「コンクール出場団体あれやこれや:出張版」 その1


そんなわけで今日から書いていきます、このシリーズ!
・・・実は最初からちょっと後悔気味・・・。


出演順に書いていく予定です。
各団体の詳しい選曲はパナムジカHPをどうぞ。
では、一般Aグループから5団体を。




[一般A]

中部支部代表:石川県
声楽アンサンブルLa Musica(混声22人)


初出場おめでとうございます!
…しかし、この団の女性指揮者:ラヂッチ・エヴァさんのお名前に
なにか見覚えが・・・。
脳味噌の古い地層を掘り返してみると、
2002年の全国大会、金沢混声合唱団
自由曲のバルドシュを指揮されていたんですねー。


あの時、日本人とはどこか違った大らかさ、
リズムのノリの良さに感心したのだけど、
今回はどんな演奏を披露してくれるのでしょう?
自由曲はオルバーンという、ラヂッチさんと同郷のハンガリーの作曲家。
「ニホンジンとは違う本場の音楽」を期待してしまいますね!


↑ の団名リンク、「La Musicaの歌声」から
今年の自由曲2曲が聴けます。
この演奏もなかなか良いけれど、
全国はさらに練り上げられているんだろうなあ。




関西支部代表:大阪府
創価関西男声合唱団 (男声27人)


5年ぶりの全国大会出場、ということです。
私は5年前の三重大会
7年前の郡山大会(あの「落下傘」は泣けた〜)、
宝塚室内でこの合唱団の演奏を聴いているんですが、
と・に・か・く!


「どれだけ練習したんだ、この人たちは?!」


…という印象を抱かせる団体です。
学生団体じゃなく本当に一般団体なのか?
演奏、楽曲への練りこみがとにかくハンパじゃない。


今年はヴォルフの曲を演奏してくれますが、
さあ、どこまでこの楽曲を練りこみ、作りこんでくれるか?!


創価男声の今年の自由曲を知りたい方は
慶応ワグネルの演奏ライブラリーから
52回東西四連( 2003.6.29 )
同志社グリークラブ:本山秀毅先生指揮の演奏を聴かれてみては。
http://www.wagner-society.org/library/library_4ren.htm



関西支部代表:奈良県
クール・シェンヌ (混声32人)


6月のクール・シェンヌ第10回演奏会でも
今年の自由曲を聴いたのですが。


・・・しかし、改めてこの選曲、凄いよね〜。
自由曲にメンデルスゾーンブルックナー
誤解されるのを承知で書きますが
もしも支部大会で知らない団体がこんな選曲をしたら
「この時間はトイレタイムだな〜」とか思っちゃう“コンクール通”がいても
不思議じゃないと思う。
(“コンクール通” = “コンクール痛”、だよね…)


まあ、シェンヌだからこそ出来る選曲、という気もしますね。
昨年の全国大会、ハーモニー誌の座談会で
新実先生が「一般Aの未来のために」と、こんな発言をされていますが。
http://d.hatena.ne.jp/bungo618/20080117/1200577264

 極論を言うと、ぼくの中で最高の合唱音楽を仮に2つ挙げるなら、
 モーツァルトの『Ave verum corpus』と
 フォーレの『ラシーヌの賛歌(ジャン・ラシーヌ頌)』。
 この2曲を本当に素晴らしく演奏してくれたら、
 間違いなく金賞。本当に良きものを良きものとして
 伝えてくれる演奏があったら、審査員は
 それにちゃんと反応するはずです。
 これは全部門に対して言いたい。もちろん、中高も含めて!


このモーツァルトの『Ave verum corpus』と
フォーレの『ラシーヌの賛歌』に
今回のシェンヌの選曲は匹敵するのではないかと思います。


本当は「シェンヌだからこその選曲」ではなく、
後に続く団体が出てきて欲しい、
そんな願いを実践している選曲だと勝手に思います。


高松で上西先生とお話した時、
会場の岡山シンフォニーホールの響きを尋ねられて
「凄く良い響きのホールですよ〜」との答えが得られると


「・・・よし!」と大変嬉しそうな表情の上西先生が記憶に残っていて。


教会のオルガニストでもあったブルックナー
岡山シンフォニーホールに、シェンヌの、上西先生の求める
聖堂の響きが、鳴り渡らんことを私も強く願っています!




中国支部代表 島根県 
ゾリステンアンサンブル (混声27人)


今回のゾリステンの自由曲は4年前と同じコスティアイネンのミサ曲!
4年前に愛媛大会で演奏した時はGloriaでしたが
今年はKyrieとSanctusなんですね。
以前に聴いた時は端正で室内合唱の響きが優れた印象でしたが
その後のゾリステンは発声や表現に迫力が出て、
前へ出て来る(言葉通り 笑)ようになって。
去年の自由曲もなかなか骨太の凄い曲でしたからねえ。


今年の島根県大会を聴いた知人に感想を訊くと


「ゾリステンって、アツいですよね!」  え、アツい?


「うん。“熱い”し、“厚い”し、そして“圧”力もある!」


ほうほう、そんな“アツく”印象が変わったゾリステンが
4年前と同じミサ曲から選曲する。
・・・どんな風に印象が変わるか、楽しみです。




関西支部代表 京都府
アンサンブルVine (混声32人)


もしもこのブログを見ているあなたが、
そんなに合唱に詳しくなく、
一般Aの全国大会も初めて聴く人だったら。
(特にあなたが大学生とかだったら)
悪いことは言わない、このVineだけは聴いとけ!…おわり




・・・え? 理由?
うーん、まあ、演出を伴った演奏をする団体なんで
あまり合唱に馴染みの無い方でも楽しめるでしょう。



というのは理由の半分!
私が真にオススメする理由は
Vineの演奏には広がりがある、ということ。
自然で歌を邪魔しないどころか引き立てる演出と動き、
そして繊細で曲への愛情あふれるVineの世界が
聴いた後に、他の団体の演奏にも耳を啓かせてくれる
「広がり」があるんじゃないかな、って思うんです。


今回の選曲はG1のバード、
ウィテカーのWith a Lily in Your Hand
マンティヤルヴィでOver hill, over dale、そしてEl Hamboと
4曲とも個性の違う曲でどんな世界を作るか?!
個人的にはEl Hamboが
どんな演奏になるか非常に気になります。
4曲それぞれVineの絵筆で華やかに彩り、
最後の曲で会場が沸きますように!




九州支部代表 熊本県
合唱団Le Grazie[レ・グラツィエ] (女声28人)


グラツィエって団名は検索したら
>ギリシャ神話「美の三大女神の総称」であり
>また熊本ゆかりの細川ガラシャのお名前からいただいたもの


…だそうですね、知らなかったわー。
いわゆる「大人の声」の女声合唱団。
高松でも高校生の若い声の演奏をたくさん聴いたし
他、課題曲にF1を選んでいる団体は
若めの合唱団ばかりなので、
グラツィエのモラレスがどんな演奏なのか、興味が出ますね。


そして自由曲は西村朗先生の「浮舟」から「匂宮」。
これまた、私個人の意見では
年齢を重ねることで魅力が増す部分がある曲だと思います。


グラツィエの力強い旋律と構成力で、
説得力ある「匂宮」の世界を期待したいものです。




それでは明日に続きます!
なにか間違いがありましたらコメント欄かメールで宜しくお願いいたします。