観客賞座談会・混声合唱部門 その2

 



申し訳ありません。
インフルエンザ等で更新が空いてしまいました。

観客賞座談会・混声合唱部門の続きです。




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定山渓温泉雪灯路

 

 

 

 


4

Combinir di Corista
(36名)

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課題曲G2、一番お手本の演奏だと思って。


教科書…いや、参考書かな?


文吾 それって褒めてるの…?


褒めてますって!(笑)
だって教科書で
受験は通らないかもしれないけど
参考書なら合格するでしょ?!


大合格ですよ。
私にはNo.1の演奏でした!


文吾 それはG2を演奏された中で?


いや、他の課題曲を含めても
この2日間で一番良い課題曲の演奏でした。


最初にコンビニさんを聴いた時は
上手いけどやや無機質な印象だったんですが
ここ数年は人間臭い、
エモーショナルな音が鳴る合唱団になって。


2年前の「春と修羅」の演奏なんて
そういう「エモーショナルな音」という点でも
凄く良かったよね。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/02/19/203458


文吾 ではその「春と修羅」がきっかけで
   委嘱されたという信長貴富先生
   「静寂のスペクトラム」から
   「4.とてつもない秋」は?


「とてつもない秋」って・・・。
それはもう冬なんじゃ?


一同 (笑)


自分には冬にも秋にも感じられなくって。
訴えている内容が
紅葉が始まったくらいの本州。
それを夏のテンションと
サウンドで歌われた気がしたな。


文吾 でもちゃんと「柿」とか「栗」とか
   秋ワードを散りばめてるんだから!(笑)


情報量が多すぎて
脳内パニックを起こしながら聴いてました(笑)。


ところどころに鳴る和音が
フランスっぽくてお洒落だったじゃないですか。
学生団体にメチャクチャ流行りそう!


信長先生のポップス寄りな面が出ていましたよね。
ただ、難易度はかなり高いから流行るかな~?


超絶技巧でしたよね。
そういう高い技術をハイスピードで
次々繰り出すことにまったくハードルが無い、
一番凄い団体だと思います。
素晴らしかった。


聴き終わって「良かった!」という感じでした。


コンビニさんは
夏に聴いた東京国際合唱コンクールの演奏も
好きでした。


文吾 ああ、あのブラームスやブルックナー、
   良かったよね。


それで今回は「とてつもない秋」でしょう?
この選曲の幅広さと深さと言ったら!
もうコンビニじゃなく総合商社なのでは!!


一同 「総合商社」?!



《文吾の感想》

総合商社って団名にしたらどんな感じなんだろう?

課題曲G2はバランスが素晴らしく、
テノールも和声を意識し浮かすような声に変えるなど。
音楽もピアニッシモからの流麗な流れに
感情が乗り、説得力ある表現。
自由曲はまさに「とてつもない」!
詩中の「!(エクスクラメーションマーク)」を
なるほどこのように表現するのか、と。
追い付けないほど疾走感ある音楽、
眩暈がするほどの煌めく情報に翻弄され、
興奮し、圧倒され、最後には
新しい抒情とでも言うべき感情の波にさらわれ、
自分でも説明がつかない涙を流していました。
コンビニさんという団の特長をしっかり捉えた
信長先生渾身の「オーダーメイド」作品。
堪能しました!



ツイッターの投票では

 

バランス!まとまり!選曲!!!

 



メールの投票では

 

難曲をさらっと歌えるのがいい。

  

 安心と信頼のコンビニ。

  

G2は、ここの演奏がほかを圧倒していたと思います。
信長先生の新曲も素晴らしく、声、音圧、発語、そして音楽全体、素晴らしかった。


…という感想がありました。


 

 

 

 

 

 

 



3


クール シェンヌ

(53名)

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素晴らしかった!


一同 (口々に)本当にそう! ブラボー!など。


課題曲G1、最初のソプラノとアルトの2声が
難しいんですけど、
この課題曲演奏でトップクラスでした。


ソプラノの入りが実に上手かったですね。


男声も良かったですよ。
抜けがどこにも無い(笑)。


毎回思うんですけど、
シェンヌさんのこの卓越した発声だと
聞き慣れたはずの課題曲が
まるで違った曲に聞こえてしまうという…(笑)。


それが「シェンヌクォリティ」!


自由曲のブラームス「夜警II」も良かったですね。
上手い歌い方するな~と思って。


どういうところが?


和声の必要な箇所で低音をガッと張ってきたり。
言葉、ディクションをきっちりハメてくる。
短い作品なのにそういうところを
凝縮して演奏しているな、と。


私も心掴まれましたね。
余裕があるんですよ。
大人のたしなみみたいな・・・。


一同 「大人のたしなみ」?!(笑)


「コンクールに賭けてます」じゃなくって
ホント、鼻歌歌ってるみたいに
あんなに余裕がある音が出てくる。
素晴らしい!


自由曲2曲目のレーガー「慰め」
心に深く染みてきました・・・。


ブレスコントロールが
凄く緻密に計算されていて。


女声が特に上手でしたね。


このコンクール、最後がシェンヌで
本当に良かったと思います。
指揮の上西先生に直接伝えたくらい。


先ほど、「大人のたしなみ」、
「余裕」という言葉が出てきましたけど、
シェンヌのみなさんが
純粋にこの音楽を楽しもうっていう感じが
コンクールうんぬんを抜きにして
とても伝わってきたんです。


わかる。
なんというか、シェンヌの演奏で
コンクール的な音楽を聴く耳が
ニュートラルに戻ったと言うか。
コンクールだろうとどんな場であろうと、
真摯に音楽へ向かわなきゃいけないよな、って
最後で大事なことに気付かせてくれた演奏だったよね。



《文吾の感想》

課題曲G1はその深い発声と響きある歌に
背筋が伸びるほど。
フレーズ、歌というものの美しさを
ひたすら追求しているような音楽。
自由曲のブラームス
言葉、語感のリズムが非常に練られていて。
細部にも母音の明るさなど配慮が。
続いてのレーガーが本当に価値ある演奏でした。
フレーズをここまで綺麗に聴かせ、
聴く側の意識を絶対に逸らさせない。
途中のフレーズのあまりの美に、
涙が一粒・・・。



ツイッターの投票では

 

聴衆の集中力が切れてくる(自分のこと)終盤でハッとさせてくれた

 

高い響きの女声が魅力で、禁欲すぎない自然なG1。
第一声からロマンな自由曲との対比含めて絶妙。

 

身内びいき込みで全団で1番G1がうまかったです

 

魂に直接響くような音でした。

 

シェンヌは鳥肌立った


メールの感想では

 

ひとりひとりがしっかりと歌っておられて、格好いいです。
他の団の皆さんもそうだと思うのですが、シェンヌが違うのはステージに54(=1+53)人の指揮者がいるように見えることです。


…というものがありました。


 

 

 

 

 

 

 

 



2位!


合唱団やえ山組

(60名)

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最高!


カッコ良かったです!


課題曲G2、自由曲共に
歌い手主導の生きた演奏!
音楽が流れていました。


昨年のイメージでは
もっと迫力系というか
音圧の高い合唱団というイメージで
けっこう力押しで来るかと思ってたんだけど。
今回は凄く精緻で繊細に
音楽が組み立てられている印象で。
特に自由曲のシェーンベルク「地上の平和」。
こういう表現もできるんだ!


うん、今回は本当に丁寧な演奏でしたね。


メンバーの年代の幅が広くないのが
功を奏していたんじゃないのかな。
音楽的な感性や発声の面で。


若い歌い手さんが多かったですよね。
なおかつ音楽を専門的に学んでいる団員さんも
多くいることもあって、
非常に精度の高い演奏が聴けました。


そうそう。
音楽を専門に学んでいる方が多いというのは
フレーズ感が一本調子ではなく、
変化をつけようという
意志からも感じられたんですよ。


団員さんにサウンドの厚みを
理解している人が多いと感じて。
だから演奏で鳴らすのが必要な箇所で
無理なく鳴らしてくれる。


あー、指揮者が指示しなくてもね。


それ!
指揮者の立場だったら
スッゴクありがたいんですよ・・・(涙)。


一同 (笑)


おそらくは団員同士のコミュニケーションも
盛んなんじゃないかな。
「息が合っている」印象を受けたから。


精度の高さだけではなく、
「この難曲を余すことなく表現してやる」的な
熱さも感じて、
プロの演奏とアマチュアの演奏の
いいとこ取りだと感じました。


実力派だなあと思いましたよ。


文吾 しかし、2回目の出場で金賞2位でしょ?
   これからどうなっちゃうんだろう・・・。
   来年の演奏が楽しみでもあるし。


東京の某団体みたいに連続金賞で
あっという間にコンクール引退、かも。


文吾 えー?!
   審査員のみなさん、
   来年はもっと厳しい評価を!
   高評価は観客賞が引き受けますから!!


アンタはやえ山組の味方なのか敵なのか(笑)。


《文吾の感想》

課題曲G2は若々しい発声で
軽く、すっきりした透明な響きで
音楽が自然に流れていきます。
自由曲のシェーンベルク「地上の平和」
素晴らしかった!
ひそやかな入りから感情の爆発までの
表現の幅広さと豊かさ。
時に緊張感に満ち、
時にさりげない美しさを見せ、
徐々に切迫し、平和を希求する熱い心が高まって
聴きながら手を強く握ってしまい。
プロフェッショナルの東京混声合唱団の演奏でも
形を整えるだけで精一杯のこの難曲を、
実に丁寧にフレーズ、特に和声を精密に創り上げ
説得力ある演奏を聴かせてもらいました。
座談会でも出たように、
音楽を専門に学んでいる人が多かったのですが
(ソプラノにスゴイ人がいましたねー)
それだけでは「合唱」として成立しないのは
みなさんご存知の通り。
勝手なお願いですけど、なるべくなら
「金賞1位取ったから引退」…みたいにはならず
合唱の新しい地平を見せて欲しいですねえ。




ツイッターの投票では 

 

やえ山組のテナーさんが全部持っていきました
空気にとけていくようなテナー

 

やえ山組、惜しむらくは曲も作曲者もわからないのでうまい以外のことが言えないことです

  

クオリティ高い演奏。

  

声の柔らかさ、和声の美しさが際だってた

 

 音の暴力、じゃなかった迫力でknockout

  

自由曲のシェーンベルクすごすぎでした…鳥肌たちまくりでした。

 

…という感想がありました。




(第1位の団体感想に続きます)