「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2011」(その6)


11月20日 13:25から
一般部門Bグループの開始です。
最初の団体は・・・




1.宮城県・東北支部代表
合唱団Épice
(混声48名・2年連続出場)



「Épice」とはフランス語で「香辛料」という意味。
昨年4年ぶりに全国大会へ出場した
創立14年目の団体です。
指揮者の早川幹雄先生は宝塚国際室内合唱コンクールで
何団体も指揮をされ、優秀な成績を収められています。
その独特の緊張感が昨年のÉpiceの演奏にも
表れていました。


昨年と同じく、団員のでぷれさんにメッセージをいただきました。
各曲を選曲された理由を教えてください、との問いには。

課題曲:G1
フランドル派の音楽を取り上げよう、という先生の意向もあり、
2月に行われた演奏会で披露いたしました。


自由曲 
無伴奏混声合唱「詞華抄」より
「エロースが私の心を襲い来て」(鈴木輝昭)
「EL Guayaboso(ほらふき)」(Guido Lopez-Gavilan)
本年度は、「愛」をテーマにした選曲です。
サッポーの詞は、
愛の神として知られるエロースが登場し、
妖しく荒々しい愛の形を描写しています。
そこに、輝昭さんの複雑な音が絡み合い
神秘的な情景を映し出します
Gavilanのほらふきも、恋人たちが、
ルンバの踊りに合わせて軽快に愛をささやく様子が描かれています。
「硬軟取り混ぜた」対照的な二曲ですが、
その変化がふわっと美しく、
楽しく引き出せるよう、演奏いたします!


おお、今年は「愛」がテーマなんですか。
確かに「硬軟取り混ぜた」対照的な2曲で
目が、耳がステージへ集中しそうですね。


そして聴く人に伝えたい事は、という問いに
でぷれさんはこんな真摯な文章を書いて下さいました。
みなさん、是非お読み下さい。

2年連続で全国大会に出場いたします。
ゆるぎない、しっかりとした音楽で
会場を揺さぶりたいと思っております。
また、今年は大変な震災があり、
一時は練習もままならない状態でした。

 
震災の一番の影響を受けたのは、早川先生ご自身でした。
ご親戚のご自宅も津波の被害にあわれたそうです。
電気も水も、電波も届かなくなってしまった日常が
どれほど心侘しく、つらいものであったか計り知れません。
それでも、私たちと音楽をしたい、と
いの一番に言ってくださったのも早川先生です。
仙台市内の市民センターのほとんどは被災し、
また避難所に指定されておりましたが、
幸いにも練習会場が確保でき、
私たちは4月から練習を再開することができました。
また、演奏会も2012年2月19日に行うことができます。
(詳細はホームページをご覧ください!!)


今回の震災のために歌うことを続けることが
難しい合唱団もたくさんおりました。
日常もままならない方々や、
未だ友人知人の見つからない方、仕事に不安を残す方、
歌うためにはいろいろな支えがなくてはならないけれど、
未曽有の大震災が起こったそのあとにそれを取り戻すには
人それぞれ、たくさんたくさん時間が必要です。


10月に、そんな合唱団の方々と
ショッピングセンターで演奏をご一緒する機会がありました。
皆さんがおっしゃっていたのは、
歌うことをやめようかと考えたこともあったけれど、
仲間とともに歌を歌うことが楽しくて幸せなことだと、
改めて思えたということでした。
自分たちにも、歌い続ける意味はあるのだと、
強く実感できたひと時でした。

 
生きている意味を問いたださなくてはならないほど、
つらく悲しい出来事がたくさんの方に降り注ぎました。
そんななか、音楽がほんのひと時の安らぎを与えてくれると、
メディアは報じています。
それは、事実だと思います。
歌う側も、歌を聴く側も、安心して存在できるように、
まだまだ長い復興の道のりのさきがけとして、
歌を愛して止まない仲間たちとともに、
歌い続けようと思っております。


でぷれさん、本当にありがとうございました。
歌い続ける意味、音楽がもたらす安らぎを
被災地の方が語ってくださると
実に重みがあります。



でぷれさんからは写真も送って頂きました。



県大会の際の集合写真です。
おしとやかなポーズですが、
本番直後だというのにやる気に満ち溢れた雰囲気があります。


Épiceの「愛」の世界がホールに響くことを願っています!














2.神奈川県・関東支部代表
小田原少年少女合唱隊
(女声36名・2年連続の出場)



一般A部門に出場したマルベリー・チェンバークワイア、
マルベリー・クワイアの大元である
小田原少年少女合唱隊。


出場した時、私は「極上の口直しシャーベット」と
この団体を喩えています。
成人した男女の熟したステーキのような声に耳が疲れた頃、
小田原少年少女のコンクールを意識しない、
涼やかな声に浸ることができたら、
口直しのシャーベットを舌に乗せるように
耳も新しくなって、次の団体を聴けるのでは?…と。


しかし、世の中あまり上手くいかないもので
小田原少年少女の出番は早いことが多いのです。
前々回は1番目、前回は5番目、今回は2番目!
出場10番目のESTさんなんて
出番がどこでも充分実力を発揮できそうだから
小田原少年少女と出演順を替わってもいいんじゃない?!



・・・バカなことを書く暇があったら紹介文を進めましょう。
昨年の小田原少年少女の演奏は民族衣装での登場。
自由曲のコダーイ「夕べの歌」が
まさにこの年代にしか出せない純粋な美しさ。
そしてAte Netsikでは言葉遊びで楽しさを感じさせ、
本当にコンクールということを忘れさせてくれました。
今年はどんな選曲?
さあお呼びしましょう、春子さーん!

全日本合唱コンクールには1976年から
36回続けて参加しています。
全国大会への出場は今回で8回目になります。


子供は誰でも歌える力を持っていると信じて
オーディションは行っていません。
中には、東京や横浜から毎週土・日の練習に
小田原まで通ってくるメンバーもいます。
12月が募集の時期ですので
まわりに合唱好きなお子さんがいらっしゃれば
是非どうぞ!



課題曲はF1の「いとしのピュリスよ」です。


自由曲はチェコ、スウェーデン、ブルガリアの民謡3曲です。



1.Věneček (花の冠) 
チェコ民謡、作曲:
Zdeněk Lukáš(1928-2007)



作曲のズデニェク・ルカーシュ氏はチェコを代表する
作曲家・合唱指揮者で、声の扱いに精通していました。


この曲は、様々な場面で使われる4つの異なる花輪(リース)が
主題となり、民謡が組み合わさって作曲されています。
1つ目は、男たちが麦刈りの終わりに編んだ麦のリース。
2つ目は、少女の母親のお墓に供えられているリース。
3つ目は、チェコでは独身女性の象徴である緑色のリース。
4つ目は、婚礼の場面で花嫁となった少女が頭に載せているリース。
「花の冠」というテーマを通して、
少女の人生が描かれている作品です。


1999年に小田原でチェコ人の客演指揮で本邦初演して以来、
私たちの大切なレパートリーになっています。



2.Varmlandsvisan(ヴェルムランドの歌) 
スウェーデン民謡
共作詩:Anders Fryxell、Fredrik August Dahlgren
編曲:Jan Ake Hillerud


スウェーデン中西部にあるヴェルムランド地方の美しさを讃え、
「私は必ずヴェルムランドに帰ってきて、ここで生き、ここで死のう。
この土地でお嫁さんをもらったら、何の悔いがあるだろうか」
と歌います。
スウェーデンでは誰もが知っている有名な民謡です。



3.Sednalo e Djore dos(ジョレが座っている) 
ブルガリア民謡、 作曲:Stefan Mutafchiev


作曲のムタフチエフ氏は、共産政治支配下のブルガリアで
国家統一の目的で1951年から始まった合唱奨励運動の
先頭に立っていた作曲家です。
この曲は、2008年の岡山全国大会以来、3年ぶりの演奏になります。


「少年ジョレが家の前に座って、まだら模様の靴下を編んでいる。
そこへ少女が通りがかって聞いた。何してるの?
ジョレは答えた。誰か僕と結婚してくれる女の子がいたら
この靴下あげようと思って、編んでるんだ。
そうだ、いいこと思いついた。君と結婚して、これあげるよ。
少女が叫んだ。ジョレったら!」
という若い二人のやりとりをユーモラスに歌います。


なお、関東大会のときに複数の方から、「犬の声は誰?」と
ご質問いただいたのですが、これは「犬の声」ではなくて
ブルガリア民謡のかけ声によく使われる「しゃっくり」です。


それから、アルトに父兄のような大きな体格の少年がいますが
正真正銘の高校1年生です。


春子さん、ありがとうございました!
3団体の曲目解説と写真に改めてお礼を申し上げます。
今年の選曲もコンクールらしくない、
演奏会の1ステージのような選曲ですね、楽しみです!



さて、関東支部大会を聴いた人の感想では

恥ずかしい話ですが小田原の演奏「泣きました」
去年のエシュテ・ダルも良かったのですが
今年の曲、染みます。
Bを聞きに来る2日目の方々には
物足りないと感じるかもしれませんが
記憶に残る曲と演奏でした。


郡山でのCAの童画。
びわ湖でのGaiaのバーバーAgnus Deiなど
泣けた演奏は数えるほど少なく
そんなにコンクールで涙腺がゆるむこと無いんですが
泣けました。
惜しむらくは、曲が短かったこと
いつまでも浸っていたかったです。


え!何曲目なんでしょう?!
・・・気になりますね。
でも小田原少年少女に限らず
少年少女合唱団の演奏に涙腺が緩んだことは
私も何度もありますけど、
「何故?」って考えると不思議だなあ。
もう決して手の届かないものや、
失ってしまったものを連想させるからでしょうか。


他に関東支部大会を聴かれた人の感想では

小田原少年少女はマルベリファミリーらしく、
衣装もかわいく、
曲の構成も聴く人を楽しませる内容で楽しめました。
全国でも清涼剤のような演奏を期待しています。


うん!やっぱり「シャーベット」だ!



さて、春子さんには写真も送っていただきました。





写真はマルベリー・チェンバークワイアと同様に、
8月10日インドネシア聖アンジェラ合唱団との
ジョイントコンサートのときのものです。
ロニ・スギアルト先生に教えていただいたインドネシア民謡を
2団体合同で踊りつきで歌っています。

春子さん、今年も本当にありがとうございました。
小田原少年少女の世界に浸らせていただきます。
団員さんが緊張せず、存分に力を出せることを願って!













3.宮城県・東北支部代表
グリーン・ウッド・ハーモニー
(混声60名・13年連続出場)



昨年第1位のシード団体の登場です。
GWHの昨年の演奏、
課題曲は毎年、
どうしてこんな大人数でG1を上手く演奏できるのか?と
首を捻るほど力感、バランス、音楽の設計、
そして輝くようなイメージと素晴らしく。
指揮者:今井邦男先生の力を感じました。
自由曲はその緊張感の持続と
スピーキング・コーラスも交えた表現力の幅と
音楽による説得力を聴かせてもらいました。


今年はどんな選曲なんでしょう。
団員のMARさんにメッセージをいただきました。

先生曰く、「難曲探検隊」のGWHです(笑)


課題曲のファート(G1)については
ようやくハーモニーが
少しずつ決まるようになってきて、
美しい!と思う反面
なかなかイエスに付き従う喜びの表現ができず、
歌うたびにこの曲の難しさと深さを感じています。


自由曲:
1. Anton Webern
混声合唱のための「二つの歌」作品19
「No. 1. Weiß wie Lilien" Weiss wie Lilien(百合のように白く)」
「No. 2. Ziehn die Schafe(羊の群れが去れば)」


ゲーテの詩による曲で、
GWHには珍しくピアノ伴奏が入ります。
(元はチェレスタ、ギター、ヴァイオリン、
 クラリネットバスクラリネットという構成です)


どちらも1分程度の短い曲なのですが、
12音技法が凝縮されています。
1つのブロックで、1小節くらいの部分に
12個の音が規則的な順番で使われているのです!
そのブロックがいくつもいくつも組み合わされ
プリズムのように光をはなっています。


ウェーベルン
約2年ほどかかって作りだしたという小曲。
百合のように白い”水仙”が並ぶ様子や
緑の草原に羊の群れが過ぎ去る様子、
様々な色彩が込められた
ゲーテの美しい詩の響きまでを生かして作曲されています。
この小さな大曲の魅力を
どこまで伝えることができるかという挑戦です。



2.Arnold Schönberg
「De profundis (Psalm 130), Op. 50b」
詩篇130番 「深き淵より」 Op. 50b)


この曲は、5年前、熊本での全国大会で演奏しています。
しかし、見ればみるほどまだまだ奥深い曲!
ということで再チャレンジとなりました。


歌詞はヘブライ語(詩篇130番の原語)です。
12音を均等に使用しているにもかかわらず
調性を伴うハーモニーも感じられるという、
シェーンベルクが最晩年にたどり着いた、
12音技法の完成形。
その美しいハーモニーと同時に歌詞である詩篇が、
各パートにより語られます。
独特のハーモニーと語り、
様々な表情で表現された祈りを伝える事が出来ればと思っています。
12音技法の曲で、こんな美しい音楽が作れるんだ!と
感心してしまう作品です。
どの曲も基本に立ち返り、
ピッチ、ハーモニー、言葉のリズム、
音楽のリズム、発音、メロディーなどなど
あらゆる方向からこつこと練習して来ました。

うおう、今年もGWHの選曲!という感じですね。
「難曲探検隊」って(笑)。
どちらも12音技法の現代曲。
それでも「光のプリズム」と表す文章に
聴きたい気持ちが湧いてきます。
また凄い演奏なんだろうなあ・・・。
そして5年前の曲を演奏するとは
ここ数年GWHが取り組んでいる「体質改善」で
また新たな想いで演奏をしよう、という試みなのでしょうか。
楽しみです!



他、聴く人に伝えたいことがありましたら 、という問いには

まずこの場をお借りして、
全国の合唱関係者の皆さんから
励ましのお言葉や
ご支援をいただいたことに心から感謝いたします。


被災地で活動する合唱団は練習会場が被災、
または避難所になるなどして
今までの会場が使用できず、
新たな会場を探すところから始まりました。
私たちは4月初旬から
お寺や教会を借りて練習することができました。
正直、定期演奏会も開催できるのかどうかという
心配もありましたが
ありがたいことに予定していた日程で、
また予定していたホールで無事開催できるまでに至りました。


現役団員の中では、我が家が一番被害が大きかったようで^^;
ダンナ(Bパトリ)が津波で外に出られず、一晩職場に缶詰。
通勤に使っていた愛車も津波で全壊。
いつも利用していたJR仙石線はしばらく運休とのことで自転車通勤。
GWHの練習も自転車で通っていました。

自宅はマンションの高層階で揺れが激しかったらしく、
家具という家具がすべて倒れて壁には穴が。
しばらくはマンションの別棟にある
管理センターで暮らすという日々を送っていました。


命があっただけでもありがたいことです。
こうしてまた歌えるんですから。


本番は、それぞれの曲に対する思いを込め、
楽しんで歌えたらと思います。


あ、今年の「史上かつてない2次会」は
私たちが担当させていただきます。
皆さんのご参加、お待ちしてますよー!
団員一同、お会いできるのを楽しみにしております。

MARさん、ありがとうございました!


命があっただけでもありがたいことです。
こうしてまた歌えるんですから。


…こんな風に言えることの強さを感じてしまいます。
同じような境遇になったとき、
私はそんな言葉を出せるでしょうか。


そしてそして「史上かつてない2次会」!
この大変な催しを、GWHがやってくださるとは。
申し訳なさと同時に心から感謝の念が湧いてきます。
この記事がUPされたちょうど1週間後の今、
GWHのみなさんと盛り上がりたいですね。


参加するみなさん!客席で精一杯GWHを応援しましょう!!


さて、GWHには応援メッセージが届いております。
上野さんから・・・ってこの人、元MODOKI宴会部長で
現CANTUS ANIMAE団員の上野くんじゃないか!

CAかmodokiを応援するのが筋でしょうが笑
恐れ多くも、
昨年の一位の団体を応援するという、変な構図ですね。
実はGWHのKさんご夫妻には、
ここ数年よくお世話になっていて、
昨年の仙台の演奏会を聴きに行かせていただき、
代わりにCAの演奏会に来ていただきました。
GWHといえば、
非常にレベルの高い曲を毎年やられていて
雲の上の存在だったのですが、
お二人は非常にフランクで、
しかも酔っ払いで、非常に温かい方々です。
震災後、演奏会にお誘いをいただいたのですが、
都合が合わずお邪魔できませんでした。
震災後、歌を続けることに、迷いがあった、とメールがありました。
こんな状況なのに、、、と。
でも、続けることが、
自分たちの力になっているとおっしゃっていました。
それを聴いて、ただ、素直に、すごいな。と思いました。
青森開催ということで、2次会も開催してくれる、
GWHさんを心より応援いたします。


…じーん・・・。
このKさん夫妻の奥さんに私もお会いし話しているので
なんだかMARさんからのメッセージと併せて、染みます。


そしてEST代表のH.NODAさんからです。
(Kさん、どれだけ人気なんだ?!)

グリーンウッド・ハーモニーのKくんへ


また今年も全国大会で会えますね。
学生時代一緒に歌ったあなたと
1年に1回の再会を毎年楽しみにしています。
昨年は奇しくも表彰式の舞台上での再会となりましたね。
今年は東日本大震災
グリーンウッドの皆さんも
たいへんご苦労の多かったことと思います。
3月11日の震災直後、
通じないあなたの携帯番号を何度も押し続けたこと、
数日後あなたからの無事のメールに一安心すると共に、
仙台市内の会社ビルに缶詰になりながら、
ビルの窓から津波に車も何もかもが流されていく様子を
ニュース映像を見るように呆然と眺めていた」という
あなたのメールに衝撃を受けたことを今でも覚えています。
今回の全国大会で、
困難の中を歌い続けてこられたグリーンウッドの皆さんの
素晴らしい音楽に再会できることを楽しみにしています。


上野さん、H.NODAさん。
Kさん夫妻、GWHのみなさんに代わって心から御礼を申し上げます。
合唱団は人なり、を実感できた2つの応援メッセージでした。


MARさんにはGWHの写真も送っていただきました。




良い集合写真ですね。
今井先生、かっこいい!
GWH、私の最大限の拍手で迎えます!















4.愛知県・中部支部代表
合唱団ノース・エコー
(混声70名・2年ぶりの出場)



合唱団ノース・エコーと言えば
その「ノース」という言葉通り
北欧の曲を好んで演奏する印象があります。


その透明な声が北欧の響きに合っているのでしょうね。
今年の課題曲はG4
そして自由曲はSven-David Sandström
「Der Geist hilft unser schwachheit auf」
(御霊は我らの弱きを助けたもう)


ノース団員のバリトンのゲーマーさんから
メッセージをいただきました


各曲を選曲された理由を教えて欲しい、という質問には

ノース・エコーでは、コンクールにおける選曲は、
基本、指揮者である長谷先生が行います。
課題曲G4「やわらかいいのち」の選曲理由については、
「(讃岐訛りで)この曲は、ノースに合っとるけんね」
の一言で決定しました。
「やわらかいいのち」は、谷川俊太郎さんが
思春期心身症と呼ばれる少年少女たちに向けて作られた詩ですが、
私は、どうしても今年の東日本大震災と重ね合わせてしまいます。


生きようともがきつづけるひとつのいのち
 すべての硬く冷たいものの中で
 なおにじみなおあふれなお流れやまぬ
 やわらかいいのちだからだ


という歌詞は、
今大震災で被害に遭われている方への希望となるよう、
歌いたいと思います。



自由曲「Der Geist hilft unser schwachheit auf」の
選曲理由については、
長谷先生がSven-David Sandströmのファンだからです。
一昨年のコンクールの「Lobet den Herrn」、
昨年の「Komm, Jesu, komm」に引き続き、
バッハのモテットをモチーフにした作品です。
今回の「Der Geist hilft unser schwachheit auf」は、
2008年に作曲されており、
「Lobet den Herrn」「Komm, Jesu, komm」と同様、
ダブルコーラスの作品です。
聴きどころとしては、ダブルコーラスの掛け合いや、
tuttiになった時の音の厚みや、
ソプラノが歌うコラール部分が挙げられます。
聖霊への賛美、聖霊の祈り、聖霊の息吹、
聖霊の力などの表現を通じて、
歌の題名である「御霊は我らの弱きを助けたもう」が
伝わると良いなと思います。


2008年という比較的新しい曲なんですね。
バッハのモテットをモチーフにしているということで

元になったバッハの曲を聴いておくと



サンドストレームがどう料理したか、
より一層楽しめる・・・かもしれません。



この全国大会に対する意気込みや志がありましたら、という質問には

去年は出場できなかったため、
今年は、団員一同、
全国大会でノースの歌声を届けたいという気持ちで
練習に励んできました。
一皮剥けたノース・エコーを見せたいです。

そして聴く人に伝えたいことは、という質問には

今年も「史上かつてない2次会」に数名参加します。
ノースの演奏を聴いた感想を聞かせていただければ幸いです。

バリトンのゲーマーさん、ありがとうございました。
2年ぶりの全国大会。
喜びもひとしおだと思います。
「史上かつてない2次会」へ参加されるみなさん、
ノースの団員に会ったら
「(一皮)剥けてましたよ!」との声をかけて上げてくださいね!















5.北海道・北海道支部代表
Baum
(混声45名・初出場)



初出場おめでとうございます!
BaumはHPによると2009年に札幌で創立された
新しい合唱団のようですね。
大木秀一先生は札幌旭丘高校合唱部の指導者として
何度も全国大会に出場されていますが
指揮者の大木秀一先生のもとに集まった人たちで
作られたのがBaumという合唱団で、
札幌旭丘高OB合唱団というわけでは無いそう。


Baum」はドイツ語で「樹木」という意味ですが
大木先生の「木」から取られたのかな?



課題曲はG2:Der Augenblick(Joseph Haydn曲)
自由曲はMagnificat anima mea(J.Rutter曲)


初出場の勢いが、
ラターのポップさを感じさせるこの曲に力を加えて欲しいですね。



遥か昔、私が札幌の高校生だった時、
大木先生が指揮する藻岩高校での三善晃作品の演奏で
合唱に目を啓かれたこともあって
この団体、応援しております!