ツイッターで別冊少年マガジン班長(編集長)氏を
フォローしているのですが、
この班長氏が2月18日から19日に
こんな連続ツイートをされました。
【聲の形】何度もすみません。
今週の20日発売の週マガ12号に
読み切り「聲の形」が載ります!
本当にすべての人に読んでほしい漫画です。
単行本と違って逃すと読めなくなるので、
今週ずっと言わせてください。立ち読みでもいいです。
・・・嘘です。いや本当です。
えっと、とにかくそんな気持ちです。
【聲の形】明日発売の週マガ12号に掲載の
読み切り「聲の形」は僕とK山とのふたりで担当しています。
この作品が世に出る経緯を少しつぶやかせてください。
大今先生はこの作品の原型である「聲の形」で
マガジンの新人漫画賞で最高賞を取りました。
先生が19歳のとき。
【聲の形】しかし、その受賞作は
どこにも掲載されませんでした。
内容のきわどさから掲載をNGとされてしまいました。
その結果、読み切り作品を載せることがないまま
「マルドゥック・スクランブル」で
連載デビューしました。人気も取り、単行本も売れました。
【聲の形】大今先生が読者に支持されるのを見て、
やはりどうしても大今先生の受賞作「聲の形」を
読者に読んでほしい、読んでもらうべきだという
思いを捨てられず、大今先生の許可を取って、
講談社の法務部、弁護士、
そして日本ろうあ連盟さんに作品をお見せし、
協議を重ね、お墨付きをいただきました。
【聲の形】その結果をもって、
別冊少年マガジンに掲載することが叶いました。
読み切り「聲の形」が人気1位を取ってしまったのは
今でもマガジン編集部の伝説です。
僕たちが頑張ったと言いたいのでは決してなく、
そこまでして読んでほしいと思った漫画だということです。
みなさま明日ぜひm(__)m。
・・・ここまで書かれると俄然興味が湧いてきますね。
20日の水曜日、仕事帰りに
おっさんの自分が週刊『少年』マガジンを購入してきました。
小学校へ転入してきた少女:西宮硝子。
彼女には聴覚障害があり
ノートを使い、周りとコミュニケーションを取る。
しかし、周囲との軋轢は日増しに大きくなり
合唱コンクールの結果をきっかけに
彼女へのいじめが始まる・・・。
重い作品です。
障害者へのいじめという題材から
一回は掲載NGになった、
読後に賛否両論があるのも理解できます。
日本ろうあ連盟さんに絶賛され
「何も変えないでいい。ありがとうございます」と
言われたそうですが
別の方による「フィクションゆえの綺麗事」という感想も
理解できます。
(合唱コンクールのくだりは現実ではありえない、という説も)
しかしこの「聲の形」という作品を
是非読んでもらいたいのは
聴覚障害者への接し方、いじめなど様々な問題提起がありますが
私には「コミュニケーション」というテーマが
大きく心に響いたからです。
賛否両論があるのも、
この大今良時さんという作家の表現が
もの凄く優れているため
読む人の心を激しく揺さぶるから。
いじめた相手の手を握った意味、
硝子さんが毎朝机を拭いていた意味、
さらに結末までの見事な展開に
3回読んで3回とも涙が・・・。
実は私の職場にもおっさんばかりですが
聴覚障害者が4人いて。
読唇の技術など「すごいなー」と思うものの、
ちょっと込み入った話などは筆談でしなければならず
正直面倒に思うことも。(ごめんなさい)
でも、そういう煩わしさも含めて
コミュニケーションする喜びは確かにあって。
その喜びが伝わったのですよ「聲の形」の結末からは。
普段マンガを読まない方も、
書店やコンビニへ行って
どうか週刊少年マガジンを手に取ってみて下さい。
1年に1度だけマンガを読むとしたら、今。
この「聲の形」を強く強くお勧めします。
あ、班長氏、「立ち読みでもいい」とツイートしたことで
お偉いさんからヒドく叱られたそうで(笑)。
できれば買いましょう!たった260円!!
【聲の形】
「立ち読みでもいい」と言ってしまったことは本当に申し訳ないです。
ごめんなさい。編集者でなくひとりの人間としてオススメしたかった。
そんな立場があり得るはずも許されるはずもないのに。
本当に申し訳ありません。
そして「つまらない」と思う人がたくさんいるのも当然だと思います。
でも「つまらない」という感想を抱いたこと自体が、読み手の宝になる。
自身の心の聲をきく契機になる。そういう作品は稀有だと思っています。
だから、どのように言われようが皆さんに読んでほしかったんです。