観客賞バックステージ 同声合唱の部 その3

 

 

 

 

信濃川(新潟市)

 

 

「スマホで全国大会の演奏を!」
ブレーンさんのアプリ「BRAVO Live」
アプリをダウンロードしたら、全国大会の演奏が30分後に聴けるという優れものです。

b-live.shop

会場にいなくてもネットで買えますし、CDプレーヤー、CDドライブ内蔵PCを持っていない人もスマホで聴けるのが嬉しいですね。


QRコード読み取ったら、一瞬でスマホで聴ける!
みなさんとりあえずアプリをダウンロードしておきましょう!!

 

高松の全国大会で試したら、本当にあっという間に聴けて衝撃でした……!

 

前回はmonossoさん、La Pura Fuenteさん、女声合唱団 ゆめの缶詰さんをご紹介しました。
今回は同声合唱部門の最後の3団体をご紹介します。

1団体目は初出場の団体……あれ?指揮者のお名前に見覚えが??

8.奈良県・関西支部代表
Nelken Chor

https://twitter.com/nelkenchor

(女声17名・初出場

初出場おめでとうございます!
Nelken Chor(ネルケン コア)さんは関西を拠点とした若い世代の女声合唱団、2022年4月に結成。
団名の「Nelke」はドイツ語で「なでしこの花」だとか。

そんなネルケンさんの指揮者は・・・前日の室内合唱部門でEnsemble Nisiさん、Chor Alyssumさんを指揮された上西一郎先生じゃないですか!
今大会、3団体も指揮されるのは上西先生だけ!

ネルケンさん、今回の演奏曲は

●課題曲
F1 Salve Regina
Giovanni Pierluigi da Palestrina 曲

●自由曲
「Missa super "Salve Regina" et "Vater im Himmelreich"
(「サルヴェ・レジーナ」と「天にいますわれらの父よ」によるミサ曲)より」
「Kyrie」
作曲:Anton Heiller

「Weltlich Musik für Frauenchor(6つの歌)」より
「1.Ein Bild am Pfade(小道の風景)」
「5.Marchenzauber(おとぎ話の魔法)」
作曲:Josef Gabriel Rheinberger


課題曲のF1パレストリーナはこの新潟全国でネルケンさんだけが演奏します。
高松全国でも、高知学芸高と盛岡第四高の2団体しか選曲していなかったので、なかなか貴重。

自由曲のハイラー(1923~)はオーストリア生まれ。
「Kyrie」は密に絡み合う3声と独特の引き締まった雰囲気が魅力です。
室内部門:Chor Alyssumさんが演奏するヒンデミットとも親交があったのも頷けます。

ラインベルガーの「6つの歌」は女声4声のための曲集、唯一の無伴奏女声のための歌曲集?
歌唱の魅力を深く理解したラインベルガーならではの美しい「小道の風景」、女性たちのささやき、おしゃべりを連想させる愛らしい雰囲気の「おとぎ話の魔法」

どの曲も多人数で、というよりは各パートの個性が光る、少人数で聴いてみたい精緻な工芸品のような作品。
17名で演奏されるネルケンさんにふさわしい選曲かもしれません。

7月の宝塚国際室内合唱コンクールでは銀賞を受賞し、さらに翌日の特別演奏会にも選ばれるなど、既に評価は高いネルケンさん。

初出場、どうか伸び伸びとみなさんの歌が響きますように。

 

続いてはお久しぶりの児童合唱団が福岡から!


9.福岡県・九州支部代表
NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科

https://www.nhk.or.jp/fukuoka/mirai/index.html

(女声36名・7年ぶりの出場・第69回大会から2度めの出場)

NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科さんはNHK福岡放送局開局75周年を記念して、2005年4月に発足。
小学生から高校生まで総勢67名ですが、今回は中学・高校生のシニア科で出場。

7年前は課題曲F3、松下耕「じいちゃん」を演奏し「本当に孫がじいちゃんへ語ってるみたいだ……」と観客を泣かせ。
自由曲に三善晃作曲、ピアノの無窮連禱による女声合唱曲「生きる」を演奏し、この曲の新鮮な側面を魅せていただきました。

MIRAIさん、今回の演奏曲は
●課題曲
F4 ねんね根来の(「紀の国のこどもうた1」から)
松下耕 曲

●自由曲
無伴奏同声(女声)合唱のための「奄美の守姉のうた」
作曲:横山潤子

アンソロジーI -女声合唱とピアノのための-
 ~序・泣いているきみ~
作曲:三宅悠太

課題曲F4はこの新潟全国で唯一演奏される課題曲。
高松全国でも出雲高だけの選曲だったので、貴重ですね。
「紀の国のこどもうた」の通り、児童合唱の心へ届く子守唄は格別。

自由曲「奄美の守姉のうた」は「かつて鹿児島の奄美から沖縄にかけて、子守り文化の一つとして存在した守姉(むいあに)を歌った名瀬の子守歌」(パナムジカサイトから) 
南国らしい旋律と明るさ、そして慈愛に満ちた子守唄。
この作品は昨年の、第4回東京国際合唱コンクール児童合唱部門の課題曲。
MIRAIさんはこのコンクールに出場され第2位、さらにこの課題曲の「最優秀課題曲演奏賞」を受賞されたことから期待が高まります。

三宅悠太「アンソロジーI 」は寺山修司「なみだは にんげんの作る一ばん小さな海です」から谷川俊太郎「泣いているきみ」へ繋げるテキスト。
思春期の瑞々しい心が、次々に開かれていくような魅力的な旋律と鮮烈な音響。
美しく彩るピアノとともに自分たちの歌として伝えてくださることを願って。

 

同声部門最後を飾るのは唯一の男声合唱団!


10.埼玉県・関東支部代表
男声合唱団APERTASS

https://twitter.com/APERTASS1

(男声38名・2年ぶりの出場・第74回大会から2回目の出場)

 アペルタスさんは2017年に結成。
 「APERTASS」はイタリア語「アペルタ」からきており「開放」という意味があるとか。
 「日々色々なことがあるけれど、歌っている時くらいは自分を開放しようぜ!」との思いから名付けられたそうです。

2年前の演奏では、懐かしいグリークラブの雰囲気で好感を持ったという声が大きく、自由曲の荻久保和明 「ゆめみる」は直球の演奏で、名曲を名曲と思わせてくれる熱い演奏でした。

 

アペルタスさん今回の演奏曲は
●課題曲
M4 ぜんぶ(「ぜんぶ ここに」から) さくらももこ 詩 相澤直人 曲

●自由曲
男声合唱のための「Agnus Dei = 空海・真言・絶唱」
作曲:千原英喜

課題曲「ぜんぶ」は高松・新潟両全国大会で唯一演奏される作品!
愛唱曲として広く知られている名作ですが、コンクール課題曲としてアペルタスさんがどう捉えられるのか。

自由曲の「Agnus Dei=空海・真言・絶唱」は昨年、関西学院グリークラブさんも演奏された作品。
2019年、立命館大学グリークラブさんと明治大学グリークラブさんによって委嘱初演。
オリジナルは混声合唱、しかし「もともと男声のために書かれたと思わせる」という感想にも納得の編曲。
虚空蔵菩薩真言、光明真言、Agnus Deiをテキストにし、語りから始まり、水や風などの自然音、鳴り物も入る演奏効果が高い曲です。
最後の部分では安息と幸福と平安へのグローバルな「祈り」としてAgnus Deiが歌われます。

これまで女声合唱9団体で、女声合唱ならではの魅力、幅広さを堪能してきた私たち。
ここでいっちょ男声合唱のイイとこカマしてくださいアペルタスさん!・・・えっ?

 

激ウマの
女声に囲まれ
震えてる


・ ・ ・ (笑)
たくさんの街路灯に照らされた道の先に、アペルタスさんの「祈り」があるこの同声合唱部門。
「最高の演奏」、本当に楽しみにしてます!


(※次回から混声合唱部門のご紹介に続きます)