頷くしかない」って(笑)


A 今回、混声合唱部門では
 初出場が無いじゃないですか。


 全国大会自体が
 初めてという団体は無いです。


A 初出場が無かったから
 わかっている団体ばかりで。
 「自分たちの良いところばかりで
  勝負してきたな」って。


B 田畠さんみたいな新星が
 混声部門に突如現れたら
 面白いけどね。


 でも新しい才能って今なら
 室内合唱部門か
 大学ユース部門から出るのかもね。
 仲間を集めて少数精鋭で
 切り込んでいく!みたいな。


A そうですね、
 ユースから始まったものが
 時間の経過と共に発展していって
 混声合唱部門に参加、
 そういうラインの可能性かな。


 しかしこの問題は難しいですね……。
 言わば駅前の一等地に
 老舗で大人気の洋食屋があって。
 その隣に新鋭イタリアンシェフが
 新規開店したら続けられるか?!(笑)


A いやでも、その洋食屋が
 店を畳むかもしれない。


C文 あ~……そうですね~。


B 土曜日に
 「8時だョ!全員集合」が全盛だったのに、
 次に「オレたちひょうきん族」が
 人気になったでしょ?
 時代は変わっていくんだよ。


 古いな~(笑)
 その後にとんねるず、
 ウッチャンナンチャン、
 ダウンタウン……
 盛者必衰、か。
 ちょっとみなさんに伺いたいんですけど、
 「音楽」ってノイズがどれだけ入っても
 聞き取れるものなのかなって。


ABC なにを言い出すの?!


 いやぁ、さっきの話じゃ無いけど
 老舗の洋食屋シェフが年齢を重ねていく。
 同じように合唱団も高齢化で
 経年変化が起こりえるわけですよ。
 コンクールなんて顕著じゃないですか。
 数十年単位で聴いている合唱団の
 「音楽」をいつまで聞き取れるのかな?と。


B でも今年のMODOKIさんの演奏は
 声が若返った気がするな。


 あの……めっちゃ失礼なんだけど
 ある団体さんは
 「あまり耳馴染みの無い現代曲」選曲時に
 全国大会へ出場している印象があって。
 それって素材の変化が気づきにくいのも
 理由じゃないかなぁ。


A 偶然でしょ?!
 他の出場団体が純粋に良かった年も
 あっただろうし。


 また話が変わるけど。
 合唱を聴き始めてから
 わかりやすい障壁が2つあって。
 ひとつは「言葉」
 日本語から違う言語、
 ラテン語やドイツ語の曲を聴き始めるときに
 やっぱり抵抗があった。


C MODOKIさんの時にお話ししましたが、
 今でも抵抗がある人、います~。 

 

 もうひとつは「素材の経年変化」
 合唱の聴き始めは、
 中学高校の統一された
 若い声の演奏に慣れていたから、
 伝統ある合唱団、
 幅広い年代の声には最初抵抗があった。


A そこから中高生の合唱しか
 聴かない人たちもいるよね。


 あと経年変化とは違うけど。
 これはずっと前に雨森文也先生に
 お話を伺ったときから考えていて。
 ピアニストのミスや、
 オーケストラのアインザッツのズレの中から
 音楽を聞き取ることなんかもね。

A 「経年変化」って・・・
 「20年経っても君の笑顔は輝いてるよ!」
 ……じゃダメなの?(笑)


文 もちろん素敵さ!……って(笑)
 いや、笑顔は認めるんですけど、
 ノイズが多くなっていくと
 どうしても輝きを見つけにくくなる。
 輝きをノイズの中から見つけるために
 自分ができることは?って。

 ・・・心を動かしたいんですよ。


B 「心を動かす」、ね。
 それを聞いてコロナ前に
 文吾さんを酷いと思ったことを
 思い出したんだけど話していい?

 

AC 聞きたい!


 なんだろう……怖いけどどうぞ。


B 自分の好きな合唱団に
 文吾さんの知人女性、
 Tさんという方がいて。
 そしてTさんの娘さんが入っている
 中学校合唱部が
 全国大会に出るって聞いたんだ。
 でも娘さんの全国大会の演奏を聴く前に
 Tさんは亡くなってしまったんだよね。


AC あぁ・・・。


B 全国大会が終わった後、
 聴いた文吾さんに
 「演奏どうだった?」と尋ねたんだよ。
 もちろん娘さんが歌った
 中学校の感想を期待するよね?
 そうしたらこの人は
 「いやぁ沖縄の中学校素晴らしかった!
  ボロボロ泣いてしまいました」と
 ずっと他の中学校の感想を続けるんだよね。
 たまらず「娘さんがいた中学校は?」って
 尋ねたらこの人黙っちゃって!
 あれは本当に酷いと思った!


 ・・・ごめんなさい。
 えぇと、弁解してもいいですか?


B どうぞ。


 Tさんの娘さんの中学校は
 正直に言って
 心が動かなかったんだよね。


B  やっぱり・・・。
 でも、あの場で 「心が動く」のは
 そこまで大事なことかなぁ?


 ごめんなさい・・・。
 それでもね、聴くまでに
 演奏曲の楽譜を取り寄せて読んだり。
 他の音源も複数聴いて、
 作品の本質や魅力を掴もうとして。

 生きてきた中で一番真剣に聴こうとして。
 あの中学生が目指す理想の音楽を
 可能な限り見つけようとした。
 それで目指そうとする音楽は理解できた。
 亡くなった彼女に伝えようと、
 できるだけわかりやすく
 良かったところを書いたんですよ。


B え、ブログに載せてたっけ?


 いや、彼女宛てのは載せていない。


B そこまで準備して真剣に聴いても
 あの中学校の演奏で
 文吾さんの心は動かなかった。


 そうなんですよね。
 心が動かなくても
 「一生懸命に歌ってたよ」と
 答えても良かったのにね。
 そういう間に合わせの答えが
 Tさんに一番怒られそうと思ったのかな。


B  たぶんTさんは怒らないでしょう?


 そう、自分の問題ですよね。
 ……Tさんに会って話したかったな。


A いや・・・さっき尋ねた
 疑問への答えは
 もう文吾さんわかってるんじゃないの?


 「音楽」ってノイズがどれだけ入っても
 聞き取れるものなの、って?


A 演奏を聴く前に準備し、
 演奏中に中学生たちの理想は何か、
 一生懸命掴み取ろうとしたんでしょ?
 その結果、目指す音楽は理解できた。
 ノイズが多くなった合唱団でも
 それは同じなんじゃないの。
 生きていく中で楽譜を読んだり
 多様な音楽を聴いたり。
 そして実際の演奏を前にしたら
 作品の本質、理想像を掴もうとする。
 他の合唱でも貫くのが大切なんじゃないの?


B もちろん発声や音程の純度は大事だけど、
 その奥にある
 「表現したい本質」を見つけ出す。


 そうか・・・。
 たとえばできるだけ先入観を持たない。
 聴きはじめたらすぐ投げ出さない。


C そうそう、
 何かそこに良いものがあると思って聴く!


 「夢みたものはひとつの幸福
   それらはすべてここにある
  ……ですかね。

 とりあえずひとつの幸福が目の前にあるんで
 味わって良いですか?


B 好きにしたら(笑)

新潟全国大会・観客賞座談会の連載はこれでおわります。
たくさんのご投票、そして感想を寄せていただいたみなさま、本当にありがとうございました!

 

観客賞座談会・混声合唱の部 その6

 

 

鮭の酒びたし・村上市

 

前回は観客賞・混声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体Coro Ponteさん、混声合唱団うたうたいさん、合唱団Pangeさんへの感想をお話ししていました。

今回は混声合唱部門で印象的だった団体感想の続き、3団体についてお話しします。


山形県・東北支部代表
鶴岡土曜会混声合唱団

https://twitter.com/TsuruokaDoyokai

(混声70名)

 

文 課題曲G1、
 Wenn mein Stündlein vorhanden ist
 縦も揃っているし
 横の旋律の流れも気持ち良かった!


 70名というこれだけの大人数が
 あれだけパートごとに揃って
 ちゃんと線が聞こえてくるのが
 さすがだなって思って。


 旋律が魅力的で
 非常に聴きやすい。
 それこそ確信、
 喜びを持って歌っている気が。
 音楽の絶妙な変化も良かったです。


 毎年思ってるんですけど、
 土曜会さんのテノールが大好きで!
 深さもあるけど響きも高い!


 あ~、自分も思いました!


A 自由曲:三善晃「3.戦いの日日」
 「昭和の色」がしたね。


BC文 「昭和の色」?!(笑)


 聴く者をあの時代に引き込む力。
 衣装もコスプレじゃないよ!みたいな。


 なるほど(笑)
 最初のソリストさんも上手かったし、
 全体的にとても丁寧に
 歌われていたのが好印象でしたね。

【メール、Xの感想です】

圧倒的な三善の世界。
戦いの日日のみの選曲が素晴らしかった。


三善は当然だが、G1もかなりよかった


救いは…救いは無いんですか…
選曲も演奏スタイルも昭和〜平成前半っぽさを感じる 当然ながらめちゃくちゃ上手い
単曲なのに思ったより普通のテンポでいったので逆に驚いたものの、この曲を今演奏することの意義が伝わってきた


戦いの日日のソロ部分のじっくりさは心の悲痛な思いを感じた 
そのまま時間はきらきらとを聞きたかった自分もいたり


G1 東北の星(勝手に)。
この曲は内声が仲良くないとダメなんだ…やっぱり基本中の基本はパートごとにばらけないこと、いかに声をまとめるか。
ああ課題曲こっちやりかった。
自由曲
死ぬほど難しい…
うねるような男声、凄まじい迫力。
ソロの方、控えめに前に出てらしてほっこり。

 

 

愛知県・中部支部代表
岡崎混声合唱団

https://okakon.sunnyday.jp/home/

https://twitter.com/okazakikonsei

(混声58名)

 

文 課題曲G3 水上
 前にAさんが言ってましたが
 岡崎混声さんは音楽のフレームを
 きちんと作ってその中で遊ばせる、って。


 うん、岡崎さんは
 やっぱり知的だなと思うんですよ。
 自分はこの演奏で投票しました。


 課題曲も言うならば
 「昭和の色」がしましたね(笑)。


 だから「昭和の色」ってどんな?!(笑)


 スタッカート気味に
 短く切って、みたいな。
 そういう工夫が昭和の色だなって(笑)
 でも決して貶しているわけじゃなく、
 作曲された年代が古い曲だし
 そのスタイルを追求してるんだと。


 そうっ!のどかな中に躍動感!


 躍動感は生命の喜びだと思うんですよ。


 あと、団員みなさん、
 近藤恵子先生のこと大好きなんだな!って。


 そうじゃないと
 あれだけの人数が集まって
 あんな風な音楽を作れないですね。


 ご活動も長いですからね~。


C 自由曲:三善晃編曲
 「トゥバラーマ」
 古き良き日本の風景が見えました。


 同じく三善先生編曲の「佐渡おけさ」
 気合い十分の和太鼓奏者。
 ピアニストはまるで打楽器のように
 弾いて面白かった!


 合唱に対抗するなら
 ピアノの蓋全開でも良かったかな。
 素敵なピアノだったので
 もっと聴きたかった。
 和太鼓は良い塩梅で
 演奏を邪魔しない感じ。


 ピアノは内部奏法もあったね。


 ひとりひとりが
 考えて歌っているのが
 岡崎さんの好きなところなんですよ。
 それは「佐渡おけさ」のような曲でも。
 大好きでしたね。

【メール、Xの感想です】

生命の輝きが感じられる「水上」、自由曲もさすが三善作品!と胸の空く演奏でした🎶


終始安定感のある演奏で素直に楽しめた
合唱における民謡の歌い回しが堂に入ったもので実力の高さを感じる
何よりも新潟民謡を新潟の会場で演奏できるという奇跡よ


演奏録音もよく聞かせていただいていて好きな団体のひとつだったので、生で聞けてとても幸せでした!
グランツェの方も何人かいらっしゃったのかな👀
おけさ、飽きずにずーっと聞いていられるくらい楽しかったです✨


G3 一瞬で清流が流れた…
「こけしみず」ちょっと弾むんだ!水しぶき見えたよ。
フレーズ終わりの短い音がきちんとおさまるから、次の始まりが明快。
男声こんな爽やかなのすごい!
自由曲
1曲目、課題曲とは発声からまるで違ってるみたい。
最初から最後までハミングが肝(地獄)
2曲目、Tenor楽しそう!さてはこの曲好きだな。腹の底から湧き上がるような、鼓舞されるようなエネルギー。
こんな曲になるなんて民謡もびっくりだよ。

 

 

三重県・中部支部代表
Vocal Ensemble 《EST》

https://esthp1992.wixsite.com/vocal-ensemble-est

https://twitter.com/ensemble_est

(混声49名)

 

 あ!この課題曲G2
 Les fleurs et les arbres
 大好きでした!


ABC 良かったよね!


 流れの中でリズミック。
 そのリズムはどこからかな、って。
 よく聴いたらフランス語の語感を
 活かしてたんだね。


 とても良いテンポで気持ち良かった。
 それなのにハーモニーはしっかり、
 フレーズの最後まで神経が通って。
 1曲を通した起伏、
 テンションの幅が適度で
 最後はオシャレに締めて!
 さすが向井先生!!


B さすがEST!!(笑)


文 自由曲:土田豊貴「立ちつくす」
 良い旋律が耳に飛び込んできて。
 しなやかな音楽の流れ、
 合唱の余韻を2台ピアノが
 繋いでいくなど音響面でも
 聴き応えがありました。


 後半に正面を向きましたよね?


 あれは詩の内容を表わしたの?


 「世界が
 「愛してくれますように」で
 正面を向いたんだっけ?
 大自然、神への切なる願いかな。


 圧倒される壮大な音楽と音響。
 でもね、このホール、
 合唱とピアノを離した方が
 それぞれが効果的に聞こえてくると思って。
 昨日の大学ユース:FEMさんもそう。
 だからESTさんも男声は
 山台の一番後ろまで並んでいたけど、
 もっとピアノと離れていれば!


文 天井から吊り下げろと?!(笑)


 不可能なんだけど(笑)
 もっともっと合唱を聴きたかったな!


 わからないでもないですけど……。
 2台ピアノで音数がとにかく多い曲。
 やはり合唱がピアノに飲み込まれるような。
 でもそれはこの作品ならではの魅力と
 自分は思ってるんですけどね。


 だから合唱が正面を向いたとき、
 ホールに稲妻が疾った!


 そう!あの瞬間!
 声の鳴りにゾクゾクッと!


 あの人数で健闘されたとは思うけど
 ああいう時間がもう少しあったら、って。


 でもこういう作品に
 真正面から取り組むESTさん、
 やはり凄い団体ですね。

【メール、Xの感想です】

立ちつくす、ドラマチックで熱演でした。


あたたかな日本語の自由曲、僕好みで最高でした


好きな曲なので聞けて嬉しかった、あい混以外がやるとこうなるんだ


今までに無い傾向の選曲でどんな演奏になるか楽しみにしてたら、期待以上の充実した音楽で良かった
50人弱ながらあい混さんの70人弱の全国初演にも勝るとも劣らない大迫力だった


壮大な広がり豊かな立ちつくすで聞き惚れた


立ちつくす、すんごい曲!立ちつくしていた!
あつびさんの声がよく飛んでいたのと、隣にいらっしゃったテノールのおじさまの歌い姿がすごく素敵でした!


EST最高でした
課題曲の音のタッチと弾力がさすがで、好きな自由曲は音色と言葉が強くリンクして飛んできました
高校からの憧れです


G2 貴族の舞踏会に来たのかな。圧倒的華!
Bass軽やかでいいなあああ紳士。
会場中に花咲いてた
自由曲
ピアノ2台、でも全然負けてない。
音が奔流のように迫ってくる。え、Bass上手い上手い上手いすごい
一曲の消耗よ…筋トレ必須の合唱団かもしれない

 

 

(観客賞・混声合唱部門 最終回へ続きます)

 

観客賞座談会・混声合唱の部 その5

 

 

ぽんしゅ館・新潟市

前回は観客賞・同声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体女声合唱団 ゆめの缶詰さん、NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科さんへの感想をお話ししていました。

今回から観客賞・混声合唱部門、第6位内に入らずとも印象に残った団体の感想をお話しします。

今日は3団体!


千葉県・関東支部代表
Coro Ponte

https://twitter.com/coroponte

(混声29名)

 

 好きでした!
 課題曲G2 Les fleurs et les arbres
 明るめで若い声ですが
 ゆったりした雰囲気もあり。
 フレーズの抑揚も細やかでしたね。


 ソプラノさんの
 フレーズ終わりへの意識が繊細で。


B 確実に、堅実に歌っていましたよ。


文 自由曲:根岸宏輔「III.無言頌」は?


 最初、不思議な音から始まってね。


AC そうそう、なんの音だろう?!って。


 男声、鳩がって
 歌い出したんで
 「鳩の鳴き声だったんだ!」と納得(笑)


 自分は香山雅代さんの詩
 読んでいたから。
 聴く前に
 「どこで鳩の鳴き声を出すかな?」
 ……最初から鳴き声で「Yes!」って(笑)


 意図的かはわからないんだけど、
 地声を混ぜていて。
 でもそれで訴求力は高まっていたから
 やはり狙ったものだったのかな。


 ピアノが細かいパッセージで入る箇所から
 声と一緒に疾走感が出ていてね。
 現代的でカッコよかった!


 自分も「疾走感」メモしてますね。
 壮大さもあった。


 あと一番盛り上がるサビ
 ……いやサビって言っちゃいけないや(笑)
 そこでサカナクションを思い出しました!


 ちょっとJ-Popっぽかった?
 メロディもキャッチー!


 そうそう!
 メロディーは大事ですよね。
 やや難解ではあるけれど良い詩なので
 合唱団の人も共感して歌えそう。
 作品の新鮮さを感じさせてくれる
 ころぽんさんの優れた演奏もあり。
 他の団体でもこの委嘱曲を
 聴いてみたいと思いましたね。

【メール、Xの感想です】

自由曲のリズム面白い。


自由曲とにかくカッコイイ!鳩!鳩!鳩!


よく響く声
全国初演の自由曲は劇的な展開の作品で、無理なく表現できるギリギリのところを攻めながら描ききったと思う

 

 

福岡県・九州支部代表
混声合唱団うたうたい

https://utautai09.wixsite.com/utautai-choir

https://twitter.com/utautai_choir

(混声48名)

 

B 課題曲G1、
 Wenn mein Stündlein vorhanden ist
 音色がドイツ語に合っていました。


 そのためか、混声合唱として
 良く鳴っている感があって。


 前よりさらに声が洗練されましたね。


文 自由曲:信長貴富「そのあと」
 男声の歌い回しがとても良かったです。


 やっぱり高嶋先生の日本語のさばき方、
 歌い回しは上手いと思ったね~。


 ホモフォニックも良い響きで。
 さすがの演奏でしたね。

【メール、Xの感想です】

女声の声がとにかく好み!


やっぱり、日本語が本当に美しく聴こえました。好きです。


自由曲のテキストを伝える力はさることながら、音程やフレーズ感のレベルが高まってG1のドイツ語のポリフォニーを隙なく歌いこなしていることに感慨を覚える


子音の言葉さばきがおっってなった


G1 アンサンブルとはこのこと!ちゃんとフレーズのおさめ方を分かってらっしゃる…!
全体の音色(おんしょく)が揃ってるからすごく聴き心地がいい。
深緑のドレス、あまりない色ですごく良かった。
自由曲
めちゃくちゃ難しそう。
男声がよく鳴ってるのにうるさくないのはどうしてなんだ…
この人数の邦人曲めちゃくちゃ迫力ある
解決する和音の重厚さ、安定感!!!

 

 

高知県・四国支部代表
合唱団Pange

https://pange.sakura.ne.jp/cms/

https://twitter.com/Pange_Kochi

(混声33名)

B 課題曲G4
 Ⅰ―空と涙について―
 が軽やかで!


 まさに!
 恋の歌なので重く演奏する団体が
 多かったんですが、
 パンジェさんくらい軽く歌われると
 作品に別の魅力が加わりますね。
 軽めで明るい音があったために
 曲の中でメリハリが出ていたし、
 「たえてつれなき」は
 軽やかだからこその良い音が鳴っていました。


 九州は南へ行くほど
 明るくなるけど濃厚になっちゃう。
 高知は明るく、
 さらに軽やかな声だった!


 やはり坂本雅代先生のお人柄(笑)
 指揮者の須賀敬一先生が
 「あの子はね……」


BC文 坂本先生を「あの子」(笑)


 須賀先生からしたら
 「あの子」だから(笑)
 それで
 「あの子は【はちきん】だから!」って。


 ですよね~(笑)
 今年の中学、高校の部で
 それぞれ全国出場して、
 さらにパンジェさんもでしょう?
 まさに「はちきん」ですね!


 女声の声が明るかったな~。
 対照的に男声はソフトだと思って。


文 自由曲:土田豊貴
 「V.だいせんじがけだらなよさ」
 とても聴きやすかったですね。
 途中まで中間色のような雰囲気から
 どんどん気持ちが入ってきて。
 「さようなら」という思いが込み上げてくる……


 今までの土田先生の曲とは
 ちょっと違う印象だったな。


 2年前に委嘱された作品の最終曲。
 ぜひ広く全国へ知らしめたい!
 そんな坂本先生、団員さんの思いが。


 うん、確かに伝わってきました。


 ずーっとこのタイトルの
 意味を考えてて。


A文 えー?!


 途中で「おまじない」という
 言葉が出てきて!
 それでやっと
 「逆さまに読めばいいんだ!」って。


 まったく同じことを!(笑)


 五言絶句「勧酒」を
 作家:井伏鱒二が意訳し、
 さらに寺山修司の
 「幸福が遠すぎたら」という詩を
 基にしていて。


 「別れ」に関する内容の言葉を
 Xのパンジェさんアカウントで
 団員さんがずっと投稿してましたね。

 別れのテキストだけど
 それでも演奏に軽さがあって。
 だからこそ聴く側が
 自分だけの思いを持って惹かれてしまう、
 そんな気もしましたね。

【メール、Xの感想です】

Pangeのピアノ弾いてる人の、弱音の繊細さにうっとりした。


委嘱曲よすぎ


G4が他の団体に比べると速めだけれど、自由曲と合わせて恋とか出会いとか別れとか感情の奔流が溢れてくるような演奏でよかった


G4 難解だと思ってた曲がふっと分かりそうになった瞬間があった。
圧倒的清涼感、澄んだ青空みたいな声。
Tenorってパートでこんなに一つになれるんだ(うちじゃ無理だよ…)
自由曲
合唱って本当にいろんな曲があるんだな…
真面目にきちんと練習を積み上げてきたのがすごく分かる、伝わる!
言葉が綺麗に聴こえてくるから邦人曲もっと聴きたい。
あの指揮で歌ってみたい〜力を引き出してくれてるような美しい振り方。シンデレラに魔法をかけてくれる魔法使いかと思った



(観客賞座談会・混声合唱部門で印象に残った団体の感想、続きます)

 

観客賞座談会・同声合唱の部 最終回

 

割烹 新多久・村上市

 

前回は観客賞・同声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体HBC少年少女合唱団シニアクラスさん、Coro Piaceさん、合唱団L'albaさんへの感想をお話ししていました。

今回はその続き、同声合唱部門の最終回。
印象に残った2団体についてお話しします。

 

東京都・東京支部代表
女声合唱団 ゆめの缶詰

https://lit.link/yumecan

https://twitter.com/yumecan_choir

(女声50名)

 

文 赤い靴がとても綺麗で!


 最初の発言がソレ?!(笑)
 課題曲F3 街路灯
 丁寧な演奏だなって。


 そうそう、ゆめ缶さんも
 大ホールにふさわしく
 声が鳴っているんだけど
 表現はピアノのニュアンスで
 良かったですね。


 割と情念を出しているなぁ~って。
 あとピアニストの小田裕之先生
 やっぱり上手!


 ですよね~! 
 自分も小田先生に◎!
 違う団体ですけど
 松元博志先生も良かった。


 今の東京では小田先生、松元先生が
 とても良いよね。


 すっごい優しい音がしました・・・。


 音楽がスムーズでしたね。
 時の変化がなめらかに進んでいって。


 ゆめ缶さん、人数が増えて
 声が若くなったのかな?
 もう少し大人の声のイメージだったけど。


 聞いたところでは
 清水雅彦先生のレッスンを受けられて、
 それが効を奏したのかもしれないですね。
 清水先生の声楽家としての歌の魅力が
 演奏に宿っていたような。


文 自由曲1曲目の宮本正太郎
 「冬の底で」、好きでしたね。
 良い曲だなぁ~って。
 若いけど精神的に熟した
 ひとりの女性に語りかけられた気がして。
 その彼女への視点、空気も優しい。


 追憶の感じが上手く出ていたな。


 言葉もクリアでしたよね。


 相手への思いが世界に通じる、
 そんな真理と広がりが音楽にもあり。


 終わりの残響が美しくて!


AB文 あ~!(同意)


 演奏後、
 相澤先生にお目にかかれたので伺ったら
 「ピアノのペダルと鈴の音色、
   合唱が響き合って
   あの残響になるんですよ」
 説明されて感心しましたね。
 (※聞き間違えていたらすみません)


 信長先生の「百年後」も思い出しました。


 そうですね。
 「百年後」の最後の音響へ
 さらに鈴の音が加わると
 「冬の底で」のように新鮮に感じられる。
 それぞれの音色やバランスも
 深く考えられていたのでは。
 2曲目の「2.綻びる」
 住み慣れた町からの発見、
 過ぎ去るものと新しい季節を迎える
 心情を歌っていて。
 ・・・なんかね、女性向けドラマの
 バックに流れている気がしたな。
 

AB わかる!


 えー、わからないわぁ。


 たぶんね、
 自分たち男どもがイメージする
 女性向けドラマは
 ちょっと違うのかもしれない(笑)


 Cさんは時代の先を
 行ってるんじゃないですか(笑)


 単純に感覚の違いかもね~。
 昨年、課題曲「定点観測」の詩に
 「すっごく少女漫画的で
   キュンキュンくる詩じゃない?!」と
 座談会参加の女性に尋ねたら
 「……私ひとりに女性代表を
   求められても」と困惑されて(笑)


 文吾さんが女性の心を
 理解できてるかどうかは・・・(苦笑)
 今回、「冬の底で」と
 「綻びる」を聴いて
 作曲家:宮本先生の好きな響きや
 目指そうとする音がちょっとだけ
 わかったような気がするな。


 団員は50名に増えたけど、
 以前のゆめ缶さんの繊細さは
 失なっていない。
 素敵な演奏でした。
 
【メール、Xの感想です】

最高です😢


弱音の響きがとても綺麗。


ゆめかんも上手かった
人数が多い中でppの繊細さが際立ってた


街路灯選手権のトリに相応しい(?)曲の世界観の表出の良さ
昨年までより人数が倍増(ガチ)しているので、声だけて十分惹きつける魅力が出てきた
もちろん声だけでなく表現によって聴き手を曲の世界観に連れ込んでいって離さない魅力がある


冬の底で 歌詞を届ける力◯
綻びる 音を届ける力◯
デュナミークの表現がとてつもなく◎


「街路灯」祭のトリとして、豊かな音楽で納得できる演奏でした。
最後まで安定感抜群の素晴らしい演奏だったと思います。


課題曲、自由曲通してとても華やかで彩り豊かなハーモニーで良かった


F3 丁寧な曲作り、50人の声が一つに聴こえるってどういうこと??
表情素敵な人多い、楽しそう。一曲を大切そうに歌ってる。
自由曲
1曲目、冬の底に感じる温かさ。やはり丁寧な曲作り。
50人のユニゾンすごいいい言葉が晴れやかに鳴る。
2曲目、美しい……!音がのびのびと響く。表情めっちゃ大事。嫌だ終わらないでもっと聴きたい

 

 

それでは同声合唱部門、最後の団体です!

福岡県・九州支部代表
NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科

https://www.nhk.or.jp/fukuoka/mirai/index.html

(女声36名)

 

 めっちゃ好きで投票しました!
 課題曲F4 ねんね根来の
 純粋な声で表現に良い緊張と
 細やかさがあってね。
 とても練習してきたのが
 伝わる演奏でした。


 今年の課題曲、女声4曲の中では
 この「ねんね根来の」が
 ベストマッチ!


 まさに!
 課題曲F4はこの団体にしか歌えない!
 そこまで思わせるほど。


 課題曲なのに(笑)
 でも確かにこの選曲は参りました!


 課題曲の街路灯はもちろん名曲だけど
 「それが自分たちに合っているか?」は
 また別の話だと思うんですよね。
 続く自由曲の横山潤子
 「奄美の守姉のうた」も同じ子守唄。
 でも前曲と違い、
 のびやかで優しい雰囲気を
 上手く出していた。
 情景が浮かぶようで
 「横山先生、
  良い作品書いてくれたなぁ!」って。


 最近、脂が乗っている作曲家ですよね。


 最初の音から
 この世界にすーっと入っていけるようで。


 大人が歌うんじゃなく、
 この「守姉」という立場の子守唄が
 彼ら彼女にとても合っていたと思って。


 そうそう!そうなんですよ!
 「赤とんぼ」の
 「十五で姐やは 嫁に行き」の
 十五歳くらいかな?って。


 守姉はもっと幼いかもしれないね。


 大人じゃ無い、
 子供からちょっと成長したお姉さんが
 子守りに駆り出されている、
 そういう状況を含め、
 めちゃめちゃマッチしてたな!と。


 良い曲だったし、
 東京国際合唱コンクールの児童合唱部門で
 「最優秀課題曲演奏賞」を受賞したのも
 納得の演奏でした。
 たぶん彼ら彼女たちも
 この曲が好きなんだろうな。


B 自由曲2曲目の三宅悠太
 「~序・泣いているきみ~」
 音色ピッタリでしっくりきました。


 世界観ができてるな、って。


 何でこの年齢でここまで
 切なさを表現できるんだろう?!


 でもぜんぜん背伸びせずに
 歌っていたのが。


 そうなんですよ!
 発声も少し息を混ぜて
 意識的に変えていたかな?
 テキストは寺山修司と谷川俊太郎で、
 聴くまではやや大人な内容だから
 難しいのでは?と懸念してたんだけど、
 彼ら彼女たちの
 等身大の歌が伝わる演奏で
 素晴らしかった。


 課題曲と自由曲2曲、
 性格の違う3曲だったけど、
 それぞれ完成度も高く、
 作品の良さが出ていた演奏だったね。
 コンクールなのに
 アラカルトステージのように聴けました。


 うん、ラプーラさんとは
 また違った印象のアラカルトステージ。
 でも課題曲と最初の自由曲は同じ子守唄、
 そして子供から大人への
 心の成長ということで
 テーマ、統一感も感じられ
 魅力あふれるステージだったと思います。

【メール、Xの感想です】

課題曲自由曲の繋がり民謡調で纏めてて聴きやすい 児童の声って癒やされます


アルトに男子がいることが活かされたF4のハーモニー、大人の女声合唱とはまた違った中高生ならではの情感に溢れた自由曲 
透き通りきってないトーンがまた魅力的で良かった


丁寧に大切に歌う課題曲
自由曲、のびのびとした歌声で決して叫ぶことがないことに感心◯
この歌を届けるという気持ちに溢れていた。


NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科は、九州支部大会から格段に素晴らしくなったと思います。 


豊かで伸びやかなハーモニーだった 
久々に序・泣いているきみ聞けて嬉しかった


F4 難しそう!めちゃくちゃ練習したんだな…
浄化される大人の心。8人ぐらいいた男の子たち綺麗な声!!
自由曲
泣くなよ言われても泣くわ美しいな!
一人ひとりの声量がしっかりあるのが分かる、なんていい顔するんだSopの端っこ2人
爽やかな一陣の風が吹いた。まだあどけないのにやってることもはもう大人。心の洗濯した。

 

 

(観客賞・混声合唱部門、印象に残った団体の感想へ続きます)

 

観客賞座談会・同声合唱の部 その4

 

 

のっぺ

 

前回は観客賞・室内合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体女声合唱団「歌姫」さん、杉並学院・菊華女声合唱団さんへの感想。
そして【室内合唱部門全体を振り返って】の感想をお話ししました。

 

今回から観客賞・同声合唱部門、第4位内に入らずとも印象に残った団体の感想をお話しします。

 

北海道・北海道支部代表
HBC少年少女合唱団シニアクラス

http://www.hbc.co.jp/hbc/jr-chor/

https://twitter.com/HbcJuniorchoir

(女声44名)

 

B 全パート存在感があって
 頑張ってハーモニーを
 作ろうとしていたなぁって。


文 自由曲1曲目
 アントニーニ「Agnus Dei」
 少年少女合唱の純粋な音色が
 とても合っていて良かったですね。
 さらに2曲目のジェンジェシ
 「Laudate Dominum」
 アタッカで繋げていて。


 ジェンジェシは
 とんでもない変拍子で
 ムチャクチャ難しい曲だったんだけど
 その変拍子をちゃんと捉えて
 歌っていたのは凄いなと思いました。


 若い子の真剣さが伝わってきて・・・。


 確かにそうですね。


C 「私たちにはできない!
    この整え方!!」って。


AB文 (笑)

【メール、Xの感想です】

去年に引き続き課題曲の選択には首を傾げるところ 他の曲の方が良さを活かせそうなのに…
自由曲の現代的宗教曲は深い響きの中に瞬発力があって緊張感のある音楽だった


深い響きの大人っぽい美声◯
多彩な選曲


F3 ちょっと緊張ぎみに見えたけど、44人の人数の迫力!
ややテンポ速め、入りのブレスの深さすごい
自由曲
Ivo Antognini来たー!特有のぶつかる音、美しいけど難しい。解決した和音の神々しさ。
2曲目一転してテンポ早い、よく耳にする曲。歌いこんでる感じ。

 

 

岡山県・中国支部代表
Coro Piace
(女声20名)


 お姉様の団員さんが多い団体ですが、
 課題曲F3 街路灯
 HBCさんの街路灯と続けて聞くと
 「諦観」みたいな感情が
 伝わってきたような。


 他の団体と比べると音価をたっぷり、
 テヌート気味に歌っているなあと。


 それがまた味わい深い。


 そうそう!


 「みんなすて」ちゃった後に
 さらにまだ捨てるものを
 静かに考えている雰囲気で。
 逆に自分はそこに
 人生への希望を
 感じてしまいました(笑)


 どういう意味なの(笑)
 指揮者の大森友美子先生は
 「主役感」があって、
 合唱団を引っ張っていた印象です。


 Piaceさん、お姉様と若い方が
 混在している団体だと思うんですが
 街路灯は
 お姉様に寄せた演奏だったかなと。
 逆に若い方がやや前に出ていた自由曲、
 信長貴富「創造の草笛」
 とても意欲的な作品。


 課題曲は大人の「女性」だったけど、
 自由曲は大人の「おんな」、でしたね・・・。


 そうですね、
 音楽も官能的に作られている。


 テキストが大手拓次だから、やはりね。
 この詩人の合唱曲と言えば
 9月に亡くなられた西村朗先生の作品を
 思い出しますね。
 詩から共通する香りを少しだけ
 「創造の草笛」からも感じました。


 オーボエがその「草笛」を模し、
 合唱を巧みに繋いでいて。


 オーボエと合わせたことで
 合唱のピッチがちょっと変わって。
 若干高め、そして明るめの音色に。


 先に合唱が入り、
 そこにオーボエの音色が加わると
 こんなミキシングになるんだ!と。
 素敵でした。


 オーボエはもともと人間の声に近いから。
 木管楽器や、あとバイオリンもそうだけど、
 協奏すると合唱のピッチや音色が
 変わるんですね。


 全国大会でオーボエとの協演は
 2019年、都留文科大学合唱団さんが
 アントニーニ作品を演奏して以来かな。

 意外と合唱とオーボエが
 合うんだなって感心しました。


 さらにピアノも加わって
 独自の世界がありましたね。


 後半の鮮烈な和音や訴え、
 凄く輝いていました!
 難しい作品だけど、
 信長先生の新境地な印象も。


 「あたらしい創造の」が
 こちらへ迫ってくるよう!
 委嘱曲で自分たちの作品を
 世に出すという気概が
 演奏にあふれていました。

【メール、Xの感想です】

F3は大人の世界だ!と思った
自由曲のオーボエの響きから立ち上がってくる世界観にゾクゾクさせられた 
楽器もあって人数も多くはないのに歌詞がはっきりと伝わってくる


街路灯、最後の巡り合わないの表現◯
自由曲、導入部のオーボエとボカリーズのつなぎ方が抜群


F3 Altoの安定感よ…余裕すら感じる。
まさに可憐なSop、色気のAlto。
ドラマチックな曲作り、ピアノ伴奏がすごく優しくて好き。
自由曲
オーボエが入る曲!尖りのない丸い音が華を添えてた。
水の波紋が広がっていくような出だしの音、かと思えば劇的に曲が変化していく。女声だけでここまでできるのか!凄まじい気迫。
歌vsピアノvsオーボエでバトル漫画の最終回見た気分。音の洪水で溺れたしやっぱりAltoめちゃくちゃ良き。

 

 

福島県・東北支部代表
合唱団L'alba

https://www.sotwe.com/Lalba_otome

(女声20名)


B 自由曲:三善晃「シャボン玉」
 声がガラッと変わって。

 

 課題曲も同じ三善先生
 街路灯なのに(笑)


 曲の雰囲気にピッタリ合った声になり
 「あ。世界が変わった!」
 曲の内容がこの音色を引き寄せたかな。
 後半、シャボン玉が
 割れるような音がしたけど
 あれは詩のどこの部分なんだろう?


 シャボン玉の「ボ」が重なって
 そう聞こえたのかもしれませんね。


 そうなんだ。
 「割れてる……」と
 不思議な感覚になって。


 言葉の意味や感情と距離を置いた
 透明でクリアな音響でした。
 

 「シャボン玉」が収められている
 「虹とリンゴ」は当時、
 団員数が多かった
 国立音楽大学女声合唱団ANGELICAさんの
 委嘱作品。
 それを20名という
 比較的少人数で演奏する場合の
 強弱記号などの難しさ……
 演奏は大変だったと思いますよ。
 

 良い意味で、歌い終わりに
 音へ執着していなくて。
 さらに後押しをしないんですよね。


 テンションが高いわけじゃない。
 自分の思いを主張せず、
 音が「在る」だけ。
 共感はあまり得られないかもしれない。
 でもそれが後半のピアノを邪魔せず、
 新鮮な音響に感じられたりも。
 宗左近の詩と
 三善先生の音楽が結びついた
 唯一無二の美しい世界だったと思います。

【メール、Xの感想です】

選曲は三善晃の初期作品と晩年の作品の対比として面白かったし、これらの曲を黎明トーンで聴かせてくれたのが嬉しい
アカペラで各パートがどんどん重なって行くところが特に良かった


ハーモニー、聞きあう力◯
自由曲、様々なロングトーンの安定感◯


少人数ながら、三善作品らしい素晴らしい演奏だったと思います。
自由曲は「ほら貝の笛」や「その日 —August 6」にも通じるものがあり、個人的に好みの楽曲でした。


F3 若々しい声、手を抜いている音が一つもない。一人ひとりの声に意志がある。リズムが明確な感じ。
自由曲
言葉がはっきりしてるから邦人曲向いてそう。緊張感漂うこれまた難しそうな曲。
矢のように飛んでいくスパッとした声、すごい息保つな…どこまで続けるの…
よくこの曲やろうと思ったなぁ…

 

 

(観客賞・同声合唱部門、印象に残った団体の感想続きます)