コーラスガーデン IN SAGA レポートその9


うわあ!「指揮者の独り言」ブログ連載の
「史上かつてなく名残り惜しい演奏会」が
36回で終わっちゃいましたよ!


http://talk21self2.blog111.fc2.com/


いやあ、ぜんぱくさん、大変、大変っお疲れ様でした。
超熱い演奏会と指揮者と合唱団に負けない超熱い文章でしたね。
私も道半ばですがあの演奏会の感想を書く苦労を考えると…。
みなさん、ぜひお読みください。



私もブログの更新頻度が下がっていますが・・・。
うーん、この暑さで毎日残業して土曜日も出勤、ということで
帰ると速攻シャワーを浴びて倒れるように仮眠という日々。
疲れてます。ごめんなさい。
まあそれでも1日3行ずつ、ぐらいのスローペースで
進めていければなあ、と。
(東京旅行記の続きも書きますので気長に待っていてください!)


さて、ぜんぱくさんの熱さには到底及ばないローテンションで
私の感想は続きます。
あれ・・・まだ単独団体なの・・・。



関西の団体がその後に。
…って「関西」というくくりでは語れませんね、
もはや全国的な知名度となった
クール・シェンヌ(奈良)の登場です。
上西一郎先生の指揮。ピアノは浦史子先生。


William Byrd の「Ave verum corpus」最初の一音から
会場が変わったような錯覚にとらわれます。
リッチ、という形容詞がふさわしいこの豊潤な響き。
佐賀市民会館が音楽専用のホールになったような。


「会場を味方につける」という言葉がありますが
その言葉の本来の意味とは違って
上手い合唱団は文字通り会場の空気が味方になったように
他の合唱団とは異なる聞こえ方をするものです。
それも今までの団体は決して低い水準どころか
全国屈指の団体ばかりだというのに!


一音一音、何気ないフレーズにも説得力があり、
まるでギリシャ彫刻のような光と影を感じさせます。


続いての
Salve Regina(曲:Moritz Hauptmann)では
始まりの空気!その明るさ!
Trauergesang(曲:Felix Mendelssohn)でも
軽やかさ、柔らかさを充分に表現しながらも品格を失わず、
矛盾するようですが深さを感じてしまうほど。



後半は千原英喜先生の作品が3曲続きます。


Ave maris stella −花も花なれ、人も人なれ−
(ラテン語聖歌・摩可般若波羅蜜多心経・細川ガラシャ夫人の和歌
 曲:千原英喜)


ラテン語聖歌と般若心経の異なる2つのテキストが同時進行する不思議さ。
それがやがて和歌の美しい叙情に結ばれる曲。
シェンヌ初演の曲だけあって、
3曲の中で私にはこの曲の演奏が一番気に入りました。


混声合唱とピアノのための組曲「雨ニモマケズ」から 2「告別(2)」
(詩:宮沢賢治 曲:千原英喜)
を挟み


古の君へ(詩:平元慎一郎・坂口愛美 曲:千原英喜)
作詞は当時奈良高校の学生さんの二人で、
万葉の心を現代によみがえらせた詩だそう。


千原先生っぽいアカペラ前奏からピアノが入り・・・
うーんなるほど、一昔前のJ-POPのような〜。



この千原作品という日本語の楽曲も
シェンヌは非常に水準の高い演奏をしたのですが、
ただ「日本語の発語」という視点から聴くと違和感が。


響きが深く、日本の合唱団離れしたシェンヌ。
それ故に
「海外の合唱団が無理して日本語を歌っている」ような印象に。



もちろん響きが深い声楽家でも明瞭に日本語を聴かせる方はいますし、
この千原作品が日本語を聞かせるという面では
シェンヌと相性が悪い事も考えられます。
(そういう意味では比較的明瞭に日本語が聞こえる
 例えば林光作品をシェンヌが演奏したらどうなるか?
 などという思い付きも出てきますが…やらないだろうなあ)


直前に大分ウィステリアでの
日本語曲の明瞭な歌唱を聴いたのも影響しているはずです。
ただ日本語の発語以外は全てにおいて
高い演奏水準を保っていたシェンヌだけに「惜しい…」という気持ちに。


しかし、こういう感想が出てくるというのも
我ながら面白いな、と思います。


「海外の合唱団が無理して日本語を歌っている」ような印象、って
日本中、いくつの合唱団がそんな風に思わせられるか?!
クール・シェンヌはそういう団体なのだと思います。



続けて「合唱団ある」(広島)の登場。
団内指揮者おふたりの福原泰弘先生の音楽はどちらかと言えば繊細。
ピアノも弾く松前良昌先生はどちらかと言えばおおらか。


指揮者が君臨するのではなく、
団員と指揮者、お互いが音楽を持ち寄るような雰囲気で
ハインリッヒ・シュッツ、サンドストレム、信長貴富
ポピュラーソングを演奏しました。
最後に「ある」名物、笛吹の人が踊り出て喝采を浴びていましたね!




(続きます)