「コンクール出場団体あれやこれや:出張版」2010(最終回)


Web文通相手さん
とっくの昔に最後の団体を終え、
もう西宮入りしているそうです。
いいなあ・・・。


ではラストスパート、行きますよ!




13. 宮城県・東北支部代表
合唱団Épice
(混声50人・4年ぶりの出場)



「Épice」とはフランス語で「香辛料」という意味。
この名前には団員各々の持ち味を活かし、
深みのある、そして時にはピリッと辛みの効いた演奏を
作っていきたいという願いが込められています。
(熊本大会のプログラムから)


1997年の創立というから今年で13年。
おっと、13年目で13番目の出演順!(どうでもいい)


4年前の全国大会では
>なにより凄く「上質な音世界」を目指している!
>…という印象なんです。
>宗教的な祈りだけではなく、
>音も響きも「天へ向かっている」というような。
>サウンドの狙うところにかなり好感を持ちました。


などと感想を書いていますね、私。


指揮者の早川幹雄先生は
宝塚国際室内合唱コンクールで
仙台の別合唱団を指揮されていましたが、
そこでも響きへの意識の高さ、
押し付けるのではない、
しかし確実に備わっている独特の緊張感が特徴的でした。


今回の課題曲はG2
うむ、その響きへのセンスが活かせそうな選曲です。
そして自由曲はRautavaara「Suite De Lorca」より
「 El Grito(叫び声)」
S-D.Sandström「Hear My Prayer,O Lord」
(私の祈りを聞き入れたまえ、主よ)



Épice団員のでぷれさんに紹介文をお願いしました。

課題曲がG2のヴィレット
自由曲はRautavaara作曲
"Suite de Lorca"より『El Grito』(叫び声)
Henry Purcell 作曲/ Sven-David Sandström 編曲
『Hear my Prayer, O Lord』です。


SandströmのHear my Prayer, O Lordは、
指揮者の早川先生が
5年前にパナソニック合唱団の演奏を聴いて感銘を受け、
ずっとあたためてきた、名曲中の名曲です。
何もなくなったような荒れすさんだ風景のなかに、
神の救いを請う無数の『叫び』が渦巻きます。
叫びは徐々に激しくなり、乱れ、均衡を失ったように見せます。
同じテーマを取り上げた『El Grito(叫び声)』は、
鬼才を放つG. F. Lorcaの詩によるもので、
非常に芸術的で鮮やかで、どこか影のある曲です。
また、課題曲のO mangun mysteriumも、
キリストの誕生に対する歓喜の『叫び』を上げています。
今回のコンクールの選曲は、
人間の感情が溢れる瞬間をテーマに取り上げました。
叫びの中にあるもの、叫びの先にあるものを、
混沌と、しかし明確にお届けできればと思っています。

でぷれさん、ありがとうございました!
(急なお願いに迅速に応えていただき、
 本当に感謝しております)


「人間の感情が溢れる瞬間」がテーマとは面白いですね。
それは合唱団Épiceが今回扱う「叫び」であったり、
言葉にならない「うた」だったりするのかもしれません。


自由曲2曲目の「Hear My Prayer,O Lord」は
17世紀の作曲家Henry Purcellの同曲を
編曲…というか素材にしているもの。
原曲を聴いてみて
Sandströmがどのように現代へ問う音楽にしているのか
Épiceの音楽で確かめてみるのも面白いと思います。



でぷれさんは写真も送ってくださいました。
こちらにも感謝です。


7月に銀座の王子ホールで演奏した練習風景をお送りいたします。
昨年委嘱したなかにしあかね先生の「原体剣舞連」を、
あかね先生の作品展で演奏した際に撮影したものです。

宮城の合唱団が東京・銀座で演奏会、
そして委嘱初演とは実に活動的。
意欲ある合唱団Épiceの『叫び』、楽しみです!














14. 東京都・東京支部代表
創価学会しなの合唱団
(男声75人・4年連続出場)



課題曲はM4の新実徳英「ばら・きく・なずな」
(「花に寄せて」から)


自由曲は、おお、これは凄い。


三好達治詩・三善晃作曲
男声合唱のための 「王孫不帰」から「I」


戦場から戻らない息子を思う老父母の嘆き。
謡いの拍節や律法を用い、
ピアノだけではなく、鈴、木鐘とも協奏し、
「はたり」「ちょう」などの掛け声を効果的に挟み、
「王孫はつひに帰らず」という絶唱が胸に迫る曲です。



1970年法政大学アリオンコール委嘱作品。
三善先生のこの曲へ対する文章をまとめたHPも。



練習をたくさん積み
怒涛のように攻める表現力を得意とする
しなの合唱団。
おそらく今年も一般部門で一番若い指揮者であろう
えーとにかく28歳笠置英史先生の妖しい魅力も楽しみです!















15. 大分県・九州支部代表
大分市民合唱団ウイステリア・コール
(混声44人・3年連続出場)



大分ウイステリアって言ったら
何と言っても今年3月のコーラスガーデンでしょ!


…いやあ、あのポピュラーステージは練に練られた歌唱、演出に
大いにウケ、楽しみ、そして唸りました。


どちらかと言うと「おとなしめ」な印象の大分ウイステリア。
しかし過去にはポピュラーステージだけではなく
追分節考」で私とぜんぱくさんを号泣させるなど
思いがけない、嬉しい隠し玉を見せてくれる合唱団です。


さて、今年の演奏曲はどうなんだろう・・・。
これは指揮者の猿渡先生に聞くしか無いっ。
でも昨年はメールトラブルがあったからなあ。
今年はなんとしても!と思ってメールを送ると…

今年もまた依頼があるだろうと思って(笑)、
すでに原稿を用意していました!

えっ(笑)



文吾 様


大分市民合唱団ウイステリア・コール
指揮者 猿渡 健司


今年のコンクールについての雑感


課題曲:
・G1 Ne timeas Maria(Tomas Luis de Victoria曲)
自由曲:
・Ave verum corpus
(Ariel Quintana アリエル・キンタナ曲)
          
・「Mass From Two Worlds」から Credo (同上)


 指 揮:猿渡 健司
 ピアノ:後藤 秀樹


課題曲は、いつのもようにG1を選びました。
ウイステリアにとってポリフォニーを毎年歌えることは喜びであり、
そのことで新しい団員もすんなりと
ポリフォニーに馴染むことが出来ています。
大天使ガブリエルから受胎告知される聖母マリアはまだ14才。
不安におののく彼女に
受胎を受け入れることを決心させたガブリエルは、
一体どのような音色の声だったのでしょうか。
きっとこの上なく優しい歓びに満ち溢れた響きだったと思います。
そんなガブリエルの声を果たして再現できるのか…。


自由曲は、昨年に引き続きキンタナの作品を選びました。
「Mass From Two Worlds」については昨年の定演で演奏し、
「Kirie」・「Gloria」をコンクールに持っていったのですが、
時間の関係で「Credo」だけカットしていたので、
せっかく高い楽譜を買ったのにもったいない(笑)
という単純な理由から今年の自由曲に選びました。
また「Credo」だけでは短いので、
同じくキンタナの小品
「Ave verum corpus」をカップリングしたのですが、
今度は制限時間の8分半に納めるのに一苦労(笑)
時間を気にしながらの演奏になりそうです。
ミサ曲の中でも「Credo」は最も劇的な内容であり、
キンタナの曲もピアノ・ソプラノソロを伴った
壮大なストーリー仕立てになっています。
ウイステリアの今までのイメージを覆すような
気迫溢れる演奏が果たして出来るのか…。

いやあ猿渡先生、素晴らしい解説ありがとうございました!
昨年、キンタナの自由曲は美しく優しい世界を
繊細に表現されていたのが魅力的でした。
今年の「Ave verum corpus」は
まず優しいメロディが耳に心地良い曲。
さらにそれだけではない劇的な表現の「Credo」が
どんなものになるか楽しみです。

1950年創立のウイステリアは、
今年創立60周年を迎えました。
来年は創立60周年記念として、
ヘンデル オラトリオ「メサイア」の公演を
11月26日(土)に大分県民芸術祭閉幕行事として
行うことが決定しています。
指揮は大谷研二、管弦楽は九響メンバーによる九州室内合奏団、
ソリストには大分出身でBCJの野々下由香里(ソプラノ)
アルトには文吾さんお気に入りの波多野睦美さんが決定しています。
ということで来年は全国に推薦されるかどうかは分からないものの、
コンクールには不出場となります。
そういった意味で今回全国推薦いただいたことはラッキーでした。
神戸では錚々たる一般Bの中で、
こじんまりとはしていますが精一杯演奏したいと思います。
                                      以上

ありゃー、来年大分ウイステリアはコンクールへ出ないんですか。
なんか寂しいなあ・・・。


>指揮は大谷研二
>アルトには文吾さんお気に入りの波多野睦美さんが決定


・・・伊東恵司さんの言葉じゃないけど、
1年くらいコンクール全国大会を聴かずに
大分へ行くってのもアリじゃないだろうか?



それはともかく、
ウイステリア団員のくさかさんから
たくさんの写真を送っていただきました。
ど・れ・に・し・よ・う・か・な。


…うん!コーラスガーデン打ち上げのこの写真にしましょう!
飯倉貞子先生も写ってるしね!!





くさかさん、ありがとうございました。
猿渡先生はじめ団員のみなさん、
1年?お休みする前のコンクール。
優しさに満ちた「受胎告知」と「主への讃歌」
そしてドラマティックな「信仰告白」。
楽しみにしてますよ!










さあ、2010年全日本合唱コンクール全国大会、
最後の団体です。











16. 佐賀県・九州支部代表
MODOKI
(混声50人・12年連続の出場)



〜〜夜のSkype、1時間ほど雑談の後〜〜


そういや山本さん、
今年の自由曲は石井歓先生の混声合唱「風紋」から
「あなたは風」「風紋」の2曲ですが。
これはどんな理由で選曲を?



「うーん、『歌を歌いたかった』んやね。
 一言で言えば」



…「歌を歌いたかった」?



「コーラスガーデンを終えてメンバーもだいぶ入れ替わってさ。
 今年のMODOKIは男女半々なんだよ。これ、史上初!」



え、いつも男声が多いMODOKIが!




(しおりさん、写真ありがとうございました!)




「そう。そんな状態でいつもの路線でいくのもなァ…と思って。
 基本に返って『気持ちを込めて歌う』『旋律を奏でる』
 そんなことを勉強したらええんちゃうかなーって」



なるほど。



「あとはまぁ裏メニューとして。
 個人的な理由だけど
 自分が一番最初にコンクールで指揮した曲だから」



ああ!佐賀大学で…おいくつの時でしたっけ?



「約22年前、大学3年生だから・・・20歳の時か」



はたち!



「自分が生まれて初めて全日本合唱コンクールに参加したのが
 『風紋』でさ。
 しかも歌い手じゃなく指揮者として参加したのが最初なんだよね。
 それで全国大会まで行けたんやからラッキーだったけど・・・。

 
 それから22年間、ずっと合唱指揮をやり続けて。
 大学生だから時間もあって一番練習した曲である『風紋』を
 今、ふたたび指揮したらどんな風になるかな、と。
 大学生の時には知識もなかったけど
 22年間で一応いろいろ経験した自分が
 おんなじ譜面で何を感じて、何を出すんだろか、と思って。


 ノスタルジーではなく、
 自分の中で確認したい、曲にリベンジしたい、そんな思いもね」



ほーう。
…それで22年経っていろいろ経験して知識も増えた山本さんが
現在ふたたび対面した「風紋」はどうだったんですか?



「これが、やってみたらね」



はい。



「風紋は・・・ 風紋やった」



なるほど・・・風紋は風紋だった・・・。
って、なんですかそれ!(笑)。



「いや、演奏そのものは少し変わるんだけど(笑)
 譜面から感じるものはあんまり変わらんかったなあ。
 ただ、大学生の時には気付かなかった
 『ああ、こういうことを書かれていたんだ』
 というのはいっぱいある。
 当時はぜんぜん知識も無いし音楽的な素養も無いから
 心情と譜面の表面上だけしか見ていなかったんやけど
 いま和音やリズムの分析などしたら
 『あ〜、こんなにいろいろ書かれていたのに
  あの時のオレはなにしよったんや…』と思うな」



そうですか・・・。
でも「演奏は変わる」というのは面白いですね。
大学生と社会人の違いなのかな。
そういえばこの「風紋」、いまでは中学生も演奏してます。



「それよ!それも今回選曲したきっかけでもある」



え。



「だって男と女の愛を歌った曲でしょ、『風紋』って」



ああ。男が風で、女が砂丘、という
分かりやすい比喩の詩です(笑)。



「男と女の、もろ(ピー)、みたいな内容なわけ。
 それを先生のみなさん、
 どうやって生徒たちに説明しているんですか?と」



(笑)



「つまり曲のテーマに迫らず演奏してる感じが強くて…
 そんな中で大人の合唱団が演奏しなければいかんのでは?
 という気持ちがね」



なるほど。



「・・・なんて、そんな大それたことは言えんけど(苦笑)。
 もちろん中学生が風紋を演奏する理由もわかるんやけどね。
 ユニゾンが多いし、変声期中の男子生徒にも
 そんなに難しい音域じゃなかったりね。


 ただ、日本語の愛の歌を、
 大人の合唱団が照れずに真剣に歌う、ということに
 意味はあると思う。


 それと来年の3月、CANTUS ANIMAEさんと
 東京でジョイントすることになってさ」



2011年3月13日のアレですね。
また濃いジョイントコンサートになりそうだなあ…。



「(笑)。
 約100人の合同ステージで雨森文也先生が
 三善晃先生の『五つの童画』を振られる予定になって。 
 それで自分が振る曲として『風紋』を提示したんよ。
 すると雨森先生すんごい気に入ってくれちゃって。
 『ソレ(風紋)、いこーッ!』」



いこーッ!(笑)



「3月13日北とぴあ さくらホールで
 『風紋』全曲演奏します。
 コンクール全国大会は『愛のかたちの提示』
 そしてジョイントコンサートは
 『愛の完結』!」



「愛の完結」?!
全国大会だけじゃなく来年3月に東京まで来ないと、
「愛は完結しない!」…と(笑)。



「そう(笑)。
 『風紋完結編』は3月のジョイントという事で
 宣伝よろしくね!
 俺の言ったことは書かなくていいから(笑)」



(そんなワケいくか!
 まあチラシを載せておきましょう)





えー、では「風紋」という曲に対するアプローチはどうですか?



「これがね、難しい!
 SATBの4つ、しかも主要な和音しか無いと
 真剣に歌っていないとすぐわかる。
 それに表現もいろんなこと考えてやらないと"みすぼらしい”。
 前に演奏したペンデレツキみたいな曲は
 崩れてもわからない部分もあったりするんだろうけど
 『風紋』で崩れたら、一発でわかってしまう。


 だから、なんかね・・・ はだか」



はだか?



「うん。全裸でステージに立って
 『はだかの砂丘に〜♪』と歌ってるような。
 例えばさ、演奏するってことは
 裸の人間がいろんな服を着替えるような行為と似てるじゃない。
 『この表現にはこの服を着てみよう』とか。
 それで曲の音色を変えてみたりするんやけど。
 風紋は、『はだかのままで雰囲気変えろ!』って
 言われてるみたいで・・・正直ツライ」



ツライ(笑)



「まあこれもCHALLENGEよCHALLENGE!
 昨年の委嘱作品もCHALLENGEやったけど
 40年前に生まれた日本の名曲に改めて挑むのも
 CHALLENGEだと思う」



同感です。



「自分たちと、演奏する曲をもう一度見つめ直すというのかなあ…。
 やってて楽しいしね、風紋」



楽しいですか。



「うん。やり始めた時も楽しいし、
 今もずっと楽しい。
 団員が曲へ積極的にアプローチしようとするのがわかる。
 シンプルな名曲なだけに共感しやすいんかな。


 それで、ありがたいことにトリになったやん?」



おお、そうですそうです大トリですよ!



「だからもう聴いてもらえる人が
 一番多いタイミングやと思うんだよね。
 それにふさわしい演奏ができるかはわからんけど
 自分たちのやってきたことを
 多くの人に伝えられるチャンスがあるのは
 やっぱり嬉しい。


 石井歓先生が曲に込めたメッセージを一生懸命噛み砕いて
 みんなに繋ぐ役目はしたいなと思ってるし。
 過去の演奏の焼き直しでは決して無く、
 MODOKIの『風紋』ではあると思っているけど」 



とても楽しみです!



「…ただね、フォルテが鳴らんのよ。
 いっぱい音があって重ねたほうが音圧は上がるけど
 風紋はシンプルな和音しかないところばっかり。
 

 約50人でF-mollを一生懸命鳴らしても
 70人を越える合唱団にかなうすべは無い、みたいなね・・・」



急に弱気に!?



「いや、いつものMODOKIのようにグワーッと行くんじゃなく、
 弱音にも魂を込めて
 細かいニュアンスも出していきたいな、と(笑)。


 そしてこの『風紋』という曲で
 全国大会に出場できるということは
 本当に幸せなことだと思うし。
 こういう曲を全国大会で演奏できる機会はなかなか無いから。


 賞はともかく、
 全身全霊で演奏することをお誓い申し上げます!!」



山本さん、ありがとうございました!






これにて、2010年西宮全国大会、
一般A16団体、一般B16団体の紹介記事、終了!






※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 



「僕らの右手は」





今年もたくさんの方にお世話になりました。
本当に、本当にありがとうございました!


もうちょっと早くから始めて早くに連絡できれば…と
何度思ったことか。
感謝の言葉と同じくらい申し訳ない気持ちでいっぱいです。


そしてぜんぱくさんにも心からの感謝を!
ハードな連載を終えて今年の体調はどうなんでしょうか。



さて、前日になり私があんまり長く書くのもヤボってもんです。
今回、この連載を続けるうちに考えていたことは
「うた」は本当に人を救う力があるのか。
そして「うた」が人に伝わるということとは。
…この2点でした。



ここで今年の3月にもこのブログで書きました
ほぼ日の矢野顕子さんと『音楽堂』ができるまで。」


http://www.1101.com/ongakudo/index.html


矢野顕子さんと
脳溢血に倒れたプロデューサー:吉野金次氏との共闘。
第1回のトレーラーの力は私にとってかなり大きいもので
音楽堂CDを購入したのはもちろん、
高松まで顕子さんのコンサートを聴きに行ってしまうほどでした。



その第1回トレーラーがYoutubeに転載されているのでこちらにも。
4分20秒からの「右手」を是非、是非聴いて下さい。


矢野顕子『音楽堂』トレイラー (Long Version)



僕らの両手はどこまで伸ばせば
誰かに触れるかって ねぇきっと
僕らの右手はどこまで上げれば
誰かに見えるかって それだけ











「がんばれ! なにもできない…
 応援することしか・・・」




動画中、苦しむ顕子さんへふざけたように発せられるこの言葉は、
でも、心の底からの、本当の言葉だと私は今思うのです。






この連載で。
私の上げた右手は見えましたか?届いていましたか?
そして明日、大きな期待を持って西宮へ行きます。
みなさんが上げた右手に触れるために。


がんばれ!






(おわり)