観客賞スポットライト 混声合唱部門 その3

 



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札幌郊外

 



今回は観客賞の投票について!



参加資格:
「大学ユース部門」「室内合唱部門」
「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
それぞれ全団体を聴いていること。
(その部門の出演者は投票できません)



投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ

#混声合唱18

を付けて
25日混声合唱の部終演(予定17:38)から
審査発表が始まる前の18:30まで
良かった2団体を書いてツイート。


その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします!


ツイート投票の例:

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
#混声合唱18






ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人が

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!



さあ、今日も混声合唱部門の出場団体をご紹介しましょう。
職場部門の雄が久しぶりに出場です!





6.大阪府・関西支部代表

パナソニック合唱団

 

(93名・6年ぶりの出場・第36回大会より28回の出場)



職場部門では、なんと16年連続で金賞を受賞されていたパナソニックさん。
今回の演奏曲は
課題曲:G3 まいまい(「12のインヴェンション」から)(間宮芳生 曲)
自由曲:Z. Randall Stroope「We Beheld Once Again the Stars」。

この自由曲、過去には、新日鐵住金混声合唱団さん、はもーるKOBEさん、マルベリー・チェンバークワイアさん、Baumさんが全国大会で演奏してきた人気の高い楽曲。
アメリカの作曲家、そして合唱指揮者でもあるストループ氏の作品のためか、心を惹き付けるドラマ性と美しさを兼ね備えた作品です。

関西支部大会を聴かれた方の感想によると「まとまった響きで丁寧に美しく、かつ迫力ある演奏を聴かせてもらいました。選曲も合っていました」…とのこと。
この混声部門で最大人数の93名ということから、ダイナミクスの幅広い、ドラマティックな演奏を期待してしまいます。


さらにパナソニック株式会社は、今年創業100年という記念すべき年。


創業100年の年に6年ぶりの全国大会出場は、さぞかし嬉しいことでしょう。
混声合唱部門、唯一の職場団体としての演奏も楽しみです!



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札幌テレビ塔 Le camaradeさんより







混声部門、前半最後の団体は、練られた発声と高いテンションで圧倒する若い団体!













7.千葉県・東北支部代表

VOCE ARMONICA

https://www.facebook.com/VOCEARMONICA/

(36名・4年連続出場・第64回大会以来6回目の出場)

 

 


昨年は三善晃「レクイエム」で見事、初の金賞受賞。
観客賞も第6位で座談会では


課題曲G4の「まぶしい朝」は力がこもっていましたね。

テノールの輝かしさが印象的でした。
まさに「まぶしい朝」を体現するような
声と表現が結びついた演奏。

課題曲も良かったけどやっぱり自由曲
(三善晃先生「レクイエム」からI)でしょ!

渾身の演奏でしたね~。

輪郭のハッキリした声が合っていました。

ああいう激情と言うのかな、
心の激しさが良くトレーニングされた声で
上手く伝わってきました。

ダイナミクスもピアノからフォルテまで自在に、
しかし発声は崩れることなくずっと緊張感を保ち。
聴き終わると手に汗をかいていました。

想いがこもった、気迫の演奏だったと思います。

 

メール投票では


「まぶしい」が表現され、納得の課題曲。
そして、自由曲は圧巻で、今日一番の感動でした。

http://bungo618.hatenablog.com/entry/2018/03/17/214329


指揮者の黒川和伸さんが声楽家ということもあり、とても練られた発声で、気迫のこもった演奏をされる団体です。
今回の演奏曲は
課題曲G1 Agnus Dei (「Mass for Four Voices」から)(William Byrd 曲)
自由曲:Samuel Barber「Agnus Dei」。

弦楽のためのアダージョ Op.11から合唱編曲された名曲。
全国大会ではMODOKIさん、都留文科大学合唱団さん、合唱団ノース・エコーさん、Gaia Philharmonic Choirさん、合唱団ゆうかさん、神戸中央合唱団さんが過去に演奏されています。


黒川さんからメッセージをいただきました。

 

 

課題曲
2012年にG1を選曲して以来、ひさしぶりにG1を選曲しました。
選曲理由は、課題曲集が届いて練習で試しに音出しをしてみた時に、一番下手だったのがG1だったからです。
悩みに悩んだ結果、「これはマズい。これからのこの合唱団のためには、これはやらないとダメなやつなんだろうな…」と思い、選曲しました。
その後、クール シェンヌの上西先生、MODOKIの山本先生にレッスンしていただいたりして、ゼロから少しずつルネサンス作品のイロハを学び、またVocal ensemble capellaの渡辺研一郎さんにはアカデミックな角度から古ネウマ的な歌唱と耳の使い方も教わり、さらにスマホの音楽アプリやYouTubeでは国内外の団体の演奏を聴き比べ、他支部のCDを購入し、フレーズひとつひとつのアルシス・テージスを分析しました。
(2018年、時間だけならおそらく、どの指揮者の先生よりもたくさんの時間をG1の勉強に費やした自信があります苦笑)
作品を深掘りしていく中で、バードのミサ曲の中に、英国国教会の時代に、バードがカトリック教徒として内なる信仰を守り続けたという点において、どこか日本における潜伏キリシタンのような「内なる熱さ」を感じるようになりました。
ああ、これはバードにとっての「おらしょ」なのかもしれない。
コンクールの枠を超えた、内なる熱さを持つ、深い祈りを感じていただけるような演奏をしたいと思います。

 


自由曲
2018年の自由曲はサミュエル・バーバーの「アニュス・デイ」です。
ご存知のとおり、この曲はコンクールにおいていくつもの名演が存在します。
MODOKIの山本先生とお話した時、コンクールでバーバーのアニュス・デイを演奏するということは、「歴代の名演との勝負」ということになるよね、というお話をうかがい、思わず武者震いしました。
「アニュス・デイ」がバーバー自身によって平和への祈りへと転用されたのは初演から30年近く後の1967年。
ベトナム戦争が泥沼化し、多くのアメリカの若者が命を散らしていた時期でした。
バーバーはそのことに心を痛め、平和を願って「アニュス・デイ」を発表したそうです。
一昨年VOCE ARMONICAが取り組んだプーランクの「人間の顔」、そして昨年取り組んだ三善晃先生の「レクィエム 」同様、「この作品は今の時代にこそ演奏され、聴かれなければならない」という使命感を感じながら、全身全霊をかけて演奏したいと思います。

 

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今年9月の山本啓之先生レッスン時の記念写真だそうです。


 


黒川さん、ありがとうございました。

「一番下手だったのがG1だったから」
「これからのこの合唱団のためには、これはやらないとダメなやつなんだろうな」

コンクールへ参加するにあたって、得意なもので挑む方が普通だと思うのですが、黒川さんは真逆ですね。
さらに黒川さんが凄いのは可能な限り情報を集め、多くの方に教えを請うていること。
「時間だけならおそらく、どの指揮者の先生よりもたくさんの時間をG1の勉強に費やした自信があります」…との言葉。
ひょっとしたら、アルモニカさんの今回のバードはまだ不十分かもしれません。
しかし、同じ不十分な演奏でも、未来を見据え、高みを目指している演奏には、懸命に手を伸ばした先の光が見える。

バーバーにしても「歴代の名演との勝負」とわかっていて選曲する。
これもきっと、合唱団の未来を考えた上でのものだと推測します。
未来を考えることと「今の時代にこそ演奏され、聴かれなければならない」という黒川さんの使命感は矛盾しないように思うのです。

全身全霊をかけて演奏するという黒川さんの気迫に対し、私たちはどこまで真正面で向かえるだろうか?

演奏者と観客との真剣勝負を心待ちにしています。

 


(明日に続きます)