Nコン中止に寄せる信長先生の言葉

 

 

大変残念ながら今年のNHK全国学校音楽コンクールは中止となりました。

 

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止にともなう「第87回NHK全国学校音楽コンクール」中止のお知らせ

 

 課題曲は来年に持ち越しなんですね。

 

 

 

「学校再開ガイドライン」を踏まえ、また「新しい生活様式」を心掛けても、コンクールでの集団による合唱は、十分な間隔をあけたり近距離での発声を避けたりすることに限界があり、感染拡大のきっかけに繋がりかねません。

https://www.nhk.or.jp/ncon/entry/pdf/2020_info.pdf

 

  

「いま」、合唱を練習の段階でも、実行することの難しさも実感してしまいます。

そんなとき、Facebookで作曲家:信長貴富先生がこんな投稿をされていました。

 


「私自身の体験から言うと、音楽的に満たされないフラストレーションが、そのあとの人生で音楽を続けるモチベーションになることもある、という話をざっくりしてみます。」

 

とても良い文です。
そして自分も信長先生ほどではありませんが、大学進学で似たような経験があります。
「こんなもんじゃない、まだまだ先の世界がある」と思うことは、短期的な視点では不幸かもしれませんが、長期的には幸せなんじゃないでしょうか。
もちろん個々人の見識、能力もありますが、中学や高校の部活で「合唱をやり切った」と思わせるシステムって・・・? などと思いを巡らせることに。


「音楽的に満たされないフラストレーションが、そのあとの人生で音楽を続けるモチベーションになる」。
自分の生きてきた経験から、凄く納得が行く言葉なんです。
「それって確証バイアスじゃない?」と批判されるのも当然のこととして、それでも進学、それに関係した合唱も希望通りにならなかった自分が、今もなお合唱を好んで聴く理由です。

これを読まれている学生のあなたの一瞬、今年のコンクールの機会は、もちろん何事にも代えがたいものです。

しかし手からすり抜けてしまったように思われる貴重な機会をその後、長年にわたって、さまざまな人生の経験を経て、さまざまな視点で見るとき。
それはひょっとしたら、「手に入れた」と思う瞬間より、実感と重みをもってあなたに確かな価値をもたらすのではないでしょうか。

 

信長先生には及びませんが、いろいろな経験と、年月を経たおじさんはそんなことを思うのです。