全国大会あれこれ・後編





全国大会で起こったあれこれを紹介する「全国大会あれこれ」。
今回は後編です。




「フリーダー・ベルニウス氏の講評」

ドイツから審査員としていらっしゃったフリーダー・ベルニウス氏。
シュトゥットガルト室内合唱団などを指揮される、合唱音楽の巨匠です。

2日目の講評では

「コンクールの中にアカペラとピアノのついた合唱作品とが混在する状況で審査するのは難しい。
両方を必須とするルール改定をされてみては?」

…というお言葉があったそうです。
「ピアノ協奏曲のような曲もありました」とも。

なるほど、声だけの響き、ピアノと声の響きや音楽を同列上に評価することの難しさ。
参加者のハードルは幾分高くなってしまいますが、「演奏曲には必ず無伴奏の作品を1曲含む」など、検討しても良いご提案だと思いました。


 

 



「演奏中の体調不良」

ある団体の演奏中、一人の団員さんが貧血を起こしたようにふらつき。
隣の団員さんが腕をつかんで支えたり、その方を座らせ、一緒に座って寄り添い、歌い続けられたことがありました。
そんな団員さんたちの気づかいのため、演奏は止まることなく終わることができました。

演奏中の体調不良は、どなたにも起こり得ることかもしれません。
元から貧血気味だったのでしょうか?
体調は戻られたのでしょうか?
気になったので、知人経由で質問をし、その方からメッセージをいただきました。


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体調に関してはその後は大丈夫です。
私は正直あのことを忘れたいと思う気持ちもあります。
今後ステージに上がることが少し恐怖になりつつあり、辛い気持ちがあったのも事実です。
しかし、こういう事態があったからこそ、私が合唱人の皆さまに伝えられることがあるのでは、またこういった事態を二度と引き起こさないための役に少しでも役立てるのではないかと、そう考えておりますので文吾さまの質問に是非お答えさせていただきたいと思います。

まず、演奏中のことなのですが、自由曲の最初の方から記憶が全くありません。
無意識で歌っていたようなのですが、途中で座らされてから意識が戻りました。
朦朧とはしていたのですが、曲の最後の方は、演奏をなんとか続けなくてはという思いから立ち上がって演奏しておりました。
演奏終了後は悔しさと申し訳なさ、おそらく体調不良による興奮状態もあったのでしょうがしばらく泣いており、医務室のようなところで何人かに慰め、落ち着かせられていました。
その後30分ほどで落ち着いた頃には体調は大丈夫なように感じました。

元々貧血気味…でもありませんが、身体がタフな方とは言い切れません。
ただ私は合唱を10年ほど続けて参りましたが、このようなことになったことは今まで一度もありませんでした。
それ故に体調不良を感じた際もおそらくどうしていいのか分からず、ほかの団員に促されなければ倒れていた可能性もあったと思います。

文吾様のブログにおいて、観客賞で〇位を頂いたことは大変喜ばしいことだと思いますが、正直素直に喜べないところもあります。
これほど練習してきたのに、満足いく歌唱をすることができずとてつもなく悔しい思い、周りの仲間たちや、聴きにきてくれた関係者の方にご心配とご迷惑をおかけした申し訳ないという気持ち。
そして私たちの歌を評価していただけるこのような場で、私が体調不良を起こしてしまい、他の団員に助けて頂いたと言うことで、自分が言うことではありませんが、ある種イベント性が出てしまい、純粋な評価を頂けていないのではないかと懐疑してしまう自分もいます。
私はまだ〇〇(合唱団名)に所属して浅いですが、〇〇は実力のある団だと思います。
しかし今回の事態も含まれ余分な同情票もあるのではと勘繰ってしまう部分もあります。
それが本当に悔しくて団員にどう恩返ししていくか、その事しか今は考えておりません。

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辛い出来事について真摯にお答えいただき、本当にありがとうございました。

 

この方の書かれるように、10年歌い続けて今まで一度もこのようなことは無かったということから、今後、どなたでも起こり得ることと考えて良いでしょう。
知人からも、他にステージ上で体調を悪くされた方の話を何例か教えてもらいました。

札幌の合唱団Le camaradeさんも、非常に役立つ、このようなツイートをされております。



「演奏中、気分が悪くなったらその場に座る」
「気分が悪くなった団員を見かけたら、意識の確認をして、対処を決める」

繰り返しますが、倒れそうになったこの方を決して責めるのではなく、これを機会に、ステージに立たれる全員共通の知識として、周知徹底すべき事柄なのではと考えます。
体調不良になられた方の合唱団のブログでは、こう書かれていました。

演奏を直接ご覧になった方は色々と心配している方もいらっしゃるかも知れませんが、本番後にはみんなで元気に打ち上げする事が出来ましたのでご安心下さい!笑

『みんなで元気に打ち上げする事が出来ました』…ということなので、体調不良になられたこの方も、変わらず仲間のみなさんに受け入れられたのではないでしょうか。
これからも歌い続けて欲しいと願っています。

 

 

 

 

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「史上かつてない2次会 大学ユース編」


合唱団の垣根を越えての宴会「史上かつてない2次会」。
今年も1日目、24日の22時半から大学ユース版が行われたと聞き、幹事団体の北海道大学合唱団:大槻さんからメッセージをいただきました。

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二次会では124名集まりました!
流れとしては、各団体が集合してから団紹介をして、そこからは歓談をする普通の飲み会の形でした。

エピソードとしては、北大合唱団のみんなは滅多に話せない女子と話せてとても喜んでいました笑
また、他団にいる高校の同期と再開している人がいてとても盛り上がっていました!(例えば旭川東高校のOBOGで集合していました!)

最後には鴎や夢みたものはなどをみんなで合唱しました!

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おお、124名も! とても良いことですね。

…一応「北大合唱団のみんなは滅多に話せない女子と話せてとても喜んでいました」件について「これ、載せても良いんですか?」と尋ねたら「全然大丈夫です!」との答えが(笑)。
ありがとうございました大槻さん、北海道大学合唱団のみなさん!








「史上かつてない2次会 オトナ編」


全国大会が終了し、各団体の打ち上げが終わった22時半に中島公園近くのホテルで、団体の垣根を越えた「史上かつてない2次会」が行われました。
来場者数は197名。
それぞれに名札を付け、古くからの知り合いや、初めましての方との交流は、毎回思いますが楽しく、非常に貴重な会だと感じます。
幹事を引き受けて下さったのは、9年前の札幌での全国大会に続き、弥生奏幻舎"R"さん。

 

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会の後半には木下牧子先生の「夢みたものは…」をMen's Vocal Ensemble“寺漢”指揮者:寺沢希先生の指揮で。
木下牧子先生の「鴎」を菅野正美先生の指揮で。
「いざ起て戦人よ」を全日本合唱連盟副理事長の梅山登先生の指揮で。
最後に「大地讃頌」を雨森文也先生の指揮で大合唱をしました。


“寺漢”団員:山氏さんがツイートされていた「夢みたものは…」の動画です。

 

 


幹事団体、弥生奏幻舎"R"代表のまぐろ。氏からメッセージをいただきました。


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出場された皆さんはお疲れの中、遅い時間の開催にも関わらずたくさん集まっていただきました。
今回は出場していない人でも誰でも参加できますとアナウンスして、実際演奏を聴いていた方々にも多く参加していただきました。
(実際はこれまでも我々Rのメンバー含め、どこかの合唱団にまぎれて2次会に参加していたわけですが。)

文吾さんのブログでも紹介していただいたおかげで個人参加の方から多くのご連絡をいただきました。
今までもこの2次会に参加したかったけれど「出演しない」「つてがない」とあきらめていた人たちがいたのかもしれません。
幹事としての手間は増えましたが、多くの人に喜んでいただけたのなら良かったです。
終わった後にたくさんの方から感謝やねぎらいの言葉をかけていただいたのが何よりです。
スタッフとして頑張ってくれたRやどさんコラリアーズのメンバーも喜んでいました。

出演した合唱団への連絡については昨年幹事だったCAの担当の方や文吾さんにも多大なご協力をいただきました。
改めて感謝いたします。
9年ぶりの幹事でしたが、前回よりも疲れました(笑)。
来年以降はまた一参加者として皆さんとご一緒できればと思います。
ありがとうございました!

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2006年の熊本から始まったこの「史上かつてない2次会」。
各支部の方たちのご協力によって毎年続けられています。
こちらこそ、弥生奏幻舎"R"やどさんコラリアーズのみなさんにお礼を申し上げます。

来年の全国大会は京都!
既に課題曲も発表されています。
宿や宴会場の問題など、いまから不安と期待でドキドキしますが、また懐かしく、そして新しい方や音楽との触れ合いが出来るかと思うと楽しみです。

それではみなさん、来年は京都でお会いしましょう!


(全国大会あれこれ おわり)