観客賞座談会:大学ユースの部 最終回




間が長く空いてしまい大変申し訳ありませんでした。
更新を再開いたします。
今回は大学ユース部門、最後の2団体です。


 




北海道大学合唱団

(男声38名)

 

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この団体は文吾さんに語ってもらいましょうか(笑)。


文吾 おぅ!いくらでも語ってやるぜ!


がんばって!(笑)


文吾 いや、あの課題曲のプーランク、
   大学ユースで唯一泣けたんだよ。

   みんな何階で聴いたの?
   3階の人ー? 3人。
   2階の人ー? 4人。
   1階の人ー。 ・・・いない。
   …1階で聴いたらみんな泣けたんだって!!


一同(笑)。


偏愛だよね!(笑)


文吾 いや、審査員の先生も
   1階で聴いてたら
   銅賞なんて与えなかったはず!(笑)

 

 

課題曲のフランス語が綺麗でしたね。


男声合唱で、あれほど声に透明感がある団体は
なかなか無いなとは思いました。


文吾 うん、わかってるねキミ!(笑)


ツイッターでクリスマスライブとか
いろいろやらかしている雰囲気なのに
あの声はズルいな!と(笑)。


文吾 「ギャップ萌え」ってやつかな!


一同 そうかなー?!


文吾 自由曲(鈴木輝昭「満天の感情」から3、5)も
   音だけ合わせて押し切る演奏じゃなく、
   速いテンポの中、表情を鮮やかに変えていて。


うーん…、この組曲は全部演奏して、
初めて音楽の狙いが出る作品だと思うんですよ。
抜粋だと難しいような。


そう、1曲の中に音楽上のアイディアが少ないから。
組曲を全部演奏するんだったら
こういうアイディアの曲があると納得できるけど、
抜粋しちゃうと面白みが無くなっちゃう。


文吾 むーん…。
   確かに演奏全体を通して
   メリハリやインパクトが強かったか?と言うと…。
   でも良質な響きと流れの中に、
   繊細な美しさを見事に表出していたんだよね。
   豊田早苗先生のピアノも相まって
   「男声合唱ってこんなに美しい一面もあるんだ!」と
   感動を新たにしたんだけどな・・・。


自分、ステージの横が良く見える席だったんですけど、
指揮者の尾﨑あかり先生が
団員を引っ張ってるなー。
気迫が凄いなー!と。


なるほど、先生のスタイルが良くて美人だったと…。


そんなこと一言も言ってない!(笑)


自由曲の前に尾﨑先生がちょっと指示したら
団員さんがバッと一瞬で移動したでしょう。
「うわー、かっけー!」
「…女王様系ってなんかいいな」って。


一同(笑)。


違う! 指揮者が女王様なんじゃなくって
歌い手が勝手に下僕になってるんですよ!


一同(笑)。


尾﨑先生の練習の出席率は格段に上がってるって!


北大合唱団の秘密が暴かれてしまった…(笑)。



《文吾の感想》

課題曲はまさに透明感ある声が
プーランクの世界を見事に表出していました。
その美しさに陶然となっているうちに涙が…。
自由曲はいわゆる「男声」の
粗暴な押せ押せのイメージから遠く離れた
柔らかく、精妙な響きと表現。
鈴木輝昭作品の奥深さを感じさせるだけではなく
「男声の響きとはここまで美しいものなのか!」とまで
思わせる演奏でした。
本当に、1階席で聴いてもらったら印象が違ったはず!








九大混声合唱団

(混声111名)

 

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良かったね!


うん! 課題曲「子どもは……」、
並びがバラバラで歌っていたんだけど
一人ずつ想いを込めて歌っている実感がありました。


良かったです。
あの並びは成功していましたね。


響きやバランスの難しさから
自己満足だけで成功しない団体が多いんだけどね。
九大は大成功!


ソプラノが上手かった!


そうそう。
最初は軽いかなーと思ってたんですけど
声の明るさ、垢抜けているなあ!と。
そして自由曲(信長貴富「春と修羅」から2)に
ガッと重みが付いて「イイ感じ!」。


この自由曲、九大にスゴイ合ってた!


若さとシンクロしていたよね。


昨年、Combinir di Coristaの素晴らしい演奏があって。
でも九大は九大でまた新たな切り口で
この作品を聴かせてくれましたね。


県大会からの成長が凄かったです!


昨年の課題をちゃんとクリアして
乗り越えてきましたね。
金賞おめでとうございます!



《文吾の感想》

昨年はどこか雑然とした印象があったのですが
今年はパートごとにまとまりがあり
説得力が非常に増していました。
課題曲は作品に対する共感がとても伝わる演奏。
フレーズ末のゆとりが印象深かったです。
自由曲は緊張感があり、表現も彫りが深く。
宮澤賢治の世界に若い魂が共感しているのが
とても伝わりました。
最後のハミング、晴れやかなハーモニーが染みた!



メール投票では

 


端正に三善歌い上げ、信長素晴らしい

 


個人的に一番ホールを鳴らせたと思います。
九州大会から格段に良くなったと思いました。
3賞に食い込むのではと期待しましたが。
でも、金賞は納得の結果でした。


…という感想がありました。










《大学ユース部門全体を振り返って》


全体的にレベルが凄い上がった・・・。


そうそう! 聴き応えがありました。


大学ユースって今まで
気楽に聴いていた部分があったんですけど
今年はそんなこと無かったな。


銀賞までの団体ならどこが金賞でもおかしくない、
実力伯仲の印象でしたね。


賞は誤差の範囲内だよ(笑)。


良い演奏が多かったのは同意だけど、
この東京芸術劇場というホールが
上手くお化粧している感じはあったかな。


でも、3階席だと届いてこない団体はあったんですよ。
ちゃんと歌わないと聴こえない。


当たりの強い声じゃないと
まっすぐ飛んでこないみたいな、ね。


弱声も芯のある声じゃないとダメ。
単なるささやきだと聴こえなかったな。
場所によって聴こえ方が大きく違う、
難しいホールでしたね。


来年は札幌のキタラホール!


札幌市民が誇るホールですからね。
大学ユースのみなさん、
良い演奏を期待しています!



(室内合唱部門の座談会に続きます)