全国大会あれこれ 前編

 

 



全国大会で起こった出来事を紹介する「全国大会あれこれ」。
久しぶりの復活です。


 


●良いところだね、鳥取

 




来る前まではホテル不足が指摘され、
さらに約ひと月前には鳥取県中部地震も起こり
「大丈夫?」と心配されていた全国大会。

私も隣県とはいえ行ったことの無い県。
岡山駅から特急スーパーいなばに乗り
(途中の駅で座席の向きを逆にするのに驚く)
夕方に着いた鳥取駅。

 

 

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改札から降りてまず目についたのは「歓迎」の看板!
駅や街のあちこちに「歓迎」の張り紙があり。

 

 

 

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それ以外にも飲食店やタクシーの運転手さんや
温泉番台のおばあさんに至るまで歓迎モードで
「…良いところだなあ、鳥取」と思ったのでした。

飲み会の帰りに寄ったマッサージ店のお兄さんが
「鳥取でこんなにたくさんの人を見たのは
 初めてですよ!」と言っていたので
そういう理由があったのかも・・・。


 

 

 

 

 

 

 

 

 



●鳥取県民の心を騒がせた演奏

 

 

 


19日の大学ユース部門、
5年ぶりの全国出場となる
混声合唱団名古屋大学コール・グランツェさん。
課題曲:角を吹けが終わり、
続けて自由曲の「貝殻節」を演奏中に
その「事件」は起こった!


 


そう!地元のおばあちゃんが
グランツェさんの「貝殻節」に反応して
つい拍手をしてしまったのですね。
一瞬「演出?」とも思ったけど
1階客席から聴こえてきたのでそんなはずはない。
(あ、ちなみに「してさまう」→「してしまう」だそう)


知人のこのツイートを見て、
おお、そうなんだ~と納得したのですがさらに。

 

 

グランツェの拍手について、どうしても言いたいのは、貝殻節は、地元のおっちゃんおばちゃんがへべれけに酔っ払うとついつい口をついて歌い出してしまうくらい、地元のひとが大好きな歌なんだってこと。お祭りのときに、誰もが知ってて、歌えて、楽しめる、息づいてる民謡だってこと #69鳥取合唱

 

・・・なるほど。
地元の人を思わず拍手させる演奏をしたグランツェさん。
コンクールとしてこの拍手は
マイナスだったかもしれないけど
(ちなみに金賞第2位を受賞)
10年後も20年後にも
「自分たちの演奏は、演奏中に地元の人が
 思わず拍手してしまった演奏なんだよ!」って
自慢できるんじゃないかな?

 

いろんな意見はあるだろうけど、
少なくとも自分はいづみさんのツイートを見て
そのおばあさんを咎める気持ちは消えてしまいました。

 

 

 

 

 

 







●音符と音符の間に書かれているもの

 

 



審査員:池辺晋一郎先生の講評が素晴らしかったという
意見が多かったので
CANTUS ANIMAE団内指揮者:H鹿さんによる聞き取りと
I.C.Chorale指揮者:村上先生のツイートを転載します。

 


作曲を生業とするものとして
楽譜をどうとらえるのかということ。
ステージに関係するものとして
ステージの意味ということについてお話したい。

楽譜には書きたいことの10分の1も書けないもの。
残りは?というと行間にある。
それを探し出して、
紡ぎなおさないと音楽にはならない。
自分たちの音楽としてショウカ、
これは消化と昇華の二つの意味で言っていますが、
ショウカしたものが音楽として説得力をもつ。
そこまで表現しないといけない。

次は響きの大切さということ。
歌い手の表情や視線を見ると指揮者を見ている。
その図形の中で(音楽するのでは)つまらない。
空間を感じること、響きの大切さ。
このような響きの良いホールで演奏できることを
大事な体験として生かしてほしい。
いくつかの団体は明らかにそれができていた。
しかし、音楽は野原で歌っていい。
(空間を?)仲間と遠く飛翔させて。

 

 

 


H鹿さん、村上先生、ありがとうございました。




(全国大会あれこれ 後編に続きます)