3月に聴いた
光ヶ丘女子高校合唱部第40回定期演奏会。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/05/21/104120
この演奏を元にしたCD、
「百年後/麦 信長貴富 女声合唱作品集」が
8月4日に届きました。
ジョヴァンニ・レコード [邦人合唱曲選集]百年後/麦 信長貴富 女声合唱作品集
http://www.kamome.ne.jp/gvcs/11703.html
コンクール、演奏会で
今や大人気のレパートリーとなった「百年後」が、
指揮者と作曲家のこだわりが感じられる
充実した録音で聴ける嬉しさ。
ライナーノーツで信長先生は(抜粋)
このディスクに収められている演奏は
約140人の代所帯によるものですが、
大合唱団を一人の指揮者が統制するという構図とは程遠く、
個々の歌い手の内発的な欲求が集まった結果として
壮大なアンサンブルが立ち現れているとしか言いようのない、
奇跡のような演奏だと私は感じています。
…と記されています。
私も全く同感です。
「百年後」、それ以上に感銘を受けたのが「麦」。
シベリア抑留の過酷な体験を経た
石原吉郎の詩に作曲されたこの作品は、
佐藤翔氏の厳しいチェロの音がピアノ、女声と拮抗し、
やがて澄み切った世界へ昇華されます。
この演奏では若い女声との対比が面白いのですが、
年齢を重ねた女声ではどうなるのだろう?と
作品の広がりを期待させるような。
ほとんどの合唱CDは1回聴くと満足してしまうのですが
この作品は珍しく何度も聴いてしまいます。
最終曲の「水よ」は前4曲の音楽を通してこその
身体に染みわたるような美しさ。
風ならば
さらに風であるだろう 水よ
水ならば
ふたたび水であれ
「水よ」 より
詩:石原吉郎
是非ともたくさんの女声合唱団に演奏して欲しいと思います。
シベリア抑留に関しては石原氏本人の記述が胸に迫りますが
大変良いこの紹介で、最近読んだマンガもお勧めです。
シベリア抑留 未来というものが真っ黒に塗りつぶされるような果てしない絶望 『凍りの掌』 - マンガHONZ
kindle1巻が無料なので、多くの人に読んで欲しい作品です。
続けて全6巻読んでしまう力があります。
壮絶という言葉では追い付かない体験。
日本漫画家協会賞大賞。