これにて、中締め…?

 

 

 

 

ぜ  ・・・  ぜんぱくさん


文  ・・・  文吾

 



10月某日夜のスカイプ


  今日、何話すんだっけ?
   あ、止める話か。


  そうですよ!
   「大物合唱ブロガーぜんぱくさん、
    人気企画あれやこれや中止の理由に迫る!」
   というテーマです。


  いや、超大物ブロガーの文吾さんに
   そんなこと言われるとねえ。


  …いい加減この気持ち悪いやり取り止めましょうか。


  (笑)。


  で、どうされるんですか?
   今年の
   「コンクール出場団体あれやこれや2015」は?


  いやあ、11年書いてきて、そろそろ潮時かな。


  11年! もうそんなになりますか。
   何か止めるきっかけはあったんですか?


  うーん…なにか最近、
   常連団体のことばかり書いてるような気がしてね。


  はあはあ。


  そりゃMODOKIなど常連団体は素晴らしいけど
   じゃあ常連じゃない団体が
   素晴らしくないかというと
   そんなことないわけでしょう。


  そうですね。


  久しぶりに九州大会を聴いたのも大きいね。
   沖縄の合唱団「い~すたん」さんとか、
   熊本のきらりさん、
   熊本の合唱団いひゅうもんさんとか凄く良かった。

 

 

  うん、いひゅうもんさん、良かったです。


  でしょう?!
   ああいう全国大会へ出場できないけど
   素晴らしい演奏をした団体のことを書く。
   そっちの方が良いような気がするんだよね。

   コンクールには否定的な論調があって。
   その気持ちもとてもよくわかるんだけど
   そうは言っても自分はコンクールに参加している人間なわけで。

   コンクールの全部がダメとは思わないし
   向き合えば上達するだけの何かは得られるしね。


  やりたい表現に必要な技術は鍛えられますよね。


  ただ・・・No.1を作ってしまうのがコンクールなわけで。


  「コンクール1位」という価値観を創造するのが
   コンクールというものですが。


  その価値観を限定していく側面があると思う。
   全国大会の常連団体が勝ち続けると
   多くの団体がその常連団体を目指し、
   それを越える何かを作ろうとするわけでしょ。
   または常連団体のアンチにしても
   結局、コンクールの価値観に組み込まれてしまう。
   その辺がコンクールの功罪の「罪」という気がするのよ。


  本来なら多様性がある音楽が
   コンクールによって限定されてしまう…。


  そう。全国大会だけに一生懸命になってくると
   価値観を固定化していく過程を見ているような気がしてさ。
   たとえば「良い発声とはなんぞや?」と
   求めるのは良いんだけど…。


  コンクール向けの良い発声、
   良い音楽を求めることによって
   切り捨てられる価値観みたいな問題でしょうかね。

   ・・・で、結局、今年は止めるんですか?


  うーん、どうしようかな~。
   どうしよう、どうしたらいい?


  (笑)。
   じゃあ初心に帰って、
   11年前にぜんぱくさんが「あれやこれや」を
   書き始めた時はどういう気持ちだったんですか?


  11年前は松山で全国大会があったからさ。
   ウチ(コールサル)のメンバーへ向けて
   書いたんだよ。
   そのころの彼らは全国へ出場する団体なんて
   知らなかったからさ。


  なるほど、
   「全国大会を楽しむためのガイドブック」
   みたいな感じですね。


  そうそう。
   でも今は出場団体の情報が多いし。
   全日本合唱連盟もツイッターで団体紹介してるし。
   常連団体のことだったら知っている人は多いと思う。
   だから自分の役割を終えている感じはあるかも。
   文吾さんも書いてるし(笑)。


  私は室内、混声部門だけですよ?


  でも、自分が今年止めたら
   大学ユース、同声部門も書くんでしょ?


  数団体だけですよ!


  いいねえ、嬉しいねえ。
   奇特な方がついに現れた!(笑)


  ついに現れた・・・って、
   8年前にも同じセリフを聞きましたよ(笑)。
   ぜんぱくさんが時間に余裕が無くて
   「あれやこれや、全団体書けない!」と困っていて
   「じゃあ半分、私が書きましょうか?」というのが
   始まりですから。


  そうか、もう8年になるんだ!


  本当にねえ(笑)。
   過ぎてしまえばあっという間でしたけど。

   じゃあ今の読者にはどうなんですか。
   「コーラス・どーなっツー」で知り合った大学生が
   今年初めて全国大会を聴きに行く!
   「ぜんぱくならではの紹介をしてやるぜ!」
   みたいな心意気はないんですか?


  ないよ。


  即答(笑)。


  それは冗談だけど。
   …そもそもどれだけ読まれているかわからないし。


  あれ? アクセス数でわかりませんか?


  それはわかるけど、
   一番読んで欲しい大学生は
   読んでくれてない気がするなあ。


  そうなんですかねえ。


  あと、全国大会へ出場するような団体は
   やっぱりみんな上手ですよ。
   だから、そうじゃない団体を大事にしたい。

   最初は全団体の感想を書いていたじゃない?
   あれって銅賞で肩を落としている人たちに
   「そんなことないんだよ。
    自分は凄く心動かされたんだよ」
   と言うつもりだったの。


  なるほど。


  だから、いまは全国大会でも銅賞や
   支部大会、県大会で埋もれている団体の
   感想を書こうという気持ちの方が強いなあ。
   そういう意味では初心に返っているかもしれない。

   あと、コンクールってどこへ行くんだろうな?と。
   いま47歳なんだけど、
   10年前もいまと同じことやって、
   で、10年後も同じことやってるのかな。
   それがなんになるの?と。

 

 

  ・・・・。


  コンクールじゃないものも含めて
   もっと良いものにして
   次の世代に渡すみたいな役割を
   そろそろ我々の世代が担っても良いんじゃないかな、と。


  うーん、そうですか・・・。
   ところで、私の話もして良いですか?


  私? どうかしたの?


  「あれやこれや:出張版」、
   今年いっぱいで止めようと思ってるんですよ。


  本当に?! 引き継ぐんじゃないの??


  引き継がないですよ(笑)。


  ・・・でも、そう言いながら
   来年になったらまたやるんでしょ?(笑)


  いや、来年から休むか、
   数団体だけを取り上げるかわからないですけど、
   全団体を紹介するのは今年が最後、中締めです。
   体力的に難しくなってしまって…。

   実は、去年全国大会から戻って
   寝込んで職場を3日間休んでしまったんですよ。


  あのね、それ気合入れ過ぎ、おかしいでしょ。
   がんばりすぎだ!(笑)


  あと、ぜんぱくさんも言ってましたけど
   「読んで欲しい人に読んでもらえない」問題。
   出張版は、出演する人たちに読んでもらいたいけど、
   そのほかに、全国大会を目指す、
   特に地方の人たちへ向けているのもあったんですよ。
   それで全団体を紹介することが
   その人たちに届くことになるのか疑問に思ってしまって。


  なるほどね。
   で、来年からどうするの?


  どうしましょうかねえ。


  文吾さん的にはどうなればいいの?


  どうなる、とは?


  合唱がどんなふうになれば
   良い感じになるとかさ。
   プレイヤーじゃないんだから
   客観的に見えるわけでしょ?


  …う~ん、コンクールに限らなくても良いんですか?


  いいよ。
   例えば10年前、京都の合唱シンポジウムも
   凄く良かったよね。


  素晴らしかったですよね!
   …自分はDVDを観ただけですけど。
   そうですねえ、ああいう海外の団体も良いですよね。
   宝塚国際室内合唱コンクールも意義ありますし。


  海外の団体かあ。


  あとはプロフェッショナルの団体。
   たとえば東京混声やBCJ。
   そういうプロの団体と海外の団体の演奏を
   アマチュアの団体がただ聴いて
   「良かった。でも自分たちとは違うね」って
   箱にしまっちゃうんじゃなく、
   交流やジョイントコンサートができないかなあ。
   それで影響が受けられれば
   アマチュアの合唱ももっと面白くなるんじゃ。


  良いじゃん!
   多様な価値観がちゃんと伝わる機会が
   増えれば良いね。


  どうなればそうなるか、
   まったくわからないですけどね。


  まず、言葉にすることに意味があるんじゃないかな。

   ・・・そうか、今年で文吾さんの連載も終わりか。
   じゃあ、自分もやろうかな。


  えっ。


  紹介文を書くこと自体は嫌いじゃないし。
   一緒に最後の花火を上げて終わろうか、ぽんっと。


  意外な展開に(笑)。
   でも、本当に良いんですか?


  いいよ、やろうよ。最後の「あれやこれや」。


  わかりました!
   では、ぜんぱくさん、文吾の最後の
   全国大会出場団体紹介企画、
   「あれやこれや2015」、
   11月上旬からの開始をお待ちください!


  お待ちください!
   ・・・まあ、自分は気楽に書くけどね。
   しょせん居酒屋のダベリ話風だし(笑)。


  またそういうことを(笑)。




(おわり)