月曜は更新を休んでしまったのだけど、
この本を読んでいたら他のことができなかった。

- 作者: 奥山貴宏
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31歳の若さで肺ガンを患い余命2年と宣告された
ライター:奥山貴宏氏の闘病記。
この本がいわゆる「闘病本」とやや切り口が違うのは2つあって。まず
この日記はそういう自分の内面に目を向けた感動系の闘病記とは全く逆。
自分の内面、感情、「助かりたい」とか「死にたくない」とか
そういったものは全部突き放し、可能な限り削除した上で書いている
…という氏の言葉通り、徹底的にガンと「戦う」という姿勢を崩さず、
センチメンタルな要素を無くした本という事だ。
氏は映像、パソコン、そして
音楽のジャンルを得意とするライターだったのだが
「ロック」な闘病記と言えるかもしれない。
(私の知人の中ではまぐろ。氏と趣味が合うかも)
もうひとつは職業ライターという事で
末期ガンになっても病室でノートPCでDVDを観て原稿を書き
PHSを繋いでその原稿を送る、という現代的な仕事ぶりだろうか。
ガンだけには留まらず、
全てのものへ戦いを挑むような姿勢は、
正直に書くと反感を覚えることも多々あったが、
それでも病身をおしてバイクに乗りラーメン店をチェックし
ガンプラを作りDVDを観、音楽を聴き、そして文章を書く姿。
生きることへの執着に打たれるものがあった。
そして闘病中に念願だった初の小説を書き上げ、出版にまで至る。
同世代ということで自分の身に置き換えたのはもちろんだが
生きるということ、そして表現するということについて
読み終えた後も様々なことを考えてしまった。
死の前日までブログを更新し、
永眠する数十分まで未来を語った奥山氏。
奥山さん、あなたの死も含めて、
これは凄い“作品”でしたよ。