観客賞スポットライト 混声合唱部門 その6

 

 

 



これが最後のご案内です。

 

観客賞の投票について!



参加資格:「大学ユース部門」「室内合唱部門」
     「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
      それぞれ全団体を聴いていること。
      (その部門の出演者は投票できません)


投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ 


#混声合唱17



を付けて
20日混声合唱の部終演(予定18:57)から
審査発表が始まる前の19:30まで
良かった2団体を書いてツイート。
(時間が短いので注意!)



その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします! 

 

 

ツイート投票の例:

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
#混声合唱17

 

  


ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!




f:id:bungo618:20171122210056j:plain

Photo by A.Yamaguchi








今日と明日でこの連載は終わりです。

 

続いては若き指揮者が新鮮な感動を伝えるこの団体。







16.愛媛県・四国支部代表

I.C.Chorale


(36名・第67回大会から4年連続出場)





26歳と一般部門で最年少指揮者:村上信介先生が率いる
通称:いよコラさんは今年で創団4年目。


昨年は木下牧子先生の「方舟」を演奏されたのですが


良かったねー!

泣いた! あれは素晴らしい・・・。

うん、若さと曲がすごくリンクしていました。


…と大変好評でした。

今回の選曲は
課題曲はG2のプーランク。

自由曲は谷川俊太郎詩・松本望作曲
混声合唱とピアノのための組曲
「天使のいる構図」より
「2.Capriccio」
「3.Tempestoso」


村上信介先生よりメッセージをいただきました。

 


皆様、こんにちは!I.C.Chorale(いよコラ)です。

いよコラも早いもので創団4年目となり、
今年3月には初の単独コンサートも開催しました。
皆様のご声援が力になりました、
ありがとうございました!

さて、今年の選曲についてです。
課題曲「Salve Regina」は、
3月の練習で課題曲を全て歌ってみて
団員による投票で決定しました。
10月に受講した本山秀毅先生による
講習会でのご指導を糧にしつつ、
各パート1~2人による
少人数グループでの練習を積極的に行い、
個々人が意見を出し合いながら
曲への理解を深めています。
エスプリ、難しいですねぇ。

自由曲は例年同様、
ピアノ付き邦人作品から候補を出し、
「天使のいる構図」を選曲しました。
パウル・クレーの描いた天使の絵、
谷川俊太郎の詩、
松本望の音楽が多層的に重なり、
抗えない絶望感やどうしようもない背徳感が、
時に軽妙に、時に劇的に歌われます。

プーランクも松本望も
音楽のルーツがフランスにあり、
音遣いに似たものを感じる場面があります。
あるいはSalve Reginaが作曲された時代も
クレーの天使の絵が描かれた時代も
第二次世界大戦中ということで、
作品の奥底に一抹の不安や影を感じさせられます。
こういった、一見全く接点のないような作品の
共通点を見付けると、
各曲の有機的な繋がりが生まれてくるように感じます。
こういった出会いもコンクールならではですね。
創団4年目で4度目の全国大会に
舞台に立たせていただけることは至上の喜びです。

若さとエネルギーを武器に、
今年も全力で本番を駆け抜けたいと思います!
皆さま、是非いよコラの演奏をお楽しみください!

f:id:bungo618:20171122210414j:plain

四国大会での写真だそうです。「若さとエネルギー」あふれてますね!

 

 


村上先生、ありがとうございました。

自由曲の「天使のいる構図」の詩。
天使の純粋さ、
それに近づけない人としての葛藤は
若い人にこそ身近なもののような気がします。

昨年の方舟の演奏でも
「若さと曲がリンクする」魅力を
伝えてくれたいよコラさん。
「ピアノ付き邦人作品から選曲」という
ある意味割り切った、しかし歌い手の心情を考えた選曲。

松本望さんが鋭敏な感性で作曲した今回の作品でも
新鮮な魅力を私たちに与えてくれるのでしょうか。
課題曲のプーランクとの有機的繋がり、
そしてエスプリの効いた演奏にも期待!


…ところで全国大会時以外でも
いよコラさんのブログをたびたび覗いているのですが。


最新の9月3日
「第70回全日本合唱コンクール四国大会に出場しました!」

 

 


「この団の目標って何ですの?」

今思えば生意気な質問だったけれど、某アルトの某パートリーダーさんが真摯にこう答えてくださったの…。

 


「全国大会で銀賞を獲ること」

 



今年は目標が叶うと良いですね!





 

 

 




続いては中国地方から
まっすぐな声と表現が魅力のこの団体です。

 

 

 

 

 

 

 





17.岡山県・中国支部代表

合唱団こぶ

https://www.facebook.com/kobsoja/

(40名・9年連続出場・第62回大会以来9回目の出場)





こぶという団名は
指揮者:大山敬子先生のイニシャル「K」と
中学校での教え子「OB」たちの
文字をつなげた「K + OB」から。
今では教え子の中学出身以外の団員さんも
多くいらっしゃるそうです。


昨年は課題曲の「角を吹け」の男声の輝かしさ。
NICHOLAS WHITE「O Magnum Mysterium」の
ソプラノのフレーズの美しさが評判でした。


こぶさんもコンクールで「勝負!」というよりは
団員さんが共感を持って演奏できる曲を
選曲してきているようです。



今回の演奏曲は
課題曲G3 「子どもは……」

自由曲は
原民喜:詩、林光:作曲
「原爆小景」より「1.水ヲ下サイ」
高田敏子:詩、信長貴富:作曲「夕焼け」


指揮者の大山敬子先生からメッセージをいただきました。

 


『石の腕の中ですら』
「子どもは……」の最後の言葉です。
課題曲ですから、
自由曲との関連を問われることはないのですが、
私たちは、このままで終われなかったのです。
石の腕が意味するものを思うとき、
たどり着く曲は「原爆小景」でした。
コンクールでこの曲を演奏すること自体、
一歩間違えばあざとさに通じてしまうことを
知っています。
ましてや、よい演奏をめざしても、
はるかに力の及ばない地平であるということも。
「絶望を胎生の糧としない愛を私は信じない」
三善先生の言葉です。
絶望を体験しなくとも曲を歌うことで、
少しでも追体験できるならと選びました。
そして、又、私たちはこのままで終われなかったのです。
子どもが生きるべき世界を、
祈らずにはおれなかったのです。
「夕焼け」をコンクールで演奏することも、
あまりないとも言われましたが…。
私たちはこの三曲を貫いて歌いたい。



        夕焼けがばら色でありますように。

 

 



大山先生、ありがとうございました。

「原爆小景」の始まりの「水ヲ下サイ」は、
原民喜が広島で被爆した体験を記した詩。
青空文庫で読めますが、
壮絶としか言えない詩群です。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000293/files/4769_6662.html

東京混声合唱団が毎年
「八月のまつり」という名の定期演奏会で
この「原爆小景」を演奏しているように
演奏し続けなければならない、
語り続けなければならない不朽の名作です。

難易度も高く、表現力も必要とする作品ですが
「子どもは……」の
「石の腕」という言葉から想起される
過去の辛い現実の姿を
極限まで表現し尽くして欲しいと思います。


そして、信長先生の「夕焼け」。
合唱団には団員さんが映っている写真を
お願いしているのですが
こぶさんが送って下さったのは。




 

 

f:id:bungo618:20171122210753j:plain

 

 


写真の下に団員の藤原さんによるこんな言葉が。

 


写真は今年は集合写真でなく、
ある団員が日常の中で撮影した
「夕焼け」の写真を送らせていただきます。
この日常にある夕焼けをずっと、平和に、
見続けられる未来を信じていきたいものです・・・。
全国大会まであとわずかですが、
この素晴らしい作品と自分自身とまだまだ向き合っていきます。

 

藤原さん、ありがとうございました。
課題曲と自由曲の言葉から連想される、
祈りと愛に満ちた選曲。
この夕焼けのようにこぶさんの温かい音で
私たちを照らしてくれますように。














続いては2年連続第1位のこの団体です!








 


18.佐賀県・九州支部代表

MODOKI

(70名・4年連続出場・第50回大会以来19回目の出場)




昨年、観客賞でも第2位だったMODOKIさん。
課題曲「むらさきの」の繊細さ、要所のニュアンス。
自由曲バーバー「アニュス・デイ」の緊張感の持続、
団員一人一人の想いが撚り合わさった演奏が好評でした。



10月29日夜。
MODOKI指揮者:山本啓之さんに電話でお聞きしました。

 

* * * * * * * * * * * *


まず課題曲がG3の三善晃先生「子どもは……」ですが。

 


「今年の課題曲は他にも良い曲ばかりで
 G4の『まぶしい朝』もいいなと思ったけど
 三善晃先生の曲はやはりやらなきゃダメだな!と」

 


ほー。

 


「逆に言うと自分たちの良いところを出したいとか
 自由曲との兼ね合いも考えてない!(笑)
 良い曲をやりたい!
 自分たちの勉強したい曲を選んだだけやな」

 


実際練習されてどうですか?

 


「やっぱり凄いよね。
 和声といい、メロディの運びといい、
 ひとつひとつの表情の作り方といい、凄い!
 三善先生は孤高の作曲家だなと思ったよ。

 それでね、
 簡単そうに聞こえなきゃいかんわけだけど
 簡単じゃないわけよ!」

 



(笑)。

 



「ストイックに聞こえて良いもんかと
 いう問題もあるし。
 レガートというのもまた大事。
 八分音符が並んでいるだけになったら終わりやし。
 今は『子どもは……』じゃなく、
 自分たちが『子どもっ!』みたいな状態かな(笑)」

 



…大人な演奏を願ってます(笑)。
自由曲はJohannes Brahms作曲
「Zwei Motetten(2つのモテット)」より
「Schaffe in mir Gott ein rein Herz
(神よ、私の中に清い心を創って下さい)」。

5年前の富山大会で「Warum ist das licht gegeben?」
演奏して以来のブラームスですが?

 


「ロマン派から離れたけど、
 やっぱり何年かに一度はロマン派に戻ろう、と。
 そして前回は晩年の作品だったので
 今回は一番最初に書かれたモテットをやろうと。
 若い頃のブラームスの危うさを作品から感じるなぁ」

 



いつ頃の時の作品なんですか?

 


「20代後半、27歳くらいかな。
 シューマンの妻、クララとの関係に悩んで
 鬱々としていた時に書いているような気がするね」

 


曲調はかなり明るい感じですが。

 


「曲調はそうやけど
 言ってることは清い心を求める、
 『助けて下さい』『導いて下さい』だからね。

 また音楽が絶妙!
 最初の提示部は5声で書かれていて
 フーガ、男声、女声、
 最後にまたフーガという構成も見事やし。
 やっぱり世界遺産やわ!」

 



軽井沢国際合唱フェスティバルでも
聴かせていただきましたが

フーガの箇所など難しい曲ですね。

 

f:id:bungo618:20171122211108j:plain

 

 


「フーガって各パートが歌えないと形にならなくて。
 それも主と対があり、
 今はどこが主なのか考えなきゃいけないし。
 そして下降形のフレーズが『支えて下さい』のような
 力強い言葉から上昇形になるなど、
 凄く複雑に書かれているんだよね」

 



この曲、全国大会で演奏した団体あるんでしょうかね?

 


「シェンヌさんがちょうど10年前の
 東京大会で演奏してるね」

 


えっ! 面白い偶然ですねえ。 
そういえば次に出場のシェンヌさんも
自由曲が同じブラームスで聴き比べが(笑)。

 



「それよ! …一番辛いパターンやね(苦笑)。
 まぁ、ちゃんと前座をつとめます!」

 


シェンヌ兄さん、場を温めておきました!みたいな?(笑)

 



「シェンヌさんもそうだけど、
 他の団体も素晴らしい団体ばかり。
 だって混声部門のチケット、
 30分で売り切れたんでしょ?

 全国から集まった20団体の演奏会の一員として
 そういう期待に応えられる演奏になるよう、
 がんばりたいと思うね。
 いつ何時もコンクールはチャレンジ!

 …『チャレンジ』って去年も言ってない?」

 


実は毎年言ってます(笑)。

 


「いや、チャレンジが無いと
 コンクールに出る意味無いもんね!」


 

昨年、一昨年も1位でチャンピオンの
MODOKI指揮者さんが「チャレンジ」って
少し違和感があるんですが。
「防衛」ならまだしも(笑)。

 



「いやいや!
 『ディフェンディングチャンピオン』
 …なんて微塵も思ってないし。
 どれだけやっても『これが答えや!』にならない、
 掘っても掘っても新しいものが出てくる名曲を
 一番良い形で伝えられるようにがんばるだけ!」

 


なるほど…。
山本さん、ありがとうございました。
今年のMODOKIさんの「チャレンジ」、期待してます!

 

f:id:bungo618:20171122211320j:plain




(明日に続きます)