Men's Vocal Ensemble“寺漢”さん第8回定期演奏会のお知らせ

広島の男声合唱団、Men's Vocal Ensemble“寺漢”さんの第8回定期演奏会のお知らせです。

Men's Vocal Ensemble“寺漢”第8回定期演奏会

日時:2023.02.26(日)
   14時開演、13時開場

場所:コジマホールディングス西区民文化センター


入場料:900円(全席自由)

↓ チケットはこちらから。


 

《演奏会アピール》
松下耕さんのフォークロア/ラテン語宗教曲/賛助メンバー合同での邦人曲と松下耕祭り!
そして寺漢得意のロマン派、シューマン/ブラームスAlt-Rhapsodieもお届けします♪
ゲストステージもなかなか凄くて、「第18回音戸の舟唄全国大会」の一般の部で最優秀賞を受賞した蒲原みの里さん(17歳。元合唱人)が、妹さん、弟さんと一緒に、尺八、三味線と一緒に演奏されます。

 

フライヤーをご覧になるとわかりますが、ロマン派シューマンの名曲、さらにブラームスのアルト・ラプソディ。
松下耕先生の幅広い作風を味わえ、一度の演奏会で男声、混声合唱、そしてゲストによる本格的な「音戸の舟唄」「鞆の浦大漁節」も聴けるお得な演奏会。
指揮者は昨年の全国大会で酢だこさんを指揮された寺沢希先生。
現代作品だけでは無く、各時代にふさわしい音楽観をしっかり持たれている方です。
4年前の札幌全国大会ではその優れた音楽性と、パフォーマンス能力の高さから観客賞第2位と高い評価で多くの観客を魅了された寺漢さん。

今回の演奏会もきっと素敵なものになることは間違いありません。
2月26日はぜひ広島・コジマホールディングス西区民文化センターへどうぞ!

 

混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ第45回定期演奏会のお知らせ

全国大会でも素敵な演奏をされた混声合唱団名古屋大学コール・グランツェさんの定期演奏会のお知らせです。

 


混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ第45回定期演奏会

 

日時:2023年2月23日(木・祝)
   開場15:00 開演16:00

 

会場:豊田市コンサートホール
(名鉄豊田線・三河線「豊田市」駅前)

 

出演者
指揮:伊東恵司、野田那桜
ピアノ:天野実音、小見山純一
ナレーション:広田ゆうみ
演出:二口大学


料金:一般2,000円、学生1,000円

連絡先
・チケット販売ページ
http://tiget.net/events/217218
・お問い合わせ先
ticket.chorglanze@gmail.com 

 

プログラム
・第1ステージ
アラカルトステージ 〜世界の歌めぐり〜
・第2ステージ
混声合唱とピアノのための
「初心のうた」
・第3ステージ
名田綾子委嘱初演作品
混声合唱とピアノのための
合唱物語「青い鳥はどこに」

 


本演奏会は、外国語曲、日本語曲、演出付きのステージと合唱の様々な一面を1日で楽しめる、バリエーション豊かなステージ構成となっています!
第1ステージは、外国語アラカルトステージ 〜世界の歌めぐり〜
黒人霊歌からマオリ族の歓迎の歌まで、世界各国の歌から選りすぐりの7曲を演奏します。
世界の国々を巡る機会が失われていた昨今だからこそ、歌を通じて皆様を世界旅行にご案内します。

第2ステージは、信長貴富先生の名作「初心のうた」
戦争は醜いものにも関わらず、その歴史は繰り返されると、今私たちは肌で実感しているはずです。だからこそ、平和の大切さ、未来への希望を今一度お届けしたい、そんな思いを込めて歌います。
実は先日、信長先生にご指導いただける機会があり、演奏会に向けて曲の表現力にも磨きがかかっています。

第3ステージは、名田綾子先生の委嘱初演作品である合唱物語「青い鳥はどこに」
ナレーションや振り付け、照明演出を加え、ストーリー仕立てお送りする合唱物語は、グランツェの演奏会の代名詞ともなっており、毎年ご好評をいただいています。
今年度は、メーテルリンク作の「青い鳥」を底本にしたテキストをみなづきみのり先生にご執筆いただきました。
チルチルとミチルが青い鳥を探して不思議な国々を旅する物語を、素敵な合唱とともにどうぞお楽しみください。

 

団員さんの熱の入った紹介文から伝わるように、幅広く、心を引き付ける選曲の演奏会。
特に第3ステージの合唱物語ステージは自分も配信で何度か拝見しましたが、優れた照明演出、聴きやすい音楽、さらにグランツェ団員さんの想いがこもった素晴らしいステージです。
会場の豊田市コンサートホールは音響も非常に優れたホール。
2月23日は、ぜひグランツェさんの演奏を聴きに豊田市へ向かいましょう!

 

観客賞座談会・混声合唱の部 最終回

 

そうぶんの竹あかり(津市)
提供:三重フォトギャラリー

 

観客賞・混声合唱部門で第6位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想の続きです。 


第6位以内の感想はこちら。

 

 

 

愛媛県・四国支部代表
I.C.Chorale

https://twitter.com/iyo_kora

 (混声23名)


A 頑張ってましたね!
 これはデリケートな話で、
 いよコラのみなさんには
 凄く失礼な話かも知れないんだけど……。
 まず、他の団体は発声も立派で
 人数も多く余裕がある。


 何の話?


A 課題曲「智慧の湖」、
 後半の「光っている」を
 人数も少なめのいよコラさんが
 どう演奏として成立させるか。
 やっぱり厳しいじゃないですか。
 

BC文 うん。


A それは演奏自体の出来で
 説得させるのとは違った話だから
 言い方が難しい話なんですけど。
 それでもね、その「光っている」は
 本当に高いもの、美しいものへ
 一生懸命、手を伸ばそうとしている!
 ……あの「光っている」を
 聴いていて、どうしても涙が・・・。
 (声を詰まらせる)


 な、泣くなよ・・・。


A 今日の演奏で泣いてしまったのは
 わかげさんのごびらっふtuttiと
 いよコラさんの「光っている」です。


B 軽めの音色が
 高いところに向かっているようで。
 人数は少ないけど、
 気持ちが真っ直ぐ伝わってくるような
 清々しい演奏でした。


 言葉のニュアンス、
  理想の語感を
  追い求めていた気はしましたね。


A 自由曲の組み合わせが良かった!


BC文 それは本当に!


文 1曲目、千原英喜
  「Ave maris stella 花も花なれ、人も人なれ」、
  良い曲だね。


A そうそう、自分は千原作品を
 あまり得意としない人間なんですけど
 この曲の持っている心を動かす部分を
 素直に表現していて。


 中間部の優しい箇所なんて
  胸に染みてきたね。
  演奏自体が素直なのが良かったのかも。


A うん、ヘンに「良いでしょ?」と
 差し出すんじゃないから。


B 上手く「マリアとガラシャ」を
 表現に投影しているんだなぁって。


文 自由曲2曲目、
 モーツァルト「Ave verum corpus」との
 繋がりを感じましたね。


C 「Ave verum corpus」なんて
 世界中で広く歌われてきた名曲を
 どう説得力を持たせ、
 聴く者へ届けるか。
 相当工夫してちゃんとやっていたと思う。
 あの場で「Ave verum corpus」を
 演奏することに違和感が無かった。


B その通りだね。
 全体を通してとにかく一生懸命。
 音楽に対して誠実であろうという姿が
 とても見えて。
 特にこの「Ave verum corpus」で
 より感じられ、非常に感動しました。


A うん、本当に心動かされましたよ。


B 重要な言葉をちゃんと意識し
 こだわるところはこだわって
 歌っていたのも良かったな。
 

A この凄まじい混声合唱部門で、
 いよコラさんのような音楽が
 フッと来たことにビックリしたのもあって。


 確かに会場の空気が違ったものね!
  何かコンクールでは無いような。
  みんな応援しながら聴いていた気がする。


C いよコラさんの抱えているもの、
 やりたい音楽はヴィジョンとして
 確かにあるんだけれども
 それを表現するための人数や
 発声は技術的な部分で難しい。
 それでも可能な限り良い表現を目指す。
 そこにシンパシーを
 とても感じてしまい、
 凄く応援したくなったんですね。


B 聴いていて心が洗われるような。
 全国大会という場所で
 この演奏を聴けて良かったなと思いました。


C いや本当に自分は好きでした。
 これからも応援しています!


A 頑張ってください!


メール、ツイッターの感想です。


まさかと思った千原とモーツァルト、
聞いたら選曲の妙に唸らされた。
名曲Ave verum corpus の美しさを再認識させられた


G4
前の団体の余韻がある中、若い声でしっかり空気を自分たちのものに。
Ave maris stellaは温かなハーモニーに乗る優しい詩。
その中に尊い祈りを感じる
Ave verum corpus
こちらも柔らかく温かなハーモニーでホールが包まれる。


個人的にいよコラさんが楽しみでした。
以前、福島での全国アンコンで「花も花なれ・・・」を生で聴き、楽譜発売直後に購入。
取り組んだ曲だけに、どうしても感動のハードルが高く・・・、でも、この曲とモーツァルトの組み合わせには拍手を贈りたいと思います。


名曲を何の衒いもなく素直に演奏する姿勢が全国大会で見られてよかった
バランス的にソプラノがやや強かったかも?
演奏時間8:10くらいだったので審査対象ですね!!


個人的な想いがありすぎて審査員だったら無条件で金賞にするので辞退するかインサイダー?で一生出禁になるしかない
むにゃかみさんの指揮が私がペットになってしまったマスターに影響されすぎててこの世の理を感じてる
モザルトさんはこれでコンクールを終えて欲しかった


若い指揮者がああいう曲を取り上げ、良い演奏をしてくれたのが嬉しいね。
Mozartも作品の良さが伝わる演奏をしたというのも凄いし、支部大会からいろんな勉強をし、研究をしてきた成果が出ていた。
村上先生は智慧の湖からMozartまで「祈り」をテーマにした選曲をしたようだけど、あの3曲を通じた祈りは、確かに観客へ届いていたと思う。

 

 

宮城県・東北支部代表
グリーン・ウッド・ハーモニー

https://twitter.com/gwharmony

(混声47名)


C いや、なんか泣いてしまいましたね。
 指揮が田中先生に代わられたけども、
 今井先生のDNAが残っていて。
 田中先生が課題曲の最後、
 「今井切り」したときに……


A そうそうそう!!


B文 「今井切り」??


A ポリフォニーの最後、
 今井先生はふわーっと
 終わらせるんじゃなく、
 スパッ!と切る。
 

C それを田中先生がやってたんですよ!
 もう泣いちゃって。
 「今井切りだー!!」


A 合唱指揮界隈では有名ですよ、
 「今井切り」!(笑)


 ホントにぃ?!(笑)
  いや田中先生が指導されたからか
  声が以前より整備された印象。
  この曲の雰囲気を良く
  捉えた演奏だったと。


C 田中先生の指揮も以前より
 上達された気がしました。
 自由曲の選曲も
 ペンデレツキ「Exaltabo te, Domine
 (主よ、あなたを崇めます)」
  Missa Brevisより「Kyrie」「Gloria」
 今井先生の空気を残して。


A 「Exaltabo te, Domine」は
 本当に「ペンデレツキ!」
 という感じだったけど
 ミサは比較的、聴きやすい曲で。


 こんな良い曲あるんだな、と思いました。
  Kyrieは緊張、切迫感が良く出ていた。
  「Exaltabo te, Domine」は
  ペンデレツキ25歳ぐらいの時の作品で
  ミサはその後50年経ったくらいの作品。


A へぇー、「Exaltabo te, Domine」は
 くくくッ……(身をよじらせながら)
 「わかんねー!」という感じでした(笑)。
 GWHさんの演奏する曲、
 凄いなーと思うけど、
 やりたい!とは思えないんだよね。


 でもね、去年に慶應ワグネルが
  ヒンデミットの曲を演奏して。
  もちろん演奏自体が
  とても良かったのもあるんだけど、
  作品の世界にスッと入れてね。
  なんでだろう?と思ったら
  「GWHさんで聴き慣れてるからだ!」
 

C 聴き手のリテラシーを
 上げてくれますよね(笑)。  


 今井先生ありがとうございました!(笑)。  
  今回、田中先生に代わられて、
  和声の繋がりと言うよりは
  歌として聴かせる印象。
  だから歌として今までより
  自然に聞こえてきた気がします。


B 田中先生は長年GWHさんで
 ヴォイストレーナーなど
 関わっていらっしゃってきたので、
 今まで培ってきたGWHさんの音楽を
 一番熟知されているはず。
 それを活かした演奏でした。
 田中先生に代わられたことで、
 若干テンポ感がシャープになったかな?と。


A GWHさん、
 来年以降はどうなるのかなー。


C そうですね、GWHさんは
 年代の幅が広く
 市民合唱団のような側面もあるし。
 だから今井先生の良い部分をどう残され、
 また、田中先生の良い部分を
 どう出されていくか。
 新しいGWHさんが
 不安でもあり楽しみでもある・・・。


A 今井先生の時は
 学術的な雰囲気でしたよね。
 先生が書かれた演奏曲の分厚い資料、
 あの論文発表のような!


BC文 あったあった!


A あの資料、そして演奏は
 今井先生しか出来ない音楽だったから。
 本当に来年からどんな音楽になるのか、
 期待しています。


メール、ツイッターの感想です。


G1の流麗さに涙


G1 卒なくサラッと流してる印象も、上品な語り口
ペンデレツキ3曲はそれぞれの歌の言葉に込められた様々な想いや祈りを複雑ながら美しいメロディーに乗せて歌う


ジョスカン、ぺンデレツキとも説得力を感じる演奏でした。美しいミサ曲だな…

 

成熟した声で厚みのある安定したハーモニーを聴かせてくれる団体って意外と稀有
指揮者が変わったことで持ち味がやや変わっている感じはするけれど、音楽作りに対するアプローチはやっぱりGWHさんだった

 

 


大阪府・関西支部代表
淀川混声合唱団

https://twitter.com/yodokon

(混声75名)

 

A 投票しました!
 人数が一番多く、
 ホールを一番鳴らしていた印象です。
 自分は3階席で聴いていたんですが、
 一番ビビッドに音楽が聞こえて。


B そうそう、「智慧の湖」
 人数の多さが効果的に働き
 厚みのある声とハーモニーが
 スッキリして、
 見通しの良い演奏でした。


A ですよね、曲の輪郭が
 ハッキリ見えた感じがあって。
 「この演奏なら、曲も喜ぶよ!」
 そう思いました。


C 人数が多いということもあるけど
 余裕を感じましたね。
 自由曲のオルバーン「Stabat Mater」
 良い意味で脱力感があって。


 音量の基準がmpじゃなくmfくらい。
  過不足無い表現で
  後半の聴きやすい曲調には
  団員さんの歌う喜びも
  入っているようでした。


B この曲、声部が多くて難しい作品だと
 思うんですけど。
 課題曲でも言いましたが、
 厚みがあるのにスッキリしているので、
 聴きやすく特に後半は好きでした。


A 「Stabat Mater」って
 重いテキストじゃないですか。
 キリストが磔になる……。
 もちろん音楽もそれを
 表しているんだけど、
 それ以外の音の充実に
 聴いていて多幸感がありましたね。


メール、ツイッターの感想です。


ホール全体が鳴ってた


課題曲ここ迄音響的に作れば文句ないです
自由曲内声の動き投射された影のようでゾクゾクした


どこも上手くて差がない中で、課題曲・自由曲ともに良質な演奏を聴かせてくれたと思うので(投票)。


よど混きたよど混。
こいつらも全パラメータ高い強化系だわ。小細工なし、普通にやったらもう圧倒的タイプ。基礎力高すぎバケモンすぎだろ!
とにかく安心して聞けて最高だったとか言いようがない。


よどこんはなんであの人数で揃うんだ、、、意味がわからない


並びから圧巻。まるで富士山。
課題曲はクリアな音質、ただあい混があまりにも印象的であった為ちょっと薄味に聞こえてしまう…
オルバーンは豊かな男声に支えられてハーモニー感は抜群、リズムも立っていて合唱団によくマッチしてる。伊東さんはハンガリー人作曲家がお好き?


G4 安定感と推進力のある演奏をしっかり支えるバスの歌声に感動
Stabat Mater(inF)
一糸乱れぬ、これぞ混声合唱と言った印象の本格派!


美しい音の洪水
部門最多人数で大迫力だけど、決して人数ばかりではなくて繊細な表現まできっちり整理されているのでとても聴きやすい

 

 

《ありがとうございました》

これで津全国大会、全43団体への座談会を終わります。
観客賞へご投票、ご感想をお寄せ下さったみなさま、誠にありがとうございました!

この観客賞も10年を越えたそうで。
観客賞の意義を久しぶりに考えてみたのですが。

自分の経験からすると、好きな演奏に対し、「あの演奏はダメだよ」という意見は人生にあまりプラスにならなかった気がするんです。
それより自分の苦手とする演奏に「素晴らしい!なぜなら!!」と熱く語る言葉がずっと心に残ってきたし、役に立ってきました。
というのはその後、似たように苦手な演奏に対面した場合、自分が向き合うのでは無く、肯定していた人の視点で向き合うことが出来るんですね。
イヤだな~苦手だな~~と思いながら聴くよりは、「あの人ならこういう考えで楽しく聴けるんだろうな」の方が、幸せな時間は増えるはず。

自分も観客賞で正直に言うと、あまり得意としない演奏への肯定的な意見で、だいぶ聴く耳を広げられた気がします。
「その演奏が苦手な自分」を否定しなくても良いんです。
大事なことは、自分の中に「肯定する他人の視点」を許すこと。
許した結果、心の中の対話から自分の意見をより深められると思うのですが、どうでしょうか。


最近知った、糸井重里氏の「もっと好奇心を持つにはどうしたらいいでしょうか」という質問への回答。
原文をそのまま転載すると、長いし差し障りがありそうなので一部分を。


「蓼食う虫も好き好き」が、その答えなのだ。
 じぶんが嫌いなもの、興味を惹かれないもの、
 どうでもいいと思っていたものについて、
 「それを好きな人、求めている人がいる」ということに、
 どうしてだろう、どこがいいのだろうと思うこと。
 これが、「好奇心」のもとである。


世界に対して閉じ、否定的になっている自分を意識したとき。
破るのは好奇心。
自分が嫌いなもの、興味を惹かれないものについて考えることはとても重要だと思います。
観客賞が、私だけではなく、参加する人の好奇心を育て、素敵な音楽の時間が増えることの一助になれば良いなあと。


最後になりますが、開催された全日本合唱連盟さん、津大会で開催に関わられたみなさま、そして全国大会に出場されたみなさま、さらに全国へ進めずとも精一杯歌われたみなさまに、心から感謝して終わります。
もちろん、この楽しくもなかなか面倒な座談会に参加していただいた方々にも!
ありがとうございました!!

 


(2022年観客賞座談会 おわり)

 

観客賞座談会・混声合唱の部 その4

 

 

津なぎさまち(津市)
提供:三重フォトギャラリー

 

観客賞・混声合唱部門で第6位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想です。 


第6位以内の感想はこちら。

 

埼玉県・関東支部代表
scatola di voce

https://twitter.com/scatola_di_voce

 (混声31名)

 

 好きでした!


B 自分も!一票入れました!


 詳しく伺いましょう(笑)。


B 以前は硬質な、芯のある声。
 久々に聴いたら柔らかさが出てきて。
 課題曲と自由曲、両方で
 たくさんの情報が凄く伝わってきたな、と。
 一見さりげなく歌っているように
 聴こえるけど、
 表情や言葉のニュアンスが
 ちゃんと表現されていて
 とても感銘を受けました。


文 課題曲「智慧の湖」、
  「光っている」の
  音量増減の絶妙さ!
  良かったなー!


A 最初こそ、前のアルモニカさんに
 ソプラノが呑まれている感があったけど。
 どんどん調子を上げて。


C 「女殺油地獄」のまさに「女殺し」(笑)。


B 前は、声はあるけど力みもあり
 ちょっと合唱団で留まっている
 印象があったので。
 今回は声も飛んでいるし、
 音楽も流れている。


 そうそう、音楽が良く流れていた!
  前も言ったけどこの曲は
  智慧を感じさせて欲しくて(笑)。
  その点、スカートラさんは俯瞰し
  構成を良く考え
  実に智慧を感じさせる演奏で
  とても好きでした。
  自由曲:信長貴富「春と修羅」から「II」
  ソプラノの印象が変わって。


A どういう音を鳴らすべきか、
 わかっている演奏だと思いましたよ。


 うんうん、ヴォカリーズも
 非常にセンスが良かったし。
 あ!ピアノの松元博志先生も
 素晴らしかった!


ABC 確かに!


C 演奏を凄く引っ張っていた!


 「名曲だなぁ~!」と思わせる
  強い力になっていましたよね。
  この「春と修羅」、
  バーバーの「Agnus Dei」みたいに
  「ある程度歌えれば上位確実」
  そんな曲だと前は思っていたけど。
  ……でも、そうでもない演奏を
  聴いたりして。


B そうでもない(笑)。


 今回、センス良く、
  作品への考えも深い
  スカートラさんの演奏を聴いてね、
  この曲の真の価値を
  改めて知った気がしました。
  最後の「Ahー!」で共感を込め、
  熱く歌う箇所も
  心を震わせてくれました。


メール、ツイッターの感想です。


たのしそうだったのがいちばん🥰


表現力抜群


scatolaさんのG4はすごく良かったと思いました。
「あ~、こんな曲なんだ」とやっとわかりました(^-^;


極上の合唱を味わえた…
若さを感じる音楽とヨーロッパの大合唱団並みの厚みのある音と上品さが見事に融合しててとにかくすごい…


団体によって大きく色が違うG4のなかでも、際立って「確信を持った」演奏に聞こえました。
場の空気を塗り替える説得力。
自由曲は、響きや音量にかき消されがちな日本語表現がしっかり伝わり、ことばの持つエネルギーがダイレクトに届きました。


いい声で端正な演奏…と優等生を見る気分でいたらソプラノがこれまで聴いた春と修羅Ⅱの中で一番の叫び声を上げていて楽しかった


スカートラの智慧の湖は「そこまでやるか…笑」となるほどのアゴーギクでしたが、風景を描き出していて説得力がありました。
春と修羅も素晴らしかったです。
(あと、譜めくりのスイッチが最後まで働いていてよかったです)


春と修羅 Ⅱ
課題曲とは真逆なくらい思い切りのある表現力豊かな演奏で声も飛ぶ。


まぁなんて綺麗な衣装なんでしょう!ベストドレッサー賞だよ!
課題曲は演奏までとてもエレガントだ!
自由曲は最近毎年聴く曲。本能にぶっささる曲。演奏はバッチリ!指揮が一つ前の黒川さんに度々ソックリなのが面白い。関東という地域に何か秘密が!その謎を解きに(略


scatolaがほんとにほんとにほんとに素晴らしかった。
涙が溢れて声が出るのを必死に抑えていました。
眼の前に薄霧のかかった湖が広がり、賢治の悲痛な叫びが胸に響きました。
この団は言葉を「音楽として」伝えることができる稀有な団だと思います。

 


広島県・中国支部代表

合唱団ある

https://twitter.com/chor_aru

 (混声58名)

 

 市民合唱団的な良さが
  あふれている雰囲気で。


A そうなんですけど、でも自由曲。
 パーク「Caelos ascendit hodie
 (キリストは今日天に昇った)」、
 超難しい曲で。
 パナムジカで楽譜開いた瞬間、
 閉じましたもん!


B 確かにディヴィジョンが
 多い曲だったかも(笑)。


文 課題曲G1からスッと
  空気を変える良い入りでした。
  リズム的な箇所も
  しっかり伝わってきて。


A 2曲目のベッツ「Ave, maris stella
 (めでたし海の星)」
 好きな曲でした!
 世界をちゃんと創っていましたよ。


 そうそう、ただ鳴らすだけじゃ無く、
  温かい雰囲気があるんだよね。
  こちらも入りの表情が良かった。
  同声のコール・ビビッドさんと同じ
  あるさんは「聴かせる!」では無い、
  独特の雰囲気を持つ存在ですね。
  

A 曲を形作る説得力があると思って。
 良い演奏でした!
 
 
メール、ツイッターの感想です。


G1の最後の収め方はこれまでの3団体で一番好き
歴史の長い団体の底力を見た
曲は新しいけどサウンドの味わいが懐かしく感じる


G1 老舗合唱団らしからぬ若々しい歌声
キリストは今日天に昇った
大変なテンポとリズムで熱さもあるのに整理された好演
めでたし海の星
第一声から広大な宇宙を感じさせラストのAmenにも星が見える。


ステージの並び方からとても綺麗、スカートラと同じように見た目の綺麗な合唱団はそれだけで上手そう
課題曲は大人数を活かしたダイナミックな演奏。一方少しフレーズの形が埋もれそう!曲の終わりは大賛成!こっち!
自由曲は最近の現代宗教曲って感じで好きな曲!楽譜見たい!

 

 

 

愛知県・中部支部代表
岡崎混声合唱団

https://twitter.com/okazakikonsei

 (混声64名)

 

B 声に柔軟性が出てきたと思って!
 以前のガチッとした声では無く。
 ドイツ語は元々持っている声に
 合っていると思うので
 課題曲G2は良い選曲だったと。


 声に明るさもありましたし、
  テンポ感も良かったですね。


B 自由曲:信長貴富
 混声合唱のための「Anthology」より、
 とにかくパートバランスが良くて、
 各パートに穴が無い。
 ハーモニーもとても良かった。


A 自由曲良かったです!
 ずっと岡崎混声さんを聴いてきて。
 今回、特に印象が良かったな・・・。
 なんでだろう?
 

B 良い意味で力が抜けていた気が。


A そうそう!「聴かせてやろう」が
 無かったんです。


C 前は「音の壁を構築する」ような
 イメージだったんですけど、
 今回はもっと柔らかい印象だった。


A 岡崎混声さんの良いところは
 演奏の幅が広いところ。
 一番得意なのはオーソドックスな
 作品だと思うんだけど。
 でも昔の作品ではシェーファー、
 最近ではウィテカーのサウンドスケープも
 自由自在に演奏できる。


 まさに今回の自由曲は
  そんな音楽の幅広さがある3曲。
  2曲目演奏の「星のない夜」は
  迫力もあってね。
  音楽としても無調っぽさから
  最後の「本を閉じてまた」で
  調を取り戻すのも、
  力強い演奏と相まって
  心を動かされました。


C 岡崎混声さんは
 「鳥の鳴き声大賞」でしたね!


 平和が訪れる感のラスト、良かったよね!
  ……でも「ピヨピヨ」と言わない方が
  良かったんじゃ無いかって。


A 楽譜にどう書いてあるかですね。
 信長先生が悩みながら
 「やっぱり『ピヨピヨ』って
  書くべきかなぁ・・・」


BC文 (笑)

 

 

※岡崎混声合唱団さんによると

鳥の鳴き声は「pipipipipi」「tiyotiyotiyo」「tilutututu」などが即興的に重なり演奏するように書かれています 🐦

……だそうです。鳴き声が重なって「ピヨピヨ」に聞こえたようですね。

 


メール、ツイッターの感想です。
 

自由曲のまっすぐ感がよかったです。


岡混のクラスターバチバチに決まって地震起こったんかと思った


純度高い形ではないのですが、声の方向性がそろってるし、抑揚がきれいについて子音の量も適切。全パラメータ高い系だな~。うまひ…


課題曲は爽快なリズム!アクセントが強さに偏りすぎてる気もし、この人数だと難しい曲だなと思った。
自由曲は得意な選曲って感じがしてお手の物感がある。難曲でも余裕がある演奏。


G2 らしさ溢れるSchumann。
Anthologyから 序とⅢでは何処が主旋律でメッセージを伝えたいのか分かり易く聞きやすい
序では特にシンプルな言葉を様々な音色で表現。
全体を通して流石の高音


ハーモニーに安定感があって言葉の訴求力もいつもの岡混という感じ
今このタイミングでこの委嘱作品を再演したことの意義を感じられる演奏だった

 

 

(混声合唱部門、印象に残った団体の感想、続きます。次回最終回!)

 

観客賞座談会・同声合唱の部 最終回

 

 

きほく燈籠祭(紀北町)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞・同声合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想の続きです。 


第5位以内の感想はこちら。

 

 

宮城県・東北支部代表
合唱団Pálinka

https://mobile.twitter.com/choruspalinka

(男声38名)

 

文 課題曲「平林」
  軽い感じで歌ってね、
  コンクールだからと言って
  構えるところが無い印象。


A マスクを付けてましたが
 影響はそれほど感じなかったな。


C 自由曲:間宮芳生
 「合唱のためのコンポジション6」よりⅡ
 松下耕「俵積み唄」、
 好感を持ちました!
 東北の合唱団として
 勝手にカテゴライズしているんですけど
 その土地で暮らしている歴史、
 土着感が凄い出ているなと。


A パリンカさんは長く続く、
 歴史ある団体で。
 指揮の千葉先生の目指すところが
 昔から良い意味で変わっていない。
 たとえば三善先生の「王孫不帰」など
 憧れていた音が今も鳴っているような。


C 単純にサウンドも好きでしたね。
 ポジティブな音で
 ずっと歌っているのが良かったです。


 「俵積み唄」、後半の勢い付いて
  盛り上がるのが良かったですね。
  これぞ男声合唱!という感じでした。 


メール、ツイッターの感想です。


選曲バッチリエンターテイナー


大人の洒落れた課題曲
自由曲2曲は歌う喜びが溢れてた
M3のくだけた感じも自由曲2曲の繋げ方や掛け声など含めて合唱の楽しさ良さが伝わる合唱団


自由曲が、この団体の個性にピタリとハマっていた。


課題曲から自由曲までが1つのステージとして構成されていて、とてもとても好きになりました。


土着信仰?味があって民謡好きにはたまらなかった。聴いてて楽しかったから(投票)。


声が音楽に乗ってくっきり届いてくる。
コンポの間の取り方、俵積み唄の繋ぎがカッコよかった。


マスク越しながら歌い手の生き生きとした表情が伝わってくるよう
音がこもらず前に飛んでくるので民謡と合っている


その名前だけで二日酔いの記憶を思い出させる悪魔の飲み物。課題曲、第1声から引き込まれた!合唱団の見た目と声のギャップが凄い!
自由曲、課題曲に続いて土俗的な曲に合唱団がとてもあってる。団の良さと完璧にマッチした選曲。ベスト選曲賞。素晴らしい団体!ふぁんです!

 


熊本県・九州支部代表
合唱団Le Grazie
(女声16名)

 

B 課題曲「定点観測」、
 難しい作品を、
 この年代の方々が
 良く捉えて歌っていたなと。


A 今回、この作品は多く演奏され
 いろいろなスタイルが
 あったと思うんですけど。
 グラツィエさんは少人数もあって、
 響きを大事に、アンサンブルする方向。
 その発想でちゃんと音楽を
 成立させていたのが良かったですね。
 同じ曲でも違う視点で
 聞こえてきたのが興味深かったです。


文 自由曲:信長貴富「もう一つのコップ」
  「だましてください言葉やさしく」、
  声の変化によって、
  場面転換を見事に表現していたと。


B 「もう一つのコップ」は
  3年前の全国大会でも
  演奏していたんですけど、
  その時よりもっと表現力が上がって
  こなれていた気がしましたね。


 メロディに長く歌われてきたゆえの
  安定感と味がありました。


C みなさん、岩津先生を
 とても慕っているのがわかって。
 だから岩津先生が
 あれぐらいしか振っていないのに
 あれほど色を付けられるのが
 凄いなと思いました。


A それは本当に!


C あれはもう、長年の関係性から
 出てきた音なんだな!


メール、ツイッターの感想です。


言葉のその先を捉えた演奏


音色と花火の題材が見事にはまり、どこか物憂げさも含んだ情景が浮かぶ課題曲
自由曲2曲は経験を積まれた皆さんのためのような歌詞と演奏
岩津先生がお元気で歌い手の皆さんと重ねてきた絆と味わいを大いに感じる好演


F4を演奏するには声が成熟しすぎているかもと思ったけど、自由曲まで聴いてみると3曲で一つの世界観が出来上がってて面白かった
繰り返し出てくる"だましてください"の語り口が好き


貫禄の女声合唱!ハモってるとかどうでも良くなるほどの表現力
「絶対金賞だ!」みたいな若者の意欲とはかけ離れた、音楽への喜びを感じる
自由曲は難曲を語りのように。
出てくる言葉の語感や情感がとても自然で、5年前には理解できなかっただろうと自身の成長すら感じる


課題曲「定点観測」の「いつか果てるとして」の部分。
他の団体とは違うものを感じて。
グラツィエのみなさんは何気なく歌っていらしたけど、言葉のリアリティ、エネルギーが全然違う。
つまり言葉の意味合い、年を重ねた人の言葉だったら意味が変わると思うわけ。
たとえば熟年夫婦の視点だったら、花火の刹那と過去何十年間の時間がクロスしたものに聞こえるな、と。
さらに指揮の岩津先生もお年を召されて、あと何年全国大会に出られるかもわからない。
だからこのステージも一瞬一瞬の刹那だよね。
そういうところに力点がかかってるのもあって、グッと来るものがありましたね。

 


広島県・中国支部代表
女声合唱団コール・ビビッド
(女声11名)

 

文 課題曲「Quam pulchra es」、
  第一声から心地良い、
  上品で清楚な音が響いてね。


A 今大会の最小人数。
 アンサンブルコンテストなら
 絶対金賞ですよ!
 正統派ですよね。
 飾りを加えることなく。


 そうそう、その素朴さが良かった。


A 自由曲のブスト
 「Magnificat(私の魂は主をあがめ)」
  カライ「Hodie Christus Natus Est」
  少し前の超王道の選曲だし!


B ブストもディヴィジョンが多いのに
 とても良かった!


 出だしが心にスッと入る音で。
  音楽の流れもなめらかでした。


C 和声のハマり方が凄い上手だなあと。
 やっぱり個々のレベルが高いんですね。
 あと強い主張を持って
 聞かせようとしないのが長所なのかも。
 してなさそうで、している。
 していそうで、していない、とか。


 聴くことを強いない。


C そう。
 してなさそうで、してない。


 それはただ「してない」だけ!(笑)
  カライも「アレルヤ」が
  軽やかに跳ねるようで。
  喜びが伝わってきて
  とても良かったです。


メール、ツイッターの感想です。


素直で等身大のステキアンサンブル


響きがとてもきれいでした。好きな演奏🥰


少人数を生かしたアンサンブルが至高


少人数な分充実したアンサンブルが良い(室内の部っぽさは否めないけれど)
歌い手一人ひとりの体が速いパッセージの中でもきちんと鳴っている


素朴な音が作品にも合っていて、派手さはなくとも素敵な演奏だった。
言葉のリズムや語感が音楽と結びついていて、自然な流れで耳に届いてくる。


ダンスタブルは控えめながら調和された声。もう少し指揮から解放された自発性も期待してしまった
自由曲、抑揚のある言葉さばき。グレゴリオ旋律も自然。心洗われる演奏
選曲も合唱団サイズもなぜ室内ではなく同声に?と思ったら、、倉敷少年少女…お前だったのか…(好きです


聴いていて安心しました、広島県の音だから。
可憐な花が咲いているのを見ているような気になりました。
なんかホッとするんだよね。
スッと出てきてスッと聞かされる感じ。「聴けー!」じゃない(笑)


プログラムのプロフィール欄の写真は友達とのお出かけ風
F1はアルトの強力な支えの上に美しく組み立てていく
全曲ともに少人数で個々が相当頑張らないとあれだけ響かないと思うのに、しっかりとまとまってハーモニーになる歌唱力の高さに驚嘆


(混声合唱の部、印象に残った団体の感想に続きます)

 

ピリカⅡ「音楽と絵で紡ぐ神謡・童謡・古謡」のお知らせ

連休最後の日、札幌でアイヌを題材にした音楽作品の演奏会のお知らせです。

ピリカⅡ「音楽と絵で紡ぐ神謡・童謡・古謡」
〜知里幸恵『アイヌ神謡集』刊行から100年〜

日時:2023/01/09(月)
開場13:30 開演14:00

会場:札幌市生涯学習センター(札幌市西区宮の沢1-1)ちえりあホール

 

入場料 一般1,500円、学生500円

お問合せ:Jin企画(陣内) 
jinkikaku2020@gmail.com


【出演】
◆ソプラノ:陣内麻友美   
◆ピアノ:平野雅子  
◆マリンバ・打楽器:水谷明子
◆合唱:札幌混声合唱団 
◆指揮:陣内直

【プログラム(予定)】
「アイヌの叙事詩による対話体牧歌」(伊福部昭 作曲) 
金子みすゞの詩の歌より 大漁 わらい (中田喜直 作曲) 
「ハッシャバイソングズ」(石黒晶 作曲)より イヨンルイカ  
「銀のしずく ふるふるまわりに」 (向山千晴 作曲  鈴木隆一朗 イラスト)
「ピリカピリカの主題による美しい変奏曲」(向山千晴 作曲)
金子みすゞの詩の歌より 月日貝 暦と時計 (山﨑浩 作曲)  
「タプカル・キ・キ-アイヌの語りつぎ 混声合唱組曲」(石黒 晶 作曲)

大通情報ステーション・イベント詳細ページから転載です。

「ピリカ」の演奏会は2021年、~北海道と沖縄に歌いつがれる民謡を求めて~と題してはじめました。
今回2回目は、~知里幸恵「アイヌ神謡集」刊行から100年~として、札幌混声合唱団が民謡編曲で日本を代表する作曲家石黒晶氏に委嘱した「タプカル・キ・キ — アイヌの語りつぎ 混声合唱組曲—」に加えて、主催者が作曲家向山千晴氏へ委嘱した2018年「銀のしずく  ふるふるまわりに」、2019年「ピリカピリカの美しい主題による変奏曲」といった作品を中心に演奏いたします。「銀のしずく ふるふるまわりに」では、アイヌの絵本に数多くイラストを手掛けるイラストレーターの鈴木隆一朗氏の絵をプロジェクターで映しながら演奏し、お客様に視覚的にも楽しんでいただきたいと思っています。
北海道を代表する作曲家・伊福部昭氏の「アイヌの叙事詩による対話体牧歌」も、原曲通りにティンパニーと一緒に演奏する予定です。
また、知里幸恵と同じ年、明治33年に生まれ、短い生涯で多くの作品を残し、北と南のどこか重なる二人の女性、金子みすゞの詩による歌もプログラムに入れてお客様に変化に富んだ音楽を聴いていただきたいと思っています。

 

伊福部昭のソプラノとティンパニーの共演という珍しい作品や、プロジェクター投影とソプラノの歌唱。
さらに創立30年を超える札幌混声合唱団さんが石黒晶氏に委嘱された「タプカル・キ・キ — アイヌの語りつぎ 混声合唱組曲—」の6年ぶりの再演。
ソプラノ、ティンパニー、そして合唱と、音楽としてもさまざま。
書かれるように、視覚的にも楽しめる素敵な演奏会になりそうです。
ご盛会を願っています!

 

観客賞座談会・同声合唱の部 その4

 

 

弁財島(尾鷲市)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞・同声合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想です。 


第5位以内の感想はこちら。

 

埼玉県・関東支部代表
男声合唱団 Le Terre
(男声27名)

 

A 超好きでした!


 良かったよね!


A 特に課題曲「平林」、
 小野瀨先生の指揮が美しすぎて!


 詳しく伺いましょう(笑)。


A まず背筋がピンとして
 足がバタバタ歩くことも無く。
 仲間と自分だけの世界で
 わずかに動くだけでも無い。
 鮮やかに振り、
 決めるところはピシッと決める!
 憧れます~。
 音楽も端正で
 とてもまとまっていました。


 コミカルな表現も
  上手かったんですよね。
  巧い噺家のテンポ。
  語りの軽やかなリズムも
  良く感じられて。


A 自由曲:千原英喜「那須与一」、
 複雑でドラマティックな曲じゃないですか。
 構成をしっかり作らないと難しい曲。


 音楽のブロックごとの表現を
  鮮やかに変えていたと思って。
  情景描写が優れ、
  メリハリがあり、
  合間の掛け声も良く、
  ドラマ作りを助けていた。


B トップテノールの高音が
 やや惜しかった・・・。


 朝一番ですからね・・・。


A いや、目が覚める演奏でした!
 二日酔いの体が
 るてえるさんの演奏聴いたら
 「シャキーン!!」


 (笑)最後の唱歌も
  爽やかに響いてましたね。
  初出場でしっかり存在を
  印象づけていたと思います。


メール、ツイッターの感想です。


よく歌いよくハモる!知的な演奏


今大会で新たにファンになった


もっと聴いてみたいと思わせられる声、演奏。
朝一番の演奏で心掴まれました。


今日も若く爽やかな歌声でスタートして貰えて気分よし
那須与一も千原節を熱演


何ヶ所かめちゃくちゃ好きなフレーズ感があって他の演奏ももっと聴いてみたくなったので!(投票)


朝一とは思えない清々しくも力強い演奏!
四声のハーモニーの安定感もさることながら、歌詞の言葉と音楽表現が噛み合って楽しく聴かせてくれた


とにかくよく耳を使えている力に任せないスマートな演奏。
飛び道具になってしまいそうな2曲の勘所を抑えた演奏に拍手


課題曲・自由曲とも表現の機敏が利いていて、徒にこねくり回さない知的な表現が良かった。
ハーモニーもばっちりはまって耳に心地よく、男声合唱らしいサウンドを堪能。


年齢的には大学合唱団くらいだと思うけれど非常に声もパートバランスもよく驚いた。
とにかくどのパートも埋もれてなくてハーモニーがとても安定してる。
素晴らしい若い合唱団に先生の指揮も素晴らしく、尊敬みたいなものを感じる。朝一番に良いものを聴いた!

 

 


北海道・北海道支部代表
HBC少年少女合唱団シニアクラス
(女声41名)

 

 自由曲:イェイロ「Ave generosa」、
  とても気に入った演奏でした。
  HBCさんの太くアルトに寄った発声が
  素朴な音楽作りと噛み合って。
  今まで聴いたこの曲の演奏は
  いじくり過ぎていたのかも?


B 3声の同質性が高いので
 カチッとしたハモりや、
 安定感は凄かったですね。


 狙ったものじゃ無いかも知れないけど
  この名曲の持つ
  原初の祈りみたいなものが
  感じられた気がしました。


メール、ツイッターの感想です。


キラキラ北海道トーン!


持っているサウンドに対する自由曲の選び方が毎年上手い
宗教曲らしい祈りの感情も表現できていた
だからこそ課題曲はF1かF3が合っていたんじゃないかと思う


F4大人びた深めの響きで見事に
自由曲では明るい響きに変え歌い上げる技術力


課題曲の第1声から「えぇ!?少年少女??」って疑う深い声。どさんこだから?美味しいもの食べてるから??恐るべきサウンド、言葉の処理でちびっとアクを感じる
今部門初の自由曲外国語。おめーさんたち何歳なんだ??と疑いたくなる歌。長年の訓練の賜!ヤイロはどさんこの声に合う(謎

 


大阪府・関西支部代表
メンズ・ウィード
(男声32名)

 

B 課題曲「花と画家」、
 言葉の扱いが良く、
 それぞれの言葉が
 ハッキリ伝わってきました。


 そうそう、
  言葉のニュアンスが良かったんですよ。
  流麗だったしバスの歌唱も優れていた。
  良い曲と思わせる演奏でした。


A 最初はクドいかな?と思ったんですが
 演奏が進むにつれ引き込まれて。
 終わってみたら
 ちょうど良い濃さでした(笑)。


文 自由曲:高嶋みどり「3.落下傘」
  緊張感と思いの強さが相まって
  説得力を持つ演奏でした。


A それにしても
 「感傷的な《三つの》奏鳴曲」って
 慣れないですよね~!


 自分、未だに
  1曲目の「おっとせい」
  聴いたこと無いからね!(笑)


A やっぱり「くらげの唄」で始まり
 「落下傘」ですよね~。


B 母体の淀工グリーでも荻久保先生の
 「OH MY SOLDIER」の名演が
 記憶に残っていて。
 こういう戦争を題材にした曲は
 思い入れが深いですね。


 歌う理由がしっかり伝わって……。


B そうですね、このご時世ということも。


A ウィードさんのプロフィールも。 

 

 「なつかしい朋党達がゐる。」に
  ジーンとしたし、
  最後の「わたしは祈る」には
  全身全霊で歌っている感がありました。


B 歌う意味が確固として
 存在する演奏でしたね。


メール、ツイッターの感想です。


貫き通した指揮者のカラー


課題曲、間のとり方が巧みでニヤッとさせてくれた 
息遣い、語り口の上手さはやっぱりピカイチ!味わい深い落下傘だった!


楽器としての技術はもしかしたら他の団体の方が良かったかもしれない
でもやっぱり、言葉に重きを置くことに芯を持って取り組んで全国まで歌ってくれるこの団体に心から敬意を表したい


円熟な声。課題曲、ハーモニーはやはり少し重く、調和ボイスではないが高嶋先生にしか出せない語感をひしひし感じる
落下傘は若造には歌えない音のリアルを感じる。ちょっと曲に引きずられそうな部分もありコンクール的には厳しくされるかも。大ファンなだけにもどかしい…


落下傘は1音目から惹きつける深い音色
複雑なリズムに複雑な思いを伝える詩を自分たち表現でしっかりと伝える
前後半のコントラストの差も鮮やか


淀工「落下傘」の完全版が聴けたというだけでファンにとっては感涙ものなわけで…
むしろ課題曲が白眉 持ち味の日本語の語り口に合っていて優しい気持ちになった


メンズ・ウィードの課題曲、泣きました。
この日本語表現力!
恐らく詩だけを読むよりずっと感動してると思います。
すぐにでも、もう一度聴きたい。


(同声合唱部門、印象に残った団体の感想に続きます)