全国大会あれこれ その1

はい、今年も「全国大会あれこれ」始めたいと思います!





●結局どんなホールだったの?


良いホールだ、と思っていたKOBELCO大ホール。
しかしいろいろな意見がありまして。


Web文通相手さんのところから

「サイドのバルコニーは響きがとてもいいよ!」
「バルコニーは響かなくて唖然とした」
「2階席は響きが飛んでこないと思う」
「2階席がステージの音が一番飛んでいいんじゃないかな?」

そうなんですよねー、人によって感想がそれぞれで・・・。
で。Web文通相手さんのトンデモ?解決が。

(自分の)席が前から6列目だった


…うん、それぐらい前だったらどんなホールでも
響きはあんまり変わらないですよね。
(でもどうなのそれって)



あと、こんな声も。


「なんか今日はホールの響きの印象が違うなーって思ったけど
 そういやこのホールで前に聴いたのって




 『なにわコラリアーズ』 演奏会だったわ!」



そ、その団体と比べちゃダメー!!!








●拍手は人を育てる


今回私は一般の部だけを聴いたのですが
なんと全団体に入場の拍手がありました。
これって演奏する団体には嬉しいものですよね。
拍手の理由のひとつとして
関西には合唱を好む人の割合が多いというのもあるでしょうが
ちょっとコンクールの雰囲気自体も変わってきているのでは?と。


コンクール以外に
松下耕先生が主催する「軽井沢合唱フェスティバル」や
伊東恵司さんが主催の「コーラスめっせ」。
今年3月MODOKIがホストとなって行われた
佐賀・コーラスガーデンなどなど。
離れた地域の合唱団同士が交流する機会が増えてきています。


今までは、言うなれば
競い合う「敵」としか見ていなかった他合唱団が
交流をきっかけに「仲間」として見ることが出来るようになる・・・。
それがこの全国大会、
入場拍手のひとつの理由になったと考えるのは大げさでしょうか。


一般B部門最後の出演だった団体の指揮者さんも
拍手に大変感動し、ブログでこう語られています。

数年前に軽井沢合唱フェスティバルで松下耕先生が
「拍手は人を育てる」とおっしゃっていましたが、
本当にそうですね。
音楽会では演奏家と観客の唯一のコミュニケーションが
拍手ですから(もちろん声を出すのもありですが)
期待を込めたり、感謝の気持ちを表したり…
今回は本当に観客の皆さんに
演奏を後押ししてもらったような気がします。

腕を組み口をへの字にして他団体入場を眺めるよりは
「待ってました!」と手を打ち鳴らすほうが
演奏者も喜んで最高のパフォーマンスができるし、
そうなると聴く方だって楽しい。


「競い合うだけでなく認め合うこと」
軽井沢合唱フェスティバルのモットーだそうです。
これは、矛盾するものではなく
両立できるものではないでしょうか。
少なくとも私は今回の会場での
入場の温かい拍手で、そう感じました。








●楽譜を守る・越える、言霊の大切さ


1日目の審査員講評は寺嶋陸也先生。
(例によって私の不十分なメモと記憶なので
 あまり信用されないよう!)


「楽譜を守ってキチンと演奏するのがそもそも大変」と
前置きし
「様式を守り、楽譜に忠実に演奏する良さ。
 それとは違い、
 楽譜を越えて解釈し、演奏する面白さというものもある」


「そのせめぎ合いが感じられたコンクールでした」と。




2日目の審査員講評は藤井宏樹先生。
ステージに現れた藤井先生。
中央のマイクへ向かったと思ったら・・・通り過ぎた?!


? が浮かぶ観客を前に、
マイクに戻り仰られたことが


「ここは関西だから笑いを取れ、と言われまして…」
客席は大ウケ。やりますねぇ!(笑)



藤井先生の自宅では2歳の柴犬を飼っているそうで、
「犬は人間の言葉はわからないと思われていますが
 そんなことは無く"言霊”は分かっているんです。
 ですから日本語の曲も外国では
 分からないと思いがちですが
 "言霊”が存在しているのだから
 『通じる』と信じなければいけない」・・・と。



 言語という壁を越えて
"言霊”が宿る演奏・・・いろいろ考えてしまうお話でした。




(「全国大会あれこれ」 つづきます)