観客賞バックステージ 同声合唱の部 その1

 

 

 

 

昨日までは室内合唱部門へ出場の団体をご紹介していました。
26日(日曜日)午前10時から開会式の後、10:10から同声合唱部門の始まりです。

ここで伝統(?)の #全国で朝カツ推進運動 について。
トップバッターの愛知県からVOCI BRILLANTIさん、お願いします!

ありがとうございました!
25日大学ユース部門最初の愛媛・Female Ensemble Mandaeliteさんも、おそらく朝4時台に起き、眠さと寒さと練習場所確保の難しさと戦い、頑張って演奏してくれるはず。
できるだけいっぱいのお客さんと盛大な拍手で迎えてあげたいですね。

今年の全国大会は新潟県新潟市!
ちなみに新潟県新潟市での全国大会、大学職場一般の部は2005年(平成17年)以来、18年振り。

 

会場は25周年を迎えた新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」。

 

同声合唱部門は10団体、内訳は女声9、男声1団体。
初出場が1団体で、お久しぶりの団体や常連さんが全国から揃いました。

最初の団体は先ほど紹介したこちらの女声合唱団!

1.愛知県・中部支部代表
VOCI BRILLANTI

https://brising0202.wixsite.com/vocibrillanti

https://twitter.com/Brillanti0202

(女声30名・2年連続出場・第63回大会から9回目の出場)

昨年は指揮者でありピアニストの、白鳥清子先生による弾き振り「寂庵の祈り」が優しく温かい祈りに満ち、自由曲の信長貴富「風のような歌は」では均質な音色から奏でられる、繊細な音響表現に惹きつけられました。

ブリランティさん、今回の演奏曲は
●課題曲
F3 街路灯(「街路灯」から) 北岡淳子 詩 三善晃 曲

●自由曲
女声合唱のための「あなたが歌えと命じる時に」
作曲:高嶋みどり


課題曲はF3「街路灯」。
実は今年の同声部門、女声9団体中、なんと7団体が街路灯を選択されているという「街路灯大渋滞」状態!
ブリランティさんは中部支部大会では「指揮・ピアニスト 白鳥清子」先生としか書かれていなかったので、弾き振りという大変レアな街路灯が聴けるかも?!

自由曲の「あなたが歌えと命じる時に」、いにしえからのコンクールマニアとして「おぉっ」、と。
1986年初演、ノーベル文学賞を受賞した R.タゴール(最近は信長貴富先生「百年後」の詩人として有名でしょうか?)の「ギタンジャリ」を、山室静氏訳のテキストに作曲された無伴奏女声合唱曲。
あなたが歌えと命じる時に、わたしの胸は誇りにはり裂けそうだ
歌うという行為と意味、そして希望や理想、讃仰が詰まったテキストと見事に響き合う音楽は発表当時から大変な評判を呼び、全国大会でも数多くの団体が演奏されてきました。
それでも大学ユース職場一般部門での演奏は、久しぶり?

高嶋みどり先生にもレッスンを受けられたブリランティのみなさん。
令和の今、この名曲に新たな響きと歌を見出してくれることを期待しています!


続いて北海道から常連の少年少女合唱団!


2.北海道・北海道支部代表
HBC少年少女合唱団シニアクラス

http://www.hbc.co.jp/hbc/jr-chor/

https://twitter.com/HbcJuniorchoir

(女声・10大会連続出場・第57回大会から11回目の出場)

HBCは北海道放送株式会社(Hokkaido Broadcasting Co.,Ltd.)の略称。
1957年に前身のHBC児童合唱団。
1965年に中学生を加えたHBC少年少女合唱団を創立。
今回出場されるシニアクラスは中学生と高校生のメンバーとのこと。

昨年は自由曲にイェイロの名曲「Ave generosa」を、太くアルトに寄った発声が素朴な音楽作りと噛み合い、この曲の持つ原初の祈りのようなものが感じられました。

HBCさん今回の演奏曲は
●課題曲
F3 街路灯(「街路灯」から) 北岡淳子 詩 三善晃 曲

●自由曲
Agnus Dei
作曲:Ivo Antognini

Laudate Dominum
作曲:Levente Gyöngyösi


街路灯2本目!
先月の高松全国:高校の部でも街路灯の違いが興味深かったのですが、若い年代が多いHBC街路灯がどのようなものになるのか?
当然、最新LEDのまばゆい灯りか、それとも……?

自由曲のアントニーニはスイス、イタリアの作曲家。
これまで何度も選ばれたことから指揮者:大木秀一先生のお気に入りなのでしょうね。
少年少女合唱団の純粋さが生きるような優しさと、アントニーニらしい機知がある作品。

ハンガリーの作曲家:ジェンジェシも人気の作曲家。
速いテンポで進む、軽やかなリズムと自在な旋律。
これも反射神経に長けた若いHBCさんなら見事に演奏し、後半はタンバリンと共に盛り上げてくれるのが楽しみです。

 

続いて私が住んでいる倉敷から女声合唱団が!


3.岡山県・中国支部代表
Coro Piace
(6年ぶりの出場・第70回大会以来2回目の出場)

倉敷を拠点に昨年、結成15周年を迎えられたCoro Piace(愛称:コロピア)さん。
年配の方も多い団体なんですが、6年前の課題曲F2のプーランクでは旋律や歌唱が「大人」の合唱になっていて。
自由曲の信長先生「不可思議のポルトレ」から「伴奏」「明日」は指揮、ピアニストとも合唱と一丸となって豊かに響く、生きてきた日々を思わせる非常に情熱的な演奏でした。

コロピアさん、今回の演奏曲は
●課題曲
F3 街路灯(「街路灯」から) 北岡淳子 詩 三善晃 曲

●自由曲
女声合唱・オーボエ・ピアノのための「創造の草笛」
作曲:信長貴富


街路灯3本目!
前のHBCさんと、かなり違った演奏になることは間違いありません。
同じ曲が年代によって、どれほど印象が変わるのか、これも同声合唱部門の楽しみ。

自由曲の「創造の草笛」は最近出版されたばかりの作品。

岡山県のCoro Piaceによる初演作品。単一楽章曲。詩の中で「草笛」は愛する人の象徴として存在し、本作のオーボエはその「愛する人=儚い存在」であるかのように音が紡がれている。合唱は詩人の声として歌い、ピアノは合唱とオーボエを包む宇宙空間のような雰囲気が醸し出される。

 

昨年の12月、信長先生のポストにあるように、岡山でコロピアさん15周年記念コンサートとして、客演指揮に岩本達明先生をお迎えし「創造の草笛」を委嘱初演。

大変申し訳ないことに、私は行くことが叶わず。
ただ、このコンサートの演奏も、中国支部大会でも「圧倒的な作品、演奏だった!」という評判を聴いています。
それほど数が無い「詩人:大手拓次+信長貴富」という組み合わせにも注目ですね。
コロピアさんの演奏で、聴く私たちの創造の心を、明るい光の世界へ引き出してくれるのでしょうか。

 

続いては東北からあの高校のOG合唱団が!


4.福島県・東北支部代表
合唱団L'alba

https://www.sotwe.com/Lalba_otome

(女声・4年ぶりの出場・第70回大会以来3回目の出場)


L'albaさんは安積黎明高校のOG中心に8年前に創団し、現在は同校卒の新しい仲間も加わっているとか。
「L'alba」はイタリア語で「黎明」の意味を持つということ。
星英一先生の指揮、御指導の元、郡山と東京都内各所で約月2回活動中だそう。

L'albaさん、4年前の演奏では課題曲に髙田三郎「飛翔-白鷺」を演奏され、一聴して自然でケレン味が無いように思えても、さりげない微妙な変化に味があり。
自由曲:鈴木輝昭「CLANN LIR」より 「ii)D’eirigh na heiteoga geala」は曲の理解度が深く、表現の精妙な階層や呼吸、バランスの巧さ、輝昭作品で欲しい表現を余すことなく実現されていました。

L'albaさんの今回の演奏曲は
●課題曲
F3 街路灯(「街路灯」から) 北岡淳子 詩 三善晃 曲

●自由曲
女声合唱とピアノのための「虹とリンゴ」より
「3.シャボン玉」
作曲:三善晃


街路灯が続きます。
自由曲はこちらも三善作品。
詩人:宗左近独特の浮遊する世界、シャボン玉の中から見る宇宙のような。
その詩世界を三善先生の音楽が夢幻に彩ります。

 
 
 
 
 
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先月の高松の全国大会で、母体となる安積黎明高校の演奏を、星先生の指揮で聴きました。
とても立派な混声合唱に感嘆したのですが、それでも一抹の寂しさを感じてしまい。
「シャボン玉」、演奏の機会は少ない曲です。
三善作品で揃えたL'albaさん独自の世界、そして女声の安積黎明時代で培われた世界をぜひ表出して欲しいですね。

 

(※次回へ続きます)