パナムジカ35周年記念・東京混声合唱団特別演奏会

 

 

パナムジカ35周年記念・東京混声合唱団特別演奏会感想


2022年5月15日(日) 
開演 16:00 (開場 15:00) 

 

パナムジカ35周年記念・東京混声合唱団特別演奏会で初めての大阪・豊中市へ。
豊中市立文化芸術センター大ホールも初めて訪れました。
ホール壁面がボルタリングできそうな出っ張りで。
「コレ、下から上まで登れたら、A席がS席にグレードアップとかしないかな?」と想像。(失敗したら通路に体育座り)

 

 

東混メンバーはマスクを外したからか、大柄な本山秀毅先生指揮のエネルギーに背中を押されたか、バッハも邦人作品も、生命感に満ちた印象。

 

 

 

パナムジカ名曲選も東混女声で相澤直人「知るや君」など名曲たる所以を再確認(特に音量バランス)。
男声も懐かしい南弘明「輪踊り」、そして最後に盛り上がり、気持ちの入った藤嶋美穂「あさきよめ」と良い構成!

 

 

 

最終ステージの信長貴富作品:弦楽アンサンブルステージは、久しぶりに留保無く演奏に心動かされました。
弦楽で奏でられる新鮮さはもちろん、本山先生が仰っていたように息の流れと弦の親和性、歌と弦が呼応し、ピアノ、合唱に熱を加え、一段音楽を膨らませる強い説得力。
「リフレイン」、「春」の流れに泣かされる…!参りました。

 

 

 

 

信長さんは現代の世界情勢から芸術の意味を問われ、「不要不急という言葉がありましたが、芸術に言葉での説明や、理由を求めるのは…」と答えられた。
今回の「春」やアンコール「群青」、聴いているうちに東日本大震災の後、福島の女子高生が歌った「春」の演奏や、「群青」の詩が生まれた背景を思い出し。
今まで感じていなかったはずの苛立ちや怒りを、弦の低い響きから捉えてしまったのは、自分だけの理由。

ロシアのウクライナ侵攻でキナくさい匂いが強くなっている現状。
誤解されるのを承知で書きますが、「歌が平和を招く」も当然のこととして捉えるのでは無く。
「何を歌から受け取るのか、あるいは受け取らないのか」を改めて考えました。
音楽に限らず芸術表現は、同調圧力や教育的な流れから逃れた、それぞれの、個人が感じる自由であって欲しいと考えます。

コントラバス:村上満志さんの演奏、良かったですね!

 


それにしても信長さんの弦楽アンサンブル編曲版、日本中のアマチュア団体で演奏して欲しいなあ。
弦だけベターっと流れるんじゃ無く、要所の欲しいところで奏でるんですよ。
さらにピアノ、歌とのアンサンブル感。
たくさん聴いてきて、知っていたと思った作品が、この弦楽アンサンブル版で作品への理解が深まるというか、なるほど、信長先生が本当に聴かせたかった音楽はコレだったんだな!と。

 

あと信長さんと同世代としては、日曜夜のハウス名作劇場アニメのエンディングみが深まった気がしました(笑)。
(東混団員:名アルト志村さんの「昔のNHK朝ドラOPみ」という声にも納得!)
幼少期に接したテレビなどの音楽で、信長先生と共通するものがあるかもしれないと考えると、嬉しくなりますね。

 

 

 

 

いやあホント、信長さんの弦楽アンサンブル編曲版はお勧めです。
今後、日本全国の団体で聴いてみたいと強く願います!