まだ間に合う!良配信3選最終回「第72回東西四大学合唱演奏会」

 


昨日までのお勧め配信は

「東京混声合唱団コン・コン・コンサート2023」

 

「クール シェンヌ第20回演奏会」

↓ 配信チケットリンク

 

……をご紹介してきましたが、今回は最後の

「第72回東西四大学合唱演奏会」!
同志社、慶應、関西学院、早稲田といった東西4大学、大学男声合唱団の雄によるジョイントコンサートが良かったのです!

 

オンライン配信 ¥1,000 (手数料別)
アーカイブ配信期間:6月30(金)23:59まで

最初の同志社グリークラブ(26人)。
「東欧の合唱曲」と題したステージでトランペットと打楽器を伴う華やかな始まり。
勇猛な兵士の歌で、このジョイントコンサートに激しく切り込む!
作品に合わせ隊形を変え、最適な響きを志向し。
曲名も詩もわからないのですが、自由を希求し闘う兵士たちの痛み、激情のようなものが、精一杯歌う同志社グリーのみなさんから伝わってきました。

残念ながら配信ではプログラム読めないし、Eugen Suchoň(エウゲン・スホニュ)というスロバキアの作曲家以外は、作曲家も曲名も同グリは現在に至るまで公開していないのが残念(涙
(6/28日追記:個人的に曲名と作曲家を教えていただきました。感謝いたします。ただ情報を教えて下さった方からは「公開して良いかわからない」とのことなので、同グリさんの曲名と作曲家を公開すると、命が狙われる可能性があるのかもしれません……。涙を呑んで公開は控えます。
と言うか、昨年はプログラムを配信視聴者にも公開してたんだから、せめて楽曲紹介ぐらいは読みたいなあ!
 演奏前の配信画面には「本日のパンフレットデータは、HPにて公開しております」と書いていたけど、HPアドレスも無いし、検索しても見つからない。ツイッター公式アカウントには全く記述が無い。
 「(パンフレットデータは)右のQRコードからもご覧いただけます」と書いてあったので試したら、なぜかワセグリHPが出て、フライヤー以上の情報は出てこなかったので、もうなんだか面白くなっちゃったよ笑)

 


慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(56人)の多田武彦「雪明りの路」は全曲アタッカで青春の懊悩と爆発をぶつけてくる凄みがある演奏。
古典と評価される作品を、今を生きる若者たちの歌として臨場感ある、実に優れた歌唱で、これこそ大学男声を聴く意味だ!と納得させられました。
若き伊藤整が小樽の街で見つめた人たちと感情、その背景としての雪が迫ってくるよう。
特に最後の激しい「雪夜」でdur に変わってから何故か涙が。
個人的には4団体で飛び抜けた完成度と思いました。


関西学院グリークラブ(ステージ21人)は「Barbershop Showtime!」と題したステージ。
ネクタイを外し、音楽に合わせた振りなど実に楽しい!
選曲も聖者の行進、Ride the Chariot、ジェリコの戦いなどよく知られているナンバーをバーバーショップ風のアレンジ、歌い方で興味を惹きつけ。
続いてゴスペル、団員が考えた振りを前面に押し出した曲など、変化に富み、ステージ構成が上手い。
そういや「珠玉のハーモニー」で関学さんの曲を選ぶとき、ぜんぱくさんは多田武彦作品を推したのですが(もちろんそれは非常に良い演奏で、コンクール的にもタダタケは貴重で珍しいのでぜんぱくさんが推した理由も納得)

自分はチルコット編曲の「ジョン・ニュートンのアメージング・グレイス」とバーバーショップ寄りの曲を推し通してしまった(ぜんぱくさんすみませんでした)
「合唱」枠外の人たちを「こんなカッコイイのもあるんだな、合唱!」と思わせる、バーバーショップのステージにはそんな力があると思って。
今回の関学ステージの抜粋だけでも、東西四連の宣伝として動画の広告を出せないものかな。


早稲田大学グリークラブ(35人)は三宅悠太先生指揮でご自身の作品を。
とにかく渡辺研一郎先生のピアノがすっばらしかったよね!
繊細なだけではなく、三宅作品の世界を作り上げているという納得。
やはり三宅作品は音響空間込みだと思うので、生で聴きたかった思いもあったけど、爆発力ある歌から「あぁ、ワセグリを聴いてるな~」という満足。
それが渡辺先生のピアノと合わさり、不思議な魅力を表出しているように。
特に混声版で聴き慣れた、男声版委嘱「ひとめぐり」は、編曲の意味がある演奏で良かったです。


アーカイブを聴いて思ったのは、選曲が4大学それぞれ個性があって実に面白いこと。
他大学の多くが演奏する邦人作曲家で、人気の三宅作品を演奏したワセグリも、三宅氏の指揮、男声版委嘱初演とプロデュース力が高い。
統括する方か、各指揮者の見識が幅広く、深いんだろうなあ。

芸術は他人と違う表現、オリジナルを求める面。
それに反する教育的な「みんな同じで」という面、だから特に教育的な合唱では難しいかもしれないけど。
でも料理を持ち寄るパーティーで「アイツもカレー出すのかぁ。じゃあせめてトッピング変えたら食べる人喜ぶかな?」と考えるように、選曲も考えてくれる人が増えたら嬉しいなと。

そんなわけでゴチャゴチャ書いてきましたがみなさん、東西四連の配信、お勧めですよ!

今回の東西四連のコピー

 

「僕たちは絶対に
 男声合唱を終わらせない」


若き合唱人たちの思いに応える心で、ぜひ!!

 

オンライン配信 ¥1,000 (手数料別)
アーカイブ配信期間:6月30(金)23:59まで

早稲田大学グリークラブOB会によると
「演奏会パンフレットによると、各校のオンステメンバーは早稲田35人(うち1年生3人)、慶應56人(同26人)、関西学院34人(同9人)、同志社26人(同9人)」 
……うーむ、勧誘頑張ってー!!

 

合同演奏は上田真樹「終わりのない歌」、恋の歌ということもありアン・サリーのこのツイートを思い出してグッと来ました。
来年もどうか1団体も欠けず開催できますように。

 

「若葉の季節は過ぎ去るものと知る身には余計切なく美しく、我が眼の蛇口は始終故障状態。今を生きよ!恋せよ!」