今年1年聴いた演奏会・イヴェントを振り返る


・・・振り返ったところ1月から4月は何も無かった!
忘れているのとかあるのかなあ?



5月 コーラスワークショップ in SAGA



これねえ、課題曲講習はじめいろいろメモったんだけど
レポートとしてまとめた形にできなくてとても残念。
大谷研二先生のジャズ講座とかとっても有益だったんだけど…。


ネットで
「学んでも言葉に出来ないことは、
 何も学んでいないのと同じ」…という意の文章を見つけて。
言葉として自分の中でまとめ、アウトプットしないと
「なんとなく」な感覚が残るだけで
何も学んでいないのと同じだよなあ、と深く反省したんでした。


某所で書いた
コーラスワークショップinSAGA 特別コンサートの感想を。

嘘偽りなく素晴らしい演奏会でした。
純、そして力強い声で宗教曲を
高い実力で演奏した佐賀女子高等合唱部&合唱団ソレイユ。
独特の緊張感と魂を鷲掴みする
メッセージ性が溢れた演奏のMODOKI。
林光「ねがい」では最初のささやかな「ねがい」が
全く違った印象に聞こえる演奏の妙。
Ken-Pの「前へ」ではすすり泣く声が客席から。
伊万里市伊万里小学校コーラス部&
佐賀大学文化教育学部付属小学校合唱部は
浴衣姿の可愛らしさに頬が緩んだと思ったら、
実際の遊びからわらべうたへ移る演出が非常に高度、
かつスムーズで舌を巻きました。
最後の「夕焼け小焼け」では
良い照明効果とともに郷愁をも。ブラボー!
ジャズベース、ジャスピアノを迎えたジャズコーラス
前述の佐賀女子高等合唱部&合唱団ソレイユ。
最初とは別団体のノリで。
特に「Take the A-Train」では完璧な振り付けとともに
客席を興奮のるつぼに。いやあ凄かった!
全団体合同の「Sing」も児童合唱が良い味出してました。
全国の都道府県、限られた地域に所属する合唱団だけで、
ここまで幅広く、かつ技術的に高度で、
そして何よりも涙を滲ませ、楽しませ、
遠い幼き日に思いを馳せさせる・・・
つまり心を動かす演奏会ができる地域がどれほどあることか?
佐賀県凄い!今日出演された皆様、本当にありがとう!!


演奏の素晴らしさはもちろん、
プログラム的にも正統派の合唱に加え、
ジャズコーラスもあり飽きさせず
そして児童合唱を加えた合同演奏は1曲だけ、
しかも誰もが知っている曲、と憎い選曲と構成で唸ったなあ。




6月 スウェーデン放送合唱団倉敷公演



あの晩祷は素晴らしかったなあ・・・。
某所では
「抜群の安定感から繰り出される表現の豊かさ!
 ニホンジン合唱では決して聴けない響きに、
 いろいろと考えさせられます」…と書いたんだっけ。
海外のプロ合唱団をもっと聴きたいですね。
あとこの辺から
「日本のコンクール上位団体の演奏が基準となっている自分」を
やや客観的に観ることが出来るようになった気が。
(今さらかよ!というツッコミはともかく)




8月


CANTUS ANIMAE演奏会



あのアンコール、
「こころよ うたえ」はもう一回聴きたいほど。



お江戸コラリアーず演奏会



打ち上げにも参加させてもらったんだけど
こういう場所のスピーチは何を話せば良いのかいつも悩みます。


両団のCDプレゼントはハズレでした!残念!



北大・早大 男声合唱ジョイントコンサート
帰省した札幌:キタラでの演奏会。
客演指揮者もいなく合同演奏が愛唱曲で
それでチケット2000円ってボリすぎじゃね?と聴く前から不安が。
前半の単独ステージは「…う〜ん!」なデキ。
しかし、休憩後のワセグリポピュラーステージ
「ワセグリ夜もヒッパレ〜観たい!聴きたい!歌いたい!〜」の
ダンス、演出の流れが高度で素晴らしく笑いながら感動。
このステージだけで全てを許した!
合同演奏の愛唱曲集も懐かしさだけではなく
「いま歌っている」感があり、演出も冴えて良かったですね。


なんでもワセグリは毎年学生指揮者と共に
こういう演出ステージの責任者が変わるそうで、
今年は演出責任者の当たり年だったのでは、と。
(ただ北大も指揮者は客演とは言え
 私は聴いていないけど全国で金賞を受賞したし、
 ワセグリも定期演奏会は良かったそうで
 1回の演奏会の印象ですべては測れないなあ)


MODOKI山本さんにこの
「演出責任者が良かった件」を話すと
「そういう演出責任者が指揮者をやったら
 意外と良い指揮者になったりするんだよ」という意見が新鮮だった。
「仕事ができる」ってコミュニケーション能力や
実行力が優れているということで、
他の分野でも実力を発揮したりするんだよなあ。




9月
淀川混声合唱団演奏会



千原先生の
混声合唱のための「Agnus Dei = 空海・真言・絶唱」は
某Kさんによると
「元々は委嘱初演団体の和歌山児童合唱団が
 海外の児童合唱団とジョイントする時に作られた曲のため、
 キリスト教聖歌と空海の真言、密教を合わせたそうですよ」
…との言葉にな〜る、と。


感想で書いた「東京で活動する人気ジャズトリオ」は
「東京銘曲堂」というトリオで
http://www.tmd-info.com/
最初はジャズの演奏形態に違和感があったんだけど
徐々に引き込まれ、最後はかなり興奮していました(笑)。
こういう違うジャンルを聴く自分の心の過程も考えねばね。
慣れ親しんだジャンルや曲を聴くことへのアドバンテージ、というか
好感への自分の触れの針は常に意識しなければならないと思う。


あ、「楽しむ」ということは、これからも考えていきたいです。
そう簡単なことじゃないんだよね、「楽しむ」って。





10月
Dobrogosz's Night in HIROSHIMA



公募合唱団であるYouth Choir Project 〜煌(きらめき)は
公募団体としてはとても良い演奏だったと思うし。
Men's Vocal Ensemble“寺漢”も人数はやや少ないにしても
良く管弦楽と拮抗して優れた演奏と思いました。


構成としても
「作曲者の即興ピアノ」、
最近の作品、管弦楽と男声への委嘱初演、
管弦楽との「Mass」と盛りだくさんで
飽きさせない内容。
ただ最近の作品「zakuro」にしても委嘱作品にしても
ポピュラリティがありシンプルなんだけれども
やや自分にはシンプル過ぎたかな?


しかし最終ステージの「Mass」は素晴らしかった!
ドブロゴスさんのかなり若い時の作品だけど
世界中で演奏される理由を再認識。
ポピュラリティがあるけれどシンプル過ぎず奥深さがあって
「もっと聴きたい!」という魅力が存在し、
演奏も熱が入ったもので昂ぶりました!


コンクール自由曲では毎年のように変わる
海外の「流行りの作曲家」がいて
そんな風に消費してしまう現状はどうかなあ、と思っているだけに
作曲家当人を呼んでこういう企画を、
しかも広島という地方で実現させてしまう
企画力と実行力は本当に素晴らしいと思います。




11月
La Musica&MIWOジョイントコンサート


MIWOのプーランク「雪の夜」は
吹雪を模したような表現や音の冷たさ、
最後の音色を変えた情熱だけではなく醒めただけでもない
さまざまな感情を持った中間色の表現がさすがMIWO!
プーランクらしい艶やかさも魅力でした。


久しぶりに聴いたラ・ムジカは
指揮者によってこんなに音楽が変わるのか!と驚き。
ハンガリーからこの演奏会のために来日した
ラヂッチ・エヴァさんの軽やかで生命感あるリズムが
記憶に残っています。


合同演奏のブラームスドイツ・レクイエム(2台ピアノ伴奏版)は
前半こそピアノに違和感がありましたが徐々に消え、
バスソリストの松平敬さんの素晴らしい歌唱、
改めてドイツ・レクイエムって良い曲だな!と感じました。
・・・なんか今でもドイツ・レクイエムのフレーズが
時々甦るんですよね。



富山での全国大会



ブログ企画は始めるまでかなり悩んだんですよー!


「コンクールと言えば文吾」
…というような呼び名を付けられるのは光栄だけど
コンクールというものを出来るだけちゃんと観る為には
コンクール以外の演奏会、イヴェント、
そして合唱以外の音楽にももっと触れなければな、と思います。


来年はどうなるんでしょう。
大元のぜんぱくさんは
「文吾くんがやりたい部門をやればいいよ」…ということで
室内合唱と混声合唱部門をやろうと考えてはいますが。
これ、観客賞をやるにしても
その部門が昼休憩後に始まらないと難しいよねえ。




12月
ひろしまユース演奏会



年末に未来へ明るい希望の光が感じられるような演奏会で良かった!




合唱以外では
山下達郎の凄まじさ。
だって30年前に聴いた時の音源と変わらない音が
ステージから届くんだよ!?来年還暦なのに! !


イースタンユースのサウンドの美しさ。
3ピースバンド、エモーショナルロックで
ヴォーカルなんて第一印象では
ほとんど叫んでると勘違いされてもおかしくないのに
そのサウンドの練られ方と美しさに驚きました。
ほとんどの曲は知らず、歌詞も伝わりにくい演奏だったけど
それでもビンビンに伝わり、心揺れるものがあった。
こういうのを聴くと
「世界にはまだまだ自分の知らないものがあるなあ…」と嬉しくなる。



来年、合唱ではコンクール以外のイヴェントをもっと知りたいな。
それに海外の合唱団はじめ、BCJ新国立劇場合唱団のような
プロの団体の演奏をもっと聴きたい。
昨年ぐらいまではくらしき作陽音楽大学の学内演奏で
器楽の演奏をたまに聴いていたんだけど
今年は自分のタイミングで機会に恵まれなかったのが残念。
「言葉」は合唱、声楽の強みかもしれないけれど
それを過信したり、甘えてはいけないし、
音楽の骨格というものはそこにはあまり無いだろう、と思う。
そういうわけで器楽演奏をもっと聴いて、
知るべきなんだろうなあ、と。



合唱を愛する仲間と
楽しい想いを共有する機会が多い1年でした。
お会いしたみなさまに心からお礼を申し上げるとともに
また来年もよろしくお願いします!