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合唱団訪問記:CANTUS ANIMAEさん その2

 

 

 

 

合唱団訪問記「CANTUS ANIMAE」さんの完結編です。

 

 

 

 

 

 

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「合唱団訪問記」

 第2回その2
「CANTUS ANIMAE」さん訪問記

 

 

 

 ・・・さて、雨森先生の指導はっ?!
 

 曲のイメージを表現するのに、
ここまで命かける?!、っつーか(笑)。
 とーにかく「この曲の魅力を伝えてやるぅ~!!」の
意気込みがハンパじゃないのだ。


 練習会場中


 歌い!

 踊り!!

 走り回る!!!


 「こう歌うんだ!」と団員に走り寄って急接近したかと思うと
次の瞬間には曲のイメージを伝えるために
ピアノの影に隠れイヒイヒ笑ってみせる(笑)。

 その姿は、合唱指揮者、というよりはむしろ役者。
 「メガネをかけた若き日の野田秀樹」
 ・・・と言ってもよろしいかと!
 (「夢の遊眠社」、むかしむかーし1回だけナマで観た~。
  あの時の
 「イキオイつけて、90度のカベまで駆け上っちゃう
  『若き野田秀樹のイメージ』」に重なるんです!)


 もっちろん、「それ系」の合唱指揮者には、
「じぶんに陶酔型」の人も多くいるけど、
雨森先生はぜーんぜん違う!

 合間あいまに、ちょっと凝った和音の時は、
「音の重ね方」のような
基本的な練習をしっかりするし。
 それで、ちょっと団員の集中力が落ちてきたかと思うと、また
「野田秀樹」状態(笑)に戻る。


 「合唱への情熱」を誰よりも持ちながらも、
 客観的に物事を観て、
 それに臨機応変に対応する柔軟性と
 アタマの回転の速さ、をとても感じた。


 そして意外だったのが
 団員に対してぜーんぜん怒らない事!
 
 ベースが同じ所を何回間違えても、
(音取りを始めて、間も無い時だったらしい。念のため)
ぜーんぜん怒らないし、不機嫌にもならない!
(後で「この日だけか?」と思って念のために団員に聞くと
『今まで一度も怒られた事、ないですよ』、とのこと。スゲ~)

 その練習に対応する団員さんの態度もスバラシイもので。
 そういう「一見」フザけたような練習なら、
そのままズルズルと合唱と関係ない話に花が咲いたりするものだが。

 全くそんなこともなく。
かと言って、雨森先生の「パフォーマンス」を
引いて「流す」、ワケでもない。

 積極的に先生のボケやツッコミに高速で受け答えし、盛り上げ、
練習の雰囲気作りに役立ったかと思うと
「サッ」っと、「うた」の練習に戻る。
(今まで、いくつかの合唱団の練習を見てきたが
 練習中こんなに「笑い声」があがる、という合唱団、初めて見た!

 多くの団員がこれをやってるのを見て
 「おっとなだな~」と、つくづく感心してしまったのだ。
 (ちなみに、この日の練習は、これでも「テンション低め」だそう(!)


 「CANTUS ANIMAE」さんの演奏は、
少人数の合唱団にありがちな「内部へ、内部へ・・・」と
閉じこもるような印象がほとんど無い。
 むしろ、外へ!と大きく開かれている印象である。
(後で団員さんが
 「少人数に不向きな団員が集まる少人数合唱団」…と笑っていたが)
 この積極性、演奏と無関係な事はないだろう。


 練習を見て感心した事は他にもあって

 「団員のほとんどが筆記用具を握っている」
 (特に女性はパーフェクト!)
 指揮者の指示を瞬時に書き込めるように、楽譜を持ちながらも
必ず右手には筆記用具を持っているのだ!!

 さらにマイ・キーボード、マイ・ピッチパイプで練習中、
音を確認する人が数名。

 (練習中、指揮者に
 「ちょっとその音出して!」…と言うのも、そりゃいいよ。
 でもさ、本当に時間がもったいない、と思ってるなら
 個人でぱぱぱっ、と取っちゃった方が、
 練習はスムーズに進むよね)

 そして、指揮者との間に置かれた録音器具の多さ。
 この日は4つ置かれていたけど、20人弱、の合唱団で、
この数はちょっとスゴイと思わない?


 ・・・そして極めつけ。

 この練習会場には




     「イスがない!!」


 3時間立ちっぱなし、だぜお客さん。(休憩はあるけど)
 重ねて言うけど、30代後半が平均年齢の合唱団、ですぜ。
 40代、50代、の人も結構多いのだ。それが・・・。


 後で発声を担当していたIさんに話を聞いた所
 「少ない練習(週1回)で、たくさんの事をやるんだから当然ですよ」
 ・・・と、別に何でもないように言われてしまったが。

 でもさ。思うんだけど、立ちっぱなし、はともかく
(カラダへの負担は人それぞれだから)
右手に常に筆記用具、録音器具やキーボード、って
そんなに苦じゃないよね?

 これって、自分自身、今まで入っていた合唱団の練習を
「密度の薄い」、ものだと思ってたのかな~、と反省してしまった。

 指揮者の指示も、楽譜に書き込まない。
 「大切な事なら、何回も言うでしょ?
  書かなきゃ憶えられないことなんて、音楽的に不自然だよ」

 1回で音が取れなくても「ま、次の練習があるからいっか」

 ・・・そんな風に思っていた自分がいるのは否定できない。



 ほんとうに「密度の濃い」練習が22時に終わって、
当然のように飲みに誘われた(笑)。

 話をうかがうと、男性団員の多くが掛け持ちをしており、
 「淀川混声」さんの団長さんもメンバーなのだが、
水曜日に出張なので、この団にしたそう。
 (ちなみにこの方、「なにわコラリアーズ」のメンバーでもある!)

 人数が少ない事の大変さ、は想像以上だったが。
 (オフレコ!と言われたのでほとんど書けない~。
  でも。
  どこかの水曜の午前かお昼に練習する「お母さんコーラス」
  木曜に練習する「学生合唱団」、が
  雨森先生を常任指揮者に呼ばないものかな~、と切に願う!
  だって、雨森先生、ほとんど毎週練習にいらっしゃるのだ。
  ・・・岐阜から


 それでも色々な話を聞いて、
 傍目には「いい加減」に見えても、
実はしっかり、締めるべき所は締める!
・・・この辺が、本当に感心してしまった。

 何回も書くけど、
「オトナの合唱団」って、こういうのを言うんだよね~。

 他人から言われなくても、
自分と周囲を良く見つめた上で積極的に行動する、ということ。

 …できそうで、なかなかできないんだけどね。



 どうか、あなたが東京に寄った際。
 その日が水曜で、
 もし午後7時から予定が無かったとしたら。

 どうか、井の頭線は高井戸駅の「高井戸教会」を尋ねてほしい。

 雨森先生と、団員の方達の練習から、
なにか感じるものはきっとあるはずだから。


 
 今回の「合唱団訪問記」では、雨森先生のことば、を載せなかった。
 なぜなら、こんな素晴らしい文章があるから。

 「CANTUS ANIMAE」HPは
「文豪の部屋」の「リンク集」にも載せているが、
まだ読んでいない方は、
 「CANTUS ANIMAEはどこへ行くのか」の文章を、
ぜひとも読んで欲しい。

(2016年注:残念ながらリンク切れです)

 

 多くのアマチュア(プロもか?)合唱団の団員が描く夢を、
こうまで明確に文章にされると
「・・・くぅ~~~~っ!」、って感じだ。




 映画「ラ・マンチャの男」(ドン・キホーテが主人公)で
「見果てぬ夢」という歌がある。



見果てぬ夢を追い、       

不敗の敵と戦い、       

耐え難き悲しみに耐え、     

勇者も恐れおののく地へ行こう。





 「CANTUS ANIMAEはどこへ行くのか」を読んで、
やはり「見果てぬ夢」と、評す方もいるだろう。
 そう評す方の顔が、私には見える気がする。

 だが、雨森先生と、団員の方達の表情を見ていると
それが決して「見果てぬ夢」に思えなくなってくるのが不思議だ。


 ・・・わたしは、CANTUS ANIMAEを、断固支持する。


 (おわり)