観客賞スポットライト 混声合唱部門 その2

 

 



今回は観客賞の投票について!
※混声合唱部門に限り変更があります!


参加資格:
「大学ユース部門」「室内合唱部門」
「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
それぞれ全団体を聴いていること。
(その部門の出演者は投票できません)



投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ

#混声合唱19

を付けて
24日混声合唱の部終演(予定19:03)から
審査発表が始まる前の19:55までに
良かった《3団体》を書いてツイート。

※毎年、「混声合唱部門の投票は《3団体》にして欲しい!」
という声がありましたので、混声合唱部門のみ《3団体》OKにします!



その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体、2団体の投票でも結構ですよ。
4団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします!


ツイート投票の例:

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
コール■■ この作品の魅力が力いっぱい伝わってきました。

#混声合唱19






ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった《3団体》を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)《3団体》もしくは2団体、1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!
繰り返しますが、混声合唱部門“だけ”《3団体》OKです。
他の部門は《2団体》まで!

ご投票よろしくお願いいたします!








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建仁寺 Photo by sanographix http://photo.sanographix.net/





さあ、今日も混声合唱部門の出場団体をご紹介しましょう。
新潟から上質なセンスの団体です!


 

 




4.新潟県・関東支部代表

合唱団ユートライ
https://www.facebook.com/chorusYOUTRY/

(31名・2年ぶり2回目の出場)




団名は「ユートライ(=You Try)」から。
2年前、創立から33年で初めての全国大会出場。
15年目となる名島啓太先生の力任せではない、オシャレな音楽が魅力です。

当時の座談会では

自由曲のIvo Antognini「Verbum caro factum est」、
雰囲気に温かさがあって良い感じでした。

同じ作曲家の「O Gloriosa Domina」は
後半にダンスするような音楽が伝わってきましたね。


…という感想がありました。
さて今年はどんな曲を?

団員さんからメッセージをいただきました。

 


「よし!京都へ行こう!」

"声に出してこそ、実現できる!"と、今年度、ずっと言葉にしてきました。

そして、2017年に夢の初出場を果たしてから2年…また全国の舞台で歌える機会をいただけたこと、とても光栄に思います!

合唱団ユートライは、新潟の地で合唱を愛して、35年。
より質の高い音楽を目指し、名島啓太先生の指導のもと、毎回の練習に取り組んでいます。

課題曲はG2。「Ensam i dunkla skogarnas famn」。
強弱や速度などの指示が全くなく、ノーヒントの譜面でしたが、シベリウスの生きたフィンランドの時代背景について理解し、音や言葉の持つ力や意味などを知る程に面白さが分かってきました。
フィンランドの森の美しさ…主人公の向かう心情…が表現できればと思います。

自由曲は「Entreat me not to leave you」。
旧約聖書の「ルツ記」をテクストにしたDan Forrestの作品です。
この曲は名島先生がいつかユートライで…と何年も温めてきた作品です。
歌う度に曲の持つ美しさと力強さに団員一同、魅了され続けています。
あたたかな和音の中にも「ずっとあなたの元にいさせて。」という切なる、しかし熱い思いを持って歌えたらと思います。

今年も素敵な歌達に出会えたことに感謝し、ユートライらしい演奏ができたらなと思います。

台風の影響で関東大会では全員で揃って歌うことができませんでした。
だからこそ、願いを込めて…

「全員で京都で歌おう!」

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新潟県大会後とのこと。


ありがとうございました。

自由曲の「Entreat me not to leave you」!
1978年生、アメリカの作曲家Dan Forrestの作品です。
個人的にこの曲が大好きで・・・。

2年前の東京国際合唱コンクールで、香港の団体Diocesan Choralが演奏したのを聴いたのですが、大学生くらいの年代の男女40人ほどが混在して並び、ひとつの音楽、時間をみんなで共有しているのが強く伝わり。
演奏者の、いつか失われてしまうこの大事な一瞬を…!
身体全体から発せられるものと作品の力に、涙が滲んでしまったんですね。
ですから、名島先生が何年も温められた作品ということ。
「歌う度に曲の持つ美しさと力強さに団員一同、魅了され続けています」との言葉にも共感します。
この作品でよくぞ全国に出て下さった!という気持ちです。

台風19号の影響で関東支部大会は開催も危ぶまれ、参加を諦めた団体や、ユートライさんのように全員で演奏することができなかった団体がいくつもありました。
いままでは一緒に歌うのが当たり前と思っていた仲間との時間。
でもそれは、実は当たり前では無かったのかもしれません。

京都のこのステージの一瞬、ユートライさん“全員”の思いと歌が、あまねく客席に伝わりますように。









人気の作曲家を指揮者に抱く実力団体の登場です!










5.東京都・東京都代表

あい混声合唱団

(67名・5年ぶり2回目の出場)



あい混声さんは2007年発足。
音楽監督は作曲家・指揮者の相澤直人先生。
あい混声さんの「あい」は音楽愛、和気藹々、そして一人一人の音楽を大切にする「一人称単数主格の I 」。
(そしてもちろん相澤先生の「あい」も含まれているそう!)

5年前の出場時には三善晃「願い 一少女のプラカード」と「生きる」を演奏され。
当時の座談会では

日本語が凄いキレイでしたね!

ああ、わかる!(同意多数)

押しつけがましくない、それでいて綺麗な発語。

言葉のつなぎ方、ニュアンスもとても美しかったです。

指揮の相澤先生が作曲家ということもあるのでしょうけど
非常に納得できる構成の良さ。

自由曲の「願い」は最後の弱声、ハーモニーが良く。
「生きる」では団員さん個々の表現が感じられ、
とても好感を持ちました。


…という感想がありました。

とても好感を持ったというのは私の感想で。
「おお、東京から新しい全国常連の誕生かな?」と思っていたのですが、東京支部の層の厚さ、厳しさは非情で…。
その後、あい混声さんがYouTubeに上げられる東京支部大会の演奏を聴くたび、
「え? この演奏で全国出場できないの?!」と何度も驚くことに。
(昨年の松本望先生「二つの祈りの音楽 混声合唱と室内アンサンブルのための」なんて本当に素晴らしかった!)

そして今年、5年ぶりの全国出場。
しかも自由曲に凄い作品を持ってこられたそうです。

団員さんからメッセージをいただきました。

 


今回私たちが自由曲で演奏する土田豊貴作曲〈立ちつくす~混声合唱と2台のピアノのための~〉は、都大会が初演となった委嘱作品になります。
今年、5年ぶり2回目の全国大会出場の推薦をいただき、再びこの曲を演奏できる機会に恵まれたことを団員一同心より嬉しく思っています。

課題曲では、川浦義広作曲〈雪〉を演奏します。
日本語を美しく歌うことを追求する私たちとして、聴いてくださる方々には、雪の情景の中で表現される温かさに包まれるような感覚になってもらうことができたらと思います。
曲が喜ぶ演奏を目指し、丁寧に表現していきたいと思います。

私たちは昨年から今年にかけて、松本望作曲〈二つの祈りの音楽 混声合唱と室内アンサンブルのための〉を演奏してきました。
CANTUS ANIMAEさんが初演されたピアノ連弾版から編成を変え、新たに室内アンサンブル版としての初演となりました。
この曲についてCAの雨森文也先生や団員の方々とお話をする中で、初演団体としての曲への深い愛を感じる瞬間が多々ありました。
「この作品を世に送り出すことが私たちの使命だった」とまで言えるその姿に感銘を受け、曲が育っていく過程をこんなにも共に喜んでくださることを大変ありがたく思い、そしてこれほど大切に思える自分たちの作品があるということを羨ましくも感じました。
そんな時期に、相澤が「歴史に残る曲を」と自身の信頼する作曲家に委嘱して生まれたのが〈立ちつくす〉なのです。

この作品では、祈ることへの疑念を抱きながらもなお祈り続け、“無限の真ん中に立ちつくす”様を樹に喩えられた人間の姿が、心の揺れや多様な表情を見せる2台ピアノと共に表現されます。
田中翔一朗先生と松下倫士先生の素晴らしいピアノにもぜひご注目ください。

昭和の2台ピアノといえば〈海〉、令和の2台ピアノといえば〈立ちつくす〉と言われるような、まさに歴史に残る作品として歌い継がれるよう、熱くそして繊細に歌い上げたいと思います。

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ありがとうございました。

長田弘氏の詩は立ちつくす自分と、どこまでも広がる青空や大地との対照性を強く思わせます。
東京都大会の演奏をYouTubeで聴かせていただきましたが、その詩の広大さ、深さのまま万華鏡のように多彩な貌を見せ、しかし決して芯を失わない圧倒的な2台のピアノと声の饗宴。
祈ることへの思索を通じ、人間の存在を問い、聴き終わった後は生への肯定に満たされた自分を感じました。

・・・凄い曲です。


メッセージからは本当の意味で作品を生み出すことへの、強い決意に打たれます。
作品を自分たちのものとする演奏が無ければ、どんな優れた作品も決して輝かないはず。

あい混声さんが生み出す「立ちつくす」という作品と演奏が、その熱い想いのまま私たちに刻み込まれますよう。




(続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 混声合唱部門 その1

 

 

 

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ロームシアター京都 Photo by Ken5さん




今日から混声合唱部門の出場団体をご紹介します!
昨年は14団体でしたが、今年は2団体増えて16団体。
もちろん全部門お勧めですが、やはり大会の華と言えばこの混声合唱部門。
いずれ劣らぬ声の饗宴です!


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それではご紹介を始めましょう。
14:30から混声合唱部門の開始です。



最初の団体は最年少指揮者による伸び盛りの団体の登場です!

 

 

 


1.愛媛県・四国支部代表

I.C.Chorale

(35名・第67回大会から6年連続出場)



大学ユース部門を除く一般部門で最年少28歳の指揮者:村上信介先生。
今年はカンサォン・ノーヴァ指揮者:下薗大樹先生も同じ年齢でダブル最年少。

アイ・シー・コラーレ、通称いよコラさんも創団6年目で全国6年連続出場と、四国を代表する団体に。
昨年の座談会では

課題曲G3の「まいまい」。
かなり研究した上での解釈なんだろうなと
好感を持ちました。

自由曲の三宅悠太「Vocalise Ⅱ/海辺にて」、
高いところで音を響かせて。
狙った音響空間として良いなーって。

最後の「悲しむ人よ、塵に口をつけよ」では
ちょっと泣けてしまった。
「望みが見いだせるかもしれない」での
ほのかな灯りのような希望に
また感じ入ってね…。


という感想がありました。


さて、今年の演奏曲は?
指揮者の村上信介先生よりメッセージをいただきました。

 


皆さんこんにちは!
愛媛県の混声合唱団、I.C.Chorale、通称「いよコラ」です。
6年連続で全国大会の舞台に立たせていただく機会をいただき、ありがたい限りです。

課題曲:G2 Ensam i dunkla skogarnas famn (Emil von Qvanten 詩/Jean Sibelius 曲)
例年同様、課題曲を全曲歌った上で、団員の投票により選曲しました。
シベリウスが20代前半の頃に書かれた作品ですが、発掘・初演は90年代に入ってからと新しく、楽譜に音楽記号が全く付されていないこともあり、言葉に立脚したフレージングや和音の展開を丁寧に紐解きながら、自分たちの音楽を作ろうと努力しています。
夏にはG.U.Choir指揮者でハンガリー留学中の山口雄人くんとラトヴィア留学中のシンガー山﨑志野さんによるワークショップを松山で開催していただき、そこで学んだソルフェージュの手法や北欧音楽のサウンドを課題曲に還元しています。
詩は、単なる風景の描写ではなく、抑圧から独立に向かおうとするフィンランドの姿とリンクしており、特に「sjungen,alla(すべてが歌う)」という言葉は、抑圧されている側も、抑圧している側も、皆が歌うという意味が込められているように思われ、合唱に携わる我々がこの曲を歌うことに強い意義を感じています。

自由曲:混声合唱とピアノのための「春と修羅」より〔Ⅱ〕(詩:宮澤 賢治/曲:信長 貴富)
今までいよコラが取り組んでこなかったようなレベルの作品を取り上げ、団としてもう一歩先を目指したいと考え、この曲を選曲しました。
人間と畜生の間に位置し、常に戦う自我精神である「修羅」と、涅槃の象徴である「春」。
二つの相反する要素を描くかのように、日本の伝統音楽的な粘着質な音使いと西洋的な輝きある音響が対比され、やがてロマン的カタルシスに向かっていきます。
持続する緊張感やスケールの大きさは、今まで我々が経験したことのないものです。
特に詩の解釈は難解な部分があり、「春と修羅」を題材にした論文や宮澤賢治の詩集を読み漁りつつ、作曲者の解釈を音使いから読み解こうと、皆で意見を出しながら練習を進めています。

最後に
課題曲、自由曲の一貫したテーマとして、詩が自然を題材しているという点がありますが、そのありようは対照的です。
自然の風景を目にして希望を取り戻す課題曲に対し、春が輝きに満ちるほど己の卑小さに絶望する自由曲。
この2曲の対比を描き出せるよう、全身全霊で歌い上げます。
3年振りの混声合唱の部のトップバッターとして、開幕をバシッと飾れるよう頑張ります!

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 四国支部大会とのこと。


村上先生、ありがとうございました。

理知的に、テキスト、音楽の両面から作品の本質に迫ろうとするその姿勢、素晴らしいと思いました。
特にハンガリーやラトヴィア留学中のお二人から、地元松山で学ぶ機会を設けるというのも良いですね!
いよコラさんの「伸び盛り」「勢いある」という印象は間違ってはいないと思いますが、ただやみくもに突っ走るだけではなく、こうして必要なものを得るために一歩ずつ進んで行く。
それも地元に還元する形で。

信長先生の「春と修羅」は3年前のCombinir di Coristaさんの名演奏(観客賞1位)が思い出されますが、いよコラさんならまた違った味わいの、瑞々しい「春と修羅」を聴かせていただけるのではと期待しています。

 

「自然の風景を目にして希望を取り戻す課題曲に対し、春が輝きに満ちるほど己の卑小さに絶望する自由曲」。
相反するその選曲は、自らを恃むことと落胆を繰り返しながら前へ進む若者と同じではないですか。
混声合唱部門のはじまり、バシッと力強い一歩をお願いします!







続いて言葉の魔術師さんが混声でふたたび!











2.福岡県・九州支部代表

混声合唱団うたうたい

(40名・第66回大会以来7年連続出場)



同声合唱部門、大阪からのメンズ・ウィードさんと同じ高嶋昌二先生を指揮者に抱く結成11年目の団体。
昨年の座談会では

課題曲G3、フレーズの抑揚と余韻、
音楽のメリハリとさすが高嶋先生!と思う
良い演奏でした。

自由曲の千原英喜「Agnus Dei = 空海・真言・絶唱」も、
男性の語り部が凄くがんばっていました!

全体の音楽でも、目指そうとするものは
しっかり伝わってきましたよ。

…という感想でした。

今回の選曲は課題曲G1 Ave Maria (Tomás Luis de Victoria  曲)
自由曲:作詩:石川啄木・藪野椋十、作曲:千原英喜
混声合唱組曲「世の中には途法も無い仁もあるものぢや」より「3.世の中には途法も無い仁もあるものぢや」

 


第三曲は啄木の歌集「一握の砂」に寄せた藪野椋十の「序」に歌集冒頭の歌を加えて作曲。
「第一曲の序、第二曲の内的/夢幻世界、第三曲の短歌世界、終曲の見果てぬ夢。
全4楽章を啄木の一生に重ねてみようと作曲-千原英喜」(全音HPより)

 



広島の合唱団あるさんの委嘱作品。
3年前の中国大会で、あるさんはこの作品を自由曲に選ばれ、私も聴かせていただきました。

啄木の短歌「東海の小島の磯の白砂に」へキャッチーな旋律を付けたものから始まり。
「ラプソディー・イン・チカマツ」のように男女のしゃべりの掛け合いあり、コミカルな部分ありの、さまざまな様式の音楽が目まぐるしく移り変わります。

千原先生のこの作品への「それぞれに機智とユーモアをもって、ニュアンス豊かに演奏していただきたい」という言葉。
高嶋先生、うたうたいさんの名コンビなら、きっと実現して下さることでしょう!








続いて観客賞では上位の常連。
昨年コンクールをお休みした団体の復活です!











3.佐賀県・九州支部代表

MODOKI

(70名・2年ぶりの出場・第50回大会以来20回目の出場)




2年ぶりにコンクールへ出場される
MODOKI指揮者:山本啓之さんへのインタビュー。
10月25日、私が住んでいる倉敷に
山本さんが寄って下さったので近所のファミレスにて。




2年ぶりのコンクール参加、
そして全国大会出場、おめでとうございます!


「ありがとう。
 ルーティーンから1回外して、
 去年は全国いろんな所へ歌わせてもらって。
 また新しくコンクールへ向かえて嬉しいね。」


コンクールに新鮮に向かえると?


「それもあるけど…。
 曲が曲だけに
 そんなことも言ってられない(苦笑)。」


…課題曲からお聞きします(笑)。
今年はG1:Tomás Luis de Victoriaの
「Ave Maria」。
MODOKIさんがG1を選ぶのは珍しい気が?


「いや、課題曲がビクトリアかパレストリーナだったら
 選ぶことにしているんや。
 パレストリーナは2012年の富山で選んでるし。」


その2人の作曲家には理由があるんですか?


「パレストリーナは勉強すべき古典。
 ビクトリアはスペインの作曲家で
 動きがあって、さらに音画的で
 あの時代にしては凄くドラマティックなところ。
 そして、人数が多くても大丈夫そうと思って。」


ビクトリアの熱さはMODOKIさんに
合っている気がしますね。


「でも70人オーバーでビクトリアをやるのは正直大変!
 県大会の時は4人ずつのユニットを
 バラバラに配置して歌うとか
 いろいろやってるけどね。
 もっとやり方を探さないかんかな…ってとこやね。」






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5月の合宿時とのこと。





続いて自由曲です。
Arnold Schönberg「Friede auf Erden(地上の平和)」。
かなりの難曲ですが・・・団員さんのお話しでは
山本さんが30年前からやりたかった曲だとか。
この「地上の平和」を最初に聴いた時を憶えてますか?


「たぶん大学2、3年生の時に
 京都エコーさんの演奏を聴いて。
 『なんだこの曲は?!』と思ったわけ。」


「地上の平和」に衝撃を受けた!


「そう。
 その頃はこの曲がドイツ語ということさえ知らなかった。
 それからパナムジカさんという存在を知って
 初めて頼んだ楽譜が
 プーランクのクリスマスのための4つのモテットや
 マルタンのミサ、そしてその次に
 『地上の平和』を頼んでたわけや!

 でもある程度人数おらんとできんだろうし。
 声楽的な素地の高さもいるし。
 それは今でも無いかもしれんけど(苦笑)。

 だから・・・そうね、
 やっぱり夢だったんやね。
 30年経ってやっと今やったらできるかな、と。

 だけどホンマやってみたら大変!!」


やっぱり大変ですか(笑)。


「もー、音むっつかしいし
 ドイツ語大変やしね!
 声楽的にも和声的にも難易度が高くて
 とにかくソルフェージュが大変!

 でもあの難しい所を乗り越えて
 最後にD-durで終わるのに意味があるんやろうね。

 『地上の平和』はスイスの詩人:マイヤー作なんやけど
 聖書のルカ伝を元にしていて。
 今回の選曲の繋がりとしては
 まずビクトリアの『Ave Maria』で聖母マリアを褒め讃え、
 救世主が生まれても、やはり争いは起きてしまう。
 人はどうしても争うものなんだ。
 それでも私たちはやっぱり『地には平和を』と願いたい。」


…人間への絶望があり、
でも最後に希望があるような。


「そう! 三善晃先生の
 『絶望を胎生としない愛を信じない』ね。
 人間のギリギリの叫びみたいなところが
 この曲にはあると思う。

 来年MODOKIはできて30周年やからね。
 その区切りの前にこの曲をやりたかった。
 みんな目を白黒させながら一生懸命やってます。
 自分たちに合っている合っていないじゃなくって
 この名曲にコンクールでチャレンジできて
 全国大会でみなさんに聴いてもらえるのが本当に嬉しいね。」


楽しみです!
山本さん、ありがとうござ…


「ちょっと待って!
 来年2020年3月8日(日)、
 佐賀市文化会館大ホール
 邦人作曲家の昭和の名曲で揃えた
 MODOKI単独の演奏会を開きます!
 なんと客演ピアニストに平林知子先生をお迎えして
 全4ステージ弾きまくっていただくから!」

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えー、単独演奏会は6年ぶりですか?
私も予定に入れておきますね。
…でも全国大会で「地上の平和」演奏してから
約3か月後にこの大変な演奏会って・・・。


「それもチャレンジ!
 全国大会も演奏会も全力!!」


期待してます(笑)。
山本さん、ありがとうございました!




(明日に続きます)

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 最終回





同声合唱部門、今回は最後の2団体をご紹介します。


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新京極・錦市場界隈




熊本から、大人の女性の音楽を得意とされる女声合唱団です!




10. 熊本県・九州支部代表

合唱団Le Grazie
https://twitter.com/legrazie1988

(女声22名・6年ぶりの出場・第41回大会から15回目の出場)



6年ぶりの全国出場おめでとうございます!
グラツィエさんの演奏はコーラス・ガーデンや九州大会・全国大会で聴いてきましたが、奥深く、幅広い表現力をお持ちの団体です。

今回の演奏曲は課題曲F3 飛翔―白鷺(「内なる遠さ」から)(高野喜久雄 詩/髙田三郎 曲)
自由曲は信長貴富作曲 女声合唱とピアノのための「だましてください言葉やさしく」より「1.もう一つのコップ(詩:高橋順子)」 「3.愛人ジユリエツト(詩:新川和江)」

どんな作品なのでしょう?
団員の青木さんからメッセージをいただきました。

 

 


「合唱団Le Grazie」です。

結成から30年。
高校を卒業するなり入った私も、とうとう4度目の年女越え。

周りでは、孫だ!介護だ!と話題も変化しつつあります。

しかしそれでも変わらないのが、我らが岩津整明先生の繊細で温かな音楽。

また再び岩津先生の指揮で全国のステージに立てることに、 団員一同大変喜んでおります。

ということで、個人的見解の曲紹介。
テーマは「愛」

まずは「白鷺」
雪のちらつく空には、
大きくあたたかな愛にあふれる場所があり、
白鷺はそこを目指し飛翔する。
死を避けることはできないけれど、
また再び愛を目指す白鷺。
また再び愛をあふれさせる手のひら。
この曲は、とてつもなく大きな愛の歌なのではないでしょうか。

ガラリと変わって自由曲。
一曲目は「もう一つのコップ」
年を重ね、ちょっと斜に構えたシングル女子の
リアルな日常の一場面を切り取ってあります。
独りを楽しみながらも、どこかそれを寂しいとも感じつつ、
そして、どちらの自分も好きだったりする自己愛の歌。
歌というより「ひとり芝居」に近いかもしれません。

2曲目は「愛人ジュリエット」
文字だけを見ると、不倫だとか、ロミ&ジュリだとかを想像されると思いますが、
この愛人は“ラマン(愛する人)”の意であり、
ジュリエットも一般的な女性名というイメージです。
夢の中の混沌とした世界で、船の名であり、薔薇の名であり、娘、妻、老女の名でもある”ジュリエット”の中から、自分の愛するジュリエットを探そうとしつつも、その恋がかなわないことを嘆いている男の歌です。

さまざま「愛」が皆様の元へ届きますように。

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九州支部大会とのこと。


ありがとうございました。

自由曲の初演を聴いてみましたが、大人の女性の多面的な要素がさまざまな音楽で表され。
グラツィエさんの音楽の魅力が十分に発揮されそう。
信長先生からも「大人の女声(女性)を想定し、若干ダークな印象を狙った音楽」とのこと。

 


男性から見る願望的女性像ではなく、女という性を生きる詩人の言葉をテキストとした女声合唱作品です。
生活の機微を飾らずに書き留めた「もう一つのコップ」。
シュールな幻想恋愛劇に思いを馳せてフィクションとリアリズムの狭間の熱情を描く「愛人ジユリエツト」。
選ばれた詩はどれも個性的ですが、少ない曲数で女性の多面性を表現することが求められます。
経験豊かな大人の女声合唱団に取り上げていただきたい作品です。(パナムジカHPより)



「経験豊かな大人の女声合唱団に取り上げていただきたい作品」!
まさにGrazieさんのためにあるような作品です。

結成から30年という時間の尊さ。
変わっていくものと、変わらない岩津先生への大きな信頼。
変化と不変なものの双方で磨き上げられたグラツィエさんの音楽と女っぷり。
この京都でのステージで見事に花開きますように。


 






同声合唱部門、最後の団体です。
繊細で、それでいて強靭な個々の歌心が生きる女声合唱団!










11.愛知県・中部支部代表

VOCI BRILLANTI
https://twitter.com/brillanti0202

(女声32名・7年連続出場・第63回大会から8回目の出場)


昨年の感想では

音符に対する言葉の割り振りが上手でしたね。
課題曲のF3:麦藁帽子なんて
本当に「八月の…」と言葉、
語感を活かして表現する。
圧倒的に上手だと思いました。

白鳥先生のすごく自由さを感じさせるピアノが
歌い手にも良い影響を与えていたかな。

自由曲:三善晃「ふるさとの夜に寄す」は
若い人が大半な団体だけど豊かな音色で。
しかも女性としての柔らかさも入った
音色になっていたから
慈しみの印象もありました。

淡さ、儚さに加えて、
そこに確かにある存在感があったんですよ。
女声合唱にもかかわらず、
とは言っちゃダメだけど(笑)
音符に込められた声の密度に満足しました。


…と好評でした。
さて、今年はどんな曲を?

団員のみなさんからメッセージをいただきました。

 

 


愛知県岡崎市を拠点に活動している女声合唱団VOCI BRILLANTIです!
7年連続8回目の全国大会に出場できること、団員一同大変嬉しく思います。
私達が今回演奏する曲は課題曲F4「その木々は緑」、自由曲は女声合唱曲「オンディーヌ」です。

「その木々は緑」は、思春期の揺れ動く心情や前向きな気持ちを歌った曲です。
これらを音楽で表現するために、指揮者の雨森文也先生、ピアニストの白鳥清子先生と何度も話し合い、笑顔で楽しみながら練習を進めてきました♪
私達ブリランティは中学生から社会人までの団員がいます。
幅広い年齢層のメンバーそれぞれが、自分にとっての「その木々」はどんな木なのか、その木々を見た自分はどんな気持ちになるのかを思いながら歌います。

自由曲「オンディーヌ」は、四大聖霊である水の精オンディーヌが、人間の騎士ハンスに一目惚れするところから始まる物語です。
課題曲とは一転して、既に婚約者のいるハンスを一心に愛するオンディーヌの物語は、今までブリランティが取り上げたことのない描写や表現が多くあります。
オンディーヌの世界を表現するために、詩の元となったドイツの作家フーケの小説「ウンディーネ」や、フランスの劇作家ジロドゥによる戯曲「オンディーヌ」を読んだり、映画を観たりすることで理解を深めました。
全国大会当日は、いつもより少し大人な私達の演奏を聴いていただけたらと思います。

そして、2020年3月22日(日)には第二回演奏会を行う予定です(^o^)
今後情報を発表していきます。
ぜひお越しくださいね!  

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中部支部大会とのこと。

 


ありがとうございました。

木下牧子先生が作曲された「オンディーヌ」はまず混声合唱曲として出版された後、女声合唱曲に編曲されました。
団員さんから元となる小説の「ウンディーネ」や戯曲にも触れられていますが、詩人の吉原幸子氏はこれらの物語から、純粋とは、そして愛とは?と突きつけるような詩を生み出しました。


「純粋とはこの世でひとつの病気です」




音楽はたゆたうような旋律と、美しく切迫したソリストたちが絡み合い、水の精と人間との交わりそうで決して交わらない二つの層を見るようです。

ブリランティさんが3年前に三善晃先生の「或る死に」を演奏されたのを思い出します。
詩人の村松英子さん18歳の時の作品ということもあり、年代が近いブリランティさんの透明な、ある意味無邪気さを感じさせる音が、音楽とピアノと結び付き不思議に老成したように奥深く響いたことを。

純粋を求めるのと同じくらい孤独を埋めたい、他人との交わりの矛盾に直面する時期。
「いつもより少し大人な私達」はそんな時かもしれませんね。

合唱と言えども、個人の息づきが感じられるブリランティのみなさん。
この同声合唱部門のフィナーレをドラマティックに歌い上げて欲しいと思います。



(同声合唱部門は今回で終わりです。
 明日の混声合唱部門に続きます)

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その4

 

 

 




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金閣寺 Photo by (c)Tomo.Yun http://www.yunphoto.net



あ! 同志社グリークラブさんが2回目の観光案内を!

 

 

…これは行ってみたくなるコース!
さて、今回も2団体をご紹介します。

創立から4年、東京から若く、熱い男声合唱団が初出場です!


 

 


8.東京都・東京支部代表

Mu Project
https://www.facebook.com/MuProject.jp/

(男声29名・初出場)



初出場おめでとうございます!

今年5月2日の「being」という若手のヴォーカルアンサンブル、合唱団3団体が集う演奏会で、初めてMu Progectさんを聴きました。
松下耕「貫ぬく 光」はとてもデリケートな表現。
しかし内省的ではなく、音が外に向いているのが面白いな、と思ったら西村朗「永訣の朝」はまさに全身全霊の演奏だったのが強く印象に残っています。
それからずっとどのような団体か、興味を持っていました。

代表の西澤さんからメッセージをいただきました。

 


■合唱団紹介
Mu Project(ムウプロ)は20代を中心に東京都内にて30名ほどで活動しています。
多忙ななか継続的に高い水準の音楽を作り上げるため、合唱団を「合唱をするための組織」と捉え、5年単位での中長期計画の設定やITツールを駆使した効率的な団運営等、組織的基盤の構築に注力しております。
ムウプロは団員それぞれが演奏に必要な能力を自発的に培い、将来共演する音楽家とより高度なアンサンブルを実施するという目的から常任指揮者(音楽監督)をおかずに活動してきました。
創団5年目を迎える今年、合唱団の音楽水準や団員の主体性が一定の水準に達したと判断し、合唱団の客演指揮者として雨森先生を、ピアニストとして平林先生を招聘、初の全日本合唱コンクール全国大会出場を果たしました。
これまで、都内のイベントやジョイントコンサートを中心に活動してきましたが、2020年の5月と7月には豊洲文化センターにて演奏会を実施する予定です。

 



なんと雨森先生を客演指揮者に!
この同声部門でも他にVOCI BRILLANTIさん、室内合唱部門では合唱団まいさん、混声合唱部門ではCANTUS ANIMAEさんを振られる指揮者です。
平林先生もこの大会では多くの団体で弾かれる、人気と実力を兼ね備えたピアニストですね。

しかも来年5月、7月と2回も演奏会があるとは!
演奏を思い返すに、その勢いに納得する自分がいます。

さて、今回の演奏曲は何を選ばれたのでしょう?

 


■演奏曲紹介
指揮者に雨森文也先生を、ピアニストに平林知子先生を迎え、課題曲には男声合唱組曲「Enfance finie」より『物語』(詩 三好達治/曲 木下牧子)、自由曲には同声(女声または男声)三部合唱とピアノのための組曲「永訣の朝」より『永訣の朝』(詩 宮沢賢治/曲 西村朗)を演奏いたします。
永訣の朝は、いままさに妹を失う賢治の心情を記したものです。
推敲の中で思想的な支えもあり非常に格調高く仕上げられた詩の中には、真っ暗な押入れの中に顔を埋め「とし子、とし子」と号泣した非常に激情的な賢治がありました。
大正11年11月27日。
『永訣の朝』初稿にはとし子が死を迎えた日付が付されています。
そのとき賢治26歳。
まさにこの11月の末に、齢同じくする我々らしい演奏を届けたいと思います。

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昨年の東京都大会、信長先生「Fragments」演奏時とのこと。



西澤さん、ありがとうございました。
自由曲の「永訣の朝」は大学ユース部門で北海道大学合唱団さんも演奏されていますね。
きっと「同じ曲?!」と思うほど違った演奏をされると予想しています。
こういう聴き比べもコンクールの醍醐味。

5月の段階で、非常に完成度が高い演奏をされていたムウプロさん。
指揮者に雨森先生を迎え、さらにこの詩を残したときの宮澤賢治と団員さんが同じ年代、加えて妹とし子が死を迎えた日に近いことから、よりいっそう心の入った、熱い演奏になることは疑うべくもありません。

初めての全国大会、どうかムウプロさんのすべてを余すところなく叩きつけられるような、そんな演奏になることを期待しています。









続いては母体となる中学校、高校合唱部も高い実力の素晴らしいOG合唱団です。












9.神奈川県・関東支部代表

La Pura Fuente
https://twitter.com/la_pura_fuente

(女声32名・第66回大会から6年連続出場)




La Pura Fuenteとはスペイン語で「清い泉」とのこと。
神奈川県の合唱名門校、清泉女学院の卒業生さんが2010年に作られた団体。
全日本では3年連続金賞。
さらに今年の東京国際合唱コンクールでは同声部門で1位金賞、現代音楽部門で4位金賞。
演奏を聴かせていただいたのですが、音楽的にも大変素晴らしいものでした。

現代音楽だけではなく、ロマン派の曲も情感豊かに聴かせてくださるラ・プーラフェンテさん。
さて、今回の演奏曲は?

団員さんからメッセージをいただきました。

 


皆様こんにちは! 
私たちLa Pura Fuenteは清泉女学院音楽部OG合唱団として発足し、なんと今年で10年目を迎えることができました。
そんな節目となる年に、情緒溢れる美しい京都の晴れ舞台で歌えることを、部員一同、大変嬉しく思っております。

今年の課題曲には、全ての生物がその生き方を全うし、再生することの祈りが込められたF3「白鷺」を選びました!

また昨年からのメンバーの入れ替わりも多くあったため、自由曲では、昨年の日本語曲からガラッと雰囲気を変え、ハンガリーの作曲家Levente Gyöngyösiによる趣の異なる宗教曲2曲を歌います!

1曲目の「Caritas patiens est」は、恵み深くそして全てを受け容れる愛の強さを歌うア・カペラの曲です。
"慈愛"の心をお伝えできるよう、度重なる災害に心を留めながら教会の響きを目指して歌います。

2曲目の「Jubilate Deo」では3種の楽器と合わせて、多彩な音色で"喜び"を表現したいと思います。

台風の影響もあり例年以上にハラハラドキドキの関東大会を乗り越え、全国大会への切符を頂くことができました!!

過去にも楽器と一緒に歌うことはありましたが、今年はバイオリンやボンゴ,タンバリンと複数の楽器との共演に挑戦しました!
全国大会ではパフォーマンスも加えて!?、よりリズミカルに、かつ艶やかな音楽を作り上げられたらいいなと試行錯誤しております!
聴いてくださる皆さまとも一緒に楽しめたら嬉しいです!

皆で心を一つにし、また会場とも一体感のある心躍るステージになるよう精一杯頑張ります!!

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関東合唱コンクールの演奏後の写真ということ。



ありがとうございました。
「Caritas patiens est」は書かれるように慈愛に満ちた音が湧き上がってくるような作品。
ロマン派でも優れた演奏を示して下さったラ・プーラフェンテさんなら、きっと美しく安らぎの空気に包まれるような演奏になることでしょう。
そして「Jubilate Deo」はこれ以上無いほど軽快かつ華やかな作品!

課題曲の協演楽器はピアノ、自由曲は無伴奏、バイオリンとボンゴとタンバリンと、さまざまな合唱音楽のスタイルが楽しめそうなステージです。
実力も指折りの団体が、「会場とも一体感のある心躍るステージ」を目指すとどんな楽しいことになるか?
期待が大変高まります。

そして同声部門で6番目に出場のお江戸コラリアーずさんと何やらイベントがあるそうですが?

 

 


【お江戸コラリアーずさんとのジョイントコンサートやります!】
2020年4月5日に、東京都にてご活躍されている男声合唱団『お江戸コラリアーず』の皆様と一緒にジョイントコンサートを開催します!!

今回は私たちが育ってきた神奈川県「鎌倉」に会場を決め、私たちの後輩である清泉女学院音楽部とも一緒にステージを作ります!!
そんな一緒に舞台を盛り上げてくれる中高生達ですが、先日岡山県で行われた全日本合唱コンクール全国大会に出場し、中学同声部門で金賞"岡山市長賞"、高校A部門では金賞"文部科学大臣賞"を受賞致しました!!
とても頼もしい後輩たちと一緒に歌えることも楽しみです。

男声合唱団とのコラボは初挑戦なので、どんなステージが出来上がるかワクワクしております!
未だかつてない、男声×女声のジョイントコンサートです!
来年4月、鎌倉芸術館にて、皆様のご来場をお待ちしております♪♪♪
どうぞ宜しくお願い致します!!!

詳細が決まりましたら、SNSで順次お知らせ致しますので、ご確認ください!
Twitter
@oekora  
@La_Pura_Fuente

 



おおっ、確かに男声×女声のジョイントコンサートは珍しいですね。
実力団体が開催されるジョイントの今後の情報に注目です!




(明日に続きます)

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その3

 





今回は2団体をご紹介します。


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青蓮院門跡 Photo by sanographix

http://photo.sanographix.net/

 

 




昨年の観客賞同声部門1位。
さらに全部門で最も素晴らしかった「観客大賞」を受賞された男声合唱団です!

 

 

 

 

 

 



6.東京都・東京支部代表

合唱団お江戸コラリアーず

(男声87名・第62回大会から11年連続出場)




昨年の感想では

課題曲M4:信長貴富「春」、
すっばらしかった!!

あれは名演と呼べる演奏!

圧巻でしたね!
最初から引き込まれ、
最後までおえコラの空気に包まれてました。

自由曲:三善晃「縄文土偶」より
「ふるさと」も凄かったです。

おえコラの「縄文土偶」は
決して歌だけに寄せない、
ちゃんと三善先生の音楽へ
向かっている音がしました。

いわゆる「合唱」というイメージを越えた
三善晃という偉大な音楽家の本質を伝える
演奏だったと思います。

ひとつの「作品」として作り上げられた完成度の高い演奏でした。
この2曲で入場料をペイできるレベル。


…と大変好評でした。

今年のおえコラさんの課題曲はM3 まじめな顔つき(「クレーの絵本 第2集」から)(谷川俊太郎 詩/三善 晃 曲)
さて、自由曲は?

指揮者の山脇卓也先生からメッセージをいただいております。

 


皆さん、こんにちは。
合唱団お江戸コラリアーずです。
今回おえコラが演奏するのは、2016年の演奏会(信長貴富作品展 vol.2 ~錯綜する時代~)で初演した「若者たち ~昭和歌謡に見る4つの群像~」に収められているヨイトマケの唄です。
当初、この個展では新作を1つと新しい編曲ものを1つ含めたいという希望を信長先生にお願いしていたのですが、スケジュールの都合で新作だけに絞らせてほしい、という話になっていました。
ところがある時信長先生から電話があり、年末の紅白歌合戦で美輪明宏さんが歌ったヨイトマケの唄をぜひ男声合唱に編曲したい、今からプログラムに組み込むのは可能ですか、という嬉しいお話。
ぜひやりましょう、といって急遽プログラムに加えて初演させていただいた思い出の作品です。
歌謡曲をルーツにしながらも、素晴らしい編曲で合唱作品としての魅力を多く持っているこの作品をぜひコンクールで紹介したい、そういう思いで選曲いたしました。

おえコラとしては、1999年からコンクールに挑戦し始め、2009年で初めて全国大会に出場することが出来ました。
以来幸運にも毎年全国大会に参加させていただいています。
良い演奏ができた年もあれば、そうでもない時もありましたが、毎年大きな成長の機会を与えていただきました。
コンクールはやはり賞がありますので、結果を求めていないというとウソになります。
しかしそれ以上の活動を目指して特に選曲にはこだわっていました。
委嘱作品の紹介(2009年「ラグビイ」、2011年「Sämann ―種を蒔く人―」、2016年「Credo」)、あまり演奏されない作品の紹介(2010年「くちびるに歌を」、2014年「Freude soll in deinen Werken sein!」、2015年「起点」、2018年「縄文土偶」)、名曲への挑戦(2012年「バトンタッチの歌」)などです。
このような活動を評価していただいてか、委嘱作品はもちろんですが、「起点」や「縄文土偶」など未出版作品が出版されたり、「くちびるに歌を」が皆さんに愛唱されるようになったり、という嬉しいこともあり少し男声合唱の普及に貢献できたのではないかと感じています。

 



この「ヨイトマケの唄」は、山脇先生が記されているように美輪明宏さんが作られた歌です。
ただ、歌詞中に「土方」という差別用語とされた言葉があり、放送禁止歌として民放のテレビでは長らく歌うことができなかった作品。
(ちなみに「ヨイトマケ」とは建築で地固めのときに重い槌を数人で上げ下げする労働、その掛け声のこと)

 

2012年の紅白歌合戦で美輪さんが歌った「ヨイトマケの唄」は大変な評判になり、その後、2015年の紅白でも歌われています。
信長先生が見られた紅白はこの年の演奏なのでしょう。

そして、おえコラさんは今年度でコンクールを引退されるという話が上がってきていますが、その真偽は?

 


一部SNS等で話題に挙がっていますが、おえコラとしてはいったんコンクールを離れるということを考えています。
2009年の札幌大会から参加させていただいて一回り、新たな活動を考える時期かなと思ったのが理由です。
このおえコラにとって区切りの大会、何が残せるかと考えたとき、たとえ歌謡曲であっても編曲さえ良ければコンクールという場でも十分通用する、というのは挑戦するに値するなと思ったのです。
また個人的なことではありますが僕自身が父を早くに亡くし母が(力仕事ではありませんが)育ててくれたこと、開催が実家に近い京都だったことが、ぜひ今年やりたいと思った理由です。
演出をしままなぶさんにお願いし、全力でヨイトマケを演奏いたします。
このような機会をいただけたコンクールに大きな感謝を込めて演奏させていただきます。
ぜひお聞きください。

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Photo by A.Yamaguchi



山脇先生、ありがとうございました。
おえコラさんのこの「ヨイトマケの唄」は東京都合唱コンクール・中学高校の部でのゲスト出演でも演奏され、とても好評だったと聞きました。
その時の模様をよく伝えて下さる吹奏楽の方の感想がこちらです。
http://togashitecca.blog.fc2.com/blog-entry-121.html?sp


コンクール最後の年に
「たとえ歌謡曲であっても編曲さえ良ければコンクールという場でも十分通用する」という挑戦。
今までおえコラさんの数々の名演を聴いてきた自分や多くのファンにとっては寂しいことですが、その最後の挑戦を心して受け止めようと思います。








25分の休憩後、名門合唱部のOG合唱団が2年ぶりの登場です!













7.福島県・東北支部代表

合唱団L'alba

(女声24名・2年ぶり2回目の出場)



安積黎明高校のOG合唱団、L'albaさん。
「L'alba」はイタリア語で「黎明」の意味を持つということ。


2年前の感想では

団名の通り、
安積「黎明」を彷彿とさせるサウンドと演奏!

課題曲の「朱の小箱」、
さすが鈴木輝昭先生の作品を
歌い込んでいるだけはあるな、と。

とても自然体で輝昭作品を演奏していて。

そう! 色々やっているんだけど
それが自然に聴こえるんだよね。
凄いと思いました。

統一された発声、トーンをずっと保ち。
語感にこだわった柔らかい発語に魅力を感じました。

…という感想がありました。


今回は何を選曲されたのでしょう。
団員さんからメッセージをいただきました。

 


皆さまこんにちは。合唱団L'albaです。

私たち合唱団L'albaは安積黎明高校のOGが中心となり発足して4年目を迎えました。
高校生の時には3年という期限付きでしたが、卒業してからもこうして歌い続けられることに喜びを感じています。

この度は一昨年の東京芸術劇場以来2度目の全国大会のステージに立てることになり、心より嬉しく思っております。
そしてまた文吾さんにお声かけいただき、こうして記事を書いていただけることも本当に感謝です。

今回演奏いたします曲は、
課題曲「飛翔-白鷺」、
自由曲  鈴木輝昭作曲「CLANN LIR」より
「ii)D’eirigh na heiteoga geala」です。

テキストは古代ケルトの三大悲話の一つ、「Clann Lir(リルの子供たち)」(白鳥の湖の祖型といわれている)が元になっています。
継母の呪いによって白鳥に姿を変えられた4人の子供たちが、千年の間苦難の日々を送ります。
やがて呪いが解ける千年後に鳴るといわれた鐘の音によって白鳥たちが喜びの飛翔をします。
しかし故郷へ戻るもその有り様は…

鐘の音、風の息吹、呪文と魔法の言葉、白鳥の声、羽ばたき、ケルト音楽で用いられる楽器の調子を表現するマウスミュージック
…と、とにかく要素がたくさんあります。
そしてさらに苦戦を強いられるのは、現存しない言語です。
アイルランドのいわゆる古典、しかしながら現在では誰も分からない言語を、想像上の言語を私たち日本人が歌うことです。

とても難しい曲と向き合っていく中で、かつて合唱団L'alba創団当時に夢みていた、「女声合唱の世界」がこの作品を通して、ほんの少しみえてきた気がします(2年前の文吾さんの記事を参照ください)。 http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/11/15/084530

ちなみにですが、選曲時点で課題曲と自由曲のつながりは全く意識していませんでした。
超偶然白い鳥の歌つながりでした笑
というのも創団当時に私たちの恩師であり、指揮者の星英一先生から提示されていた曲でしたから。
4年の月日を経て演奏できる運びとなりました。

11/24、京都で皆さまの心に少しでも届くものがあれば幸いです。
課題曲、自由曲と2種類の鳥シリーズをお楽しみください。

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福島県大会のものということ。



ありがとうございました。
なんと2番目に出場のmonossoさんと同じく「白鷺 白鳥」の組み合わせとは!

「Clann Lir(クラーン リル)」を演奏するにあたって現存しない言語を歌う難しさを記されていましたが、鈴木輝昭先生はこのテキストを探し出すまでになんと2年の歳月を費やされたそう。
「なぜよく意味のわからない言葉を選ぶのか?」という問いに鈴木先生は「日本語の引力から離れたところでさまざまな音の形質を探りたい、という欲求があるんです。(中略)古代ギリシャ語、ラテン語、ケルトの言葉、どれも現在では死語になっているもので、しかもその後の世界の言葉の起源になっている。起源までさかのぼれば、それはより普遍的な素材として純音楽的に扱えるのではないか」…と答えられています。(ハーモニー誌 No.112 新・日本の作曲家シリーズ5より)

今回演奏される「D’eirigh na heiteoga geala」には「軽やかに嬉しそうに」という訳もあるようです。
ちなみに読みは「ジャイリー ナ ヘチョグァ ギャラ」。
別の団体の演奏を聴いた印象では非常に難曲ですが、鈴木輝昭先生の美意識で貫かれた作品です。

存在しない言語、さまざまな音楽要素から現れる「白鳥たちの喜びの飛翔」。

星先生のお言葉
「黎明の、あなたたちの声で
 もう一度女声合唱の世界がみたい。
 あなたたちにしかできない女声合唱の素晴らしさを
 世に知らせたいんだ。
 これがわたしの描いている夢なんだ。
 力を貸してくれないか。」

高校時代からずっと培われた「あなたたちにしかできない女声合唱の素晴らしさ」がステージ上から飛び立つのを見届けたいと思います。


(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その2

 




今回は観客賞の投票について!



参加資格:
「大学ユース部門」「室内合唱部門」
「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
それぞれ全団体を聴いていること。
(その部門の出演者は投票できません)



投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ

#同声合唱19

を付けて
25日同声合唱の部終演(予定13:34)から
審査発表が始まる前の19:55まで
良かった2団体を書いてツイート。


その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします!


ツイート投票の例:

メンズヴォーカル●● 漢を感じる迫力ある演奏!
▲▲レディースコア 繊細で正確なハーモニーに聴き惚れました。
#同声合唱19






ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!



そして「史上かつてない二次会」の最終案内です。
募集締め切りは明日、日曜23:59まで!
出場者だけではなく、聴かれる方も参加可能なこの大打ち上げ!
忘れずに申し込みましょう!!

 



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泉涌寺




今回は3団体をご紹介します。



昨年、初の金賞受賞。
毎回コンクールらしくない選曲で楽しませてくれる団体と言えば?





3.北海道・北海道支部代表

HBC少年少女合唱団シニアクラス

(女声55名・7年連続出場・第57回大会から8回目の出場)



HBCは北海道放送株式会社(Hokkaido Broadcasting Co.,Ltd.)の略称。
1957年に前身のHBC児童合唱団。
1965年に中学生を加えたHBC少年少女合唱団を創立。
今回出場されるシニアクラスは中学生と高校生のメンバーとのこと。
指揮は混声部門で出場のBaumも指揮される大木秀一先生。


昨年の座談会では

課題曲F3「麦藁帽子」は
まさにそれをかぶっている本人たちが
歌っているような演奏でしたね。

自由曲のホルスト「Ave Maria」は好きでした。
彼女らの良い持ち味が出ていた演奏で。

…という感想がありました。


今回の演奏曲は
F2 Kantat till ord av W. von Konow(Walter von Konow 詩/Jean Sibelius 曲)
自由曲:Kim André Arnesen「Even when He is silent」
Levente Gyöngyösi「Laudate Dominum」

「Laudate Dominum」はハンガリーの作曲家ジェンジェシの弾むリズムで主を讃え、後半はタンバリンも使う華やかな曲想の作品。
「Even when He is silent」は1980年生、ノルウェーのキム・アンドレ・アーネセンの作品。
今回演奏する女声合唱版のほかに、混声、男声版もあるようです。

 

テキストは、第二次世界大戦時、強制収容所の壁に残されていたという詩句から採られた3行です。
「たとえ太陽が輝かないときも、私は太陽を信じる/たとえ愛のないときも、私は愛を信じる/たとえ神が沈黙し給うときも、私は神を信じる」という、絶望的な状況あって発せられた余りにも力強いこれらの言葉を、作曲者は「Credo(信仰宣言)」と捉えています。
深い祈りを感じさせる緊張感あるメロディとアルネセンらしい美しく繊細なハーモニーが、希望と信仰を捨てずに生きたひとりの人間の姿を現代に蘇らせます。(パナムジカHPより)



この「Even when He is silent」をちょっと聴いてみましょうか。


 

 


…う~ん、美しい。
こういう作品をまっすぐな少年少女の合唱で聴くと特別な感慨が湧いてきます。
北海道支部大会を聴かれた方の感想では

 


安定感があり、男子が数名入る女声合唱だけど、良い意味で女声合唱を感じさせない演奏。
1曲目のARNESENは混声版があるみたいだが、女声・混声を超えた、この作曲家の特徴だった音像を明確に見せてくれたと思う。

 


…だそうです。
コンクールという競争の場の中で癒しの時間になることは間違いありません。



 



続いて「テクノロジーの力で、次世代の合唱の形を提案」?
新しいスタイルの男声合唱団が初出場です!


 

 

 

 



4.兵庫県・関西支部代表

カンサォン・ノーヴァ

(男声36名・初出場)


初出場おめでとうございます!
昨年、今年の東京国際合唱コンクールで、端正で実に練られた発声と音楽が記憶に残っているカンサォン・ノーヴァさん。
団名の由来、そしていったいどんな団体なのか?

団員さんからメッセージをいただきました。

  


カンサォン・ノーヴァです!
団名由来はポルドガル語で“新しい歌”という意味で、その名の通り従来の合唱活動を見直し、一つ先の合唱を志し活動しています!(詳細はHPへ)


HPによると2016年の創団。
活動拠点となる、いわゆる本拠地を設けず、関東支部(東京)・東海支部(静岡・愛知)・関西支部(兵庫)の3支部で活動を展開、ということですね。
さらに「360°動画とマルチチャンネル録音で、実際の練習には行けなくても、ヴァーチャルに練習に参加できるようにしました」と凄い。
 https://cancaonovachor.com/

 

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4chマルチ録音をしながらの練習風景とのこと。

 


さて、今回はどのような曲を選ばれたのでしょう?

 


今回の選曲は、①演奏機会や録音媒体が少なく広く知られていない素晴らしい楽曲を発信したい、②多様・多彩な男声サウンドを披露したい、という想いから選曲しています。

課題曲M3『まじめな顔つき』。
クレーの絵に谷川俊太郎が添えた詩を題材とする男声合唱組曲の1曲。
クレー自らも従軍経験を持ち、ナチス政権時には弾圧を受け、晩年は難病を患う苦難に満ちた一生だった。
人間のもつ恐ろしさや残酷さ、普遍的な人間の側面を、作曲者曰く“遠近法”と表すアイロニカルなニュアンスをもって表現する。
声色の変化やポリフォニックな動きに注目です。

自由曲①、混声合唱のための“風の馬”より『第二ヴォカリーズ』。
12人の女声と12人の男声のために作曲され、女声・男声・混声を組んだ珍しい構成の組曲。
風の馬とはチベット遊牧民族が次の移動先を定めるための占いのこと。
一条の縄が張られ色取り取りの民族衣装の切れはしが吊り下げられ、やがて風が吹き一斉に色彩豊かにたなびき、人々はたなびく方へ移り進んでいく。
神秘的な情景を想起させる和声・緩急の変化に注目です。

自由曲②、『Benedicamus Domino』。
ペンデレツキはポーランドを代表する作曲家で彼の音楽の背景にはナチスによる迫害・ソ連占領など不遇の歴史を感じさせる。
本曲でも人々の苦しみや悲哀が蠢くようにヘテロフォニーを形成し進行する。
終盤、自由を求める叫びにも似た願いのように”Alleluia”と唱え、各声部に広がる。
天から射す一筋の光のように完全5度で劇的に曲を終える。
粘着質なmolt legatoに注目です。

自由曲③、男声六重唱のための“手作り諺”より、終曲『A farewell gift』。
キングス・シンガーズによって委嘱。
個性のあるものではなく普遍性を得たもの=(手作り)諺。普遍的な人と人との出会いと別れ、刹那的な時の移ろいの切なさ、同時に名残惜しむ相手がいることの尊さや喜び…。
そうした感情を風の馬とは異なる武満の世界観で描く。
温かく柔らかな息遣いに注目です。

念願の初全国大会です!京都の地に立てること本当に楽しみです!
ご期待下さい♪

 

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ありがとうございました。
武満徹の、アフリカ・バンツー族に伝わる優しい旋律を元にした「第二ヴォカリーズ」と、美しい曲想「A farewell gift」の間にペンデレツキを挟むという興味深い選曲。
男声合唱作品のさまざまな魅力、響きなど、カンサォン・ノーヴァさんの意識の高さが現われるようです。
個人的に「A farewell gift」は好きな曲なので聴けて嬉しい!
涙が掌に落ちてしまうような演奏を期待してしまいます。

さらに指揮者の下薗大樹先生は1990年生まれで、大学ユース部門を除けば混声合唱部門に出場のI.C.Choral指揮者:村上信介先生と同じ、最年少指揮者!
若き指揮者と若い合唱団が生み出す「新しい歌」に注目です!






続いて「言葉の魔術師」が率いる男声合唱団です。

 

 

 






5.大阪府・関西支部代表

メンズ・ウィード

(男声37名・2年連続出場・第49回大会より5回目の出場)




指揮者は混声合唱部門で「混声合唱団 うたうたい」も振られる高嶋昌二先生。
淀川工科高校グリークラブOBの方々が中心の団体です。
昨年の全国大会では現役生もステージに乘られたとか。

座談会では

課題曲M4「春」、良い始まり。
フレーズの中で語感をちゃんと
出していました。

こぶしと言ったら言い過ぎだけど、
音価の中で言葉の色彩を変えていく、
ゆらぎのようなものが上手でした。

合唱がやはり説得力というか、
「歯ごたえのある音」。

…という感想がありました。

今年の演奏曲は課題曲M4 物語(「Enfance finie」から) (三好達治 詩/木下牧子 曲)
自由曲は木島始 詩、三善晃 作曲 二群の男声合唱とピアノのための「路標のうた」


淀工グリー(すみません、親愛を込めての略称です)の「路標のうた」と言えば思い出す演奏があります。
1992年、仙台で行われた第45回全日本合唱コンクール全国大会。
私は後で録音を聴き、ステージ写真を見たのですが、下手側に車椅子の少年がいたんですね。
ハーモニー誌の記事を読んで驚きました。
車椅子の少年は白血病を押してステージに出たのだと。
そして見事淀工グリーは金賞を受賞し、高嶋先生はその子に「おまえのおかげや」と金メダルをかけたという。
それから程なくして、その少年は亡くなられたと…。


「路標のうた」の詩にはこんな箇所があります。

寝たきりのときには 歩く夢 駆けだす夢
匍いずりまわるときには 踊る夢 飛び立つ夢


木島氏の詩と三善先生のこの「路標のうた」は、自分にとっても折々に路標、道しるべとなった作品です。
生きていく上で必要な力を、この作品から度々与えてもらったという実感があります。

この京都で聴かれる人にも、それぞれの路標が見つかるような、そんな演奏になりますように。



(明日に続きます)

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その1




2日目、11月24日 日曜日




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ロームシアター京都
(Wikipediaの写真転載。ライセンス確認済み)




昨日までは室内合唱部門への出場団体をご紹介していたこの企画。
午前10時から開場、10時半からオープニング、同声合唱部門の始まりです。


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男声、女声が出場するこの部門。
全11団体中、今年は女声が7団体と多め。

さらにこの同声部門の特徴をあげると「年代の幅が大きい」ことでしょうか。
同じ男声・女声でも、年代が違えば、これほど印象が違うと驚くかも。
若い年代の純粋さ、または人生経験がにじみ出た演奏など、それぞれの年代の良さを発見することになるかもしれません。

さらにこんなプロモーションも!

 


#全国大会で朝カツ推進運動


これは私も推進しないわけにはいきません(笑)。
みなさま、どうぞ遅刻などなさらないようお気を付けて。
ぜひぜひ、最初の団体から聴きましょう!


同声合唱部門のトップバッターは、もちろんこちらの団体です!

 

 

 

 

 


1.島根県・中国支部代表

女声合唱団フィオーリ
https://twitter.com/chor_fiori

(女声30名・3年ぶりの出場・第45回大会から18回目の出場)



フィオーリさんは3年前の出場時には三善晃作曲 こどものための合唱組曲「オデコのこいつ」より「けんか」「なぜ」を丁寧に演奏され、音色、表情変化も巧く、語り口も優れていた記憶があります。

 

今年の課題曲はF4 その木々は緑(「その木々は緑」から)(覚 和歌子 詩/横山潤子 曲)
さて、自由曲に凄い作品を持って来られたそうですが?

フィオーリ団員さんからメッセージをいただきました。

 


令和元年は私たち女声合唱団フィオ-リにとって変革の年となりました。
結団から34年、今年の第30回記念演奏会にあたり、初めて委嘱作品に挑戦することにしたのです。
作詞 金丸桝一、作曲 信長貴富「そうそうと花は燃えよ」という単一楽章の大曲を、以前から師事している雨森文也先生の客演指揮、初めてお招きした平林知子先生のピアノで演奏するという、とてつもなく高い山に登るような心持ちで取り組みました。

 「そうそうと花は燃えよ」は、“人はなぜ生きる”と生涯問い続けた詩人金丸桝一の長編詩です。
―地球において時は水のようにそうそうと流れていく…今、この一瞬に、そうそうと燃え上がる花のように、人生の日暮れを告げる錚々(そうそう)とした鐘の音のなかでも、最期まで怒り狂うほどに懸命に生きよ―それは決意であり、私たちへの励ましではないかと感じています。
この素晴らしい詩に、信長先生の美しく壮大なメロディーが一層の輝きを与えてくださりました。
冒頭のメインテーマからさっそく、新しい信長ワールドに引き込まれてしまうことでしょう。

初演に向けて、信長先生ご本人から音楽の意図を細かく伺い、柔和な人柄の中にも音楽への妥協はしない強い意志を感じ取って、この曲と向き合ってきました。
練習を重ねて新しい音楽を育て、この度の全国大会で多くの皆様に演奏を聴いていただけることに、喜びをかみしめています。
コンクールでは、演奏規定用のショートバージョンをお届けします。
初演ノーカット版は、来年の定期演奏会で、常任指揮者 石橋久和先生による再演が決まっております。
同時に名曲「百年後-タゴールの三つの詩―」の公募合唱も予定しております(詳しくはSNS参照)。
2020年7月5日(日)は島根県松江市のプラバホールへぜひお越しください。
パワーアップしたフィオーリの演奏をお楽しみに!!

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(左)今年6月の演奏会舞台袖での撮影。
(右)演奏会後、先生方へ感謝の気持ちを込めてサプライズで歌のプレゼントをしているところだそう。



ありがとうございました。
なんと委嘱作品の演奏団体が1番目なのは、前日の九大混声合唱団さんと同じ!
しかも作曲家は同じ信長貴富先生!
これは面白い偶然ですね。

さて、いただいたメッセージからも「私たちの歌」として、並々ならぬ想いが伝わってきますが、それもそのはず。

 

わたしたちの団名であるフィオーリはイタリア語で“花”。
信長先生がいつかは取り組みたいと思っておられた詩の題名に“花”が入っていたことが作曲のきっかけになった、と演奏会の解説に寄せてくださいました。

 

…ということ。
信長先生ご自身の「作曲人生の重要な場面でいつか手がけてみたいと願っていた詩が『そうそうと花は燃えよ』だった」という言葉もあり、作曲家、演奏者ともに熱い想いがこもった作品のようです。
演奏を聴かれた人の言葉には

フィオーリさんの自由曲、初演聴きましたがとても素晴らしい作品でした。

フィオーリさんの信長さんの委嘱曲は本当に聞き応えありです!


このような賞賛の言葉がいくつもあり、期待が高まりますね。

結団から34年という歴史で初めての委嘱初演。
またそれに充分応えられた作品ということは、団員さんのメッセージから伝わります。 

 

そうそうと燃え上がる花のように、人生の日暮れを告げる錚々(そうそう)とした鐘の音のなかでも、最期まで怒り狂うほどに懸命に生きよ―それは決意であり、私たちへの励ましではないかと感じています。

「それは決意であり、私たちへの励まし」
フィオーリのみなさんの心からの共感、その言葉と歌が、今度は聴く私たちの決意や励ましになりますように。

 

 






結成して4年、月1回集まっての練習、さぬきの女声合唱団と言えば?

 

 

 

 

 





2.香川県・四国支部代表

monosso

(女声43名・4年連続出場)



9月29日(日曜日)
高松の女声合唱団、monossoさんの練習を見学させていただいた後、
指揮者の山本啓之さんにお話しを伺いました。

 

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今回の演奏曲を選ばれた理由からお聞きしたいんですが。
課題曲がF3:髙田三郎先生の「白鷺」。
そして自由曲が新実徳英先生の「はくちょう」。
…これって、「白鷺と白鳥を並べると面白い!」みたいな?


「違う違う!(笑)
 まず自由曲から先に決めてたんや。
 昨年の全国が終わってすぐに楽譜準備してたもん。
 それからよ、課題曲が発表されたのは」


そうなんですか。
では課題曲に「飛翔 ― 白鷺」を選ばれたのは?


「髙田三郎先生の作品を
 monossoの若い人に歌って欲しかった。
 言葉の咀嚼や日本語に向き合うという意味で
 ”課題”曲としてやるべきだと。」


髙田先生らしい美しい旋律と言葉の噛み合いが魅力ですね。


「そう、monossoのみんなも
 もう少し言葉に執着してくれると…。
 難しいのは言葉のどこがエェ塩梅か?ね。
 やり過ぎも良くないし。
 全部同じようなわけにもいかんし。
 たとえば 『くりかえし雪となり』 という箇所は
 また新しく雪に生まれるという
 優しい言葉と音にしたいし。
 音と言葉のタッチをいっしょに作らないと。
 だからいまエェ塩梅を探しとるところやね。」


先ほどの練習ではピアニストの酒井信先生とも
テンポについて綿密にやり取りをされていました。
ピアノが重要な曲ですよね。


「そうやね、酒井先生、大変やろうね」


他人事のように…(笑)。


「いや、酒井先生、カンがええしね(笑)。
 ついつい注文をつけてしまう。
 丁寧にやってどんどん遅くなっていくんじゃなく、
 Andanteと書かれたものにどこまで留まれるか?
 ちゃんと一歩一歩音楽が進んで行かんと。」


ピアノの右手の特徴的な音型を
「白鷺がさまよっている」と
表現されたのが良かったです。


「そうね、さまよってる。
 白鷺がどこへ行くかわからない感じ。
 あの音型、最初は酒井先生も
 『まちがっとんのかな?!』
 みたいな顔しとったからね(笑)。

 詩もそうだけど、あの音型のように
 白鷺がさまよい、どこかへ行き、
 戻ってきて完了する。
 そういう白鷺の姿を通して、その儚さや苦しさ、
 そして喜びといった、人生を表したような、
 深みがわかるような演奏ができたらええね、と。」


なるほど…。
続いて自由曲の新実徳英先生
女声合唱とピアノのための「西風のうた」から
「はくちょう」なんですが。
実はこの曲、約30年前にラジオで
福岡の西南女学院高等学校音楽部さんの
演奏を聴いてからずっと好きな曲で!


「あ、そうなんや。
 自分もちょうど同じくらいに聴いたな。
 大学の1個下の後輩に西南女学院の妹さんがおって。
 練習も聴かせてもらった。」


へー!


「大学から合唱を始めて、
 まだいろんな曲を聴いていないときに
 あの『はくちょう』は衝撃的やった。」


川崎洋氏のひらがなで書かれた詩が幻想的で。
新実先生の音楽もその雰囲気のまま夢見るような。
でも、今までの山本さんの選曲からすると
路線が違うような気がするんですが?


「ああいう作品は発声を良くするためには
 意外と向いてたりするんやね。
 パーツを磨かなければいかないし。」


技術的な向上に必要な選曲だったと?


「もちろんそれだけじゃなく、
 淡い幻想的な世界の作品を
 たまには演奏したいな、と。
 『はくちょう』の女声でしかありえない儚さとか、
 混声にはない良さだもんね。
 MODOKIじゃ絶対やれんし!」


(笑)。


「他にもヘテロフォニーやクラスターの音響。
 こういった幻想的な響きにどう想いを込めるか。
 あと、新実先生のヘテロフォニーなど
 新しい挑戦を始めた頃の作品って
 最近はそんなに演奏されんやん。」


そうですね。


「30年経って
 新実先生の音楽の変遷をもう一回たどりたい。
 もう一回探してみたいというか。
 そして、この曲が30年前に作曲されたことの凄さに
 びっくりして欲しいというか。

 『はくちょう』もピアノが非常に重要なんやけど…。
 でも、白鷺と比べてピアノの役割も違う。
 歌の役割も違う。
 すべてが違う。

 同じピアノと女声という邦人合唱曲で、
 鳥を題材にしてもこんなに違うというね。
 だから、この選曲は偶然という名の必然!」


おお!


「そして自分の干支はトリ年!」


…やっぱり狙ったんじゃないんですか?


「絶対違うから。」

 

  

 

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四国支部大会の写真ということ。

 


酉年の指揮者が選ばれた、
「白鷺」と「白鳥」という2曲。
対照的な音楽の選曲の妙を楽しみにしたいと思います。
山本さん、monossoのみなさん、ありがとうございました!



(明日に続きます)