観客賞座談会:同声合唱の部 最終回




観客賞座談会 同声合唱部門最終回。


それでは第1位!…の前に、
5位以内に入ってはいませんが
良かった団体を出演順に語ってもらいました。


 

 



湘南はまゆう

(女声37名)




はまゆうさんの課題曲(F4「木のように」)
好きだったなー!



一同 私も!など同意多数。



アルトの「♪欲を重ねて…」から特に深みがあってね。



そうそう!「♪老いるのではなく~」



(次々に歌いまくる座談会メンバー 笑)



自由曲(信長貴富「君死にたまふことなかれ」)
良かった!



良かったですよね~。
「をとうと(弟)よ、をとうとよ」の掛け合いに
身体が動けなくなりました・・・。



課題曲も自由曲も
あの年代が歌うことの説得力ですよね。



…というわけでみなさん、
年をとっても歌い続けましょう!



一同(笑)。



《文吾の感想》

課題曲は本当にアルトに深みがありましたね。
そして「君死にたまふことなかれ」は
入魂の演奏。
団員みなさんの気持ちが入り、
歌い、語る言葉に実感がこもっていました。
中間部の「あゝをとうとよ」のソプラノも素晴らしく、
カンタービレの説得力が印象的でした。



投票用紙では

 

 

自由曲にリアリティがあった。

 

 

松村先生がすてき(はぁと)

 

 

年を重ねられた方の厚みのような、
味のあるステキな課題曲でした。
どこもマネできないなぁ。

 

 

…という感想がありました。


 

 

 

 

 

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 会場のとりぎん文化会館。

 

 

 

 




続いては・・・






大阪メールクワィアー

(男声50名)



課題曲のM3「松よ」が超良かったんですけど!



同意多数。「良かったよねー!」の声。



課題曲ってことを改めて実感できる演奏でした。
「課題」の部分をしっかり押さえてましたね。



「松よ」というモチーフ、
そしてあの年代の方々が歌うと、
こんなにも合うのかと・・・良かったです。




自由曲:高田三郎(編曲:須賀敬一)
「初めにみことばがあった」



語り口が良かったですね。



ベースのパートソロが入った時に
「おおっ!」と来ましたね。



それ、私も思いました。カッコイイ!



説得力がありましたね。
演奏に味、深みと言うか・・・。



《文吾の感想》

課題曲は音楽のポイントが的確でした。

自由曲は4声が揃った時が
凄くカッコ良かったです!

熟練の噺家さんが嗄れ声で話されるのが
味になるように、
この曲を綺麗なだけの声で歌われても
ここまでの説得力はないのでは?
そんなふうに思わせる演奏でした。

須賀敬一先生のお姿を拝見するのももちろん、
また今年も演奏を聴くのを楽しみにしております。




投票用紙では

 

やわらかい響き、的確な言葉の処理。
課題曲も自由曲も心にしみ入るような
すばらしい演奏でした。

 


…という感想がありました。













それでは

2016年度観客賞同声合唱部門第1位!


 

 

 

 

 



HIKARI BRILLANTE

https://www.facebook.com/hccbrillante/posts/594898863899359

(女声129名)


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課題曲:F2 Hegyi éjszakák III.(山の夜)
(Zoltán Kodály)



最初、アルトのテンションが
「やりすぎかな?」と思ったけど
ちゃんと収束していって
ソプラノを導いていたので
しっかり設計図が考えられているな、と。



そのソプラノの第一声で「!」
なんて深い夜にしちゃったんだ雨森先生!って。



流れが「これこそレガート!」という演奏で!
しかも長いフレーズが途切れない!



一同 そうそう!



遠近法があるんですよね。
近い山、遠い山、みたいな。
そして近くの山や遠くの山から声が聞こえ、
夜が近づいてくる…ような。



物語を感じました…。



あと、フレーズ末の和音が解決した時の喜び!



一同 同意。



溜めというか、行きますよ!というか
解決するまでの間も気を抜いてはいないんですよね。



初めてこの課題曲、
最初から最後まで緊張感が解けずに聴けました。



あ~確かに。
次、何が来るんだろう?と
ずっとワクワクしながら聴けて。



この曲のラストって日の出でしょうか?
山の稜線から陽が昇ってきて
周りをバーッと明るく照らし、
落ち着いていくフィナーレ。
聴いているとそんなシーンが浮かびましたよ。



情景が想像できましたよね。



私、祈りのシーンが浮かびました。



聴いていた人間、
すべて同じ情景が思い浮かぶわけじゃないけど、
なにかしらのイメージが心に投影される…
そんな演奏でしたね。

 




自由曲:三善晃
「或る死に」



最初のソプラノの歌い出しに泣けてしまった…。



そうそう! 泣けましたね。



うーん、なにか感慨深く聴いてしまいました。



言葉がスッと入ってきて。



三善先生の比較的初期の作品なんですけど、
演奏のためか、みずみずしいというか、
なにか最近の曲のようにも聞こえて。



詩の村松英子さんが18歳の時の作品だから
ブリランテのみなさんも同じ、等身大の言葉として
演奏したような印象がありましたね。



難しくいじるよりは
彼女たちの良い面を出そうとして
雨森先生はアプローチしたのかな。



歌は18歳の少女のようなんだけど
ピアノは違う次元から支えたり、
絡んだりしているような…。



ピアノの白鳥清子先生が
三善先生のような役割になったんじゃないですかね。
優しいまなざしで彼女たちの音に寄り添っている。



…白鳥先生がピアノを弾いてくださって
良かったなあと。



 

《文吾の感想》

「山の夜」は息混じりの深いアルトから
ピアニッシモで入るソプラノ。
まずその出だしから心が掴まれました。
闇にうごめく命が濃厚に香るような山の夜。
妖艶な匂いもかすかにあって。

ダイナミクスもごく小さいピアニッシモから
山の咆哮のようなフォルテッシモまで幅広く。

この曲はリフレイン、
各パートの対比、全体の構成など、
指揮者の音楽的創造力がとても要求される作品で
うかつに手を出してはいけない課題曲だと思うのですが
それらの課題をクリアするどころか、
聞き手に強烈なイメージを与え、
聴いた後、余韻が長く残る演奏でした。


「或る死に」は私が今まで聴いた演奏では
若い団体でも詩のメッセージを伝えようとするためか
大人びた声、雰囲気を作っていたのですが、
ブリランテの今回の演奏は
少女そのまま、
等身大の彼女たちの実感から出た声のよう。

そして、少女が夢見る、また違う世界。
隣人としての死の世界。

さらに彼女たちに寄り添い、
賢人のように優しく見つめ、支えるピアノがあり。

それらの想いが重なり、
結果、奥深い世界が音で創り出されていました。
言うなれば、声とピアノとのファンタジーが
そこに出現していました。
得難い音の体験だったと思います。



投票用紙では

 

 

課題曲最高!

 

 

とても静かで穏やかな課題曲。
自由曲は白鳥先生のピアノでうたうことを
大事に思っているな、というのがよくわかりました。

 

 

…という感想がありました。







観客賞同声合唱部門第1位ということで
HIKARI BRILLANTE団員さんから
メッセージをいただいております。




 

 

 


こんにちは!
HIKARI BRILLANTEです!
昨年の長崎での全国大会に引き続き、
観客賞で1位をいただけたこと、
団員一同とても嬉しく思っております。
本当にありがとうございます!!

今回演奏した課題曲コダーイの「山の夜」は
ご存知の通りヴォカリーズのみで歌われる曲ですが、
音色でハンガリーの夜の山々を表現するために、
ハンガリーの歴史を学び、
何度も何度も意見を交換し合いました。

自由曲「或る死に」は、
今までブリランテが自由曲として演奏してきた
「百年後」や「明日(不可思議のポルトレ)」とは違い、
「死」がテーマの曲です。
しかし、この詩を書いた村松英子さんは、
死は恐れることではなく、
先人たちが残したものが
私たちの大きな支えになっていると気づいたときの
心の成長を詩によって表現しました。
私たちはこの曲を練習したことで、
亡くなった人々だけでなく
いつも応援してくださっている家族、仲間、先生方、
そして皆様にも支えられているということを改めて実感し、
感謝の気持ちを込めて演奏しました。
また、観客賞1位をいただけたことも、
皆様の支えがあったからこそだと思います。

来年度も全国大会で演奏できるように、
団員一同頑張っていきます!
私たちを応援してくださった皆様、
鳥取で私たちの演奏を聴いてくださった皆様、
本当にありがとうございました。

最後に、私たちブリランテも出演する
第40回光ヶ丘女子高校合唱部定期演奏会が
2017年3月25日(土)
刈谷市総合文化センターアイリス大ホール
にて行われます!
チケットは1月10日から
チケットぴあで発売されます。
ぜひお越しください!!

 

 

 

HIKARI BRILLANTE団員さん、ありがとうございました。
このような練習の過程、
想いがあってこその、
あの素晴らしい演奏だったのだな、ということが
大変納得できました。
光ヶ丘女子高校合唱部定期演奏会、私も行く予定です。
チケットも既に購入済みです。


HIKARI BRILLANTEのみなさん、
観客賞同声合唱部門1位、おめでとうございます!





(観客賞座談会 混声合唱部門に続く)