観客賞座談会・混声合唱部門 その2



観客賞座談会・混声合唱の部、第5位からです。

 

 

 




第5位


合唱団 やえ山組


(30名)

 

 


課題曲のG2、一番良かった・・・。


自分も「一番きれいなプーランク!」って
メモに書いてました。


(他の参加者からも「良かった」など、口々に)


自由曲も良かったんですよ。
(プーランク「人間の顔」から4、6)


ちゃんと歌い分けができてましたよね。


そして最後の三善先生「私が歌う理由」がまた!


オシャレだし、リズム、力感も良かったです。


最後の和音の歌い方も優れてましたね。


この曲の演奏では
どこも「盛り上げよう!」として
盛り上げ過ぎる団体が多い中、
さりげないんだけど
ちゃんとメッセージが伝わってきました。



《文吾の感想》

課題曲はバランスがとても良く、
音響もクリアで和音の美しさが光ります。
ひそやかにまろやかに、
ゆったりとしたテンポだけど推進力があって。
聴いていて心が洗われるようでした。

自由曲の「人間の顔」は
フランス語の母音の響きが美しくたゆたいます。
力感も自在に、和声もプーランクの透明さが
良く表れた演奏。

 

「私が歌う理由」は聴く前までは
正直、疑問があったのですが聴いて納得!
スタイリッシュに、
しかし音楽上の魅力は余すところなく伝え。
最後の和音で団員さんの想いが昇華されるようでした。






 

 

 

 

 

 




第4位

合唱団こぶ

(37名)

 

 

 


課題曲G3「子どもは……」凄い良かった!


ゆったりと、丁寧な演奏でしたね。


そう、丁寧にフレーズを作っていく・・・。
演奏に想いがありました。


自由曲(林光先生「原爆小景」から)「水ヲ下サイ」
迫ってくるような・・・。


こういう昔の名曲を今やることに意味がありますよね。


そこからの「夕焼け」! 泣けた!


(あれは泣けた、ズルい、など口々に)


まさに「絶望からの希望」でしたね。


あのバイオリンの音に、もう…(泣く)。


わかってんだよ! 
バイオリンが来るとわかってんだけど!(涙)


コンクールとしての評価が
得られるかどうかはわからないけど
こういう場でああいう曲を演奏することに
意味があったんじゃないかな。

 

 

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《文吾の感想》

課題曲から自由曲までの全3曲に
こぶのみなさんの想いが貫かれた、
コンクールでは無い、
演奏会の1ステージのような演奏でした。

座談会にも出ていましたが
三善先生の言葉
「絶望を胎生としない愛を信じることができない」

「夕焼け」のバイオリンの音に
本当にそれを感じ、泣いてしまいました。



メール投票では

 


この3曲をこの順で歌うことによるメッセージがありました。
歌い手の方々のなかにも、被爆二世・三世の方がいらっしゃるのかもしれない、とふと思いました。
振り返れば、本コンクールでは、平和を祈念する選曲が多かったように思います。
「こぶ」さんのステージは、一つの演奏会を聴いたかのような印象を私に残しました。


…という感想がありました。
















第3位

MODOKI

(70名)



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課題曲G3「子どもは……」の演奏で一番かな!


第一声、ステージから風が吹いてきました!


一同 お~。


ただあったかくて、やさしくて、じゃなく、
厳しさがある。
それが凄いと思いました。


自由曲のブラームス
(「2つのモテット」から「神よ、私の中に清い心を創って下さい」)
なにかドイツの合唱団みたい。


最初の和音であんなに幸福感が広がる・・・。


そうそうそう!


テノールが凄い良かったです。


細かい歌詩はわかんないんですけど
もう泣けてきちゃいましたよ。


あまり言いたい言葉では無いけど
まさに精神性があった。
ほんと、宗教曲なんだ!と。


精神性は自由曲だけじゃなく、
課題曲にも感じられましたね。


明るい曲調なんだけど、
ただ明るいんじゃないんだよなぁ。


そう。一面的じゃなくって
陰があり、救いを求める暗い自分がある。


喜怒哀楽だけじゃなく
喜びの中にも悲しみや寂しさが入っている。
そういうのがとても伝わってきましたね。




《文吾の感想》

課題曲は最初の一音から温かさに満ちた音!
団員さんの子どもに対する
さまざまな優しさと愛情が伝わってくる演奏でした。
またピアニッシモの表現が
非常に繊細に歌われていたのも良かったです。

自由曲のブラームスは男声が光ります。
フーガには柔軟性があり。
明るい曲調の中、それでも思い悩む混迷から
希望へと昇華されていくのが伝わり、
最後は光が感じられるようでした。





メール投票では

 


いやされる。心にしみる。

 

 

 

自由曲のブラームス、ドイツの教会にいる気分になりました。

 

 


ツイッターの投票では

 


人の声である事に意味のある演奏が良いです。
歳をとると涙腺が弱くなってどうにも。


…という感想がありました。



(観客賞座談会・混声合唱部門第2位の団体に続きます)