ハーモニー誌夏号が届きました。
穂村弘氏と清水敬一氏の対談がムチャクチャ面白い!
ネットで文章を書き始めた頃、
現代短歌にハマり、
桝野浩一氏と穂村弘氏の本を読みこんだ自分としては
とても嬉しく、興味深い対談でありました。
清水氏曰く、
「合唱の世界の深いところまで一気に理解した」考察が凄かったです。
今年のNコン課題曲「メイプルシロップ」は
穂村氏の合唱作品としてほぼ初めての作詩なんですが、
作曲の松本望さんから
「1番2番という概念はないんですよ」と指摘されて
「最初に言ってよ!」とか面白い(笑)。
「メイプルシロップ」、松本望さんの作曲で
最後の「仔猫の名前を思いついたよ」に触れて
清水 これで曲を終わらせる扱いがすごいですよね。
穂村 恰好いいしね。そうか、合唱の曲って
ワンフレーズごとにそこまで重層的に精密に
できているんだ、ってびっくりしました。
清水 合唱でいい曲を書く作曲家っていうのは、
そういう書き方をする人なんですよ。
大勢で歌っていて、違う時間が同時に流れることで、
受け取る一人の中に多層的な時間が入ってくるように
作ることができるところが合唱の良さ。
穂村 まったく違うパートが全体として
そうなるっていうのがすごく官能的ですね。
シンパシー(共感)や世界観の合意を重要視する
合唱の世界において
ワンダー(驚異)と多義性を旨とする
穂村氏の世界は異質であり、
だからこそ興味深いです。
久しぶりに今年のNコンはちゃんと聴いてみようかな。
↑ Amazon古雑誌のリンクですが
対談のオチに使われた谷川俊太郎氏の
「詩なんか役に立つわけないじゃない」発言や
シンパシーとワンダーについてなど、
この対談で興味が出たら、是非ご一読を!
そして「世界を覆す呪文」!
「短歌という爆弾」も是非どうぞ。